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【ヒバカリ】名前の由来考


日本にはヒバカリというヘビがいる。「咬まれるとその日ばかりしか命が持たない(毒蛇)」という迷信が名前の由来とされる。しかし実際には無毒のおとなしいヘビで人を咬むことはめったにない。

僕は子どもの頃からヒバカリにあこがれていて、実際に飼育したこともあるのだが(*)、このおとなしいヘビにどうして恐ろしい猛毒蛇のレッテルが貼られ、そうみなされてきたのか、不思議でならなかった。

無毒なのだからヒバカリに咬まれて(それが原因で)死んだ人はいないはずだ。
しかしながら一度「猛毒蛇」の噂がたってしまえば、めったに人を咬むことがないことから、その間違いが確認される機会もないまま、誤認に基づく名前が広まり定着してしまった──ということはあったのかもしれない。

それではどうして、めったに人を咬むことがないおとなしいヘビに「猛毒蛇」の噂がたったのだろう。
ここからは僕の想像なのだが……反撃してこないことをいいことにヒバカリを虐待するわんぱく坊主たちがいて、それをいさめるための方便が噂の起源となったのではないだろうか。

ヘビは嫌われがちな生き物だ。目にすればちょっかいを出したくなるわんぱく坊主はどの時代にもいただろう。ヒバカリは比較的小型のヘビだしおとなしい。こわくないヘビだと判ればわんぱく坊主たちは攻勢に出てヒバカリをオモチャにしたりいたぶったりしたに違いない。

その様子をみかねた優しい大人が「かわいそうだから、やめなさい」と注意する事だってあったろう。しかしそんなストレートな説得などきかん坊には通用しない。そこで「めったに人を咬むことはないが、ひとたび咬めば、咬まれた者はその日ばかりしか命がもたない」と脅かすことで虐待をやめさせた──そんなことがあったのではないだろうか?
「毒蛇」という恐怖イメージは、わんぱく坊主たちの悪戯心を萎縮させるに充分なインパクトだったろう。

これが攻撃的な毒蛇であれば危機管理のために見つけ次第殺してしまえということにもなりかねないが、「めったなことでは人を噛むことをしないおとなしいヘビ」ならば、人がちょっかいを出さなければトラブルは回避できる。「触らぬ神に祟りなし」でヒバカリに手を出すのはやめておこう──という認識がわんぱく坊主たちの間に広まったとしてもおかしくはあるまい。
危機感をあおる「毒蛇」情報は伝播力も強かったはずだ。

こうした経緯で、おとなしい小ヘビを救うための方便=有毒説(?)が広まり、無毒蛇であるにもかかわらず(あえて?)毒蛇の印象を強調する「日ばかり」の名前で呼ばれるようになったのではないか……そんな可能性を僕は思い描いている。

具体的な根拠があるわけではなく、この想像が正しいのかどうかは判らない。ただ、ほかに説得力のある説は見いだせず、こう考えるのが自然なような気がしている。


方便がうみだした伝説や迷信といったものは、きっと少なくないはずだ。
例えば「カッパ」などもそうかもしれない。

危険な場所で川遊びをしている子どもたちに「危ないからそこで遊んではいけない」と注意しても今までそこで遊んでいた子は「へいっちゃら」と聞く耳を持つまい。仮に強く命じてその場で言う事をきかせることができたとしても、子供たちは大人の目を盗んでまた来るだろう。
そこで「あのあたりは妖怪(カッパ)がいて、近づくとに引っ張られる」と恐怖感にうったえる手法をとれば子供たちも恐れを抱いて近づかなくなる。

カッパ伝説に関しては誕生の起源は色々な可能性が考えられそうだが、「きかん坊を制御するための方便」として利用されることもあったのではないかと想像する。

なかなか言う事を聞かない子供たちをどうやって従わせるか──そんな立場になって考えてみれば、こわい毒・たたりやオバケ・幽霊・妖怪などをもちだして恐怖感にうったえる手法が効果的だという結論に至るのはごく自然なことだと思う。
秋田県のナマハゲなどもその一例だろう。

ちなみに僕も甥っ子が小さいとき、大声で泣くのを止めさせるために「泣いているとゾンビが脳みそを食いにくる」と言ってみたことがある。脳みそを食うゾンビは当時流行ったホラー映画『バタリアン』がモデルである。
「涙はしょっぱいだろう。泣いていると涙と一緒にしょっぱさ(塩分)がどんどん流れ出して、そのぶん脳みそは甘くなる。だから泣いてる子の脳みそはゾンビにとって大好物。大声で泣いていると、その声をききつけたゾンビが脳みそを食いにやってくる」
効果はてきめんだった。


*ヒバカリ(ヘビ)の飼育プチ記録

https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-155.html

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コメント

No title
当家では「青いおじさんが来る」と言われて育ちました。
そして現代、劇場には本当に青いおじさんが来てパーカッションを披露しています。
#もうすぐ公演終了らしいですが
No title
「青いおじさん」は謎めいていますね。
ブルーマンは小さな子供には確かに怖いかも。

ふと童謡『赤い靴』の中の一節を思い出しました。「異人さんに つれられて 行っちゃった」……あの「異人さん」も「青い目をしたおじさん」だったのかもしれませんね。
No title
先一昨年の夏の休日に、棚卸作業(7末決算)で当社工場に行ったときは、胴の太さが4cm/長さは1.5mはあったでしょうか、緑色に輝く個体は青大将!?
工場通路間の資材置き場の隙間から顔を出し首も持ちあげて舌をチロチロさせている姿は迫力がありました。
蛇嫌いの助手が車から降りず、一人でカウント作業をしたのでした。
仕事をしなかった助手ですが昼飯はしっかり食ってました、んもぅ!
No title
ヘビが苦手という人は多いですね。
怖がるだけならまだ良い(?)のですが、見つけしだい退治しようとする人もいて残念です。

アオダイショウなどはネズミを食ってくれるので人にとっては益蛇(?)なんですけどね。
No title
ヘビにピっと切れ目を入れて生きたまま皮を剥いちゃう人が居て(汗っ)

私はヘビも蜘蛛も殺しません。
蜘蛛は邪魔な場所に巣を張られたら排除させて頂きますが。
家の中で巣を張らず、サササっと歩いているタイプの蜘蛛は、尚更そのまま。

ダンゴ虫とナメクジとカメムシはごめんなさい・・・です。
チクチクの毒毛虫は毛だけでも害があるのでそちらも排除。
No title
不快生物の線引きは人によって、かなり差がありますね。
害がないとわかっていても、生理的にダメという人もいますし……。

同じ生き物を見ても人によって好き嫌いがハッキリ分かれるのは、ある意味面白いですね。何がその差を生むのか……。
No title
いやー、参りました!(>-<);

今回の記事『ヒバカリ』名前の由来考目にした時は、「えっ、蛇」の記事!! 正直、びっくりしました^^;

私の、一番苦手な爬虫類の蛇だからです、でも怖い物見たさは変わり有りません^^好奇心が騒ぎ出しました^^

『ヒバカリ』の名前はやはり私も同じでしたよ^^

まだ幼い頃(小学生時代)に母親から同じ言葉を聞いた事が有ります^^ 噛まれると其の日のうちに死ぬってね!

こんな事を言ってた母は「毒があるから!」と言っていましたので
母も多分、無毒って知らずに、言い伝えられていた事を私にも言ったのでしょうね^^

たとえ「益蛇」と断言されても、私には蛇は無理です((+_+))
でも映画の「アナコンダ」は2作品はTVで観たことは有ります^^
「怖いけど^^;面白かった-…!」が感想でした^^

怖いもの、気持ち悪い物には[不思議な!魅力」がありますね^^(笑)


明日の朝の夢は『蛇』の夢ですね、きっと…!?
よく夢の中で登場しますので((+_+))
No title
えみちゃんさんもヘビが苦手でしたか。
ヘビは好きな人と嫌いな人が極端に分かれる生き物かもしれませんね。

あのなんとも風変わりな姿を「気味悪い」と感じるか「興味深い」と感じるか……そのあたりに分かれ目があるのかも?

ところで、えみちゃんさんも「ヒバカリ」を迷信(有毒)通りに教わっていたんですね。
怖い事(咬まれたら死ぬ)はインパクトがあるから強くインプットされたのでしょうね。
実際にヒバカリに咬まれて死んだ人はいないはずなのに……恐怖を伴う迷信はやはり伝播しやすいのだろうとあらためて思います。
No title
こんにちは(^^♪

ブログ訪問ありがとうございます^^

@「みえちゃんさん」のさんは要りませんので^^どうか お気遣いなさらないで下さい^^「みえちゃん」でお願いしますね^^

風邪やインフルエンザが流行っていますね、
体調管理には十分お気をつけ下さい(*^。^*)
No title
わかりました。

それでは、えみちゃん、今後ともよろしくお願い致します。
No title
こんばんは、ヒヨドリといいます。よろしくお願いします。
ヒバカリは、昨年の秋に幼蛇を捕まえた事があります。すぐに逃がしましたが・・・地味だけど綺麗なヘビですよね~
ゾンビの話は、笑ってしまいました!
息子が小さかった時に深夜に公園で遊びたいと、いうこと聞かないので・・・
夜の公園では、エイリアンが何匹も走り回っているぞ・・・食われてしまう!と話したら、効果てきめんでした。
No title
ヒヨドリさん、コメントありがとうございます。
夜の公園を走り回るエイリアン──これもなかなかインパクトがあって効果ありそうですね(笑)。
やはり怖い話に結びつけると「いい子」になりがちなので、こうした手法はいろんな局面で使われてきたのだろうと思います。

ヒバカリは地味だけどエレガントなヘビですね。特に幼蛇はかわいらしい。
子供たちにみつかればオモチャにされがちな気がするので、方便の毒蛇説がうまれたとしても不思議ではないと考えるようになったしだいです。
No title
星谷さん分かりますヨ♪
星谷さんの力説と記事、とても面白白かったです~☆ポチ!
No title
毒蛇の中にはヒャッポダ(咬まれたら百歩あるくうちに死ぬ=百歩蛇)なんてのもいますが……ヒバカリという恐ろしげな名前がどうして無毒のおとなしいヘビについたのか……以前から考えていた仮説(想像にすぎませんが)を記してみたしだいです。
No title
おばぁさんは川へ洗濯に、おじぃさんは山へヒバカリに...。
No title
ジョークかホントか……「芝刈り」がなまって「ヒバカリ」になったと思っていた人がいました。
日が暮れる頃によく見かけるので「日計り」が由来ではないかと考えた人もいるようです。
No title
星谷さんの想像 有りだと思いました!

酷い言い伝えや名前 沢山有りますね

でも ヘビは やっぱり苦手です(^^;

~・*・~・*・~
コメ ありがとうございます

タマムシに似た虫がいるのですね

教えて下さってありがとう!

もぅ一つ!記事かたり1/27『これカマキリですか?』
御覧頂けたら…
小さい写真ですが…分からないでしょうか?
見たこと有る人 いないかな…

と余談でした(^^;
No title
THINKERさんもヘビは苦手派(?)でしたか。

昆虫や小動物関連のブログはよく閲覧しているので、コメントさせていただきました。
ちなみに、アカガネサルハムシについての僕の記事は

【虹色ハムシと呼びたいアカガネサルハムシ】
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/23398460.html

です。

『これカマキリですか?』ですが、種類はハッキリしませんが、カマキリの幼虫のようですね。

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