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ホソオチョウ2014春@東京

ホソオチョウとアカボシゴマダラ・オオムラサキ

いつくかのブログでホソオチョウの話題が上がっていたので、こちらでも発生していないか去年みつけた東京都側の発生場所に行ってみた(*)。食草のウマノスズクサを含めまだ草の背丈は低い。これまで何度か見たホソオチョウの発生現場では白っぽいオスが飛んでいるのがまず目につくという感じだったが、今日は見当たらず。
今年は発生していないのか、あるいは時期が早いのか──と思いながら、しばらく眺めていると、メスが飛んできた。最初のメスは見失ってしまったが2度目に見つけたメス(最初に見た個体と同じかもしれない)が降りたところを撮ることができた。きょう確認したホソオチョウはこれだけだったが、とりあえず、今年も同じ場所で発生していることは確認できた。


ホソオチョウはもともと日本には生息していなかった要注意外来生物。同じように要注意外来生物に指定されているチョウにアカボシゴマダラがいる(*)が、これも今日、春モード(5齢)に変身した幼虫を確認。




ホソオチョウもアカボシゴマダラも僕が狭山丘陵で見るようになったのはここ何年か。アカボシゴマダラは初めて見てからあっという間に増えて市街地でも緑地でも広い範囲で普通に見られるようになってしまった。それに対し、ホソオチョウの発生地は限定的な2カ所しか知らない(もう1カ所は埼玉県側)。

特に去年はじめて確認した東京都側の発生ポイント(今日見たところ)はとても狭い。去年はその狭いエリアで複数のオスが舞っていた。他では見たことが無いことから《ホソオチョウは密度が高いところに集まる》習性があるのだろうか……などと感じている。
ちょっと考えると、一カ所に集まってしまうと天敵に目立って見つかりやすくなるとか、その発生ポイントが何らかの理由で消失すれば損失も大きいなど、デメリットがありそうな気がする。
アカボシゴマダラはこれとは対照的に拡散することで生息域を広げたのではないかと想像する。

《密度が高いところに集まる》ことはデメリットが多そうな気がする一方、交尾のチャンスは増えそうだから、繁殖行動という点からすれば有効なのかもしれない。そして幼虫の食草がウマノスズクサ(毒性物質を含む)であることを考えると、同じウマノスズクサを食草とするジャコウアゲハが(食べた葉から摂取した毒を体内に蓄積することで)捕食者から敬遠されるように、ホソオチョウも食草の毒をたくわえ鳥等から避けられているのかもしれない?(個人的な想像)。
ジャコウアゲハを補食した捕食者は中毒を起こし吐き出し、次からジャコウアゲハを襲わなくなるというが、「毒を持つ虫」であることを「学習」によって捕食者に植え付けるのであれば、その虫は散発的に出現しているより密度が高い方が効果はずっと高いはずだ。
ホソオチョウが《密度が高いところに集まる》のには、そんな理由があるからではないのか……そんなことを考えた。

外来種であるホソオチョウが帰化することで同じウマノスズクサを食草とするジャコウアゲハへの影響を心配する向きもある。
この構図はアカボシゴマダラでも同じで、食植物(エノキ)が重なるゴマダラチョウやオオムラサキとの競合が危惧されているらしい。

そのオオムラサキだが、今日は数匹の幼虫が柵上で「遭難」していた。


毎年今頃になると、エノキの近くの柵や擬木に間違って上がってきてしまう幼虫(*)に出くわすものだが、一度に数匹観たのは初めて。手すりの近くには伐採後の切り株があって、もしかするとこれがオオムラサキ幼虫たちの食植物で、幼虫達が落ち葉の中で越冬している間に切られ、春になって帰るべき木がなくなってしまったことで、手すりにあがってきたのかもしれない。




オオムラサキにとって脅威なのはアカボシゴマダラより、食植物を伐採したり越冬場所になる落ち葉を片付けてしまう人間ではないか……と思った。


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コメント

No title
おはようございます。
・・・ホソオチョウ・・・アカボシゴマダラ・・・他・・・
要注意外来生物は、きっと!「自分達が何か悪い事した!?」状態なのでしょうが・・・
その存在の影響は、多大で且相当迷惑!?・・・
それぞれ拡大の最強戦略が色々考えられる以上、脅威ですね・・・☆
No title
昆虫等を見るようになって、僕が子どもだった頃にはいなかった生き物がずいぶん増えてきたことを実感しています。
外来生物は移入の仕方や影響力は種類によっても違うのでしょうが、色々考えさせられる事が多いですね。
本人(虫?)たちは外来種も在来種もそんな意識はなく、ただ自然が創ったプログラムを展開して(生きて)いるだけなのでしょうが……。
No title
継続的に放チョウされたとしか思えない
ホソオチョウを見ると暗い気持ちになり
ます。
オオムラサキの幼虫、救助したくなります。
No title
故意の放虫は罪が深いですね。

僕は基本的に生態系には介入しないようにしているのですが、人工物で遭難しているオオムラサキ幼虫は何度かレスキューしています。
ただ、移動した先が気に入ってもらえているのかは後に確認できずにいます。同じ種類の食植物でも、昆虫によって好みの環境があるのでしょうね。
アカボシゴマダラとオオムラサキではずいぶん好みが違うような気がしています。

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