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オオクモヘリカメムシの青リンゴ臭は本当か?

Wikipediaで【カメムシ】のページを開くと、「臭いの効用」という項目の最後に、

オオクモヘリカメムシは、青りんごのようなにおいを放つ。

という記述がある。書いた人は確かめたのだろうか?
僕もこの噂が気になり、確かめてみたことがあった。


しかし僕が嗅いだ限りでは、とても「青りんごの香り」とは言えない悪臭だった。
(※但しキバラヘリカメムシは「青りんごの香り」に近いニオイだった)

ちなみに、Wikipedia【カメムシ】中の問題の記述《オオクモヘリカメムシは、青りんごのようなにおいを放つ》の「オオクモヘリカメムシ」の文字はWikipedia【オオクモヘリカメムシ】にリンクしている。しかし、そのリンク先の【オオクモヘリカメムシ】のページでは、この虫が放つニオイについて──、

放つ臭いはきわめて臭い。

日本で普通に見る事のできるカメムシでは最も臭いカメムシである。たとえば竹内(1955)では「その臭気は特にはげしい」、石井他編(1950)では「臭気特に猛烈」と記述されている(*)。
    *参考文献=竹内吉蔵、『原色日本昆虫図鑑(下)』、(1955)、保育社
          石井悌他編、『日本昆蟲圖鑑』、(1950)、北隆館


と記述されている。どっちやねん!?
Wikipediaの信頼性については、項目によってかなりバラツキがあるらしいが……ネットで拾った情報などを真偽を確かめずに書き込んでしまう人もいるのだろうか。

Wikipediaといえば、以前【ヤマカガシ】の項目で

頸部にも奥歯とは別種の毒を出す頸腺と呼ばれる毒腺があり、危険が迫ると相手の目を狙って毒液を飛ばす。

という記述があって驚き、疑問に思ったことがあった。
この件については【疑問:ヤマカガシが《相手の目を狙って毒液を飛ばす》説】に書いたのだが、最近Wikipediaの【ヤマカガシ】を改めて確認してみたところ、《相手の目を狙って毒液を飛ばす》という記述は削除されており、以下の文章に改められていた。

頸腺から出る毒液を飛ばすこともあり、これが目に入ると結膜、角膜の充血や痛みを生じ、結膜炎や角膜混濁、角膜知覚麻痺、瞳孔反応の遅延、虹彩炎などの症状の他、最悪の場合失明を引き起こす。

《相手の目を狙って毒液を飛ばす》に比べるとトーンダウンしているが、《頸腺から出る毒液を飛ばす》というのはホントなのだろうか?
「(叩いたり掴むなどの外力が加わった時に)飛ぶことがある」というが正しいのではないかという気もするが……ヤマカガシが自力で《毒液を飛ばす》行動は観察されているのだろうか。

以前、Wikipediaのヤマカガシ記述への疑問記事を書いたときは、いくつかのブログで《相手の目を狙って毒液を飛ばす》というような記述をみつけたのがきっかけだったが、それだけ多くの人がWikipediaを信用して引用しているということなのだろう。

【カメムシ】も多くの人が検索する項目だろうから、《オオクモヘリカメムシは、青りんごのようなにおいを放つ》という「Wikipedia情報」も拡散しそうな気がする。

少なくとも僕が確認した時は「ガセネタ」だったのだが……この記述も後に削除されることになるのであろうか?
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コメント

No title
オオ!カメムシが青りんごの匂い!!(@_@;)
それは、ロマンですね~!一度嗅いでみたいものです^^
キバラカメムシなのですね。探してみます。
Wikipediaは、パソコンを使うようになって(まだ1年半くらいですが)検索して見ることが多いのですが、全てが正しいということでもないのですね。


訪問ありがとうございました。そして、解らなかった蛾の名前を教えていただいてありがとうございました。
星谷さんはカメムシ博士なのですね!
これからもよろしくお願いします(^^♪
No title
カメムシというと悪臭というイメージが強いので、積極的に嗅いでみようと思う人はあまりいないのでしょうが……「青りんごカメムシ」のウワサに確認してみたくなってしまいました。

メインの(?)オオクモヘリカメムシはひどい悪臭でしたが、キバラヘリカメムシは、ちょっと爽やかな香りでした。
(僕はカメムシにも昆虫にも、特に詳しいわけではないのですが、虫屋さんの知り合いがいるので、色々教えてもらっています)

Wikipediaは色んな人が書き込みをしているようなので、項目によっては専門家から見るとおかしな記述もあるそうです。
あまり過信はしない方が良いのかもしれません。

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