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宝石蜂(jewel wasps)セイボウ

宝石蜂(jewel wasps)セイボウ

セイボウと呼ばれる美しいハチのグループがある。漢字で書くと《青蜂》──緑~青に輝くメタリックな構造色で、種類によっては赤や金が入り、とてもきらびやかだ。英名の【jewel wasps】(宝石蜂)・【ruby-tailed wasps】(ルビー尾蜂)も納得できる。
むし社・刊『月刊むし』472号(2010年 6月号)の《日本産セイボウ図鑑》によると日本には38種のセイボウ類がいるそうだ。
僕も時々みかけることがあるが、なぜか雑木林に隣接した欄干(らんかん)で目にすることが多い。先日であったミドリセイボウとクロバネセイボウも、やはり欄干の上を探査中だった。





【ミドリセイボウ】は体長10~13mmと、小さい上にちょこまか動き、すぐ飛ぶので、なかなかうまく撮れない。また光沢のある昆虫は、輝きぐあいや色合いをキレイにとらえるのが難しい。画像では青みがやや強くなってしまったが、じっさいはもう少し緑っぽく見えた。


セイボウの種類を見分ける手掛かりのひとつが、腹部末端の歯状突起。無いものから2歯・3歯・4歯・5歯・6歯があるらしい。ミドリセイボウと同じ5歯にはイラガセイボウがある。









【クロバネセイボウ】は体長8~13mm。腹端に4歯の突起を持つセイボウは多い。クロバネセイボウの他に、タイリクセイボウ・ホソセイボウ・リンネセイボウ・ナミハセイボウ(歯を欠く波状の4つの突起)・コマチセイボウ・ノヒラセイボウ・ツマアカセイボウ・ツマムラサキセイボウ・ヨシブエセイボウ・オオセイボウなどが4歯(4波)だそうだ。

ついでに、以前にやはり欄干で見かけた【ツマアカセイボウ】の画像を再掲載


※【ツマアカセイボウ】↑はメタリックに輝く虹色のハチで投稿した画像。
そして同記事の【イラガセイボウ(イラガイツツバセイボウ)】画像↓


なぜ欄干で見かけることが多いのか?

セイボウを欄干で目にすることが多いのは、彼ら(彼女ら?)がそこで宿主やその巣を探しているからではないか……と僕は想像している。セイボウは触角で欄干の表面を確かめるようにしながら歩き回っている。いかにも何かを探しまわっているふうである。♀であれば宿主を、♂であれば♀を探しているとみるのが自然だろう。
そして、セイボウが探査して歩く欄干では、彼女らがターゲットとしているカリバチの仲間の姿もよく見かける。欄干ではよく目にするヤマトルリジガバチも、ミドリセイボウやクロバネセイボウが宿主としているカリバチだったりする。




【ヤマトルリジガバチ】は自分の子供(幼虫)を育てるためにせっせとクモを狩り、竹筒などの内部を泥で仕切って作った巣に運びこむ。貯蔵されたクモは麻痺しているものの死んではいないので鮮度を保ったまま、ふ化したルリジガバチの幼虫のエサとなるわけだ。
ミドリセイボウやクロバネセイボウは、このヤマトルリジガバチに寄生する。ルリジガバチの巣に托卵し、ふ化したセイボウ幼虫は、宿主のルリジガバチ幼虫(あるいは卵)と母ルリジガバチが我が子のために準備したクモを食って成長する──ということらしい。

セイボウの英名には【cuckoo-wasps】(カッコウ蜂)という別名もあるそうだが、これはカッコウが他の鳥の巣に卵を産みつけ(托卵)、他者の労力を横取りして子育てに利用する習性にからめた命名だろう。

ところで、欄干(らんかん)は強度を保つために格子構造になっている。この格子の間にはよくクモが巣を張っている。森に隣接した場所で適度の隙間がもうけられた格子はクモが巣をかけるにはうってつけだろう。ここなら飛んできた虫や風に飛ばされてきた獲物がひっかかる確率は高そうだ。枝の間に張った巣であれば、風で枝が大きく揺れれば壊れてしまうかもしれないし、人が通るさいに破ってしまうかもしれない。欄干の隙間に張った巣ならそんな心配は無い。
じっさいに欄干のあちこちでクモは巣を張っているわけで、それを狩るためにヤマトルリジガバチなどが現れるのも当然といえば当然だ。

そして欄干はそんなカリバチにとっても、さらに都合が良い場所のようなのだ。カリバチの仲間には竹筒のような狭いスペースに泥を用いて巣を作るものが存在する(ルリジガバチもその1つ)が、欄干には接合部分などに狭い隙間があって、これが巣作りに利用されている形跡がある。
ルリジガバチの巣そのものは確認できなかったが、欄干の隙間にもぐりこんでいく姿は目撃している。クモの狩り場の近くに雨風をしのげる巣がつくれたら、効率的に狩りが行なえるはずだ。餌場と巣の往復が短くてすめば、そのむぶん天敵に襲われるリスクだって少なくなるだろう。


ということで、セイボウがターゲット(宿主)とするカリバチの巣がないか、欄干の接合部を下から覗き込んでみたところ、エントツドロバチの巣があちこちで見つかった。




【エントツドロバチ】は、かつて「オオカバフスジドロバチ」と呼ばれていたカリバチで、やはり竹筒を利用して巣を作る。このハチが幼虫のために狩るエサはクモではなく蛾の幼虫だが、エントツドロバチが欄干を利用して巣を作っているのだから、他の竹筒利用カリバチが欄干を利用していてもおかしくはないだろう。






巣作り途上の入り口の構造が「煙突」に見える事からエントツドロバチと呼ばれるようになったのだろう。この「エントツ」部分は、(エサの貯蔵&産卵を終えて)入り口をふさぐさいに撤去される。
こうしたドロバチ類を宿主とするセイボウもいる。

餌場や巣作り環境の利点から欄干はカリバチが集まりがちなスポット──そのため、それらを宿主とするセイボウもまた欄干で見られる機会が多いのではないか──僕はそう考えてみたのだが……。


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コメント

No title
:*:✲✿ヾ(*✪‿✪*)ノ✿✲・゚:*:こんばんわ♪

/(*=゚▽゚ノノ゙☆パチパチ/(*=゚▽゚ノノ゙☆パチパチ!!すごーい!

これは凄いね!! ̄(=・o・=)ゞ ̄うんうん!!

見せてくれて(o^o^o)あ(o^-^o)り(o^o^o) が(o^O^o)と(o^.^o)う

嬉しい━━━゚+. ̄(≧▽≦) ̄.+゚━━━☆ よん☆ナイス
No title
訪問ありがとうございます。
セイボウは小さいので気付かれる事が少ない虫だと思いますが、よくみるとビックリするほどキレイで、生活史もかなりユニーク。
驚く事の多いハチだったりします。
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綺麗な蜂ですね^^今は見たことは無いけど幼い頃
見かけた記憶が有ります^^

『宝石蜂』のなに相応しい蜂ですね^^
種類も多いのですね^^お写真で見ると違いも良く解ります。。
ナイス☆
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同じようなピカピカのラッピングをしたペッタンコで煩い車は日曜日の大黒PAに行くと沢山見られますねwww。

そういえば、一昨日、とっくり蜂の巣を見つけまして、キレイに取れたので玄関前に飾って(置いて)あるのを思い出しました。
夏休みの課題に困っている子に100円で売ろうかな(笑)
No title
ありがとうございます。
まさに『宝石蜂』ですね。
もっとキレイに撮りたかったのですが……僕のウデとカメラでは、これが限界でした……。
これだけキレイなのだからスズメバチくらい大きければ見栄えがするだろうに……なんて、つい思ってしまいます。
No title
メタリックな輝きにはついテンションが上がってしまいます(笑)。

トックリバチの巣もユニークですね。
泥を使って巣を作るハチはけっこういるようですが、この巣を陶器と一緒に焼くと、モノによっては磁器のような焼き物ができるみたいですね。
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っしかし、このメタリックの配色は製品塗装の参考になりますね!!
がっつりインスパイヤさせてもらおうと考えています。
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自然の作り出したデザインや配色には、ヒトの想像力を超えたスゴサを感じることがありますね。
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こんばんは。
出会いたくても・・・なかなか難しいセイボウ・・・
そのセイボウに関して、とても良く観察してらっしゃる事に驚きをかくせません・・・その他ハチとの絡みも含めての細かい観察に・・・
ただただ・・見入るばかりです・・・☆
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昆虫は目につく時には続けざまに出会うのに、出会いたいと思うときにはなかなか見つからない……そんなことも多いですね。

セイボウはみかけるとテンションがあがる虫の1つですが、僕が出会う時はナゼか欄干にいることが多かったので、そのわけについて考えたことを記してみました。
僕の想像が正しいのか、他にも理由があるのか……ハッキリした事はわかりませんが……今は、こんなふうに考えています。
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セイボウ、綺麗な蜂ですね、こういった蜂に出会った事が無いので感動しました
橋の欄干など注意して見たいと思います
No title
僕も初めてセイボウを見たときは美しさに感動しました。
スズメバチやアシナガバチに比べるとずいぶん小さいので、ちょっと目につきにくいかもしれませんが、こういうハチがいると頭の隅においておくと、出会ったときに気づけるチャンスが増えるかと思います。
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失礼しました、こちらに既に明記されていたのに。。。

それにしても、美しい青です。^^
No title
セイボウの托卵行動はカッコウを思わせますが、光沢のある美しさはハチドリに似ているなぁ……という気もします。
No title
今日庭でみつけて、検索。
おかげさまでセイボウと名前がわかりました。

はじめてみてびっくり。
感動でした。
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> gmx*****さん

セイボウのメタリックな輝きには感動すら覚えますね。
こんなに美しいハチがいるとは──僕も初めて見た時は驚きました。

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