
画像は10齢で成虫になったコノハムシ♀(8齢で成虫になった個体もいる)。羽化した頃は薄い茶色だった部分が赤っぽくなってきた。10月15日に羽化して11月8日から産卵している。
自然光で撮影したのだが、なかなか順光で背中側を撮らせてくれず、ヤツデの葉の裏に回り込もうとするのを左で手でブロックしながらの片手撮影となった。
コノハムシは葉の裏側(日陰の側)に回り込み、腹面を光に向けてとまろうとする。
通常のとまり方は下の画像のようになる(既出の画像/まだ産卵する前の同個体)。


このとまり方には実は重要な意味がある。
コノハムシは葉のようにうすっぺらな体型になることで葉にまぎれて身を隠しているわけだが、単に薄っぺらくなれば葉に擬態できるというものでもない。
体が薄くなれば、透過光で内蔵の影がハッキリ映ってしまうからだ。
順光で葉の表側から見たときは問題無いが、葉の裏側から見たとき、内蔵の影が映っていたらすぐに擬態は見破られてしまうだろう。
ところが、コノハムシ成虫♀は葉脈のような模様のある翅が、産卵のため太くなった体幹の影をみごとに隠してしまう。
試しにひっくり返して腹側からみると内蔵の影はもちろん、反対側の翅の影まで透けて見えることがわかる(※上の画像とは別個体)。

とまり方によって内蔵の影を隠すのは幼虫でも同じことで、幼虫には影をかくす大きな翅はないものの、内蔵が成虫に比べれば細いので(卵を産む成虫になると体幹が太くなる)、なんとか影を隠している。これも裏返すと内蔵の影が透けて見える。

コノハムシというと形が木の葉に似ている事で擬態に成功しているように思われているが、こうした内蔵の影を隠す技(?)を獲得した事で擬態の完成度を上げているのに感心する。
また、コノハムシは自分を木の葉に似せる一方、周囲の木の葉を自分に似せて加工(?)し擬態の完成度を上げているのではないか──と思うこともある。
※外部ブログ【コノハムシマンガ】
コノハムシの擬態は奥が深い。
●コノハムシ~卵から成虫まで~ ※タイ産コノハムシ まとめ編


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