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2月のカミキリ~ヒロバフユエダシャク♀

2月のヘリグロチビコブカミキリ

この冬最強の寒気の影響で午後には雪もパラついた先日──昼間もすこぶる寒かった。こんな日は出ている虫も少ないだろう……と思いつつもギボッチ(擬木ウォッチ)に出かけてみると、このところ見ていなかったヘリグロチビコブカミキリが見つかった。


今シーズンも12月・1月・2月と確認することができた(僕にとっては)《冬のカミキリ》。この日はふだん目にする他の甲虫類は見られなかった──そんな寒い日にも出ていたヘリグロチビコブカミキリおそるべしっ!
柵にとまったままでは撮りにくいので、慎重に落ち葉に移動願う。手袋をしたままでは指先の感覚がにぶるのでこれをとって素手での作業。






触角を体に沿わすように倒しているときはじっとしていることが多い。なので、こんなときは撮りやすいはずなのだが……いつもながら、小さすぎて苦労する。願わくは触角を広げてくれると「カミキリらしい」感じがでるのだが……。


はたして触角を広げると、今度は歩き回ってさらに撮りづらくなる……。右手でカメラを構え、左手でヘリグロチビコブカミキリを乗せた落ち葉をコントロール。
ヘリグロチビコブカミキリの動きに合わせて、左手指先のみで落ち葉を持ちかえながらシャッターチャンスを待ち続けるが……そのうちに手はかじかんでくる。寒さで指先の感覚がにぶってきた頃、突然の風が──落ち葉はあおられ、被写体は落下してロスト……何度こんなことをくり返したことか……。

ところで、僕は基本的には《虫には積極的に触れない》。見つけたときの「目にうつった状態」そのままを記録しておきたいという思いがあるからだ。引きの画面の中にワイプで昆虫を入れるのも、そんな生の現場感のようなものを残しておきたいという思いから。
ただ、「そのまま」ではうまく撮れなかったり、大きさを表現したいときなど、「やむなく」指にのせたり落ち葉に移動させることはある。指に乗せるのは光線(日光)の角度や撮影アングルを調整したり、とけこみやすい背景と分離するため、あるいは指や爪との比較で虫の大きさを表現するためであって、けっして好き好んで「指乗せ」をやっているわけではない。もちろん触れてみて初めてわかることもあったりするし、虫に触れること自体に抵抗は無いのだが、できれば、虫に失礼のないよう触れずにおきたい……というのが本当のところ。

ところが……先日僕のブログを見た人が、シャッチー(シャチホコガ幼虫)を指に乗せいてる画像を見て「かわいくて指に乗せている」と思ったらしい。考えてみたら、そう誤解されてもしかたないのかもしれない!?
シャッチーを撮ったことのある人ならわかるだろうが……ナチュラルな状況で希望の角度・希望のポーズを撮るのはなかなか難しい。動き出すと追尾しながらのアングル調整が大変なので、ついコントロールしやすい指に乗せて撮ることになってしまうのである。
──ということで、「指のせショット」はやむなくやっているということをあらためて表明しておくしだい。

さて、寒かったこの日、見かける虫の種類は少なかったものの、フユシャクはそこそこ見つかった。このところ常連組のシロフフユエダシャクとフユシャク亜科が続く……。
今、最も多いシロフフユエダシャク♀は前回紹介した個体のように翅の形がハッキリわかるようなきれいなポーズをとっているものが、なかなかいない。






翅の形がわかりにくいシロフフユエダシャク♀たちに「今シーズンはまだ見ていないヒロバフユエダシャク♀みたいにビシッと翅を広げられないものかねぇ」などと心の中でボヤきながらギボッチ(擬木ウォッチ)コースを周り終えようとした時──そのヒロバフユエダシャク♀が目にとまった。この日の最後・31匹目のフユシャク♀だった。

小さな前翅&大きな後翅・ヒロバフユエダシャク♀





退化した4枚の翅(飛ぶことはできない)をビシッと広げたヒロバフユエダシャク♀は凛々しく見える。シロフフユエダシャク♀の翅をラフなTシャツとハーフパンツとすれば、ヒロバフユエダシャク♀の翅は時代劇に登場する裃(かみしも)といったところ。


ヒロバフユエダシャク♀は「小さな(短い)前翅&大きな(長い)後翅」が特徴的でありカッコ良いと僕は思っているのだが……先日このフユシャクについて検索していたところ、(メスの翅について)「長いほうが前翅で、短いほうが後翅である。一見すると逆に見えるので紛らわしい」との記述にぶつかり驚いた。
素人の僕は「前翅」「後翅」の正確な定義を知らない。あたりまえのように「上翅(背面上側の翅)=前翅/下翅(上翅の下にある翅)=後翅」だと思っていた。
ヒロバフユエダシャク♀の翅を見ると、横へ張り出している短い翅が上にあるからこれが前翅で、その下から斜め後方に張り出した長い翅が後翅だと思っていた。
「一見すると逆に見えるので紛らわしい」ということは、パッと見で判断していた僕の認識は「逆」だったのだろうか? ひょっとして「前翅・後翅」は背面から見て「上か下か」ではなく、翅の根元の位置を基準にして「前(頭側)か後ろか」なのだろうか?……などと考えてみた。しかし、どちらが「前」なのか、撮った画像ではハッキリ判らない(*)。
それとも……僕のこれまでの認識が正しく、「一見すると逆に見えるので紛らわしい」というのは「前翅より後翅が大きい」こと(普通の蝶や蛾と逆)を意味するもので、それを勘違いしたブロガーさんの誤認だったのではないか……と、そんな気もしているのだが……正確な所はわからない。
ちなみに、このブロガーさんが言うような──前翅(上翅)の方が後ろに、後翅(下翅)の方が前に位置した(翅が逆転した)フユシャク♀は存在する。イチモジフユナミシャク♀は、しばしばこんなふうに翅をひろげていたりするが、ヒロバフユエダシャク♀の形とは違う。ヒロバフユエダシャク♀はオカモトトゲエダシャクのように、前翅を横へ、後翅を後方に伸ばしているのだと僕は認識している。


追記:ヒロバフユエダシャク♂



ヒロバフユエダシャクのオス↑が撮れたので画像を追加。シロフフユエダシャク♂と模様が似ているが、ヒロバフユエダシャク♂の方が大きめで前翅が丸みを帯びている印象。


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コメント

No title
こんばんは。
・・・ギボッチ売り場が近所に少ないため・・・
柵を・・・星谷さんを真似て、眺めまわすのですが・・・
な~んにも見付りません!(見付ける事ができません・・・)
万が一、私が極小ヘリグロチビコブカミキリを見付ける事ができたら!(天にも昇る気持ちに成る)こと間違いなしです!

先日、初めてシロフフユエダシャクの♂を見付ける事ができました!・・・
「やった~!」の気持ちと「あなたは、本当にシロフフユエダシャクなの?」の自信の無さが入交り複雑でした・・・
♂に♀の居所を探してもらおうと追ってみましたが・・・
その♂も!私も!・・・♀を見付ける事ができませんでした!
次回は、是非・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

ヘリグロチビコブカミキリを目視で見つけるには、冬に擬木や手すり系で──というのがいいみたいですが、今シーズンはちょっと出会いが少ないような気がしています。
冬に蛾──フユシャクも意外性があって面白いと思いましたが、冬にカミキリ──というのも驚きがありました。

シロフフユエダシャク♂がいたということは♀もいるハズ。似ているのもいて……今回♀を撮ることができたヒロバフユエダシャクも♂は模様がよく似ていますが、そんな感じの蛾なら、いずれにしてもフユシャクの♂だと思います。
11月~12月頃発生するクロスジフユエダシャクと違って(基本的には?)夜行性のフユシャクは、昼に♂と♀を近づけても反応がないかも?(たまに昼でもペアになっているのがいたりはしますが)。
イチモジフユナミシャク♀が日陰に多かったのに対し、シロフフユエダシャク♀はけっこう陽あたりの良い所にも出ていたりします。
No title
去年一年間でさえ、三種類のカミキリにしか出会えなかったオイラには、夢のような出会いに思えます。
No title
日当たりに居るというリグロチビコブカミキリが雪の降る寒い日でも活動するのは興味深いです。
小さくて居ても見つけられないかもしれません。
ヒロバフユエダシャクはメス単体でも見分けられそうなので探しに出掛けて見ます。
No title
> カメレオンーアームスさん

ヘリグロチビコブカミキリは目視で見つけるには、これを念頭において探さないと気づきにくいくらい小さいですね。
枝についているところも見たいと思って探しているのですが、まだ見つけやすい人工物でしか見つけられていません。
No title
> 市川さん

画像ではわかりにくいですが、ヘリグロチビコブカミキリは今回も陽の当たる側にいました。のぞきこまないとわからない位置なので気づきにくい場所ですね。フユシャク亜科の♀に比べると発見難易度はぐっと高めかも。
ヒロバフユエダシャク♀は大きめなので、こちらは目につきやすいと思います。
No title
小さなヘリグロチビコブカミキリ・・・信じられないほど
小さいですね。お見事です。
シロフフユエダシャクのメスを桜の木で見つけたのですが
PCで見ると白い部分がどの画像もハッキリ撮れませんでした。
又探してみます。
No title
> まあささん

ヘリグロチビコブカミキリは小さくて目立たないので、ギボッチ(擬木ウォッチ)も「ヘリグロチビコブカミキリ・モード」で探さないとなかなかみつかりません。
シロフフユエダシャク♀を桜でみつけたそうですが、これも木についていると見つけにくいかもしれませんね。シロフフユエダシャクはまだしばらく見られると思うので、また出会いはあるかと思います。
No title
ヒロバフユエダシャク♂の画像を追加しました。
No title
昨日は拝顔できて楽しかったです。
教えて頂いたシロフペアんとこから引っ返さないで起点に戻り 一機に初めてお会いしたとこまで行きましたが ヒロバには遭遇できませんでした。
その内引っ掛るのでは?と ワクワクしながら帰途に着きました。
ヒロバ シロトゲと ♀がカッコイーですね。
No title
> 辺蟲憐さん

昨日は大物虫屋さん2人に会えて大漁でした(笑)。ヒロバフユエダシャク♂はちょっと目つけにくい位置だったかもしれません。逆光だったので影にして撮ったため被写界深度が浅くなってしまいました。
ヒロバフユエダシャクもシロトゲエダシャクも♀は大きめなので存在感がありますね。シロトゲ♀もそろそろ見られるのではないかと楽しみにしています。
No title
昨日はまたまた星谷さんと遭遇でき コースの状況を教示して頂いたので サボる事ができた上に 引き返しながらヒロバ♀に会えました。
やっとの事でミスジ幼にも会えたし 良い日になりました。
No title
> 辺蟲憐さん

色々と収穫があったようですね。やっぱりヒロバフユエダシャク♀はカッコイイです(笑)。
ブログ、拝見しました。ミスジチョウの越冬幼虫は枯葉についているとわからないですね。僕が以前見たときは、どういうわけか擬木にいたので目についたのですが、最初は何だかわかりませんでした。
・ぷちトランスフォーマー!?ミスジチョウ越冬幼虫
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/32462168.html

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