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蝉の終鳴日と10月下旬の虫

10月下旬でも鳴いていたアッパレなアブラゼミの終鳴日

セミというと夏の虫という印象があるが……意外に遅くまで鳴いていたりする。
今年は10月27日までアブラゼミが鳴いていた。これが今年最後にセミの鳴き声を聞いた日──終鳴日(しゅうめいび)となりそうだ。そのときのことを日記から──。

きょう(10/27)も中央公園(東京都東村山市)でアブラゼミが鳴いていた。昨日・一昨日と鳴いていたのと同じ個体だろう。鳴き声が聞こえてくる木の下へ行って姿を探す。例によって高いところにいるのでなかなか見つけられない。鳴き終わった直後、飛び去る姿を一瞬確認できた。すぐに近くの別の木の梢付近で鳴き始める。鳴き終わるとさらに別の木へ。3度目に止まった木でワンコーラス鳴き終わった直後、ヂヂッ!と不規則な鳴き方をした。天敵に襲われた時っぽい鳴き方だな……と思った瞬間、鳥が飛び去る姿が見えた。
その後アフブラゼミの鳴き声が聞こえてくることはなく……最後のヂヂッ!は、やはり、断末魔だったのであろうか。
だとしたら、(鳥に襲われていなければ)まだ鳴き続けられ、アブラゼミの終鳴日の更新ができた可能性があったのに残念だ……。


ちなみに今年最後に撮ったアブラゼミの生体は10月17日↓。


遅くまで活動していたセミでは、一昨年(2012年)10月29日にツクツクボウシの生体を撮影している↓


このとき↑は、さすがに鳴いてはいなかったが……ツクツクボウシの今年の終鳴日は10月20日だった。ミンミンゼミの終鳴日は10月02日(ギリギリ埼玉側)。他の種類はわからない。
初鳴日は鳴いたその日と確定できるが、終鳴日は鳴き声を確認した時点では、それが終鳴日になるのかどうか決められないので、あやふやになりがちだ。ということで記憶(記録)が新鮮なうちに記しおくしだい。

2014年の終鳴日(10月31日現在)
アブラゼミ:10月27日/ツクツクボウシ:10月20日/ミンミンゼミ:10月02日


セミの一部はけっこう遅い時期まで鳴き続けていたが、その一方《秋の虫》はちゃんと(?)出現したり聞こえてくるようになって季節は着実に移り変わっているようだ。
季節を感じる昆虫の一つが、ケンモンミドリキリガ──緑が基調の美しい蛾で、《紅葉の頃に出現する蛾》という印象がある。今年も10月下旬に入って見かけるようになった。


《秋の蛾》では傾いでとまるユニークなノコメエダシャク(類)が、やはり10月下旬になって出てきた。


傾いだ姿勢は「左右対称性を乱して天敵に見つかりにくくしている」のではないかと想像している(【ノコメエダシャクはなぜ傾いでとまるのか?】)。

カマキリ成虫も秋によく見かける昆虫のひとつだろう。ハラビロカマキリはよく見かけるカマキリだが最近まで緑色(オンリー)の種類だと思っていたので茶色型がいることに気がついた時は意外に感じ「珍しい!」と思った。


しかし一度気がつくと意外にちょくちょく見かける……。以前から一定割合いたのに気づかずにいたのか、近年になってその割合が増えたのかわからないが……このあたりでは茶色型のハラビロカマキリは珍しくないようだ。


「一度気がつくと、それ以降は意外なほどちょくちょく見かける」ようになった虫で、この時期の名物(!?)といえば……「ケバエの幼虫(のかたまり)」だろう。正体がわからず「地獄虫」と呼んでいた人もいたそうで、地獄から湧いてきたようなイメージはわからないでもない。
こやつの存在を知る以前は、ず~っと長い間、身近にこんな世界が広がっていようとは思いもよらず平和にすごしていた。ところがある日とつぜん目の当たりにして、「こんなおぞましいモノが存在して良いものだろうか!?」と衝撃が走った。気がつけば、そこかしこに散在しているではないか! ひとたび目につくようになると、あちこちで地獄が口を開けたような光景が目に飛び込んでくる──《ある事件をきっかけに、霊能力を宿し、急に霊界が見えるようになってしまった》──そんなマンガの主人公のようだ!?
気づいた人にはかなりインパクトのある光景なのだが……不思議なことに同じ所を通る一般の人(?)には全く目に入らないらしい。気色悪い光景のすぐわきを…時には上を!平和に踏み歩いて行くのである。
実際に遭遇した時ほどのインパクトはとうてい伝わらないが……とりあえず、そのケバエ幼虫のプチ集団をショックを緩和すべく減感差療法っぽく(?)遠景から徐々にアップしていく。




群れの一部に刺激を与えると、一部の幼虫がのたくり、その刺激が次々と周囲に感染、連鎖反応を引き起こし、やがて群れ全体がうごめきだして、そのおぞましいことといったら、この上ない。




はじめてこの虫の大群を見たときの衝撃は【謎の幼虫大群:ケバエ】でも記したが……「とんでもない光景をかいま見てしまった」感は大きかった。この《衝撃的な光景》は独りの胸にしまいこんでおけるものではない……かといって、それを見たことの無い人に説明しても「この気持ち(気色悪さ)」は伝わるまい。誰にも伝えることができない「もどかしさ」と「孤独感(?)」にさいなまれるのであった。
《衝撃的な光景》を目にした床屋が、それを胸にしまっておけず「王様の耳はロバの耳!」と叫びたくなった気持ちが、僕にはよ~くわかる。

何も知らずにケバエ幼虫のわきを平和に通り過ぎようとする人を見ると、つい呼びとめて「ほれっ! これを見てみれ!」と《衝撃的な光景》を教えたくなってしまう。「あなたが平和だと思っているその足元に、こんな地獄が広がっているのだ! どうだ、びっくりしたか!」みたいな?
そして、その気色悪さに衝撃を受けた人を見て、「わかる! わかるぞ、その気持ち! 僕も今のあなたと同じようにショックだったのだ。おお! やっとみつけた兄弟よ!」と抱擁し、自分が味わった同じ戦慄を共有・共感できる「仲間」と「この気持ち(気色悪さ)」を分かち合いたくなってしまう……「もう、ボクはひとりぢゃないんだ!」みたいな。

気づかずに平和に行き過ぎようとする人々を捕まえ、その心の平安をを打ち砕く《衝撃的な光景》をわざわざ知らせることはない──そう判っていても、「王様の耳はロバの耳!」と叫びたくなってしまう……そんな心の葛藤を生み出すケバエおそるべしっ! なのである。

実はアブラゼミの終鳴日となった同じ日に、例によってあちこちにケバエ幼虫の集団を目にしていて、「気色悪ぅ~」と思いながらデジカメで撮っていた。すると、なんと!──いきなり撮影不能となり、それまで撮って確認できていた画像すら表示されなくなってしまった……SDメモリーカードが壊れてしまったのである。
ケバエ幼虫軍団のあまりの気色悪さに、これまで酷使してきたSDカードもついに耐えきれなくなって絶命した……いうことなのであろうか!?
ケバエ幼虫おそるべしっ!
ということで、アブラゼミの終鳴日がSDカードの終鳴日ならぬ終命日(?)となったのであった……。

10月下旬のその他の虫から…





この時期にも目にするウバタマムシだが……東京都では絶滅危惧種・埼玉県では準絶滅危惧種という(?)この昆虫は1月~12月まで、オールシーズン見かけている気がする。
絶滅危惧!?東京のウバタマムシ



擬木上のシリジロヒゲナガゾウムシ。この昆虫もこの時期(にも)見かける気がする。♂の触角が大きく形もユニーク。「シリジロヒゲナガゾウムシ」という和名だが……「オジロアシナガゾウムシ」とよくゴッチャになりそうになる。どちらも「白」と「長」「ゾウムシ」が入っていて語呂がよく似ているので、「尻白」か「尾白」かプチ混乱しがちだったりする。
グンバイムシの仲間も擬木の上にいたので撮ってみた。






「グンバイムシ」というと、オサムシ科の「バイオリンムシ」を思い浮かべてしまうのは僕だけだろうか? 「バイオリンムシ」という和名は昆虫写真家の海野和男さんの命名だそうだが……こちらの方が「軍配」に似ている。
グンバイムシは小さすぎて撮るのが難しそうなので、これまでスルーしがちなのだが……今回撮ってみると、側面ショットでかなり立体感があることがわかった。これはこれでなかなか面白い造型だが、本家の「グンバイムシ」は、やっぱり(バイオリンムシに比べて)「軍配」っぽくないと改めて感じたしだい。



ありふれた虫だが……テントウムシ(ナミテントウ)が固まっている場所があった。幼虫・前蛹・蛹・成虫と密集している。羽化してまだじっとしている成虫がいたので、例によって写り込みショットを撮ってみた。




昆虫に写り込むネタは以前にも記している。
*【昆虫に写り込む】/【テントウムシに写り込む




※最遅終鳴日更新→◎立冬すぎのアブラゼミ! ※11月10日

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コメント

No title
面白いグンバイムシも、そんなに小さいとは!!
私には見つけられませんね。
No title
ケバエ幼虫私も以前ビックリしました。
暫くみて、木の枝でつついて観察しましたが、結構おぞましいです(笑)
てんとう虫を鏡に(笑)
面白いです🎵
No title
>>東北の温泉バカさん

グンバイムシは小さすぎて、なかなかキレイに撮れません……。
種類によって、食植物の葉の裏なんかについているみたいですが……これで、もう少し大きければなぁ……と思ってしまいます。
No title
>>すぬーぴーさん

ケバエ幼虫はインパクトありますよねぇ(笑)。
特に棒でつついたりすると反応がひろがって、おぞましさMAX!

テントウムシはツルツルの個体でスカイツリーを写せないか……なんて思ってみたり。
No title
いろいろ面白ネタが詰まってますね!
セミがまだ鳴いていたというのは驚きです。
捕っていってしまった鳥は、仕方がないのかもしれないですが
空気を読んでほしかったです。笑
グンバイムシの飛翔の瞬間て、よく撮りましたね。
バイオリンムシ、たしかに軍配にそっくりすぎて
行司さんがあれを持っていても誰も気づかなそうです。
No title
アブラゼミの終鳴日を記録しておこうと思い、それだけでは物足りないので最近見た虫からいくつか……と足していったら長くなってしまいました。
27日のアブラゼミはけっこうしっかり鳴いていたので、ひょっとすれば11月突入もあり得ないではない!?──と期待していたのに……残念。

グンバイムシはおもしろい形をしていますね。もう少し撮りやすい大きさだったら良いのに……。
余談ですが某所にも発生していたケバエ幼虫──路肩の落ち葉や土とともにきれいに撤去されていました。大量のケバエを持ち去った?業者おそるべしっ!!
No title
ケバエの幼虫って初めて見ました。北海道にもいますよね?
No title
北海道にもいるようですね。以前コメントいただいた北海道の方によると、初夏に成虫がたくさん発生するとか。
No title
こんばんは。
・・・セミの鳴き声を、そんなに遅くまで聴くことができるなんて!・・・「驚きです!」

・・・ノコメエダシャクもカッコイイな~・・・なんて、眺めてましたら!・・・エ!?・・・???
「私!・・・こんなケバエの幼虫の大群観た事ありませ~ん!」
凄い!凄~い!・・・気持ち悪~!(流石にまいった~!)
そうか!そうだったのか!?・・・
「私は、これまで平和に通り過ぎてる人達の一員だったんですね!?・・・(まだ、実物を目にしてないだけ!まだ平和な人のままでいられるのでしょうか!?・・・)」
・・・「今後も、目にする事がありません様に!」と、祈るばかりです・・・☆
No title
虫見をするようになって気がついたのですが、セミってけっこう遅くまで鳴いていたりするんですね。こちらでは、アブラゼミとツクツクボウシが10月に入っても鳴いています。

ケバエ幼虫はご覧になったことがありませんでしたか!?
僕も気づくまでは全く認知できていませんでしたが、ファーストコンタクトを境に、あちこちで目に入るようになりました。気がつかなかっただけで、けっこうどこにでもいそうな気がします。
虫関係の記事を閲覧していると、毎年今くらいの時期になると正体不明のこの虫の群れにビックリしたという記事にも出会いがちだったり。

ただ、以前、観察会オフでケバエ幼虫をてのひらにのせ「かわいい」と言っていた女性もいて、これにも驚いたことがありました。
No title
こんばんは、初めて訪問させていただきました。虫の世界を楽しく伝えてくれる素敵なブログですね。写り込みの巧みな発想などたいへん面白く拝見しました。ファンの方が多いのも納得です。これからも色々な情報発信をお願いします。お世話になりました。
No title
昆虫は身近な存在ですが、注意してみると色々と面白いコトやビックリするコトが多いですね。
必ずしも学術的な(?)アプローチではないのですが……自分が面白いと感じたコトや驚いたコトを気ままに記していこうと思っています。
No title
こんにちは

ウグイスやホトトギスにしても初鳴きは気をつけていても最後に鳴いたのがいつかを気に留めるひとは少ないですよね。
蝉の終鳴日に注意を払っているひとがいてちょっと嬉しくなりました。
No title
初鳴きはそのときに確認できますが、最後に鳴いたのがいつなのかは判りにくいし、あまり話題になりにくいのかもしれませんね。

僕も何年か前に「まだ鳴いている!」と意外に思ったことから、遅くまで鳴いているセミがいつまで健在なのかメモしておくようになりました。
No title
知り合いの英国人が、雨季になると出現する虫(羽蟻)の初見、街路樹の花の咲き始める時期等を日記帳に20年以上記録し続けている話をしてくれた時、とても感動しました。^^
星谷さんもこれからも続けられたら発見がいろいろあるにちがいありません。

ケバエの幼虫は日本でもみたことありませんが、同じような気持ち悪さで、ショウジョウバエの卵群を初めてみたときのことを思い出しました。ホント一晩ですごい数生みつけて、台所のごみ箱にこびりついたそれを取り除くときのあの音となんともいえない感触、思い出すだけでもぞっとします、そんなもの何がゾッとの対象なのか自分でもわからないのですが、(ゴマ粒位のサイズで薄い茶色の見た目は何の気味悪さも感じないような代物)おそらくあの増え方のスピードと量が半端じゃないことに対する恐怖???
No title
季節が一巡りすると、前の年のこと(日付の記憶)はあいまいになりがちですから、日記等に記録しておくのはいいですね。毎年記録していくことで気づくこともあるかも知れません。

「虫か湧く」という言い方がありますが、大集団というか超密度というか……その数にぎょっとすることはありますね。「ゾッとの対称」──見る側が何に反応して心乱されるのかも含めて気になってしまいます。それを知るためにわざわざ見て「ゾッ」を再現して確かめている部分もなきにしもあらずかも(笑)。

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