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しおり糸の迷宮!?

道標(みちしるべ)の糸・しおり糸

クモが通ったあとにはよく糸が張られている。巣を張るものも徘徊性のものも、クモが歩くときには必ず《しおり糸》を引いていくという。《しおり糸》の語源は本のページに目印をつける「栞(しおり)」と同じだろう。山道を歩くとき迷わぬように木の枝を折って道しるべにした「枝折」からきているらしい。
クモの《しおり糸》も道しるべの役割りをはたす。
迷わぬためのスペシャルアイテムともいえる《しおり糸》だが……。

《しおり糸》の迷宮















円を描いた《しおり糸》をたどって同じ所をグルグル…

迷わぬための《しおり糸》のせいで、迷宮にはまり込むクモ……想像したとき、自分でも「そんなアホな」と笑ってしまった。しかし、こんなネタが思い浮かんだのには理由がある。
去年の12月下旬になるが、こんな光景↓を目にしたからだ。


最初は半透明のビニールテープが巻かれているのかと思ったが……、



いったいどうしたら、このような形になるのだろうか?──そう考えた時に、前記のマンガのような状況が思い浮かんだ。
本当にそんなマヌケなことが起こるのか、思いついた自分でも、ちょっと信じがたい気がするが……それでは、いったいどういう状況で、こんな《糸のミステリーサークル》ができたのだろう?

糸の主はクモとは限らない。繭をつくるために蛾などの幼虫が吐いた糸かもしれない。繭を支える足場(?)づくりの段階で、角度のある枝の間をくり返し往復して糸を張るべきところを、不適当な場所を選んでしまったために折り返し地点が見つからないまま進み続けてスタート地点まで一周──そのまま基軸の糸にそって糸張りがくり返されてしまったのか?
もし蛾の幼虫の繭糸だったとしたら、こうした誤認現象(?)を人為的に引き起こして面状に糸を張らせて商業的な利用・応用ができないものだろうか……などと想像が広がったりもしたが……けっきょく、《糸のミステリーサークル》の正体はわからないままなのであった。

追記:《糸のミステリーサークル》その後

その後、《糸のミステリーサークル》のあった場所に行ってみた。
前の画像を撮ってから約2カ月(が経過)──2月には3度雪が降って、その内の2回は記録的大雪だった。その雪が残る中、問題の《糸のミステリーサークル》は、まだあった。若干よじれこそあるものの、原型をとどめていた。








クモの《しおり糸》は2カ月もの間──3度の降雪に耐えて残っていられるものだろうか? クモの《しおり糸》なら、これほどの期間、残る必要はない。
耐久性から想像すると、蛾の繭づくりに使われる糸なのかもしれない。
どうして、このような形状のものができたのか──あいかわらず謎は解けないままだが、《糸のミステリーサークル》を作った犯人(?)は、クモではなく蛾の幼虫だったのかもしれない……!?
(つづく……かもしれない?)

【続報】新たな《糸のミステリーサークル》と有力容疑者

4月に入り、《糸のミステリーサークル》(12月下旬に気がついたもの)のその後のようすを見に行ってみた。


だいぶくたびれた感はあるものの……3カ月以上が経過しているにもかかわらず、糸はまだ残っていた。
「やはりクモが一時的に使うしおり糸ではなく、蛾の幼虫などが繭やそれを支えるために使うしっかりした糸ではないか……」
あらためてそう思ったのもつかの間──この日、擬木に新たな《糸のミステリーサークル》を発見! そればかりか現場には有力な容疑者の姿が!?








このクモはガザミグモのメスのようだ(オスは黒っぽくて小さいらしい)。
状況からこの新たな《糸のミステリーサークル》の製作主である可能性が疑われる。12月に見たものともよく似ている。ということは前の《糸のミステリーサークル》もガザミグモかそれにちかい種類だったのかもしれない。《クモの糸》説が、にわかに再浮上してきた。


このガザミグモはデジカメを近づけると逃げ出してしまい、製作作業そのものは確認できなかった。ということで、まだ製作主と「断定」できたわけではない。
仮にガザミグモのものだと確認できたとしても、いったい何のために、どういう経緯でこんなモノが作られたのか──そのあたりの謎(動機・目的?)が解けないかぎり、疑問は解消しない。


そしてこの日、別の場所でもガザミグモ♀がいた擬木のへりに、わずかに糸の輪ができているのを確認することができた。


やはりガザミグモがアヤシイ!?
また、これとは別に最近、擬木のふちを丸くクモの糸のようなものが埋めている《第2のミステリーサークル》をいくつか見ている。上記のものとは違う印象だが……これも、何者が何の目的で作ったものかわからずにいる……。


謎はまだまだ続く!?

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コメント

No title
蜘蛛か蛾か正体が気に成ります。
それにしても綺麗な糸で第2の蚕になるかもしれませんね。
No title
去年の終わりに撮っていた画像なんですが、正体について何かわからないかあれこれ考えているうちに保留状態に……。
けっきょく、その後も正体にせまる展開はなく、最初に思い浮かんだマンガのようなネタで記しておくことにしました。
ホントに正体が知りたいものです。
No title
しおり糸というのですね。初めてお聞きした言葉です。
No title
道標の「枝折(しお)る」からきた「しおり糸」──ちょっと味わいのある名称だと思います。お釈迦様が極楽へ導こうとカンダタに降ろした一本のクモの糸は「しおり糸」だったのかもしれませんね。
No title
しおり糸ですか、非常に勉強になりました。
でもそれ以上にクモの姿を想像すると笑えます。
ナイスです。
No title
「糸のミステリーサークル」を見たとき、まずこんなクモの姿を思い浮かべたのですが……こんなマンガのようなコトがホントにあったのだろうか?──と狐につままれたような気分でした。
No title
こんにちは、
おもしろいお話ありがとうございます!

ところで、まぬけな質問で恐縮です、蜘蛛の糸と、蛾の幼虫の繭糸って、見た目、触った感じ(ねばねば?)サイズ強さなど同じなのでしょうか?
もしかして過去記事にすでに書かれていたのでしたら恐縮です。
No title
クモの糸と蛾の幼虫の糸──見た目では(僕には)違いがわかりません。クモも粘り気のある糸とそうでない糸を使いわけていたりするみたいですし、蛾は繭の形状や色もそれぞれなので、クモや蛾の中でもずいぶん差があるのではないでしょうか。

そういえぱジョロウグモの巣に小鳥(エナガ?)が引っかかっているのを助けたことがありましたが……黄色っぽい糸で伸縮性があって、ゴム用のボンドのようだと感じました。

昔はクスサンという蛾の幼虫から絹糸腺をとりだして酢に浸してしごくことで釣りに使うテグス(糸)を作った──なんて話を思い出しました。
No title
本文最後に、その後の状況を追記。
No title
蛾の名前を教えていただき、ありがとうございました。
しおり糸、くもさんのセリフがわかりやすくて面白~い
この巻きつけられた糸のその後が気になります。
No title
問題の「糸のミステリーサークル」を見たとき感じた状況のフシギさ・面白さをわかりやすく説明するためにイラスト&セリフを導入してみました。
この糸の正体につながるヒントがみつかるかどうか……頭の隅に置いて観察を続けていきたいと思います。
No title
【続報】を追加。
No title
おはようございます、
『ガザミグモ』ホント宇宙人みたいな顔していますね、今後の展開が楽しみです!

ありがとうございます。
No title
「糸のミステリーサークル」の製作主の有力候補が急浮上したものの……いったい何でこのようなものが作られたのか──核心部分は謎のまま……。
いつかヒントが見つかる事を期待しつつ気長に観察を続けたいと思います。

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