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ど根性蛹!?

ど根性蛹(さなぎ)~擬木ミステリー第2弾~

「ど根性ダイコン」や「ど根性ナス」──舗装の割れ目やコンクリートのわずかな隙間でたくましく育った「ど根性野菜」がしばしば話題になったりするが……それを彷彿とさせる光景が……。








さらに、この近くの擬木でも……








桜の幹からのりだすようにのびた蛹ぬけがらは時々目にしていたが……人工物の擬木から飛び出していた蛹(ぬけがら)には驚いた!
桜の幹からでてくる蛹の方はコスカシバという蛾のものだろうと思っていた。


擬木からとびだした「ど根性蛹」もコスカシバによく似ているが、成虫の発生時期からする別種のようだ。おそらく近い種類の蛾ではないかと思う。スカシバガ科の蛾の多くは幼虫が樹木に穿孔するという。
しかし……こうした蛾の幼虫は樹皮下で材を食べて育つはずだ。「ど根性蛹」は──無事に羽化した昆虫(おそらく蛾?)は、擬木の中でいったい何を食べて育ったのだろう?
擬木ウォッチでみつけた新たなミステリーである。

擬木の隙間から入り込んだ有機物あるいは内部スペースに発生したカビ・苔などでも食べていたのだろうか?
人工物の擬木といっても、これが木材ならば、さほど驚くこともないのかもしれない。カミキリが木材の家具から出てきたなんてハナシはある。
しかし画像の擬木が木材でない事は明らかだ。擬木の素材が何か調べてみたところ《再生ポリエチレン樹脂を使用したプラスチック擬木》というのが、どうも似ている。
プラスチックを食う虫などいるものか──と直感的には思ったが、プラスチックも石油(生物由来)製品ということを考えれば……これを食う生物がいたとしてもおかしくはないのだろうか?

分解し難いプラスチックを食う(分解する)虫がもし発見されたとしたら……プラスチックゴミの処分等で商業利用できるかもしれない(阿刀田高氏の短編にもそんな着想の作品があった)。
そんなSF的な想像が展開した……。

もちろん擬木を食って育ったとはとても思えないのだが……それでは「ど根性蛹」の主は何を食って育ったのか……納得できる答えは見つからない。

ど根性蛹をみてわかった(気がする)こと

桜の幹から飛び出した蛹(ぬけがら/コスカシバと思われる)を初めて見た時は、《蛹の状態で幹から這い出て羽化する》ことにちょっと驚いた。
考えみれば、蛹になった樹皮下で羽化すれば、翅が邪魔になり脱出し難くなるし、外へ出るまでに翅を痛めてしまうかもしれない……翅が伸びる前に広い場所へ移動できなければ羽化不全の危険が高まるから、そうした危険を避けるために《蛹のまま外へ出て、そこで羽化する》というのは理にかなっている。
それはわかるのだが……しかし、羽化前の蛹が自由に歩き回れるとも思えない……いったいどうやって「蛹のまま」移動してきたのだろう?──そんな疑問が浮かんだわけである。

余談だがセミの抜殻を「蛹」だと思っている人は意外に多いようだ。しっかり形が残る抜殻はたしかに「蛹」っぽい感じがしないでもない。しかしあれは「幼虫」(セミは蛹を経ずに成虫になる不完全変態の昆虫)。だから羽化場所まで歩いて移動できるわけだ。
しかし樹皮下で蛹化した蛾が、蛹の状態で歩いて木の外へ移動できるとは思えない……。
コスカシバの蛹はどうやって木の幹から出てくるのだろう──そんな疑問を抱いていたのだが……「ど根性蛹」を撮ってみて判ったような気がする。よく見ると蛹の腹には下向きにギザギザがついている。コスカシバにも同じような器官があって、孔の中で身をよじるとギザギザエッジが壁面に引っかかり後退はできず頭方向へのみ移動できるしくみ──そんな構造になっているのではないだろうか?(個人的推測/この解釈が当っているかどうかは?)。



「蛹」がどうやって木の(擬木の)内部から出てくるのかという謎は解けた(かもしれない?)気がするが……「ど根性蛹」は擬木の内部で何を食って育ったのかという新たな大きな謎に突き当たってしまったのであった……。

ところで、最初の見出しに「擬木ミステリー第2弾」とつけたが、「擬木ミステリー第1弾」は【しおり糸の迷宮!?】。その後の続報の追記もあり。

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コメント

No title
ど根性蛹何匹も居るのには驚きです。
あの硬いプラスチックを食い破って出て来るのも凄いです。
何を食べているのか気に成ります。
何時も凄いのを見付け観察されますね。ナイスです。
No title
本当にあの硬い擬木の表面にどうやって孔をあけるのか……出てくるときは蛹だから大顎を使うわけではないだろうし……不思議ですね。
あらかじめあけておくのか……あるいは孔のあいたところに侵入するのか……判らない事だらけです。

よくわからない現象ながら……「ど根性蛹」ということでとりあえず記しておく事にしました。
No title
これ、コスカシバって言うんですね!
絶対、悪い虫だ、怖い虫だ!と思って殺虫剤で退治してしまいました。
しかし、擬木に潜りこむ生命力?が凄いですね!
No title
コスカシバと似たスカシバガ科の蛾は他にもいるのですが、蛾というよりハチに似てる感じがしますね。
天敵から警戒感を持たれることで生存率が高まったのだろうと想像しています。
でも、ハチに似てる事で人間に処分されちゃうことも多いというのは皮肉な話ですね。
コスカシバに関しては桜の害虫ってことで処分されがちなようですが。

それにしても擬木から羽化するスカシバガ科の蛾(だと思う)がいるというのにはビックリしました。
No title
これはスゴイ!
星谷さんのブログにはいつも驚愕させられます!
No title
いったいどうなっているのか……自然の驚異をかいま見た思いがしました。
信じがたい光景でしたが、実際にど根性蛹は存在しているわけだから、なにか合理的な解釈があるはずだとは思うのですが……今のところ見当がつかずにいます……。

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