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幻のコオロギ!?

幻のコオロギ!? 謎多きウスグモスズ



バッタ・キリギリス・コオロギのたぐいは、よく判らない。擬木の上にいたこの極小コオロギに気づいたときも「このテの虫は、わからんなぁ……」とスルーしかけたのだが……ふと「もしや、コレが《幻のコオロギ》なのではないか?」と少し前に読んだ記事(※)を思い出した。


1970年に東京都渋谷区で発見された新種のコオロギで、《日本でしか確認されていない外来生物》という謎めいた昆虫がいるという。1980年代に入って関東各地で報告されるようになったそうだが、再発見されるまでしばらくブランクがあったため《幻のコオロギ》といわれていたこともあったそうな。

それで冒頭画像の昆虫をみたときに、「これがその《幻のコオロギ》──ウスグモスズだったりして?」と思ったわけである。ただウスグモスズがどんな姿をしていたかは覚えていない……どうせハズレだろうと思いつつ、とりあえず確認用に1枚だけ撮ってその場を離れたのだが……帰宅後確認したら、どうやらアタリっぽい!?
問題の記事によれば、今では大阪・京都・滋賀でも見つかっているというし、検索してみると希少な昆虫ではないみたいだが……もう少しちゃんと撮っておけばよかった……。

ルックス的には(個人的には)特に魅力は感じなかったので1枚しか撮らなかったのだが……《日本で新発見され、日本でしか確認されていない外来生物》という謎めいたところが面白い。
また、ウスグモスズはコオロギの仲間だそうだが、オスもメスも鳴かないという。コオロギの仲間はみな(オスが)鳴くものだというイメージがあった僕には、これも意外だった。
確かに撮った個体を見ると産卵管が見えないからオスだと想像がつくが……翅を見ると(鳴かない)メスっぽい? コオロギのオスといえば、翅には発音器や共鳴室といった鳴くためのギミックが装備されている印象があったのだが……画像の個体の翅には、それらしいものが無い──オスなのに(鳴かない)メスの翅っぽくて、ちょっとフシギな感じがする。

コオロギ♂が鳴くのは♀と出会うため、あるいは♂同士の駆け引き(縄張り主張・争い)など、いずれにしても子孫を残す生存戦略的意味・効果があるためだろう──そう考えてきたが……鳴かずにちゃんと繁殖できるのなら、他の(鳴く)コオロギたちの努力は何だったんだ?──と思わないでも無い。

ウスグモスズが「鳴くことをやめてしまった」ということは、例えば密度の高い生活環境で暮らすようになり、鳴かずとも♂と♀が容易に出会えるようになった……というようなことでもあったのだろうか? その結果、「鳴く」という労力が(あるいは「鳴く」ことで敵に気づかれやすくなるリスクが)、コストパフォーマンス的に(?)採算が合わなくなって「廃止」されてしまった……ということなのだろうか?

他のコオロギは(♂が)鳴くのに、ウスグモスズは鳴かない……というのも、なんだか謎めいている。

謎めいているといえば……「ウスグモスズ」という和名。一般民間人的には名前からどんな虫かを想像するのは難しい。ウスグモスズによく似た在来種に「クサヒバリ」というのがいるようだが(クサヒバリは♂が鳴く)、これはイメージが湧く。生垣や低木できれいな声で鳴くことから「草のヒバリ」という意味合いが込められた和名だろう。
見た目は似ているのに「クサヒバリ」と「ウスグモスズ」ではずいぶんイメージが違う……。
ウスグモスズは素性も名前もよくわからない昆虫だ……。

【追記】ウスグモスズのメス

その後、擬木でウスグモスズのメスを見つけたので、画像を追加。


翅の感じは先日見たオスとあまり変わらないが、産卵管があったのでメスだと判った。


触角が思いのほか長くて画面に収まりきれていなかった……。鳴き声をたよりに仲間を探すことをやめたコオロギにとって、長い触角は大事な感覚器官なのかもしれない。


撮影していると、ニホントビナナフシがフレームインしてきて、小さなウスグモスズ♀はあわてて擬木の接続部の隙間へ……このあと潜り込んで姿を隠した。


【さらに追記】比較で…コオロギ科のアオマツムシ

オスもメスも鳴かないウスグモスズとの比較ということで、コオロギ科でオスが鳴くアオマツムシのオスとメスの翅の違いがわかる画像を追加↓


オスもメスも同じような翅をしているウスグモスズとはずいぶん違う。ウスグモスズ♂の翅は(アオマツムシ♂と違って)鳴くための器官ではないということなのだろう。
ちなみに、このアオマツムシもすっかり帰化した外来種。

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コメント

No title
名前は知っていましたが見た事は有りません。
不思議な虫ですね。
キリギリス系は全身を撮ったつもりが髭が切れていたりでガッカリすることばかりです。
キリギリス系はパスすることが多いですが次からはしっかり撮って見ます。ナイス
No title
> 市川さん

僕もバッタ・キリギリス・コオロギのたぐいはスルーしがちです。
撮っても種名を特定できるか自信がありません……高価な図鑑が出ていることは知っていますが、とても一般民間人には手が届きません。

触角の長い虫は、触角の長さまで含めて撮りたいと思うのですが、そうすると体が小さくなってしまったりして……迷うことがよくありますね。
No title
ウスグモスズ。知りませんでした。
先日私もこれたぶん見たような気がします。例のコースで。。。
バッタ系はついスルーしてしまいます。
今度見かけたら写真を撮ってみようと思います。
それにしてもいろいろなことをよく御存じですよね!

ウスグモは、薄雲なのでしょうか。。。
それくらいしか思いつきませんでした(^ ^;
No title
早口言葉できないすwww。
No title
> noriさん

この虫は見た目が地味なので、目にとまっても「小さなコオコロギがいるな……」くらいでスルーする人が多いのかもしれませんね。
僕も《日本で新発見され、日本でしか確認されていない外来生物》の記事を読んでいなければカメラを向けていなかったと思います。

最初の発見から再発見までしばらく間が空いたのも、もしかすると、「目にはとまってもスルーしがちな虫」だったので報告がなかったというコトなのかも?

スルーされがちなだけで、実はけっこういたりして……ということで、その後メスをみつけたので、画像を追加してみました。

謎めいた和名ですが……「薄蜘蛛鈴」と漢字表記しているサイトがあったのですが……ヒット数が少なく信憑性は「……?」。試しに「薄雲鈴」で検索したら、こちらの方がヒット数が多いですね。学名に「genji」が入っているそうで、源氏物語19巻のタイトル「薄雲」にちなんでいるのではないか推察しているブログもありました。
No title
> 124090_560TEさん

ウスグモスズ……言いにくいし覚えにくい名前ですね。もうちょっと語呂が良くて判りやすい和名にできなかったものか……と思ってしまいます。
No title
コオロギ科で♂が鳴くアオマツムシの画像を(比較用に)追加してみた。
No title
星谷様、今晩は。何時も訪問・ナイス有難う御座いました。今山ちゃんブログ休んでいます。目の具合が悪く目に好くないので休みました。叉その節はよろしくお願い致します。色々有難う御座いました。
No title
> yam*****さん

ブログの更新は、負担のないペースで行うのが(休むのも)良いのではないかと思います。
お大事にされてください。
No title
> 星谷 仁さん。有難う御座いました。叉よろしくお願い致します。
星谷 仁さんもお体に気を付けて下さいませ。
No title
10/5アカメガシワの先の蜘蛛の巣状の巣に似たような羽根のない個体がいました。追い出しても次の日戻って来てた。
No title
> 坂口さん

蜘蛛の巣状の巣との関係はわかりませんが……翅がないということは幼虫かもしれませんね。
No title
私の見たものは、どうやら別種みたいです。
幼虫の画像と全く色が異なり、全身灰色でした。
クモスズの名前の元となった在来種?
蜘蛛の巣を強奪し、蜘蛛のように獲物を待つイメージでした。
コオロギが糸を出すとは考えにくいですね。
また、羽根の痕跡もなかったと思います。
No title
> 坂口さん

コメントの虫は別種だったようですね。
昆虫は種類も多いし……画像が無いと、何だったのかは推測しにくいですね。

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