FC2ブログ

どんより曇りはフユシャク日和

どんより曇りはフユシャク日和

昨日は、どんより曇って空が暗めだったので、フユシャクを見るにはいい天気だと思い、ちょろっと発生ポイントへ出かけてみた。
ちなみに、フユシャク(冬尺蛾)は冬に成虫が出現し繁殖する蛾で、メスは翅が退化してオスとはまったく異なるユニークな姿をしている。
フユシャクの中でも昼行性のクロスジフユエダシャクなどは、日中ペアを目にすることも少なくないが、フユシャクの多くは夜行性で、ふつう(日中には)なかなかペアを見ることはできない。
だが、空が暗く曇った日には日中でも夜行性のフユシャクが交尾していることがある(これまでしばしばあった)。

フユシャクの面白さ・特徴といえば、同じ種類でありながらオスとメスではまったく姿が違うことだが、このユニークな特徴が最もわかりやすいのは交尾シーンだろう。そのペア・ショットの期待が高まる「どんより曇った日」は「フユシャク日和」というわけである。

また、フユシャク探しで木をみて歩く場合、曇った日の方が(晴れた日より)探しやすい──という利点もある。
イチモジフユナミシャク♀は桜の名所のようなサクラの密度が高い場所で苔むしたサクラの幹を見て行くと日陰側で見つかることが多いのだが、晴れた日に桜の幹の日陰側を眺めて行くと、冬の低い太陽が目に入って逆光がうっとうしいことこの上ない。
イチモジフユナミシャク♀が日陰側に多いのは湿度の関係で、乾燥をきらってのことかと想像しているが、あるいは「逆光」側にいる方が天敵の鳥等に見つかりにくいため生存率が高かった──というような事情も関係しているのかもしれない。

と、いうことで昨日は曇っていたおかげで、逆光ストレスを感じることなく木を見て歩くことができた。
とりあえずイチモジフユナミシャク♀を探してサクラの幹をチェックしていくと……はたして──期待したとおり、フユシャクのペアを見つけることができた。

チャバネフユエダシャクのペア









クロテンフユシャクやウスバフユシャクの交尾は見たことがあったが、チャバネフユエダシャクの交尾を見たのは初めてだった。
そしてさらに、擬木の手すりでも……。






♂と♀──別々に見ると同じ種類の昆虫とはとても思えないが、こうしてペアショットをみると同じ種類ということが納得できる。
ちなみに今季初めてチャバネフユエダシャク♀を見たのは11月11日だった。


これで蛾の成虫だというのだから変わっている。通称(?)ホルスタイン冬尺。模様はダルメシアンに似てるという人もいたりする。

この日のイチモジフユナミシャク♀

で、イチモジフユナミシャク♀はというと……いくつか見つかったのだが、サクラにとまっていたのは、どれもちょっと撮りにくい場所だったのでスルー。


サクラではなかったが、そのそばの木(種類は不明)にとまっていたイチモジフユナミシャク♀がいたので、撮ってみた。また、サクラの老木近くの案内板でも♀が見られた。






この日確認したイチモジフユナミシャク♀は8~9匹だったが、そのうちの4匹がこの案内板にとまっていた。後ろに写っているのがサクラの老木。

今季のイチモジフユナミシャク

ちなみに今季初めて【イチモジフユナミシャク】を確認したのは12月21日。そろそろ出現し始める頃かと思いサクラの名所に出かけてみると♂も♀も確認できた。


この日はあまりキレイな♀個体が撮れなかったので、後日撮った画像↓。


今季のクロスジフユエダシャク

【クロスジフユエダシャク】を見たのはイチモジフユナミシャクより早く、今季初は♂が11月23日、♀(というより初ペア)が11月24日だった。その後はペアも含め何度も見ている。画像はカエデの幹に止まっていたクロスジフユエダシャクのペア。




今季のクロオビフユナミシャク

今季初めての【クロオビフユナミシャク】は♂・♀ともに12月9日。ツツジの植込み近くの壁や手すりでよく目につく。






クロオビフユナミシャクはサクラやコナラの近くの手すりや壁でも見かけている。

とりあえず今季♂♀ともに見ているフユシャクはこれまでのところ、こんな感じ。ウスバフユシャクは♂は何匹かみているが、今年はまだ♀を見ていない。これから見られる種類も増えてくるだろう。


スポンサーサイト



コメント

No title
こんにちは。いつもながら興味深い内容です。山野に遊ぶものとして努力のほども理解できますから、少年時代のわくわく感と感謝の気持ちで、さらに楽しく拝見させていただいてます。それにしてもホントに内容が濃く、読み応えありますねー。
No title
いつも、おつきあいいだき、ありがとうございます。
僕の場合、見たり感じたり考えたりしたことをまとめて記しておきたいという思いでブログ記事を作成しているので、更新頻度は少ないものの、1つの記事が長文になりがちです……。

興味を覚えた対称は画像に残していたりするわけですが、未整理のまま画像がどんどんたまっていくと気持ちが悪いので、カメラを向けたとき「何を撮りたかったのか」「何が面白かったのか」を画像とからめてまとめておきたい……という気持ちでいたりします。
No title
こんばんは。
・・・憧れのフユシャクの仲間達に・・・見入ってしまいました・・
どんより曇って空が暗い日だから・・・夜行性の仲間にも出会える可能性が高まる・・・
いきなりのアドバイスにガツーン!と来ました・・・
♀に出会いたくても出会えずにいる私は、なかなか散策に出れずにいるとは言え・・・何とか!何とか!出会いたい・・・
今年中に後一度でもイイから♀探しにトライしたいのですが・・・
No title
フユシャクはユニークな昆虫ですね。
僕は最初、知らずにこのチャバネフユエダシャクの♀をみつけ、いったい何の仲間なのだろう!?──と未知の生物に遭遇したような驚きと戸惑いがありました。
昆虫フォーラムでフユシャクのことを教えてもらい、(変温動物の)昆虫なのにわざわざ冬に活動することや、蛾なのに♀は翅が退化して飛べないことなどを知り、こんな虫がいるのか──と興味を覚えました。

フユシャクはやはり♀がユニークですから、見かけるとテンションが上がりますね(笑)。コッソリさんも、たくさん♀に巡り会えるといいですね。
No title
こんばんは!
冬もこうして拝見すると侮れませんね。
感心するばかりです。ペアを探してみたいです。
No title
僕も昔は「冬には(活動している)虫はいない」と思い込んでいましたが、実際には冬に見られる虫もいたりして、「へぇ!」と思うこともしばしば。
実際にそんな虫たちを見ると、いろいろ感じることもありますね。
No title
イチモジフユナミシャク♀は青みがかっていてきいれいですね。
苔むした幹にいたら同化しそうです。
案内板にたくさんいたのですか~。
チェックが足りませんでした(- -;
No title
イチモジフユナミシャク♀はキレイなんですが、羽化して時間が経つと微毛というのか鱗粉というのか──が剥げてきて、ちょっとみすぼらしくなってしまうので、発生初期が見頃のような気がします。
サクラの密度が高い所で苔むした木(樹皮が乾燥したサクラには少ない)の日陰側に注意していると見つけやすいかも。
No title
フユシャクさん・・・もう羨ましい限りです~☆!!!

ホルスタインも~あぁ・・・見に行きたいです(^-^)
No title
こちらでは色々なフユシャクが見られるようになりました。
ホルスタインことチャバネフユエダシャク♀は存在感がありますね(笑)。
イチモジフユナミシャク♀同様、サクラの幹でよく見ます。あとは手すりや壁のような所にとまっているのが目につきやすいですね。
No title
イチモジフユナミシャクの雄は毎年,
1月初めの頃勿来の関では見られます。
翅が美しい青緑色をした雌を一度は見たいと思って探しています。
奇麗な雌を見つけられて羨ましいです。
No title
イチモジフユナミシャクは、こちらでは12月の下旬~1月の初め頃迄がキレイな♀が見られる時期のような気がします。1月に入ると実つかめ♀の数は増えてきますが、産卵後の個体が増え、青~緑の濃いキレイな♀は少なくなる感じです。
今年も、産卵後の♀が多く見られるようになってきました。
発生時期と発生場所がわかれば、その時期・その場所にしぼって探すとみつけやすいかもしれません。

管理者のみに表示

トラックバック