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ぷちハンミョウ!?メダカチビカワゴミムシ他

チビっちゃくて可愛いメダカチビカワゴミムシ



冬に擬木で見かける4mmほどの小さな甲虫。一見、ぷちサイズのハンミョウみたいで可愛らしい。




比較的暖かめの日に目にすることが多い。樹皮の下などで越冬しているらしいが、寒さがゆるんだ日や時間帯に出てくるみたいだ。擬木上では、冬だというのにけっこうよく動き、飛翔することもしばしば。ルックスは良いのだが、小さい上にせわしなく動き回るため、これまでマトモに撮れずあきらめがちな昆虫だった。
今回、ちょっとおっとりめの個体をダメ元で指に移して撮影してみたところ……なんとか撮ることができた。


メダカチビカワゴミムシはオサムシ科のミズギワゴミムシ亜科というグループに分けられているようだ。似たような種類もいて、前胸に生えた剛毛が見分けるポイントの1つらしい。
ハンミョウを思わせるフォルムもカッコ良いが、背中(上翅)にうっすら浮かぶ模様がまたエレガント。




上翅の表面には細かい点刻が密にほどこされているが、ところどころこの点刻がないスベスベの部分があって、この表面の構造の違いがエレガントな模様を作っているようにも見える。上翅そのものにも色(模様)がついているのかもしれないが、いずれにしても美しい。
ところで【メダカチビカワゴミムシ】という和名──由来がよくわからない。「メダカ」は「目が高い位置にある」というの意味で「目高」なのか、あるいは「メダカ(の群れ)のように集団でいる(ことがある?)」なんてことでもあっての「メダカ」なのか? 「チビ」は「小さい」の意味だろう。「カワ」は「皮」と「川」のどちらだろうか? 樹皮の下で見つかることから「皮」であってもおかしくない気はする。一方、川原にも生息しているというから(「ミズギワゴミムシ」という亜科名もあるし)「川」なのかもしれないとも思う。
個人的には「眼がデカく、チビっちゃくてカワいいゴミムシ」→「メデカチビカワゴミムシ」が訛って「メダカチビカワゴミムシ」としたいところだが、そんなことはないだろう。
思いのほか良いモデルとなった指乗り個体だったが、例によって飛翔──。


この↑直後に飛翔。翅を完全に広げたテイクオフ・ショットを狙ったのだが……わずかにタイミングが早かった。実はこの前に何度かタイミングが遅くて撮り逃しているので飛びそうな瞬間、早めにシャッターを切ってみたのだが……テイクオフ・ショットは難しい……。
今年の初カミキリだったヘリグロチビコブカミキリも飛翔したが、冬でも飛翔する極小甲虫は、じつは少なくないのかもしれない。

飛翔する極小甲虫

ということで、最近見た小さな甲虫類から──。やはり冬になってギボッチ(擬木ウォッチ)で目にするようになったゾウムシ。


前胸の色が違うものがいるが↑、同じ種類なのだろうか? 画像検索すると【チャイロアカサルゾウムシ】という、「茶色」なのか「赤」なのか・「猿」なのか「象」なのか──とツッコミを入れたくなるような名前の虫が似ているっぽいが……よくわからない。大きさはこんな感じ↓。


てのひらで仰向けになったチャイロアカサルゾウムシ(たぶん?)の腹面↓。


よく見ると胸に口吻を収納するためと思われる凹みがある。以前、アシナガオニゾウムシの胸に同じような「ぴっちり収納スペース」があることを知って驚いたが、ゾウムシの仲間ではこうした構造は珍しくないのだろうか? ちょっとメカニカルで面白い。
そして、この虫も例によって指先まで登ると飛び去っていったのであった……。


また、一見甲虫っぽくないが、小さな上翅の下に複雑に折りたたんだ下翅を隠しているハネカクシの仲間で、やはり冬に擬木でみかける小さなものがいる↓。


これもテイクオフ・ショットは取り損ねたが……このハネカクシが飛翔するのも何度か見ている。
他にも画像は無いが、極小甲虫で冬に飛ぶ種類を目にすることがある。

初めてヘリグロチビコブカミキリが冬に飛ぶのを見た時は驚いたが、甲虫類でも小さなものは(大きな種類に比べて)飛翔ハードル(飛ぶ負担)が低いのかもしれない。
単純に考えて同じ形のものであれば、体長が1/10になれば、翅の表面積・筋肉の断面積は1/100になり、体重(体積)は1/1000になる。体重(体積)あたりの翅の表面積・筋肉の断面積は10倍になるわけで、小さくなるほど飛翔力はアップするはずだ(もちろん実際には大きな飛翔昆虫と小さな飛翔昆虫では筋肉の割合は同じではないだろうが)。
ほ乳類の例をあげれば、小さなネズミと大きなゾウ──この2つを同じ大きさに描いたとすると、脚の太さの違いは顕著だ。体重を支えるのに必要な「骨や筋肉の断面積」は「体長」の比率より大きい。小さなネズミは体と比較して細い脚でも充分に体を支えられるが、大きなゾウはより太い脚でないと体が支えられない。単純に考えれば昆虫の翅や飛翔筋も大きな種類ほどごつい装備が必要で、逆に小さい種類ほど飛翔ハードル(飛ぶ負担)は低くなるのだと思う。
空気の粘性も小さな虫ほど大きくなるだろうし、大きな雨粒より小さな霧の粒の方が落ちるのに時間がかかる(小さい水滴の方が体積=重さあたりの表面積が増えるため)ことからしても、小さな虫の方が浮遊しやすい──飛びやすい感じはする。
また、同じ形なら小さいほど体積あたりの表面積は大きくなるから、陽当たりが良いところ、温度が高い場所にでれば、体はすぐに暖まる。大きな氷の塊は溶けるのに時間がかかるが、細かく砕いた氷は溶けるのが早いのと同じ。飛翔ハードルの低い極小昆虫は飛ぶのに必要な活動温度を(大型昆虫に比べて)得やすいのかもしれない。

冬に活動する蛾のフユシャクは、オスは飛べるがメスは飛べない。気温が低い冬に飛ぶのは大変だが、♂♀ともに飛べなくなってしまっては繁殖活動に支障をきたす。とりあえず♂か♀かのどちらかが飛べれば相手のところへたどり着けるということで、飛翔はオスに任せられたのだろう。この♂♀間で飛翔能力の有無を分けたのは「体重」ではないかという気がする。♀はたくさん卵をもっていた方が繁殖には有利なはずだが、それでは体が重くなってしまう。それで飛翔は身軽な♂にまかされた……体の大きな(重い)ものより小さな(軽い)ものの方が飛翔ハードルが低い──ということに関連しているのだろうと僕は想像している。

1月下旬のフユシャク

ということで、最近目にしたフユシャク。フユシャク亜科のフユシャクがいくつかでているようだが、特に♀だけだと僕には同定が困難だ。運良くペアでいるときにはなんとか区別ができる。




ウスバフユシャク・ペア↑とウスモンフユシャク・ペア↓。




フユシャクは夜行性の種類が多く、昼はじっと動かずにいるものが多いが、たまに♀が歩いているのを目にする。じっとしているときは触角を体にそわせてたたみ、首をちぢめたようなポーズでいるが、歩行している時の姿はちょっと印象が変わっておもしろい。


頭を起こし触角をひろげて欄干をあるくフユシャク♀↑。どこから歩いてきたのか……翅は退化して飛ぶことはできないが、脚はなかなか達者。これに対して、じっとしているときのフユシャク♀↓。


フユシャク亜科のフユシャク(クロテンフユシャクあたり?)が産みつけた卵塊↓。


母蛾の腹端の毛でおおわれている。

フユシャク亜科以外のフユシャクでは、このところシロフフユエダシャクが多い。フユシャク♀は産卵前と産卵後でだいぶ印象が変わるが、新鮮な個体は体や翅の表面を覆う鱗粉や、翅の縁の毛がキレイだ。


ガードレール上でじっとしているシロフフユエダシャク♀↑。歩行している時は、やはり印象が違う↓。




このところ見かけるエダシャク亜科のフユシャクはシロフフユエダシャクばかりだったが、意外にもチャバネフユエダシャク♀をみつけた。


(このあたりでは)1月前半で時期が終わったような気がしていたので、チャバネフユエダシャク♀を見て意外に感じた。しかし、もっと驚いたのがその大きさ──というより、小ささ!


チャバネフユエダシャク♀といえば、ホルスタインを思わせるそのボリューム感が魅力のひとつだが……この個体はやけに小さい。体型的にはこれでも産卵前だろう。もちろんちゃんと生きていた。

ついでに「なんちゃってフフユシャク♀」!?


羽化不全や羽化後翅がのびきっていない♂もしばしば見かける。この個体↑はどうもシロフフユエダシャク♂っぽい。翅がのびきると、こうなるのだろう↓。




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コメント

No title
ヘリグロチビコブカミキリだけと思ったらメダカチビカワゴミムシやチャイロアカサルゾウムシ等極小の虫達が居て面白いですね。
フユシャクなどを探しに又出掛けたいです。ナイス
No title
> 市川さん

甲虫やカメムシ類は暖かめの日や時間帯に多く出ているみたいですね。メダカチビカワゴミムシは寒い日には全然見かけなかったりもしますが、活動してる日には数匹みかけることもあります。
No title
今日 ギボッチラインを流してきました が 今一でした。
やっぱ 前夜の状況なんでしょうかね~?。
No title
> 辺蟲憐さん

気温や湿度、風などの流れもありそうな気がしますね。前夜から気温があまり下がらず風が出ていなくて当日気温が高めだと、出会えるメンツが多そうな気がします。当日晴れていれば日光浴目的の虫が、曇っていれば夜行性のフユシャク・ペアが期待できるのではないか……なんて思ってみたり。
春~秋だと大風の後には枝から落ちた虫が擬木に登っているのではないかなんて期待しがちだったりして。ちなみに台風等の大風を「ナチュラル・ビーティング」と密かに呼んでいます(笑)。
No title
こんばんは。
・・・メダカチビカワゴミムシの(カワ)は、カワイイの(カワ)に一票!・・・☆

前胸の剛毛まで、綺麗に観察されてて凄いですね~!!!・・・
この様な極小オサムシ科の虫を探す事はおろか・・・
写真に収めるなんて!とても・・・とても・・・
けれど、(ぷちハンミョウ?)と想えます!美しい虫ですね~

小さなゾウムシの胸の口吻収納凹・・・こういうパズル的な仕組みは観てて小気味いいですよね!!・・・

飛翔に関する科学的見解、考察にも驚かされました・・・
確かに、カブトムシは飛翔が下手ですし、飛翔姿も実に重そうですね!・・・
フユシャクの翅・・・女性心理として、飛翔してると天敵の鳥に狙われやすいので、男性が女性を守る意味でも?・・・なんて、非科学的な考え方をしてる私・・・まだまだです・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

やっぱり「カワイイ」の「カワ」が似合ってますよね。

メダカチビカワゴミムシとよく似たテンリュウメダカチビカワゴミムシというのがいて、前胸の剛毛(メダカは側縁と後角の2対/テンリュウメダカは側縁の1対)が見分けるポイントだというので、この部分がわかる画像を加えてみました。

極小ゾウムシの極小口吻収納凹はパソコンで画像を確認している時に気がつき、「なかなかコッてるなぁ!」と感心してしまいました。
ふだんヒトが気がつかないところまでちゃんと作り込んでいる自然の芸の深さ(?)は改めてスゴイなと!

冬にもアブ等が飛んでいるのは知っていましたが、なんとなく「甲虫がとぶなんて」と思ってました(という以前に、甲虫類は冬、活動してないと思い込んでた)。
でも、実際に飛ぶ極小甲虫類を見て……甲虫類でも極小サイズのものが飛ぶのは思っていたほど不自然なことでもないのかな……と考えてみた次第です。

今回のフユシャクたちは基本的には夜行性だと思うのですが……たまたま昼、ペアになっているのを見ると、♂が♀を隠しているようにも見えますね。
No title
メダカチビカワゴミムシ、細かいところまで良くわかりますね。今度、じっくり撮ってみたいと思います。ナイス
No title
メダカチビカワゴミムシってかわいいですね~。
見てみたいです。
ほんと、背中のもようがおしゃれですね。
またギボッチしなくては。。。

甲虫でも、極小のものほど寒さに強いような気がしますね。
小さいほうが体液が少ないから?でしょうか。。。
No title
> 『ちゃわんむし』さん

小さい上にせわしなく動き回るので、これまでなかなか撮れずにいたのですが、なんとかわかる程度に撮ることができました。
カメラ任せで撮っている僕には、これが限界かも……。ビシッと鮮明な画像が撮れれば、けっこうイイ感じの虫だと思います。
No title
> noriさん

メダカチビカワゴミム──その名の通り(?)カワイイゴミムシですね。冬に木の皮をめくっている木メクリスト(?)にはおなじみの虫なのかもしれませんが、僕は擬木の上でしか見た事がありません。気温が高めの日に出会う確率が高い感じです。

小さいとすぐに芯まで冷えきってしまいそうですが……逆に温まって活動温度に達するのも早いのかもしれませんね。
No title
あ~~、このゾウムシ…同定に困ってたヤツです。
No title
> カメレオンーアームスさん

ゾウムシも色々いるみたいで、特徴がない地味系の(?)ものは同定が難しいですね。このよく見かける極小ゾウムシは、検索で調べてみたかぎりではチャイロアカサルゾウムシと記されている種類のようにも見えるのですが……。
No title
こんにちわ。
この時期でも、庭の整理で石を動かしたり鉢を動かしたりすると、
まぁー、色々な虫の居ること居ること。
ワラジ虫は当たり前ですが、羽虫や甲虫、またその幼虫まで次から次へと。

今日の昼間なんぞは、羽虫が集団で空中トルネードしている始末。
そんなに暖かかったかな?

そして、バイクを安定して置く為に敷いていたコンパネの下からは、例のトラウマになりそうな毛は無いけれど毛虫集団がゾゾゾゾ{ゾ{s97}}
まるで、錆びたチェーン型のネックレスが蠢いている様相。
パーツクリーナで撃退し、穴掘って埋めて自然に返しました。
まー、家人が居なくてよかったかな、トラウマになりますからね
No title
> 124090_560TEさん

冬には活動している虫は少なくなりますが、けっこう色んなところで越冬していたりするものですね。「鉱脈」を見つけると「次から次へと」状態になるのかも。

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