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ニホンヤモリの瞳孔

眼を開けたまま眠る?ヤモリ

秋めいてきたこの時期、暖を求めて?日光浴に出ているニホンヤモリの姿をしばしば見かけるようになった。
林沿いの遊歩道の擬木でも、接続部の隙間に住んでいる(?)ニホンヤモリがよく姿をのぞかせていたりする。
撮影しようと、そーっと近づくも察知されて逃げられてしまう事が多い。
それもそのはず、ヤモリは眠っている時も眼を見ひらいている──というのもヤモリに可動式のまぶたはない。ニホントカゲやニホンカナヘビには可動式のまぶたがあるので、眼に表情が感じられる(人の受ける印象として)が、ヤモリの眼はヘビと同じ、透明なウロコに被われていて開閉ができない。脱皮のときには眼を覆っていたコンタクトレンズのような透明なウロコもいっしょに剥離する。
つまり構造上、ヤモリは眼を開けたり閉じたりすることができない──それで、眠っている時も眼は全開状態……というワケである。

だから、眠っていても、視界に入る者は「見えている」はずで、そっと近づいたところで逃げられてしまう──というのは、当然と言えば当然だろう。

が…しかし、ときどき近づいても気がつかないで眠っている(と思われる)ことがある。
そんなときに撮った画像がこれ。


大きな眼を見開いているのに──視界にはカメラを向ける僕の姿が当然大きく映っているはずなのに……まったく気づいていない!?
近づきながら何枚か撮っていると、急にあわてて隠れ家(擬木のすきま)に潜り込んだ。








虹彩がまぶたがわり?

僕が近づいたことにすぐに気づかなかったのは、きっと眠っていたからだろう。
ここでふと疑問が浮かんだ。
眼を見開いた状態なのに「すぐに気付かなかった」のは、なぜだろう?
網膜には僕の像が映っていたが、(眠っていたために)脳が覚醒時の情報処理(判断)できなかった──という解釈がまず思い浮かぶ。
そして想像したもう1つの解釈が──「見えていなかった(角膜に像が結ばれていなかった)のではないか?」という可能性。
一見、ヤモリの眼はいつでも全開に見えるが、明るい所では瞳孔がかなり細くなっている。

瞳孔の形と役割りだが──猫のように瞳孔が楕円の動物は夜行性動物に多い。瞳孔は角膜と水晶体の間にある薄い膜──「虹彩(こうさい)」によってコントロールされていて、これによって網膜に入る光の量が調整されている。このため瞳孔は、暗い所では光を多くとらえるために円形に近い形に広がり、明るい所では細長く狭くなって、網膜にとどく光の量をカットしている──カメラの「絞り」のような役割りをしているわけだ。

ニホンヤモリの瞳孔も、昼間は縦長になっているのだが、よく見ると猫の瞳孔のような楕円ではなく、もっと複雑な形をしている。
縦長の瞳孔スリットのフチは複数の弧からなる波形になっているが、これは楕円(単一の弧)の瞳孔だと開いてしまう中央部の隙間をさらに閉じるための重複弧構造(?)のようにも見える。
もしかすると、ニホンヤモリの虹彩は瞳孔をほとんどクローズできるシャッター構造になっているのではないか?
つまり、開閉式のまぶたを持たないヤモリは、まぶたの代わりに虹彩で光を遮断し「眼を閉じた」状態を作っているのではないか?
隠れるのが遅れたヤモリを見て……瞳孔の複雑な形から、そんな可能性を想像してみた。


ニホンヤモリの瞳孔の形がユニークだということは以前から感じていたが、きっとこれには何か意味があるに違いない。夜行性動物にありがちな楕円形の《絞り構造》に対し《まぶたがわりのシャッター構造》にもなっているのだとすれば、納得できそうな気もするが……もちろん素人の単なる思いつきに過ぎず、この解釈が当っているのかどうかはサダカではない……。
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コメント

No title
もう、可愛いよネ~!!
沖縄の子はキレイな緑色で、当時小さかった息子が、
廊下の隅でにらめっこをしておりました!!
No title
大きな眼と独特のプロポーション──ヤモリには独特の「味」がありますね(笑)。
ペットとしての人気があるのもわかる気がします。
マダガスカルのヒルヤモリの仲間も緑色が美しいと感じました。

沖縄には緑色のトカゲが何種類かいるようですが、やっぱり美しいですね。
No title
ほんとに日光浴してるみたいですね~
私もヤモリは大好きですよ~ カッコよさと可愛さの両方を持ってますよね~
No title
ヤモリはトカゲやカナヘビともチョット違った魅力を持ってますね。
春と秋──暖かくなり始めと、今みたいに涼しくなってきたころ、日光浴するヤモリをよく見かけるようになります。
同じ所にいることが多いので、「きょうは出ているかな?」と、ちょっと楽しみだったりします(笑)。
No title
こういう目は何かに似ていると思ったのですが、もしかしたら、ワニでしょうか。ワニもまぶたが無かったような…確認していないのですみません。こんな形の瞳孔をしていた記憶があるのですが。目を見てヤモリとワニって近縁だったかな?と思いました。
No title
ワニには可動式のまぶたがありますが、瞳孔は(明るい所では)縦長なので(ヤモリのように複雑な形ではありませんが)、ちょっと似ているかも。複雑な模様の入った虹彩と瞳孔の色合いなんかは似てるかも知れません。

以前、ペットショップでヘラオヤモリを見た時は「なんだかワニっぽいなぁ」と感じたことがありました。
意外に(?)ヤモリとワニは印象的に似ている所があるのかもしれません。

余談ですが、瞳孔の形で変わっていると言えば──イルカの瞳孔はU字型だったりしますね。
No title
お返事ありがとうございます。そういえばワニはまぶたがありました。でも最後の写真はワニの赤ちゃん?と思ってしまいます。面白い目と言えばカメレオンもそうかもしれません。イルカの瞳孔もおもしろいですね。ヤギもじっとみていると「異質な生き物」見たいに思えてきます。なんでこんな形になったんだろうと…。
今は複眼のことを少し調べています。目って面白いですね。
星谷さんは生き物図鑑みたいにいろいろなことを知っていらっしゃってブログも楽しみにしています。よろしくお願いいたします。
No title
そういえば、カメレオンの眼もおもしろいですね。左右別々に動くのもユニークですが、フジツボのような眼の先端に小さなまぶたがあって、眠る時はちゃんと閉じてているのがかわいいですよ。

ヤギの瞳孔は横長で、ちょっとフシギな雰囲気がありますね。以前飼っていたフェレットも瞳孔は横長でした。虹彩と瞳孔の色が似ているのでふだんはわかりづらいのですが、フラッシュ撮影するとタペータム(網膜の裏にある反射板/網膜を通過した光を反射し再び網膜を通過させる事で感度を上げる)で反射した光が横長の瞳孔の形を映し出していることがあります。

ヘビやカエルなどは種類によって瞳孔が縦長なものも横長のものもいて面白いです。

「面白いな」と感じる事は、その理由についてあれこれ考えしてみたりするのは好きなのですが、僕の場合は「想像」どまりで、みつばちさんのように正しさを検証するところまでいかないので、みつばちさんの研究の熱心さには頭が下がる思いでブログを拝見しています。
論文を雑誌に投稿されたそうですが、今後も活躍を期待しています。
No title
はじめまして
ヤモリって可愛いですよね。
小学生の頃に部屋でヤモリを放し飼いにしようと思い、ヤモリを捕まえては部屋に放すといったことを繰り返していましたが、ある日親に見つかって、父親から思い切り怒られた思いでがあります。
No title
ヤモリには独特の魅力がありますね。子どもの頃、ガラスを這うヤモリを見てミステリアスな印象を受けた記憶が。

そんなヤモリの放し飼いは魅力的ですね(笑)。僕は子どもの頃、捕まえてきたセミを部屋に放して鳴き声を楽しんだことがありました。
No title
こんばんは
ご指摘ありがとうございます。

家にもヤモリがいますがこんなに近くで見たことありませんでした。
No title
南方のヤモリは綺麗な色でした。
No title
ヤモリはけっこう身近なところにいるわりにじっくり見る機会が少ない生き物かもしれませんね。
こちら(東京郊外)で見られるニホンヤモリは地味ですが、南方系の生き物には色が鮮やかな種類が多い気がします。
No title
はじめまして。
履歴から来ました。
ヤモリを飼い始めましたが、エサが大変で困っています。
逃がそうか、このまま飼おうか・・・。
色々調べても、結局何がいいのかわからなくて・・・。
色んな事をご存知のようなので、もし、飼い方など知っていたら、
教えてください((+_+))
No title
僕もヤモリを飼った事はないので詳しい事はわかりません。もう調べられたかもしれませんが「ヤモリ 飼育」等で検索すると参考になる情報が得られるかも。
↓こんなサイトもありました。
http://allabout.co.jp/gm/gc/69751/
この↑サイトでは「生きた虫しか食いません」とありますが、僕の手元の本では「小さく切った魚の肉を糸でぶら下げても食べる」とあります。この本ではエサに「チャバネゴキブリ・コオロギの幼虫・カマキリの幼虫・ハエ・小型の蛾・蚊・クモ・その他小さくてやわらかい虫」があげられています。

自然ではヤモリは冬眠するので、気温が低くなって活動できなくなる前に、逃がすか飼育するか決めた方が良いと思います。
No title
ありがとうございます☆
親切に調べていただき、感謝します。
また訪問させてください。

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