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茶色いハラビロカマキリ【追記あり】

茶色いハラビロカマキリ

カマキリはよく見かける虫のひとつ。あらためてカメラを向けようという気がおこらず、いつもはスルーしがちなのだが……きょう茶色いカマキリの横を通り過ぎて、数歩先で「あれ?」と足を止めた。
茶色いカマキリだったが、よくみかけるコカマキリとは違っていた。形や大きさはハラビロカマキリっぽかったぞ──と気がついたのだ。
引き返してのぞきこんでみると、やはり茶色いハラビロカマキリのようにも見える。


オオカマキリなどでは緑色の個体と茶色い個体がいるのは知っていたが、ハラビロカマキリといえば緑色という印象があった。
「茶色いハラビロカマキリって、いるのだろうか? それとも別の種類なのだろうか?」──現場ではよくわからないので、とりあえずデジカメに収めておいた。


帰宅後調べてみると、ハラビロカマキリでも茶色い個体は(東京では?)少ないながら出現するらしい。撮影した個体もやはりハラビロカマキリのようだ。
よく見る種類なのに色が違うと印象がずいぶん違っておもしろい。


コノハムシの偽瞳孔

ちなみに、よくみかける緑色のハラビロカマキリはこんな感じ↓。


ハラビロカマキリとハリガネムシ

ハラビロカマキリはカマキリの中でもハリガネムシの寄生率が高いらしい。地面に降りたハラビロカマキリからハリガネムシが這い出していたり、路面で轢死した両者を見かけることも少なくない。


路面で脱出中のハリガネムシを見つけたので撮影しようとデジカメをとりだしている間に脱出し終えてしまった。

ハリガネムシは成虫が水中で産卵し、ふ化した幼虫が水生昆虫に寄生→その水生昆虫を陸生生物(カマキリ・カマドウマ・キリギリス類など)が補食することでその体内で成虫になるそうだ。
ハリガネムシに寄生された宿主は(行動を操作され?)河川に向かわされると言われているが、こうして水気の無い路面で脱出し、ひからびている姿もよくみる。
陸生昆虫類に寄生しその体内で成虫になることができたハリガネムシの、いったい何割が河川に帰還できるのだろう?

気味悪がられがちのハリガネムシだが、河川の生態系に大きく関わっているという、こんな研究もある。


この研究↑によると、ハリガネムシによって河川にもたらされる餌資源(陸生昆虫類)は渓流魚の年間摂餌量のなんと6割を占めるという。

《ハリガネムシ類は、森と川のつながりを維持する健全な森林管理の在り方を指標する重要な生物種ともいえるかもしれません。》──という研究を知ってハリガネムシの印象がちょっと(かなり?)変わった。

【追記】今年は茶色型が多いのか!?

先日はじめてハラビロカマキリの茶色型の存在を知って、関東では(?)めずらしいのかと思っていたが……その後さらに2匹のハラビロカマキリ茶色型と遭遇。




2匹目のハラビロカマキリ茶色型は先日見たものより複眼の色が緑色っぽかった。この種に茶色型がいることはずっと知らずにいたが、見つかるときは立て続けに見つかるものだ……と思っていると……。








ふと思い浮かんだ昆虫予想

3匹目のハラビロカマキリを(いろんなアングルからチェックしようと)指にのせて撮っていたところ、いきなりジャンプ。低い植え込みへ飛び込んでしまった(翅は広げていたが落下に近い?)。
入り組んだ枝の下側に姿を隠しているのを探し出して、さらに何枚か撮影してみたのだが……カマキリはこちらを警戒して枝かげからなかなか出てこようとしない。
そこで見えやすいところへ追い出そうとカマキリの背後から指先でつついてみた。すると、つついたあたりの枝からボロボロっと何かが落下。またカマキリがジャンプしたのかと地面を探してみたがみつからない。逃げられたか……と思いきや、カマキリは枝のかげにとどまっていた。


どうやらカマキリをつついいたときに枝にひっかかっていた枯れ葉か枝片が偶然落ち、それを(動くものを)カマキリだと誤認してしまったらしい。
「この陽動作戦(かわり身の術?)をカマキリが意図的にやっていたら大したものだな」
そんなことを想像し、実際にやっていた昆虫がいたことを思い出した。
以前テレビ番組で紹介されていたのだが……木の枝に擬態した大きなナナフシが、人が触れたとたん脚を落として(自切して)みせたのだ。トカゲがシッポを切り離し、のたうつシッポに敵の注意をひきつけておいて逃げる──というのはよく知られている。ハンターはたいてい動いているものを追尾しようとする。天敵の意識を本体とは別のところに誘導し、じっと隠れていれば逃げ果せる可能性は高まるはずだ。

そこでさらに想像が展開する。
背に腹はかえられない──とはいっても、自分の体を切り捨てるのは、それなりに損失も大きい。ならば、自分の体ではなく、(僕が偶然だまされたように)潜んでいる周囲の葉や枝を切り落として敵の注意をそらす──なんて手法をとる虫がていもいいのではないか?
すばやく葉や枝を切り落とすとなると、それなりに強いアゴをもつ昆虫にしかできないだろうか?

昆虫の中には自分の糞や脱皮した抜け殻を背負っているものがいる。姿を隠すカムフラージュの意味もあるのだろうが……危機が迫ったとき、こうした身につけているモノを離脱させて「かわり身の術」に使うような昆虫はいないものだろうか?

「そんな昆虫がいても良いような気がする……きっといるんじゃないかな」
などと、まだ見ぬ虫の存在を予想してみたりするのであった。

カマキリの卵のうと積雪の関係(※「カマキリの雪予想」のウソ)

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コメント

No title
こんばんは。一番最初の写真が私のアバターの代わりの画像にそっくりでびっくりしました。しばらくこの絵で出ることにします。
ハリガネムシが生態系の中でそんなに重量な役割を果たしているとは思いませんでした。ためになりました。ありがとうございます。
No title
ハリガネムシの研究の件は、虫屋さんのつぶやき(だったか?)で知りました。
生態系の中でこれほど大きな役割を果たしていたとは想像もしていなかったのでビックリしました。また、こうした研究をしている人たちもズゴイなぁと思いました。
みつばちさんの蜂の巣の六角構造についての考察も感心して読んでいます。答えがみつかるといいですね。
No title
お返事ありがとうございます。
ハリガネムシの報告は本当に驚きです。
ミツバチの巣室のことは、うれしいことにミツバチの研究で有名な大谷先生からお返事をいただきました。
また改めて記事にしたいです。
ちなみに私が慌てた記事は「毎日小学生新聞5月6日号」掲載のミツバチの巣についてのものです。
No title
ミツバチの巣については(アシナガバチの巣も)、虫が角度を測って作っているというより、みつばちさんが考えているように、必要な容積の部屋を最小の素材で作り続けようとすると(張力のバランスで)結果的に六角形になるのではないか……と、僕も想像していました。

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