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アシナガオニゾウムシのぴっちり収納術

「あしながおじさん」ならぬ「手長おじさん」なゾウムシ!?





前脚が異様に長いゾウムシ!──この昆虫を初めて見た時(※【5月下旬の昆虫2014】)、その特徴に驚いた。その時点では名前も知らず、イメージとしてはテナガザルならぬ「テナガゾウムシ」、もしくは「ウマヅラテナガゾウムシ」(角度によっては顔が馬面に見える)が思い浮かんだ。帰宅後調べてみると、その特徴からすぐに和名が判明──【アシナガオニゾウムシ】。前脚がとても長いのはオスの特徴で、メスはさほどではないという。
僕が最初に見たのはオスだったが、その後メスも含め幾度か見ることができたので比較してみた。




前脚が長いのは成虫♂──ということは、「あしなが(足長)おじさん」ならぬ「手長おじさん」なゾウムシということになろうか。
なぜ「おじさん」──成虫♂だけが前脚を特に発達させたのだろう? ネット上の情報によると♂同士の争いでこの長い前脚が使われるらしい。♂だけ左右の眼が異様に離れたエゴヒゲナガゾウムシ(※【たそがれるハイエナ!?眼が離れすぎの虫】)では、♂が顔を突き合わせて眼の離れ具合を競っているように見えたことがあったが、アシナガオニゾウムシの♂も前脚の離れ具合(見せかけの体の大きさの優劣→勢力の優劣)を競うような習性があって、この特徴を進化させてきたのだろうか?
アシナガオニゾウムシ♂同士の争うようすを観察してみたいものだが、残念ながらこれまでまだその機会に恵まれていない。

ビックリ!ぴっちり馬づら収納術

アシナガオニゾウムシ♂の前脚の長さは、この昆虫の顕著な特徴だが、撮影しているうちに、他にも実にユニークな特徴があることに気がついた。
ゾウムシといえば長い口吻が特徴だが、この目立つ突起構造物を隠してしまう収納スペースを胸の下側に隠し持っていたのだ。




この胸の下の凹みに「耳の短いウマ顔」をピッチリはまり込むように収納できるつくりになっている。《収納モード》になると、この収納スペースに触角を格納し顔でフタをするのだが──これが実にみごとなのだ。


収納モードに入るとしばらく死んだフリをしているが、やがて顔フタ・ハッチが開き収納していた触角が現れる。






指にとまったアシナガオニゾウムシが収納モードを解除するようす↓。




このみごとな「ぴっちり収納」は何のためだろう?
とびだした触角や口吻を隠すことで、鳥等の天敵から見つかりにくくなるというような利点でもあるのだろうか? あるいはアリ等の攻撃から触角や首を守り、そうした敵をシャットアウトするための機構なのだろうか?
いずれにしても、これだけピッタリはまり込む完璧収納感はここち良い──よくできたつくりだと感心した。





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コメント

No title
こんにちは。
・・・アシナガオニゾウムシの♂の前脚!・・・立派ですね~!!!
前脚が長い理由として考えらえる事!説明文!を読み、納得致しました。
・・・他の虫でも、♂だけが前脚の長いものや!首の長いものが居たりしますよね?・・・私は、蜘蛛の種で、♂のみが前脚の長いものを観ると・・・こう!グッ!と来るところがあります。

・・・私は、前脚の長い♂を観るたびに、交尾の際の利点かな?そうだな、きっと!と思って疑わずにいました・・・ああ!単純・・・☆
No title
最初に見たときは、不自然なほど長い♂の脚に「なんで!?」と思いました。
僕もまず、交尾の際の利点を考えたのですが、マウント状態のペアを見ても♂の長い脚が利用されているようには見えず、そうすると♂同士の(♀をめぐる)争いで使われるのかなぁ……と想像しました。検束してみると、それっぽい情報もあるわうですし。
あと、前脚が長い方が♀にモテるという可能性も思い浮かんだりしました。
いつも虫は想像力を刺激してくれますね。
No title
動物の進化というのは面白いですね!!
色々と意味合いがあるのでしょうね。 「ナイス!」
No title
まるで変身ロボットのような収納機能&デザインに感心してしまいました。
進化の生み出した造型は興味深いですね。
No title
足が長くても不便でしょうね。バランスが・・・何となく思いました。
驚きの収納です。愕然!
たまに死んだふりをする虫がいます。先日もポテンとひっくり返っていたので
死んだ虫・・・少し離れたら起き上がってスタスタ歩いて\(◎o◎)/!
昆虫は面白いです。
No title
この脚の長さは、さすがに日常生活には不向きな感じがしますね。
でも、人間のハイヒールなんかも虫からみたら「歩きづらそうで不便だなぁ」だったりして(笑)。

アシナガオニゾウムシのぴっちり収納には驚きました。こちらの方は「よくできているなぁ」という感じですね。

昆虫は飛んで逃げるものも多いですが、死んだフリだと撮りやすくて(まだ)いいです。葉や枝から落ちてじっと動かないことで天敵の目をのがれるチャンスが生まれるんでしょうね。
No title
こんにちは~(*^-^*)

アシナガオニゾウムシ、実に面白くまた興味惹かれる昆虫ですね^^

「ゾウムシ」位しか知らない私です。こちらの記事見て吃驚仰天です。
♂の長ーい前足、馬面な顔面に、収納できる体の特徴も面白い、全てが面白いですね。
何処かで、こんなお顔の人を見かけたような・・・
楽しく記事拝見させて頂きました^^

ナイス☆
No title
あっ、死んだ振りしてるオスとメスも何だか表情が可愛い~~ですね(≧m≦)ププッ
No title
ゾウムシは(も)、大きいのから小さいのまで種類が多くて、わからないのも少なくないのですが……アシナガオニゾウムシはその特徴からすぐに名前がわかりました。
ふだん人はあまり気にとめない虫なのでしょうが、よく見ると面白いものですね。
No title
面白いですね。
足を縮めて死んだ振りは見ますが此処まで観察したことは無なく長い顔を収納するスペースが有ったのは驚きです。
交尾を撮ったことが有りますが長い手は特に役だっている様には見えませんでした。
もう少しじっくり観察する様にします。ナイス
No title
最初は♂の脚が長いのが面白いと感じてカメラを向けたのですが、撮った画像を見て胸の下側に凹みがある事に気づいき、さらに興味が深まりました。♂の脚が長くなかったら、きっと胸の収納スペースに気づく事はなかったでしょう。
次は♂の脚が長い理由──長い脚が使われているシーンを観察してみたいと思っています。
No title
こんなにぴっちりはまるとは、知りませんでした。
めちゃかわいいですね~。
擬死のときの、手を折りたたむ恰好もたまりません。
ムシクソハムシも脚用の収納スペースがいいかんじでありますよ(^ ^
今度私もいろんな虫の収納スペースに注目してみたいと思います!
No title
ぴっちり収納──僕も気づいたときは良くできたデザインにビックリしました。
あと、前脚をたたむと関節部分がちょうど収まるように、胸に凹み(口吻の収納スペースの下)があるんですよね。

ムシクソハムシはじっくり見たことが無かったのですが、チャンスがあったら確認してみます。
ミミズクなんかも脚をたたむと体にピッタリ合うようなデザインですが、隙間無くきれいに一体化する収納デザインは気持ちがいいですね。
No title
初めまして。今日自宅玄関付近でこのゾウムシを発見しました。すぐネットで検索してみたらアシナガオニゾウムシと判明しました。発見した個体は♂です。(場所は横浜鶴見区になります)

こちらの写真はこの虫の特徴を的確に捉えていますね~
お見事です。
No title
アシナガオニゾウムシ♂の前脚の長さにはビックリですね。
ゾウムシの仲間は種類を調べるのが難しそうなものも多いですが、この虫に関しては僕もすぐ見当をつける事ができました。

この特徴(♂の前脚の長さ)を記録しようと撮っているうちに、顔をぴっちり収納するデザインだと気がつくことができました。

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