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スクラッチならぬサクラッチでフユシャク♀を当てよう!?

昆虫さがしをするときの意外な観察ポイントが擬木──これを見ていくと思いのほか色々な昆虫がみつかる。
「擬木ウォッチ」は略して「ギボッチ」──擬木ウォッチをする人のことを「擬木ウォッチャー」略して「ギボッチャー」と呼ぶ(と勝手に命名)。ギボッチャーには虫撮りをしている人が多い。先日、ギホッチ中に前方からギボッチャーがやってくるなと思ったら──それがブログ仲間の市川さんだった。
僕はふだんギボッチ(擬木ウォッチ)で虫を見ているが、この時期──12月下旬になると、花見の名所で苔むしたサクラの幹をみてイチモジフユナミシャク(冬尺蛾の一種)のメス探しをする。青み緑みが濃いキレイな個体を見つけることができると《当たり》感がある。フユシャク♀は擬木でも見られるが、イチモジフユナミシャク♀に限っては苔むしたサクラを探した方が発見率が高い。
「擬木ウォッチ」ではなく「桜ウォッチ」だから、略して「サクラッチ」。「桜ウォッチ」をする人(桜ウォッチャー)を「サクラッチャー」と呼ぶ(とコレも勝手に命名)。
「サクラッチ」していると、チャバネフユエダシャク♀もよく見つかる。

桜ウォッチ・サクラッチでイチモジフユナミシャク♀探し



ということで、イチモジフユナミシャク♀は苔むした桜の幹でみつかることが多い。「苔むした」というのはあるていど長い間そこにあったということだろう。フユシャク♀は飛ぶことができないから、他の蛾ほど簡単に新天地(木)へ進出できないはずだ。いる可能性が高いのは新しい木より古くからある木──古くからある木は苔むしている事が多い。
そしてイチモジフユナミシャク♀に限って言えば、日陰側に多い(日中、日向に出ている種類のフユシャク♀もいる)。日陰側には苔も多いが、そのこととも何か関係があるのかもしれない。
イチモジフユナミシャク♀が日陰側に多い理由を想像してみると──、

・乾燥を嫌うため?
・日向側(順光)では天敵(鳥)に見つかりやすいが、日陰側にいると逆光でみつかりにくいから?(実際サクラッチをしていると冬の低い角度の陽射しが目に入るため日陰側から木にとまった♀を探すのは意外に辛い)
・日陰側に多い苔が多いため?(足場あるいは産卵場所に適している?)

などの解釈が思い浮かぶ。
真の理由はわからないが、とりあえずスクラッチならぬサクラッチで苔むした桜の幹の日陰側を注意しながら見て回るとイチモジフユナミシャク♀を《(探し)当てる》ことができる。




腹の側面に並んだ円形の紋もチャーミング。




今シーズンは今日(12/23)まで10匹のイチモジフユナミシャク♀を確認しているが、全て桜の木で見つけている。そのうち9匹は日陰側にいた。




とはいえ、日向側にまったくいないわけではない↓。


これ↑は今シーズン確認したイチモジフユナミシャク♀10匹のうち、唯一日向側にいた1匹。ちょっと高いところにいたので接写はあきらめてスルーしかけたが……日向側にいたサンプルとして記録しておこうとプチ木登りして撮ってみた。
また、苔むしてないサクラにいないというわけでもない↓。




イチモジフユナミシャク♀はあわいブルー~グリーンが美しい。色が鮮やかなものに出会うと《当たり》を引き当てたようなラッキー感がある。




これ↑も《当たり》感のある個体。翅の淡いブルーになんとも言えない美しさを感じる。オスとは形も違うが体色も違っているのがおもしろい。イチモジフユナミシャク♀の体色は桜の幹に見られる地衣類にまぎれる効果があるのかもしれない。サクラの木でイチモジフユナミシャク♀探しをしていると、しばしば誤認することがあるので、まぎらわしい=隠蔽効果はありそうな気もする。


ちなみにイチモジフユナミシャク♂はコレ↓。知らなければ♀と同じ種類とは思えないだろう。


《当たり》感のあるチャバネフユエダシャクのペア・ショット

そしてイチモジフユナミシャク♀狙いの「サクラッチ」で見つけた副産物?チャバネフユエダシャク♀↓。






チャバネフユエダシャク♀は擬木やガードレールなどでも見かけるがサクラッチで見つかることも多い。夜行性なので(フユシャクの多くは夜行性)、日中の虫見歩きではなかなか交尾は見られないのだが……。




夜行性のフユシャクのペア・シーンに遭遇すると《当たり》を引き当てた気分になる。撮影を始めると♂は飛び去ってしまったが、とりあえずペア・ショットが撮れたのでよしとしよう。



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コメント

No title
イチモジフユナミシャク♀もう10頭も見つけられ凄いです。
♀は綺麗で見付けると嬉しいです。
見付けるのは擬木ばかりです。
小さいので桜の古木では見落としているかもしれません。
参考にさせて頂き来春頑張って見ます。ナイス
No title
こんばんは。
時間余裕あるとき、ギボッチャーになってみます。
普段見逃していることが見つかるかもしれませんね🎵
No title
> 市川さん

イチモジフユナミシャクも本格的に出始めた感じです。こちらでは、これから年明け数日あたりまでにピークがあるのではないかと思っています。
新鮮でキレイな個体が見つかるといいですね。
No title
> すぬーぴーさん

擬木ウォッチは、種類によっては意外に発見効率が高いかも?
ヘリグロチビコブカミキリなどは、擬木と欄干でしか見たことがありません。
なにか新しい発見があるといいですね。
No title
去年はサクラッチャーでチャバネフユエダシャクのメスに出会うことが出来ました。
小さな翅の綺麗なイチモンジフユナミシャクのメスにはいまだであえておりません!
ギボッチャ-、サクラッチャーで頑張ってみます!
No title
> ピンちゃんのママさん

チャバネフユエダシャクはけっこう長い間でている感じですが、イチモジフユナミシャクはピークがもっと短い感じですね。ピークのタイミングに合うと見つけだすのも比較的容易になると思います。
これからイイ感じで見つかるかも? 期待しています。
No title
今年の虫探し散策は、無理!お終い!・・・
と思ってましたが・・・
上の記事を拝見したら・・・たまらんな~・・・
もう一度、スクラッチ試してみようか?挑戦してみるか!?
当たれ~!!
ではなく!・・・イチモンジフユナミシャク♀を見付けてみたいです!・・・探す愉しみ!見付けた時の高揚感!はお金では買えません!(そっちの方が価値が高い!)
苔だらけの桜がたくさん植わってるひっそりとした公演があるんです。私も、コケッチ(苔の付いた桜の木ウォッチ)あら~間違えた~サクラッチ買って!フユシャクの仲間の♀を当てるぞ~!
出掛けたいぞ~!無理かな~?無理かもね~???☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

こちら(東京のはずれ)ではイチモジフユナミシャクが本格的に(?)出始めました。
この時期は虫見にでかけるとき、コース選択に迷います。ギボッチ・コースがサクラッチ・コースか……。
キレイなイチモジフユナミシャク♀がみられる期間はそう長くはないので年明け数日くらいまではサクラッチ・コースを選びがちになります。
苔だらけの桜がある公園は期待できそうですね。
チャンスが訪れるといいですね。
No title
見落としがありそうです。
もう一度見てきたいです。
今度はコツを真似してゆっくり観察してみます。(・∀・)ナイス!
No title
> まあささん

同じような感じの木(場所)でも、いるところにはいて、いないところはいつもいない……場所によって密度に差があるようなので、さがしてもいない所はさっと流して、密度の高い場所をみつけるのもコツかも?
No title
サクラッチ、したくなりました~~。
水色のイチモジ♀、今季こそ見たいと思っていましたが。。。
ああ、仕事をさぼって行きたくなりました。
やっぱりソメイヨシノが多いのですか?
ギボッチでも、見つかったりもしますか??

サクラッチでフユシャクを当てよう、って
最高のキャッチコピーですね~~。
No title
> noriさん

よく出会うコースだと、ギボッチでみつかるフユシャク♀もいますが、イチモジフユナミシャク♀は少ないです。イチモジフユナミシャク♀だとやはり桜の名所でのサクラッチが効率的かと。今回の画像は都立公園とその近辺で撮りました。
公園内でサクラッチをしていたとき、桜の隣にあった常緑樹?の葉の裏を何気なく覗いたら、クロスジホソサジヨコバイも見つかって前後賞を当てた気分でした(笑)。

僕は、あとで読み返すことを考えて記事をまとめているのですが、毎年フユシャク・ネタが増えてきているため、似たタイトルにすると以前の記事と紛らわしくなりがち……ということで、今回はこんなタイトルにしてみました。
No title
こんばんは。
・・・本日の記事内で(フユシャクのメス)を探す方法について、星谷仁さんの記事を参考にさせていただいた事を記してしまいました・・・
了解も得ず書いた事をお詫び申し上げます・・・
もし、芳しくないようでしたら消しますので・・・
お知らせ下さいますよう!宜しくお願い致します・・・
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

丁寧にご報告いただき、恐縮です。
ブログに全体公開で投稿した記事は誰でも閲覧できる前提で書いているので、引用の許諾がなくても全然問題ないです。
イチモジフユナミシャクではなかったようですが……クロスジフユエダシャク♀や色々おもしろいものに出会えたようで、良かったですね。

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