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ヘリグロチビコブカミキリはなぜ冬に活動するのか

新しいデジカメ(OLYMPUS STYLUS TG-2 Tough)の練習を兼ねて、旧デジカメでは小さすぎてうまく写すことができなかったヘリグロチビコブカミキリをひきつづき撮ってみた。

冬に活動する極小カミキリ






ヘリグロチビコブカミキリ:衰弱の理由は?



この日みつけたヘリグロチビコブカミキリは、ミズキと接する欄干の上でじっとしていた。前回は撮影途中で欄干のすきまに逃げ込まれたため、慎重にカメラを近づけ撮影を開始。被写体が動かないのを良いことに、とりあえず、アングルを変えたり露出補正をしたり、画角と距離を変えたりしながらいろいろ撮ってみる。




肩甲骨カミキリと僕が勝手に呼んでいるハイイロヤハズカミキリのような筋状隆起が翅鞘上部にあるのがわかる。
この画像を撮るさいにヘリグロチビコブカミキリを指にとまらせてみたのだが、この時になってようやく、この個体が弱っていることに気がついいた。
いつもなら(冬にもかかわらず)活発に動き回るヘリグロチビコブカミキリがおとなしくモデルを務めていたのは衰弱していたためだったようだ。
動きは緩慢。ひっくり返してもなかなか起きられない。ということで、この機会に腹面も撮影。




次に半透明の小型タッパーの上に置いて撮影。すると体に沿わせてたたんでいた触角を広げ、ようやく、ゆっくりと歩き始めた。


しかし通常の「冬なのに活発に動き回る(いきなり飛翔することもある)」姿はみられず、別人ならぬ別虫。まるで《冬場のカミキリ》のよう──カミキリとしてはこれが自然な姿なのだろうが……これまで冬に見てきたヘリグロチビコブカミキリの方がむしろ、寒い中、不自然なくらい元気だったといえる。
この個体の緩慢な動きは、いわゆる(?)寿命がつきる前の電池切れ(が近い)状態──といった感じ。
冬のさなか、暖かい日に出てきてしまった越冬昆虫が、ぶりかえした寒さで動けなくなった──そんな風にも見えるが、この日は実は暖かかった。全国的に最高気温が平年を上回り「沖縄以外で今年初の夏日」とニュースでも報じられていたくらい。それに、もっと寒い日に活発に動いていたヘリグロチビコブカミキリが、この暖かめの日に「寒さが原因で動きが鈍かった」とは考えにくい。
外傷も見当たらないし、《繁殖活動を終えて寿命がつきようとしている》可能性を想像してしまう。
昨年も3月に1度、擬の上で死んでいたヘリグロチビコブカミキリを目にし、《繁殖活動を終えて寿命がつきた》個体ではないかと思ったことがある。
【ヘリグロチビコブカミキリは、カミキリの天敵が活動していない冬に繁殖して生存率を高めているのではないか】──そう考えると冬に見かける機会が多いことや、寒い中、予備動作無くいきなり飛翔できる耐寒活動性を備えていることもうなずける。
逆に、そうでなかったのなら、《安全な場所で省エネモードでじっと越冬していた方が生存率は高そうなのに、なぜ冬にわざわざ出歩く必要があるのか?》──無駄な危険を冒す意味がわからない。
単なる想像にすぎないが、そんな可能性も考えてみたくなる。
動きが緩慢なのを利用して、1円硬貨の上において大きさ比較。




このヘリグロチビコブカミキリは1円硬貨から再び欄干におりてやがて動かなくなった。

また飛んだ!やはり活発なヘリグロチビコブカミキリ

その後、擬木の上で、せわしなく歩き回っていたヘリグロチビコブカミキリを見つける。ヘリグロチビコブカミキリとしては、こちらが普通の姿。さっそくカメラを向けるが、動いている時は追いながらピントを合わせるのが難しい。しかしつきまとうカメラをやりすごそうとするためか、ときどき動きを止めてじっとする。その静止した時に撮ったもの。


例によって、体にそうようにたたんでいた触角を左右に広げるとやがて動き出す。


陽が当たる場所ではヘリグロチビコブカミキリの黒い体と影が重なってしまい、輪郭がわかりにくくなってしまう……ということで、虫影を消すために、日陰を作って撮ってみた。


さらに輪郭をわかりやすくするために、半透明の小型タッパー容器に乗せてとってみる↓。前胸の左右に突き出した棘状突起の少し上に一対の丸いコブがあるのがわかる。


そして翅鞘の黒いヘリに囲まれた白い部分だが、アップにすると……、


白い部分はなんとなく「禿げ」のイメージでとらえていたが、逆に細かい毛が密集しているように見える? 実際の毛なのか模様なのかわからないが、この表面の構造で光が乱反射して白っぽく見えるのかもしれない。

実は翅鞘のアップの次に前胸のアップを撮るつもりだったのだが……翅鞘ショットを撮った直後、ヘリグロチビコブカミキリは急に動き出し、擬木のへりまで早足で移動すると、ピントを合わせる間もなく飛翔した!
これまでも、1月・2月に何度か撮影中、飛び去られており、飛翔は想定していた──というより新しいデジカメで飛翔ショットをおさえるつもりで、むしろ狙っていたのだが……予想以上の素早い飛翔に追いつけなかった。
飛翔ショットを撮り逃し「しまった!」と悔やんだが、モニターから顔を上げると飛翔するヘリグロチビコブカミキリはまだ手の届く範囲にあった。「テイク2」にかけるべく、とっさにかぶっていた帽子をとってネット代わりに宙をすくってみたのだが……空振りに終わった……。
狙っていたシーンが撮れなかったので、過去にとらえた冬に飛翔するヘリグロチビコブカミキリのテイクオフ・ショット。



この時期、活発に擬木の上を歩き回り、あっという間に飛翔するヘリグロチビコブカミキリは、ちょっとカミキリの中でも特別なのではないかと思わずにいられない。
このときもそうだったが……《冬によくみかける擬木の上を歩き回っている姿》は、オスなら《メスをさがす行動》、メスなら《産卵場所を探す行動》なのではないか……そう考えたくなる。
春に出現し繁殖活動をするカミキリのなかで、ヘリグロチビコブカミキリは耐寒性を高め、徐々に天敵の少ない寒い時期へ繁殖時期を前倒ししてきて冬でも活動できるようになったのではないだろうか?
冬に欄干や擬木の上でしばしば見かけるヘリグロチビコブカミキリたちの中にペアの姿を見つける事ができれば、そんな想像もにわかに現実味を帯びてくるのだろうが……はたして、そんな光景を目にする日がくるのであろうか……。


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コメント

No title
羨ましいですね~。
カミキリの大きさも分かり易いです。
No title
知らないと、視界に入っても気がつかないかもしれないサイズのカミキリです。
昆虫の大きさって、体長○ミリと言われても、なかなかイメージしにくいので(僕は)、身近なものと比較した方がボリューム感(?)が伝わるかと思いまして。

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