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異形幼虫あらわる!

異形幼虫バイバラシロシャチホコ!?

「異形」という言葉がふさわしい、なんとも奇抜な造型! よくこんなデザインが実現したものだと驚いたり感心したり……。






僕が怪虫【シャッチー】と呼んでいる「シャチホコガの幼虫」に似ているが、背中の突起の形状や腹端近くの黒い刺のあるフード状の節の形などが、ちょっと違う。






以前撮ったシャチホコガ幼虫↑に対し、今回みつけた異形幼虫↓。




以前【シロシャチホコ幼虫の再生脚】でネタにした「シロシャチホコ」にもよく似ている。模様の入り方を見ると、シロシャチホコに近い「バイバラシロシャチホコ」という蛾(の幼虫)っぽい気がするのだが……正確なところはわからない。
この異形幼虫のことを調べて「バイバラシロシャチホコ」という名前にいきついたとき……僕の頭の中ではこの虫のテーマ曲?が決まり、脳内自動再生されたのであった……。

バイバラ・バンバンバン! バイバラ・バンバンバン!
バイバラ・バンバン・バイバラ・バンバン! バイバラ・バンバンバン!
(※秘密戦隊ゴレンジャーを知らない人にはわからないネタ……)


ちなみに、「バイバラ」は台湾中部の地名「眉原(バイバラ)」に由来するとか。「和名は台湾亜種に名づけられた名を転用したもの」だそうだ。

ところで、シャチホコガ幼虫・シロシャチホコ幼虫・バイバラシロシャチホコ幼虫などの《シャッチー族》(と勝手に命名)を見るとフシギに感じるのが、この不自然に長い胸脚だ。イモムシ(蛾の幼虫)の胸脚は3対──これは成虫になったときの脚にあたる。シャッチー族ではこのうち中脚と後脚にあたる2対が発達して飛び抜けて長い。これはいったい、どうしてなのだろう?


這っているところを見ると、長い胸脚は移動に便利というわけでもなさそうだ。先端の構造(成虫の附節とはだいぶ違う)からすると、これで葉や枝をしっかりとらえて体を引き上げるという使い方は難しそうに思える。普通のイモムシと変わりない腹脚との連係を考えると、ストロークの著しく違う長い胸脚はかえってバランスが悪そうにも見えるのだが……胸脚だけがどうしてこんなに長くなってしまったのだろう?


幼虫のうちは抑制されていて成虫になったときに発動するはずの脚形成に関わるスイッチが早い段階で入ってしまい、幼虫時点で胸脚が成虫の脚のように形成されてしまったのだろうか?
では、胸脚のうち前脚だけが長くならなかったのはなぜだろう? 想像するに……食餌のさい、葉をおさえるには長い脚は不便だからではないか? トゲのような構造の胸脚では、左右で挟むようにして初めてつかんだものをしっかり保持できるはずで、口元で安定させるためには短い方が使い勝手が良いはずだ……また、歩く際にもグリップ力を維持するために最前列の前脚だけは短くなくてはならなかったのかもしれない?
胸脚のうち中脚と後脚にあたる部分は(はからずしも?)長くなってしまってもなんとかなったものの(?)、さすがに前脚部分まで長くなったものは不便きわまりなく淘汰されてしまったのではないか……?

シャチホコガの画像では長い脚を使った「威嚇ポーズ」を載せたが、静止している幼虫を刺激すると前脚をくわっと開く──これには体を大きく見せる・あるいは攻撃態勢を思わせる威嚇効果があるのではないかと考えている。
そういう意味では長い脚も役に立っているのかもしれないが、「威嚇ポーズ」をとるためにわざわざ脚が長くなったとも思えない。脚が長くなったことで、こうした防衛行動が生まれたのではないかという気がする。

この異形スタイルの意味を考えた時、思い浮かぶのがカシワマイマイの幼虫だ。ドクガの仲間には、毛の束が前後に伸びている毛虫がいる。このシルエットが《シャッチー族》に、ちょっと似ていなくもない。実際、僕もカシワマイマイ幼虫をシャチホコガ幼虫と見間違えたことがある。あるいは共通する意味が隠されているのかもし知れない。




もしかすると昆虫食の鳥などでは、こうした《突起物がつきだしたワーム》を敬遠するような傾向があるのだろうか?
鳥がこうした「形」を嫌うのであれば、胸脚であろうと毛の束であろうと、似たシルエットに見えれば生存率を高める効果はあるのかもしれない……。

例によってフシギな昆虫を見ていると、あれこれ想像(妄想)が広がってしまう。
シャチホコガ幼虫を初めて見た時──なんの予備知識も無かったので、この異形の生命体はとてつもなく気味悪い存在に感じられた。
しかし、このデザインはスゴすぎる……よくまぁ、こんなスタイルが実現したものだと感心するようになり、今では《シャッチー族》は、出会うとラッキー感のある存在になってしまった。


幼虫時代はこんなにユニークな姿をしている《シャッチー族》だが、成虫になると、地味な普通の蛾になってしまう。
「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」──なんていう言葉をがあるが、《シャッチー族》もおとなになると「ただの蛾」になってしまう……なんだか残念な気がするのは僕だけであろうか……。


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コメント

No title
おはようございます。
子供の頃は平気だったのですが、大人になってこの手の虫に触れません(汗)。
ニンジンの葉に付いていて確実にアゲハ蝶の幼虫と分かっていてもダメですね。
庭土を掘って出ていた甲虫の幼虫も。
ダンゴ虫をコロコロするのさえ躊躇してしまいます、ワラジ虫なら無理。
関係ないですが、大好物だったメロンもスイカも、別に要らな~いって感じです。
何が私を虫から遠ざけているのでしょうねぇ???
あ、タマムシ、カミキリはイケるかなぁ。
No title
おはようございます。
・・・朝から、パソコン覗きこみ・・・
この記事を拝見しながら・・・大笑いしてます(笑)
・・・シャッチー(シャッチー族)で一笑い・・・
・・・「バンバラバンバンバン・・・」で、も一度大笑い・・
(おかげで、目じりの皺が最低6本は増えてしまった・・・)

前脚へのユニーク?そうかも?と想える考察も、大変興味深く拝読致しましたが・・
(私の心の中は、年齢的に致命的とも想える目じりの皺の心配で頭の中が一杯となり心穏やかではない・・・)

・・・こうなったら、せめてユニークな姿の幼虫から心躍らせてくれる成虫が登場するのを期待し、心躍らせたいのだが・・・
・・・成虫の姿・・・普通じゃん!・・・
私も同感です!もう少し!・・・成虫には努力して頂きたかったと想います・・・(何を???)☆
No title
ひゃああ~、かっこいいですね~。(といいつつ絶対触れませんが)
シャッチーも初めて見ました。
こんなのいるんですね。
脚はやっぱり成虫のものにかなり似てるんでしょうか。
変態後は別の脚が出てくるんですよね?
なんとなく、くにゃっとして柔らかいかんじがしますね。
No title
>>124090_560TEさん

子どものときは平気だったけど大人になったら虫に触れなくなった──という話はよく聞きますね。
食べ物の好みが変わるように、感覚的な変化があるのでしょうか……。

僕の場合、子どもの時との違いというと……子どもの時に見たカブトムシ・クワガタ・カミキリはもっとデカかった……という印象があります。虫をつかんた子ども時代の手が小さかったから、その比較でそう感じるのでしょうが。小学校の校舎や校庭を大人になってから見ると小さく感じるのと同じ事なのでしょうね。
No title
>>今日も、こっそり自然観察!さん

判っていただけたようで(笑)。
「シャチホコガの幼虫」では長いので「シャッチー」──この虫を見た時には、心の中で(?)そう呼んでやってください。
ちなみに、「マダラマルハヒロズコガの幼虫」も長いので僕は密かに「ツヅミン」(別名「ツヅミミノムシ」から)と呼んでいます。
シャッチー族もツヅミンも、幼虫の時代はとってもユニークなのに……ほんと、「成虫には努力して頂きたかった」感が否めません(笑)。
No title
>>noriさん

まだ出会ったことがありませんでしたか?
僕が知らずに遭遇したときは、この姿で地面でアリにたかられのたうち回っているところだったので、かなりインパクトが大きかったです。
ちなみに僕が虫見をはじめる前に出会った二大衝撃昆虫のひとつがシャッチーで、もうひとつがケバエ幼虫大軍団でした。

シャッチーの方はキモカッコイイ中毒性のある魅力(?)のため、今でも出会うとテンションが上がってしまいます。

成虫になると脚を含めて普通の蛾になってしまうので、幼虫時代の胸脚も蛹の段階で再構築されるんでしょうね……。幼虫時代は撮影意欲をかき立てられる存在だったのに、成虫になるとカメラを向ける気すら起こらなくなってしまうシャッチー族って、いったい……。
No title
今回も面白い発想ですね。 シャチホコガは幼虫も蛾も見た事が有ります。 何でこんな形の幼虫に進化したのか又普通の蛾になるのか不思議です。 ムラサキシャチホコなどシャチホコガは面白いです。ナイス
No title
シャチホコガの仲間にはユニークなのがいますね。シャッチーほど《きもカッコイイ》昆虫は他にはなかなかいないと思います。

ムラサキシャチホコはいつか見てみたいと思いながらまだ出会えずにいる昆虫の1つです。成虫のだまし絵のような擬態はみごとですね。
No title
シャッチー(シャチホコガ幼虫)のフィギュアが商品化されている事を知った。
きもカッコ良いシャッチー──じつはけっこう人気者!?

イモコレ!2 イモムシストラップコレクション
http://www.capsuleq.in/m/catalog/14.5.20_imoco2/

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