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年賀状について

●年賀状について

12月上旬にWebニュースで【意外と知らない年賀状に書いてはいけないNGワード】という記事を目にした。年賀状を作る時期に合わせた話題ということなのだろう。他にも似たような記事があったようだ。
内容は年賀状のマナーに関することで、よくありがちな【NGワード】を紹介したもの。「なるほど」とか「参考になった」という意見もあったようだが、僕はいささか抵抗を感じた。
《目上の人に「賀正」「迎春」「賀春」「頌春」は失礼にあたる》だの《年賀状の文書では、句読点(「。」「、」)を使ってはいけない》だの《「去年」は使うべきではない》だの《意味の重複がダメ》だの……、年賀状における間違い・NGを「知っている者の優越感」をもって諭しているような印象がなくもない。
「はたして、これらをNGと決めつけることに妥当性はあるのだろうか?」と首を傾げたくもなる。

この記事で「NG」と指摘された年賀状を出したことがある人は少なくないだろう。該当する年賀状を受け取った人はかなり多いはず──というより受け取ったことが無い人は皆無に近いのではないか。しかし、その【NGワード】にいちいち腹を立て「失礼」だと感じる人はほとんどいないのではないかと思う。

「失礼」かどうかは、受け取った人が記された内容で個別に判断することであって、「意外と知らない」形式的な慣例等で判断すべきことではない。
差出人の「敬意」や「親しみ」などの意図が感じられるか否かが大事なのであって、古典的慣例等に準じているかどうかにこだわるのはおかしいと思う。

言葉や作法(マナー)というのは本来コミュニケーション・ツールのはずだ。自分の気持ちを伝えることが重要なのであって、「意味が伝われば用法の厳密さにはこだわらない」というのがあるべき姿だろう。
年賀状に関して言えば、そう厳格に扱うべき性格のものでもないと思う。

どういう言葉・文章を選ぶかはその人の美意識や言語に対する認識に由来するものであって、善意・好意で送られた年賀状に対し、他者が「間違っている」と決めつけたり、とがめだてするのは失敬という気がする。

たとえば賀詞は年賀状の図案を考える上での素材の1つ──僕はそう考える。新年を祝う意味が含まれているとわかれば良い記号であり、デザインとしてとしてまとまりが良いものを選ぶのが自然というものだ。《1文字・2文字の賀詞は目上の人には出してはいけない》というような古典的な慣例にとらわれる必要は無いと思う。図案的に1文字あるいは2文字の方がバランスが良いこともある。「賀正」と書かれた年賀状をもらって「失礼だ」と目くじらを立てる人がいたなら、そうしたタブーを作って「失礼だ」と判断する意識の方にこそ問題があるように思う。
【NGワード】を作るのは差出人ではなく、それをNGと見なす人たち──彼らの概念であるともいえる。

年賀状で大事なのは送り手の「気持ち」であって、送り手が自分の言葉(表現)で自由に記す──それで良いと思うし、それが理想だと思う。
古典的なマナーに配慮した無難な文面と、型にはとらわれず自由な発想で作られた賀状──どちらがもらって嬉しいかといえば、僕なら後者である。
古典的な慣例を踏襲していないことをもって失礼だと決めつけるのは適切な判断とはいえないと僕は思う。


ところで、僕はここしばらく年賀状を出していない。ブログなどで新年も早々にコミュニケーションできる昨今、年賀状の存在意義や必要性が薄れてきたという印象が強まり、経費・労力を負担して出し続ける価値がみいだせなくなってきた──という理由からだ。また、大義的にはCO2削減に貢献するため──という意味もある。
年賀状を廃止した代わりにブログなどに年賀状ならぬ年賀画像を載せて、新年の挨拶ということにしている。

今回、年賀状にまつわる【NGワード】の記事を読んだのは、2014年用の図案を考える以前のことだったが、この記事にいささか反発を感じたこともあって、あえて無難でない(?)方向で図案化を考えたりしてしまった……。
根がひねくれ者なので、厳格化を求められると、かえってフザケたものを追ってみたくなるのである。
もちろん他者に自分のやり方を推奨するつもりはさらさらないが、僕は自分なりのやり方で勝手にやっていくつもりである。


※追記:年賀ブログ
●2010年・とら→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-33.html
●2011年・うさぎ→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-123.html
●2012年・たつ→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-183.html
●2013年・へび→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-238.html
●2014年・うま→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-302.html
●2015年・ひつじ→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-399.html
●2016年・さる→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-504.html
●2017年・とり→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-617.html
●2018年・いぬ→https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-727.html

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コメント

No title
こんにちは。
・・・今、記事を拝見しつつ・・・顔面が蒼白に成ってきました・・
いい歳をして(笑)礼儀を欠いた年賀状を・・・今年も送ったわ・・
(爆笑) しかし、頂いて嬉しい!或いは、印象に残る年賀は、おっしゃる通り、マナーや型に囚われたものではなく、近況なり気持ちなりが記されてるものだと私も思います・・・
同感!同感です!!・・・☆
No title
正論のように【NGワード】を諭す記事に、「それは妥当な年賀状の見方なのだろうか?」「これを問題化するのは、【NGワード】だと言い続ける人たちなのではないか?」と首を傾げました。
普通、「賀正」と書かれた年賀状をもらって「失礼だ!」などと怒ったりしませんよね。「ありがたいな」と思う人が大半だと思うし、そういう年賀状の見方があるべき形だと思います。
世の中、いろいろなセオリー(?)にとらわれがちな人もいるけど、あまりそうした雑音に気を止める必要はないと思います。

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