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婚礼ダンスでフユシャク・ペア探し

11月末日、クロスジフユエダシャクが舞う雑木林をのぞいてみた。落ち葉が積もった林床ふきんをたくさんの蛾が這うように飛んでいる。飛んでいるのは全てオス。メスは翅が退化して飛ぶことができない(フユシャクの特徴の1つ)。メスはフェロモンを発し、オスはそのニオイをたよりにメスをみつけだして交尾する。
先日に引き続き、オスが【婚礼ダンス】でメスをみつけペアになるところを確認しようと、しばしフユシャク・ウォッチング。【婚礼ダンス】待ちの間にガーデンイール(チンアナゴ)っぽいケバエ幼虫集団をみつけたので撮ったりしたが……それは最後にふろくする(幼虫だけに要注意)。

婚礼ダンスでクロスジフユエダシャク・ペア探し



クロスジフユエダシャクのオスが林床を低く飛ぶのはメス(のニオイ)を探してのこと。移動しなから飛ぶオスはまだ手がかりを見つけられずに模索しているところなのだろう。同じエリアにとどまり、行きつ戻りつしているオスは、フェロモンを察知し、その発生源がどの方角にあるのか探っているのかもしれない。飛翔しながらニオイから遠ざかれば戻り、より強いニオイを感じる方角を探している可能性がある。
低く飛んでいたオスが落ち葉の上に降りて羽ばたき歩行(これが婚礼ダンス)を始めたら、メスに近づいている可能性が高い。降りてすぐ翅を休めるオスはメスをみつけらずに翅を休めているだけなのでこれはスルーだが、降りてなお羽ばたき続け歩き回るオスはニオイの発生源にいよいよ接近して最後の詰めに入った可能性が高い。そんなオスは飛翔しているときよりむしろ羽ばたきの回転数(?)は増している。これはニオイを嗅ぐためのはばたきだ。
フェロモンを感じるのは触角だが、オスは羽ばたく事によって空気の流れをつくり、ニオイ物質を含む空気を触角へ呼び込んでいる。羽ばたきながら向きを変え、より強く感じる方へと進むことでメスの居場所を割り出す──この羽ばたき歩行が【婚礼ダンス】だ。せわしなく羽ばたくのは我々がニオイを嗅ぐとき息を吸い込むのと同じ──ニオイ物質を含む空気の流れを作って感覚器(蛾なら触角/ほ乳類なら鼻腔)に送り込むだめだ。クロスジフユエダシャク♂が羽ばたきながら歩き回るのは、われわれがニオイの発生源を探すとき、あちこち向きを変えながらクンクンとマメに息を吸うのと同じ。

というわけでオスの【婚礼ダンス】を頼りにペアを見つけ出そうという算段だが、この方法は【婚礼ダンス】が始まらなければ始まらない。すんなり見つかることもあれば、待たされる事もある。
今回もしばらく待たされたが、1匹の♂が【婚礼ダンス】を舞い始めた。


【婚礼ダンス】が始まるとペアリングまでけっこう早かったりする。このオスはあっという間に落ち葉の下に潜り込んでしまったので、今回は婚礼ダンス・ショットは2枚しか撮れなかった。


オスがもぐりこんでいった葉をひっくり返すと、はたしてペアが成立していた。






この後、チャバネフユエダシャク♀が出ていないかと近くを探してみたが見つからず。そのかわりに、植木を支える木の杭にとまっていたクロスジフユエダシャク・ペアをみつけた。






つながっている様子がわかるアングルを探していると、オスが飛び去ってしまった。ということで、残されたメスの単独カット↓。


幼虫いっぱい要注意:ガーデンイールなケバエ

「婚礼ダンス待ち」の間に撮ったケバエ幼虫集団──枯葉の中にのぞいた緑の孤島のようなコケの中にもぐりかけた状態でいた。皆頭を地中につっこみ腹先を地上にのぞかせた格好。この腹端には眼のような模様(?)があって、ちょっとドジョウ顔に見える。海底から上体をのぞかせるガーデンイール(チンアナゴ)っぽかったので、空目ネタに撮ってみた。










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コメント

No title
午前中は晴れと言う事なので林に出掛けましたが日が射さずクロスジフユエダシャクは潜り込んでいます。
歩くと飛び立ちますがダンスは見られませんでした。
又出掛けて見ます。
No title
婚礼ダンスは面白いですが、ケバエ幼虫はやはりおぞましいですよ(笑)
No title
確かに、ドジョウをに似てますね。
口元見てたら、つい、笑っちゃいました。
No title
> 市川さん

クロスジフユエダシャクは陽が射しているときによく飛んでいますね。曇りがちな時はオスは休んでいる事が多い……メスがフェロモンを放出する条件のようなものがあるのかもしれませんね。

曇りがちのときは夜行性のフユシャクのペアが見られる事があるのですが、それにはまだちょっと時期が早いみたいでした。
No title
> すぬーぴーさん

クロスジフユエダシャクの婚礼ダンスがなかなか始まらず、あわよくばチャバネフユエダシャク♀でも見つからないかと探してみても発見できず……ケバエ幼虫がいたので、婚礼ダンス待ちの間に撮ってしまいました(笑)。
No title
> ねこおばさんさん

ドジョウ顔っぽく見えますよね。でも、これは尻側……「口にくわえている」ように見えるのは「フン」だったりします。ケバエ幼虫は腐植質を食べるらしいので、そうしたものを分解する役割りも果たしているのだろうと想像しています。
No title
メスは見つかりませんね。先日1度撮っただけです。
オスを離れて見ていますが殆どダメです。
ケバエ幼虫はゾゾです。
1ヶ月ほど前に地面から黒い塊のような幼虫がウジャウジャ・・・
1度踏んでしまいました。アチコチにありましたが何だったのか。
相当な数でした。
No title
ケバエの幼虫を初めて見ました。
ビックリです。
怖いもの見たさで・・・見てみたいです。
クロスジフユエダシャクの飛んでいるところにコケがいっぱいです。
要注意して見ます。
No title
うわ~、まだケバエたちいるんですか…。
もう大丈夫だろうと油断してました。。。
チンアナゴは好きですが、この集団にはどうしてもいらーっとしてしまいます。

婚礼ダンスなんてするんですね!
葉を裏返しての交尾体探し、楽しそうです。
ある意味、葉メクリストですね。。。笑
No title
> まあささん

目に入るオスの数に比べてメスは断然少ないですね。
初めて「婚礼ダンス」に注目して探してみた時は次々に見つかったので、時期や時間帯その他……メスがフェロモンを発散させやすい条件みたいなものがあるのかも?
もう少し効率よくメスを見つけられる方法があるといいのですが……。

ケバエの幼虫は晩秋の風物詩!?で、気をつけてみるとあちこちに固まっています。気がつかない人も多いのですが、一度気がつくと目につくようになります。
No title
> ピンちゃんのママさん

ケバエ幼虫は、なかなかインパクトがありますね。
今回は小さな集団だったのですが、地面を覆う大集団になって蠢いているとかなり衝撃度が高いです。

こちらでは12月後半頃から出てくるイチモジフユナミシャク♀はサクラの苔むした幹にとまっていることが多いです。
No title
> noriさん

今回みたのはあまり動きが激しくありませんでしたが、画像とは別の場所でも見かけたし、まだケバエ幼虫シーズンは続いているようです。
一時期、例の遊歩道でもたくさん発生していたのですが、路肩にたまった葉や土壌とともに撤去されました。発生源の土化しつつある葉を草刈り機で剥がしている光景を何度かみましたが……ケバエ集団がミキサーされるシーンを想像するとおぞましかったです。

クロスジフユエダシャクの婚礼ダンスは、通常の?葉めくりよりヒット率が高いです。ただ、ダンス待ちでずいぶん待たされる事もあるのですが……めくった葉の裏にお目当ての虫がいるとテンションが上がりますね。ちょっとした宝探し気分が楽しめます。
No title
こんばんは。
・・・今年の11月は、比較的暖かい日が続いたものですから!
フユエダシャクの交尾を見掛けるチャンスを!・・・
しかし、都合が合わずダメでした・・・残念です・・・

まだ前記事の件を引きずってる私(結構しつこいな~(笑))
こうなったら、ケバエの幼虫の顔をしっかり愛でてみようではあるまいか!・・・
・・・チンアナゴ!・・・(爆笑)・・・☆
No title
> 今日も、こっそり自然観察!さん

こちらでは、去年よりも落葉が遅れているような気がしています。
落葉に伴って擬木上で見かけることが多くなるニホントビナナフシの数も、まだ去年の同じ時期より少ないような……そして、去年は11月11日に確認できたチャバネフユエダシャク♀も今年はまだ見ていないし……。
これら寒くなるようですが、フユシャク等の活動も活発になることを楽しみにしています。

ケバエはルックス的にあれですが……腐植質を分解して森林の生態系に貢献しているいのでしょうね。春にはかなりの数の成虫が花に集まっていたりするので受粉等にも貢献しているのでしょう。これもまた自然の一員──ということで。

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