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絶滅危惧!?東京のウバタマムシ

晩秋のウバタマムシ



画像は、ちょっと前に撮った晩秋のウバタマムシ。ヤマトタマムシのようなボリウム感のある体格で、隆起のある翅鞘の模様は、木材の木目を活かした焼杉・浮造り(うづくり)の伝統工芸品を思わせるシブイ味わいがある。
ただ、よく似た体格のヤマトタマムシの派手な美しさに比べると、ちょっと見劣りする感は否めない。地味なウバタマムシを派手なヤマトタマムシのメスだと思い込む人もいがちなようだ。

ヤマトタマムシには旬(?/夏に見られる)があるのに対し、ウバタマムシは四季を通してしばしば目にしていたので、僕には「めずらしくもない虫」という感覚があって、見かけてもあまりカメラを向けようとも思わなくなっていた。
ところが、日本のレッドデータ検索システムというので見ると、ウバタマムシは東京都では絶滅危惧種・埼玉県では準絶滅危惧種という扱いになっている。
しかし少なくとも僕がよく歩く狭山丘陵の東京都と埼玉県の境界付近ではごく普通に見られる昆虫だ。きっと調査した地域ポイントによって偏りがあるためだろう。
東京都や埼玉県の中でも発生地域は局所的なのかもしれない。いるところには普通種程度の密度で存在するが、いない所には全く・あるいはほとんどいない──ということなのだろうか。

あらためて手元の昆虫図鑑を見てみると、ウバタマムシの発生時期は「6~8月」と記されていた。これは、その時期に成虫が羽化あるいは羽脱するという意味だろうか。6~8月にも見かけるが、晩秋から冬にかけて、森林沿いの擬木などで見かけることも多い。
ウバタマムシは普通、幼虫で越冬するそうだが、成虫で越冬することもあるというから、狭山丘陵は成虫越冬エリアなのかもしれない。

そんなわけで、ウバタマムシは絶滅危惧エリア?の東京でも四季を通して、ちょくちょく目にしている──というプチ記録。


寒くなってくると擬木の接続部のすきま(黒矢印)に入って越冬しているようで、冬でも陽当たりの良いところに出てきていることがある。

冬のウバタマムシ



ということで、これ↑は去年(2012年)の12月25日に擬木で日光浴をしていたウバタマムシ。ヤマトタマムシをこの時期に見たことはないがウバタマムシは珍しくない。
そして今年(2013年)元旦──1月1日にサクラの幹にいたウバタマムシ↓。


春のウバタマムシ



3月のウバタマムシ↑と5月にみつけたウバタタマムシ↓。


5月頃にはアオマダラタマムシも見かけるようになる。ウバタマムシより小さめだが、ヤマトタマムシの光沢とウバタタマムシの隆起模様を兼ね備えたような特徴をもった昆虫↓。


「発生時期」のウバタマムシ

そして、昆虫図鑑に記された「発生時期」の6月~8月にみられたウバタマムシ。




夏にはヤマトタマムシ↓もよく見られる。




ウバタマムシの成虫は松の葉を食べ、幼虫は弱った(枯れた)松の材を食べるらしく、そういえばウバタマムシを見かけるのは、ハルゼミが鳴く松林の近く・松の害虫である外来昆虫マツヘリカメムシをよく見かけるエリアと重なっているような気もする。



ちなみにハルゼミを日本のレッドデータ検索システムでみると、埼玉県では「準絶滅危惧種」、東京都ではなんと「絶滅」になっていた……。僕が歩くコースでは、埼玉県側で鳴いている個体の方が多いものの、東京都側でもハルゼミは鳴いているのだが……。

追記:2013年12月のウバタマムシ

今月(2013年12月)撮った最新のウバタマムシ↓。


冬のウバタマムシは、イチモジフユナミシャク♀を探しているとき(フユシャク探し)に時々見かける。

追記:残雪とウバタマムシ(2014年2月)

雪が残る中、気温が上がったためか擬木上にでてきたウバタマムシ。




残雪背景の2月のウバタマムシ──ということで画像を追加。


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コメント

No title
わたしは、「お、もう12月だっていうのにヒメアリが…」程度しか発見できないのに、
星谷さんの観察力は凄いですねぇ!!
No title
僕も以前は「冬に虫はいない」というイメージを持っていましたが……注意してみると、いろいろ見つかり「へぇ!?」と思ったものでした。

ウバタマムシみたいに大きな昆虫はさすがに少ないですが、ちっこい虫はけっこういたりするんですよね……。
No title
落ち葉掃除をしていると、ひょっこり甲虫が現れたりしますね。
ゴキでないのを確認して解放しますw。

室内は暖かいからか、一昨日はカンブリア紀アノマロカリスみたいな虫(体長≒8mm)がサササーっと。
No title
落ち葉の下は虫達の良い越冬場所なんでしょうね。
そしてヒトの暮らす家も……。冬でも暖かいヒトの家に潜んで冬を越している虫も少なくなかったりして?
No title
子供の頃はヤマトタマムシは超一流品でウバタマムシは三流品みたいな感覚がありましたが、大人になってみるとウバタマムシの渋さが凄くカッコよく思えるようになりました。
ナイスです。
No title
ヤマトタマムシのメタリックな輝きはインパクトがありますからね。でも両方見慣れてくると、むしろウバタマムシの渋さに魅力を感じるというのもわかる気がします。
希少性?も含めて、「ヤマトタマムシがコクワガタ・カナブンだとすると、ウバタマムシはオオクワガタ」みたいな例えでその魅力を讃えているブログもありました。
No title
2014年2月のウバタマムシ画像を追記。
No title
八王子御陵の近くの霊園付近にウバタマムシいますね♪
No title
> rcx*****さん

そうですか。存在感のあるウバタマムシですが、その後もちょくちょくみかけるので、東京でも特に珍しい昆虫という気はしないですね。

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