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フユシャクの産卵とその後

フユシャクの産卵と産卵後



1月2日に出かけてみると、フユシャク(冬尺蛾)が壁(鉛直面)に産卵していた。大晦日に産卵していたのとたぶん同種。シロオビフユシャクかクロバネフユシャクあたりだろうか? 種類についてはフユシャク亜科(フユシャクにもフユシャク亜科・ナミシャク亜科・エダシャク亜科がある)のメスだということは判るが……特定は僕には難しい。


腹を膨らませたり縮ませたりしつつ、ゆっくりと腹端を左右に移動させながら、毛でおおわれた卵塊を作っていく。卵は見えないが、産卵と腹端の毛の貼付けを同時に行ないながら1層目(?)が作られていくようだ。卵塊は下から上へ少しずつ伸ばされていき、卵塊域拡張作業の間は♀は上を向いたままだった(2枚目の画像では♀は左を向いているが、左側が上方向)。
卵を毛で覆い隠すのは、天敵が少ない時期ということを考えると、隠蔽というより乾燥防止や霜よけ的な意味があるのかもしれない。
(※【追記】卵を毛のバリアでおおうのは卵寄生蜂対策かもしれない→【フユシャクの天敵!?】)


撮影を始めた時、すでに産卵は始まっていたが、それから1時間20分ほどで1層目の卵塊が仕上がったようだ。
その後は、卵塊の上を往復しながら、ブラシのような腹端をこすりつける行動がくり返された。腹端の毛を塗り付けているように見え、この動作は1層目を作っていたゆっくりした動きに対して活発だった。1層目の卵塊の形が拡張することはなく、仕上げ(?)の上塗りのように見えた。上塗り作業では♀は下を向いたり横を向いたり、方向を変えながらブラシのような腹端をこすりつけ続けていた。




毛の上塗り行動はその後も延々とくり返され、45分程観察していたが終わりそうにないので、その場を離れた。
翌日見に行ってみると、卵塊は1層目とほぼ同じ大きさ・形で完成していた。


そして、そのそばには産卵後の、すっかりしぼんでしまったフユシャク♀がいた。


毛で覆われた卵塊は産卵直後はフェルトのような感じだが、これがしばらくすると表面が膜状に変化していく。春になると、孵化した幼虫たちは、この膜に穴をあけて出て行くようだ。去年撮った卵塊と、その後↓。


今回産卵していたフユシャクは卵塊を毛で覆うタイプだったが、似たように毛で覆うタイプのものでも、卵が列状に並んでいるのがわかる種類もいる。フユシャクでも毛で覆うことをせず、樹皮などに産みつける種類もいる(*)。
※追記:産卵1年後の卵塊↓フユシャクの卵塊:1年経ってとけた謎より


産卵前後のフユシャク♀

1月2日はフユシャク産卵のようすを観察していたが、途中あまり変化がないので、周囲のフユシャクなども見る。
近くの朽ちかけた標識のてっぺんと、案内板にフユシャク亜科のフユシャク♀がいて、大きさも形も違うので別種と思ってツーショットの比較画像を撮ってみる事に。




撮影のため♀を指先を使ってそっと容器に落とすと、2匹とも死んだフリ(擬死)をした。一瞬「死骸だったのか?」と思ったが、ほどなく動き出したので撮影。そして、撮った画像を改めてよく見ると……腹の縮み具合がずいぶん違うだけで同じ種類にみえなくもない?




別種だと思って比較してみたら……同じ種類の産卵前と後?にもみえなくもない? ウスバフユシャクかクロテンフユシャクっぽい気もするが、自信はない……。




この日はフユシャク♀カウンターを持参したが、産卵シーンを見ることができたのでこれに時間をあてて、その後の散策ポイントはカット。この日みかけた最後のフユシャク♀は、フユシャク亜科が産卵していた壁を這ってきたチャバネフユエダシャク♀で、17匹目だった。



余談だが……今回産卵していたフユシャク♀──背面から見ると目を閉じたゴリラのように見えてしまう……そう感じるのは僕だけであろうか?
以前アップした画像の再掲載。空目力をこめれば……見えてくる!?



フユシャクの交尾・産卵・卵
どんより曇りはフユシャク日和 ※チャバネフユエダシャク・ペア他
2013年末のフユシャク 大晦日に産卵していたフユシャク他
フユシャクの産卵:列状卵塊ほか

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コメント

No title
ちょっと、カメラ持って、桜の木がある公園に行って来ます!
No title
なにかおもしろいモノが見られるといいですね。
No title
カギを持たずに出掛けて電話で呼び戻されるw。
でね、1匹も見つからないヨ・・・。
No title
3度目のチャレンジでやっと一つだけ発見。「ああ、これは小さいときに見ているなー」とは思いましたが、望遠ズームのマクロ機能ではまったく見られる写真になりませんでした。樫の木にいましたよ。いつも興味をもって拝見してます。
No title
フユシャクは場所によって密度にけっこう差があるような気がします。
塀や手すり・柱などについていると見つけやすいんですけどね……。
No title
>>白樺平さん

僕はカメラに疎いんですが……昔、虫屋さんに教えてもらった方法で、LUMIX FZ2というのにクローズアップレンズ(凸レンズフィルター)をつけて望遠側で撮っています。画像のクオリティはそれなりですが、これだと被写体から30cmくらい離れたところでピントが合うので、近づくと逃げる昆虫を撮るには良いということで。
美しい画像を撮るのには、それなりの装備と腕が必要だろう……と、それはあきらめ、とりあえず判ればいい画像で、撮りやすい馴れた(古い)デジカメを使い続けています。
No title
こんばんは。
この辺りは、先日まで晴天で、気温も高かったのですが・・・
散策のチャンスはなかなかとれず・・・グ・グ・グ・グ・グ・・・
卵塊も凄いですね~・・・興味津々です・・・
1円玉との比較♀・・・結構小さ目の種ですかね~!???
産卵前、産卵後でも違ってくると考えると、面白いです・・・
・・・17匹の♀に出会われましたか・・・素晴らしいですね!!!
No title
>>今日も、こっそり自然観察!さん

フユシャク亜科のフユシャク♀はちょっと小さめかも? 木の幹にいるとけっこう見つけにくいです。だから、今回みたいに塀や標識、案内板みたいな人工物にとまっているのを見つける事が多くなるようです。

フユシャクの産卵前と産卵後を見て、なんとなくキノコを思い浮かべました。キノコも発生してから見た目がずいぶん変化するのがありましたよね。
No title
桜の幹にいたフユシャク♂(シロオビフユシャクとウスバフユシャク)の画像も追加してみました。

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