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コノハムシの体色変化

枯れ葉色のコノハムシ

ウチで飼育中のタイ産コノハムシは現在4代目。初代の3匹が全てメスで、単為生殖をくり返してきたので全てがメスである。
餌はシラカシとアラカシ──常緑樹なので、その葉はいつも緑(若葉は赤いが水差しすると日持ちが悪いので、緑の葉がついた枝をセットしている)。こうした環境で飼育していた我が家のコノハムシは、これまで全て緑だった(孵化して何日かは赤)。

だか最近1例だけ、枯れ葉色になったコノハムシがいる。
この個体は脱皮不全で葉にうまくとまっておれず、床面にいることが多かった。コノハムシを入れたプラケ容器は塗装していない木の棚に乗せてあり、透明な床の下は枯れ木・枯れ葉の色に近い。
そうしたことが影響してだろうか、床で過ごす脱皮不全個体の体色が枯れ葉色に変化したのである。




この個体は、脱皮不全で前脚と頭が古い殻からぬけきれずに固まってしまっていた。我が家のコノハムシの2齢以降の死亡原因のトップは脱皮不全である。「不全」の具合からして、この個体もダメかと思っていたのだが……その状態で何日か生きていた。固まった抜け殻を壊して身動きできるようにしてやったが、右前脚を失い左前脚もまともに使えない状態だった。葉に乗せてやると不自由ながら葉を食いだし、なんとか生き延びていた。


コノハムシには再生力があるので、次の脱皮がちゃんとできれば(右前脚は再生するだろうから)もう大丈夫だろうが……この体でちゃんと足場を選んで脱皮できるのかが心配だった。
果たしてこの個体は次の脱皮でまた失敗。右前脚は小さいながら再生していたものの、左前脚と左中脚を失い、さらに左後脚は抜け殻の中に残ってしまってうまく使えないという前にも増して不自由な状態になってしまった。

これでは歩行もままならない。葉にうまくとまっておられず、床に降り(落ち)がちとなった。それでも餌の葉を床に届くようにセットすると、それを食べて生きながらえているといった状況である。
そうしているうちに体色の緑が薄くなって枯れ葉色に変化していったわけである。


枝から落ちた木の葉が枯れていくかのような変化は驚きであり、この体色変化が脱皮を経ずに起こることにも驚いた。

実はコノハムシがとまる葉によって体色を返るという事は、かわはぎさんが実験で確かめている。
枯れた葉にとまっているとコノハムシは黄色っぽくなり、緑の葉にもどすと体色も緑に戻るという。そして赤い葉(レッドグァバ)で育てる実験もしている(※)。画像を拝見すると黄色を経てオレンジ色になるらしい。


常緑樹で育てている我が家では緑にしかならないものと思っていたが、はからずしも、我が家でも「枯れ葉色」が出現したので、いちおう記録としてアップしておく。

それにしても、この体色の変化は何によって起こるのだろう?
コノハムシは「眼で見て」周囲の色に体色を似せているのか?
眼を塞いだり、あるいはサングラスのようなものをつけても体色の変化が起こるのか、実験で確かめてみたい気もするが……そこは一般民間人なので、あまり虫に失礼な事はできないのである……。

脱落した前脚は緑色のまま

床に降りたコノハムシ本体は枯れ葉のように変色したが、数ヶ月前の脱皮で脱落した前脚(枯れ葉色のコノハムシとは別個体のもの)がまだ緑色をしていたので現在の画像を追記しておく。何によって体色の変化が起こるのか……フシギである。



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コメント

No title
いつもながらしっかりしたレポートで恐縮です。
以前は我が家にも白樫が飢えてあったんですが
家を建てる際に伐採。。。。。あれがあれば
餌が楽々確保でしたのに。。。。。。
No title
>>かわはぎさん

かわはぎさんの実験(とても興味深かったです!)のようにキレイな個体の画像が紹介できれば良かったのですが……。

脱皮不全個体の画像をアップするのはどうかとも思ったのですが……こうしたアクシデントで予想していなかった体色変化が確認できたので記録しておくことにしました。
No title
お久しぶりです
単為生殖といい、枯れ葉色の個体の出現といい、コノハムシはやはり神秘的で、奥が深い虫ですね~
No title
>>のこぎるさん

久しぶりにコノハムシ・ネタをアップしてみました。
もう4代目ですが、まだまだ驚くことがありますねぇ。
ほんとうに不思議な昆虫です。
コノハムシを通して自然の神秘を実感します。

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