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2月のウシカメムシ

01牛亀虫@擬木F5
2月に入って野外で目にしたウシカメムシ。気温が高めの日に擬木の上を歩いていた。ウシカメムシは冬でもしばしば目にすることのある昆虫だ。で、室内で飼育中のウシカメムシはというと──、
02牛亀虫吸汁産卵痕J18
2022年11月に飼育を始めた7匹のウシカメムシ。無事に年を越し1月中旬まで問題なく過ごしていたのだが……大部屋飼育していた6匹のうちの1匹が2023年1月23日、床に仰向けに倒れて絶命していた。2022年11月24日に追加した成虫4匹のうちの1匹だった。死因はよくわからない。弱っていたなどの兆候には気がつかなかった。
「セミの卵を主食とする(@『カメムシ博士入門』)」とされるウシカメムシがサトクダマキモドキの卵を吸汁するのを確認し、日陰を作るためにセットしたヤブコウジを吸うことを偶然知って、これらを与えて飼育できないものかと考えて飼育を継続していたわけだが……新たに吸汁を確認できたアラカシも投入して──これらの餌では充分ではなかったのだろうか?
飼育下にあったことで屋外と違う条件としてまず考えられるのが温度(室温)だろう。飼育容器は室内に置いてあるので屋外での気温よりは平均温度が高い。活動モードと停止モード(仮冬眠モード?)のON⇔OFFスイッチが(野外より)激しく切り替わることが体力を消耗した可能性もあるのかもしれない。平均温度が高まったことで活動が活性化したぶん、寿命(生存期間)が燃え尽きるのも早くなってしまった可能性も想像できなくはない。
もしそうなら停止モードの解除が遅い個体は活性化による消耗を抑えることで寿命を伸ばす利点があるのかもしれない。であるなら、活動モードと停止モードの切り替えスイッチ──反応閾値(いきち/刺激に対して行動を起こすのに必要な刺激量の限界値──に個体差があるのは、気象条件の変化幅に対応できる個体を残すという生存リスク分散の意味があるとも考えられる。飼育下のウシカメムシは気温に応じて動き出したり停止モードに入るタイミングに個体差がある。
実際の死因はわからないが、同じ飼育条件下に置かれた他の個体はどうなのか──1匹死んでから2週間が過ぎた現在、特に変わったようすもなく、元気にしているように見える。
03牛亀虫吸汁アラカシJ31a
04牛亀虫吸汁アラカシJ31b
ヤブコウジに続いて吸汁が確認できたアラカシ。葉柄(葉のつけ根)や主脈(葉の中央の太い葉脈)で吸汁していることが多い。この個体は飼育下で11月27日に羽化した単独飼育個体(左前脚が欠けている)。
現在、5匹を入れた飼育容器と単独飼育容器の2つを窓際に置いている。室温が低い時間帯は天井の蓋などに仮死状態(冬眠モード)でいるが、窓から陽がさし、飼育プラケース内の温度が上がってくるとウシカメムシはポツポツと動き出す。
05牛亀虫活動F1Aa
この日、真っ先に動き出した個体。少しずつポイントを変えながサトクダマキモドキの卵を吸汁していく。
06牛亀虫吸汁産卵痕F1A
この時点で、同じ飼育プラケース内の他の4匹は天井の蓋で停止モード(冬眠モード)。蓋を外しても動かない。
07牛亀虫静止モードF1
そのうち、1匹、また1匹と動き出し、この日は4匹が活動モードとなり、1匹は天井の一角でほとんど動くことはなかった。
08牛亀虫飼育容器5匹F1
雨や曇りなど気温の低い日には5匹全てが動かないこともあるし、日によって全てが活動モードに入ることもある。
飼育容器には餌としてヤブコウジ・アラカシ・サトクダマキモドキの産卵痕をセットしている。
09牛亀虫吸汁産卵痕F2a
10牛亀虫吸汁産卵痕F2b
11牛亀虫吸汁産卵痕F2c
12牛亀虫吸汁産卵痕F2d
水挿しした枝から直接吸汁することもある。
13牛亀虫枝F4a
植物では、ヤブコウジで吸汁していることが多いようだ。
14牛亀虫吸汁藪柑子F4a
15牛亀虫吸汁藪柑子F4b
16牛亀虫吸汁藪柑子F4c
画面では4匹しか確認できないが、2月5日は飼育中の6匹全てが活動していた⬇️。
17牛亀虫吸汁4匹F5
18牛亀虫吸汁産卵痕F5a
折り畳まれた口吻(鞘にあたる部分)がズレて(?)口針が枝内の卵に伸びているのがのぞいている⬆️。
こちら⬇️は口吻が産卵痕に挿しこまれている。
19牛亀虫吸汁産卵痕F5b
日によってはかなり活発に動きまわり、飛翔することもある。感心したのが狭い空間なのにちゃんと着地することだ。以前、ラミーカミキリイッシキキモンカミキリを飼育したことがあったが、飛ぶとすぐにプラケースの壁に激突して床に落ちるのが常だった。ところがウシカメムシの場合は、壁にしろ枝にしろ、ちゃんと脚から着地して、コケるということがない。狭いプラケース内なので飛べる距離も短く飛翔はほんの一瞬──なのにそのわずかな間にちゃんと体を翻して壁や枝に着地するのだから大したものだ。カミキリが透明プラケースの壁面にぶつかって落ちるのは、(ウシカメムシに比べて)飛翔が下手だったのか?(その割によく飛ぶ) それとも透明のプラケース壁面が見えていなかったのだろうか? 甲虫とカメムシでは違うのかもしれないが、ウシカメムシは意外に(?)運動能力も高いのかもしれない。
とりあえず、飼育中のウシカメムシのその後のようすなど。



ウシカメムシの意外な餌 ※クダマキモドキの卵を吸汁
ウシカメムシがヤブコウジを吸汁
ウシカメムシの臭腺開口部
ウシカメムシ羽化〜羽化殻は宇宙人!?
ウシカメムシの餌
卵を吸うウシカメムシ&管巻擬産卵枝断面
ウシカメムシゆるい冬眠モード!?
ウシカメムシ粗樫で吸汁
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