黄金色(こがねいろ)のコガネムシ

黄金色に輝くコガネムシがいた。サクラコガネというのに似ている気もするが……正確なところはよくわからない。ゴールドの輝きが美しく豪華なフンイキをかもしだしていたので撮ってみた。
この金ピカのコガネムシをみて頭に浮かんだのが、童謡『黄金虫(こがねむし)』。子どもの頃にこの歌で思い描いていた【こがねむし】は、まさにこんな感じの《黄金色のコガネムシ》だった。
僕がこの童謡に出会ったのがいつのことだったか、もう覚えていないが……当初は「こがねむし」の「虫」はわかるが「こがね」が判らなかった。
なので「大金持ち」の「大金」に対しての「小金」というイメージでとらえ、「こがねむしは金持ち」だというのは「大金持ち」ではなく「小金持ち」なのかな?──と想像していたような気がする。
おそらく作詞の野口雨情も「(黄)金虫」と「金持ち」をかけて意図的に韻を踏んでいたのだろうから、よくわからない子どもが「こがねむし」と聞いて「小金持ち」と連想・解釈したのは無理からぬことではなかったかと思う。
童謡『黄金虫』で歌われた昆虫とは!?
ところが……《金ピカのコガネムシ》のイメージを打ち砕く噂が世の中に出回っていた。《童謡『黄金虫(こがねむし)』に登場する「コガネムシ」とは「ゴキブリ(チャバネゴキブリ)」のことである》──という《ゴキブリ説》である。僕がこの説を知ったのは大人になってからだったが、大いに驚いた。これが本当なら、童謡のイメージダウンははなはだしい。「まさか……」と思い調べてみると、けっこう浸透しているウンチクらしいことが判った。
《ゴキブリ説》を知った時は、驚きとともに、なんだかガッカリしたのを覚えている。幼い頃から童謡で思い描いていた「黄金虫」のイメージと「(チャバネ)ゴキブリ」ではギャップが大きすぎる。
《ゴキブリ説》にイメージを裏切られたかのような気持ちを味わった人は少なくないのではないだろうか?

これ↑は《ゴキブリ説》を紹介した本の一部(僕の手元にあったもの)。これまで《ゴキブリ説》は、ネット上はもちろん、新聞・雑誌・書籍など色々なメディアで紹介され、それが「真相」であるかのように報じられてきた。
しかし、どうなのだろう……作詞した野口雨情が「あれは(チャバネ)ゴキブリをモチーフにした」と語ったり記した記録が残っているというのならともかく……作詞家本人に確かめることもなく書かれた記事を根拠に《ゴキブリ説》を全面的に信じてしまって良いものだろうか?
【コガネムシは金持ちではない話】(ゴキブリ説)では《【群馬県高崎地方】では「チャバネゴキブリ」を「コガネムシ」とよぶ》ことを根拠にしているが、野口雨情が生まれ育ったのは【群馬県高崎地方】ではない。雨情の故郷は【茨城県磯原町(現在の北茨城市)】であって、この周辺では(チャバネゴキブリではなく)「タマムシ(ヤマトタマムシ)」のことを「コガネムシ」と呼び、昔は貴重品のように扱われていた。財布の中に入れておくとお金が貯まるとか、箪笥の中に入れておくと虫がつかないなどとも言われていた。そうした記述のある資料は見つかるものの、雨情の故郷では「ゴキブリ」を「コガネムシ」と呼ぶ資料は見つからなかったという。こうしたことを調べ、枝 重夫氏は童謡『黄金虫』で歌われていたのは「ゴキブリ」ではなく「タマムシ」ではないかと指摘をしている。
かつてゴキブリは豊かさの象徴だったという説さえある。群馬県高崎地方では、チャバネゴキブリのことを「コガネムシ」と呼んでいたという。「コガネムシは金持ちだ」という野口雨情の童謡で歌われているのは、この虫のことなのだ。(P.8)
この本でも《「チャバネゴキブリ」を「コガネムシ」と呼ぶのは【群馬県高崎地方】》としている。その後あっさり《野口雨情の童謡で歌われているのは、この虫(チャバネゴキブリ)のことなのだ》と続けているが……雨情の故郷は【群馬県高崎地方】ではないのだから、この説明には不備がある。
もし、野口雨情の生まれ育った地域でも《「チャバネゴキブリ」のことを「コガネムシ」と呼ぶ習慣があった》のだとすれば、【群馬県高崎地方】の例を出すまでもなく、《野口雨情の故郷【茨城県磯原町】では──》と説明すれば済むことであり、その方が自然で説得力がある。なのにそう記せなかったのは《野口雨情の故郷(茨城県磯原町)では「チャバネゴキブリ」のことを「コガネムシ」と呼ぶ習慣がある(あった)》という事実が確認できなかったためだろう。
冷静に考えて……童謡の雰囲気からして、雨情が「チャバネゴキブリ」をイメージしてあの作品を描いたとはちょっと信じがたい。
宝石のように輝くタマムシは海外では宝石商が扱っていたりするそうだし、国内でもタマムシの翅が国宝・玉虫厨子の装飾に使われたことは有名だ。タマムシであったなら──歌の「金持ち」のイメージを損なわない。
『黄金虫』はタマムシだった!?
ということで、新たに浮上した「真相」の昆虫!? ヤマトタマムシはこれ↓
金属光沢のある体は、いわゆる「玉虫色」に色合いが変化し、とても美しい。先日、道に仰向けに落ちていた個体↓




《ゴキブリ説》を知った時にはガッカリした僕だが、今は希望を持って(?)《タマムシ説》を支持している。
雨情は《タマムシの翅で装飾された玉虫厨子》をモチーフに、これを《黄金虫(タマムシ)の金蔵》に見立てるという着想を得て、この詞を書いたのではないか?
もちろん、これは僕の憶測に過ぎないのだが……。
コガネムシの仲間は(も)似たのがいるので、特徴がハッキリしないものは僕には識別困難です……。
《ゴキブリ説》がなぜ出てきたのかよくわからないところもありますが……印象的にも論脈的にも「それは無いんじゃないか……」と思っています。
子どもの頃、歌詞にでてくる「金蔵」って何だろう?──と疑問に思っていたのですが、これが玉虫厨子ならピッタリくると感じ、やはり《タマムシ説》が濃厚なのではないかと考えています。
ブログを検索しているとヤマトタマムシをコガネムシと記している人もいるので、そう呼んでいる人も少なからず存在するのだろうと思っています。
・・・今回も、サングラスを用意して記事を愉しく!(興味深く)読ませて頂きました・・・
ゴキブリ説・・・その地方の方には、大変申し訳ないと思いますけど・・・
童謡でもありますし!チャバネゴキブリは流石にないでしょう?と思ってしまいます。子供達が、夢心地に♪黄金虫は~金持ちだ~・・・♪と唄いながら・・・それが!チャバネゴキブリ??
ああ!夢が!ボロボロボロと・・・
玉虫厨子との関係の考察も面白そうですね!私は、これに一票!☆
食べ物の多い家にハエやネズミが発生したら歓迎されないように、「豊かさの象徴」だからといって、ゴキブリが出れば嫌われる──というのが一般的な感覚だと思います。
その嫌われがちなゴキブリを雨情が童謡にしたという解釈には、違和感があります……。
やはりめでたい虫(漢字で書くと「吉丁虫」)であるヤマトタマムシが、ふさわしいように思えてなりません。
見たことがないです。
コガネムシって、識別が難しいですよねー。
私も未同定のままの写真がたくさんあります。
ヤマトタマムシ説のほうが説得力があるような気がしますね!
そして、コガネムシの歌にこんなに水飴が登場するとは知りませんでした。。。
僕の中では、子どもの時に抱いていた童謡『黄金虫』のイメージそのものでした。
なんと言う種類なのかいちおう調べてみようとしたのですが……特徴の乏しいコガネムシは見極めが(僕には)難しくてあきらめました。
歌詞に出てくる「金蔵」は「玉虫厨子」からの発想ではないかと見ているのですが(あくまでも個人的意見)、「水飴」が謎なんですよね……。一番で出てきたのを受けて2番の最後(オチ?)という構成ではないかとは思うのですが……。
もしかすると玉虫厨子の装飾で使うために買ってきた水飴を、子どもに与えた──ということなのだろうかとも考えたのですが、この解釈にはあまり自信がありません。
ブログ等でもタマムシをコガネムシと記しているのを見かけるし、そう呼んでいる人も少なからずいると思います。
オオセンチコガネの成虫はカブトムシなどに与える昆虫ゼリーでも飼育できるみたいですね。
コガネムシの歌は好きで子供の頃からよく歌っていました^^
黄金色=ゴールド=金持ちと、なんとなくそう思っていましたが、
私の中では、子供に水飴買って来て舐めさせた優しい虫、と言うイメージでもありました^^
今までこのように掘り下げて考えた事が無かったので、
こちらの記事は実に興味深く見せて頂きました^^☆♪
タマムシは子供の頃に見たっきり、黄金色に輝く本物のコガネムシに出逢いたいものです^^
それがある頃から「あれは実はチャバネゴキブリのことなんだ」という話が広がり、作詞した故人・野口雨情に確かめることもできないまま、それを断定するような書籍が出版されたりしていることに抵抗というか、疑問のようなものを感じています。
子どもの頃にこの童謡で思い描いていた黄金虫のイメージ──ゴールドの黄金虫を見つけたので、そのあたりのことを含めて記してみたしだいです。
外見では見分けるのが難しいような種類も少なくないようですが……とりあえず、「このあたり?」というのが判れば、ちょっと心の整理がつくよううな(笑)。
正直、子供の頃に歌った歌のイメージがこの歳まで有りましたので、ちょっとショックでした。。
話しは変わって…昆虫たちの背中(例えば、蝉、クワガタ、カブトムシなど)側は違いはよく判りますが、ひっくり返って天を仰ぐ姿はみんな、ゴキブリに見えてしまいますので正直触るには勇気がいりますよね(笑)
僕もそうでしたが、《ゴキブリ説》はショックですよねぇ……。しかし、多くの人にショックを与えたこの説は、どうもアヤシイ……ということで、改めて記してみました。
ところで、ゴキブリも一部の人には人気があるようで、ペットとして売買されている種類もあるみたいです。以前、外国産のゴキブリ専門店があるとテレビで報じられていたのを見た記憶も……(日本の話です)。
生息環境が残っているか否かで、見かける頻度には大きく差がでるのでしょうね。
頻繁に見かけるようになっても、タマムシの美しい姿に出会うとラッキー感を覚えるのは以前といっしょだったりしますが。




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