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新型コロナ:予防接種の考え方(追記あり)

緊急事態宣言が継続中の新型コロナウイルス禍。パンデミックを押さえ込むのに重要な役割りを果たすのがワクチンだろう。予防接種率を高めることで感染リスク(発症率や重篤化)を抑えることができる。
ただ、ワクチンである以上、ある一定の確率で強い副反応が起こることはまぬがれない。それでも稀に起こる重篤な副反応被害よりも、全体が享受できる利益・恩恵の方がはるかに多い──ということで、予防接種は奨励されている。
公衆衛生的には、それで多くの人の生命を救い健康を守ることができるのだから、推奨されるのは、もっともなことだろう。
とは言え、単に《リスクより恩恵が大きい》ことをもって予防接種のみを正しい選択と短絡的に捉えるのは危険な気がしている。

予防接種をせずに感染症を発症した場合は標準装備(自然に備わっている免疫機構)が突破された、いってみれば《天災》だが、予防接種をしたことで起こる服反応は、人為的な行為がもたらした結果なのだから《人災》ともいえなくもない。
本来であれば(予防接種を講じなければ)「多くの人が〝天災(感染症)によって〟命を落とす」ところを、ワクチンを打つことによって「その多くの生命を救うことができる」一方、それと引き換えに「(人為的な措置によって)少数の犠牲者を出す」ことにもなる──という構図だ。社会全体からすれば得られる利益は大きく、引き換える損失は少ない。
つまり、ワクチンによる予防接種というのは《少数の犠牲者の上に大勢を救う人為的な措置》だということが言える。
総合的にみれば、確かに《リスクより恩恵が大きい》。しかし少ないとはいえ、必ず犠牲者は伴うし、それが人為的なものであることを忘れてはならない。副反応による重篤化リスクが、たとえ1%にも満たないわずかなものであっても、それは確実に存在し、該当してしまった人にとっては100%の現実となるからだ。
予防接種は空弾倉がやたらに多いロシアンルーレット》──そんな見方だってできなくはない。

予防接種が《少数の犠牲者の上に成立する大勢を救うシステム》であることを考えると、恩恵を受ける多くの人が、少数の犠牲者に対する補償を負担するのが妥当だろう。予防接種のコストには重篤な副反応がでた人に対する補償を折り込んでおくべきだと思う。実際にはどうなっているのか僕にはよくわからないが……制度上は《予防接種法》というのがあって、接種による健康被害については救済を受けることができることにはなっているらしい。

しかし、先日の報道(接種から3時間半で急死…死因は「急性虚血性心不全」遺族が“詳細な検査”を依頼)によれば、国内で新型コロナワクチンの予防接種後に亡くなった人は少なくとも196人いるそうだが、予防接種との因果関係が認められたものはまだ無いという。
接種率を上げることが感染症の抑止につながることから、推進する立場の人達(政府?)は、(推進のブレーキとなる)副反応被害を認めたがらないというような事情でもあるのだろうかと疑いたくもなってしまう。
本来であれば、予防接種というのは《少数の犠牲者と引き換えに大勢を救う人為的な措置》であることを周知し、《副反応被害に対しては速やかに救済措置が適用される》という補償体勢とセットで推奨されるべきものだろう。推進上、つごうの悪いリスク部分を矮小化したり認めたがらないようでは、システム自体の安心・信頼を得られない。
《リスクより恩恵が大きい》ことは確かだろうが、リスクを軽視(矮小化)することで予防接種を推進しようとしているのであれば、問題がある。
予防接種の前に、罹患歴の有無(すでに抗体を持っているかどうか)を確かめる抗体検査の選択肢がもっとあっても良い気がするし、人によって(生活環境の違いで)感染のリスクは一様ではない。一律に《全ての人が予防接種を受けるべきだ》と考えるのは拙速な気がするのである。

【追記/2021.06.19】本記事を投稿した後、〝接種後の死亡例についての報道〟を批判する記事をいくつか目にした。「本当にワクチンの副反応で死んだのか確かめられていないのに、接種への不安を煽るのはけしからん! あいまいな報道で接種率が下がって感染者が増えたら責任はとれるのか!」みたいな論調に、強く違和感を覚えた。
予防接種を受けない人を、まるで「当然はたすべき義務を怠っている迷惑者」であるかのように捉えている人はけっこういるようで、ワクチンをめぐる独善的な考え方が広がっている気がする。
ワクチンの効果について《科学的な裏付けがある》のだから、「受ける事が正しい(合理的)」→「受けないのは誤り(非合理)」と短絡的にとらえている人が多いためだろう。
もちろん、こうした同調圧力やワクチン・ハラスメントを危惧する声もあるが、ワクチン接種は《少数の犠牲者と引き換えに大勢を救う〝人為的な予防措置〟》であるということを認識する必要があるように思う。



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コメント

No title
一応建前は希望するすべての人にワクチンをということにはなっています。希望しない人に無理にとは言ってないです。
でも接種をしない人は色々不都合な事があるかもしれませんね。
Re: No title
僕が小学生だったとき、学校でインフルエンザワクチンの集団接種が行われていた時代がありました。接種のあとに体調を崩したことがあって記憶に残っています。
予防接種が義務化された場合はとくに補償はセットでないと合理性に欠けると思います。感染症や地域によって任意か義務か対応は別れますが、予防接種は公衆衛生上は推奨されているものでしょう。
ワクチンについて真剣に考えるようになったきっかけは、実はフェレットを飼っていた時のジステンパー・ワクチンでした。
No title
初めまして。同感です。

『普通に過ごしていれば一生新型に罹る事など無かったのに、ワクチンを接種した為に死亡してしまった』
という事態は起こり得るし、そうなった場合に誰もその責任を取る事はできません。

接種はあくまでも本人の意思で決める事で、
他人からの口出し、風潮や同調圧力による事実上の強制、
接種した・してないでの差別はあってはならないと思います。

6月23日時点の厚生労働省の資料で、
ワクチン接種後の死亡の報告件数は300件を超えていましたね。
そして予想通り、因果関係は1件も認められていません。

ワクチンに関して特に1つ気になったのは、
皆が本当に待ち望んでいたなら、何故特典やキャンペーンで宣伝する必要があるのでしょうね。

色々と、違和感しかありません。


コメント長くなってしまい、失礼致しました。
Re: No title
コメントありがとうございます。
予防接種については、短絡的に皆が受けるべきだと考えている人がけっこう多いように感じ、思うところを記してみました。
ワクチン接種は、人為的な予防措置なわけで、稀とは言えこれによって生じるデメリット(副反応)などについても、きちんと被害状況をアナウンスをするのがフェアだと思います。
接種率を高めるために予防措置によるデメリットを認めたがらなかったり矮小化して被害者が「泣き寝入り」をするような状況では、予防接種の信頼性は得られないと思っています。
No title
お返事ありがとうございます。

本当にその通りですね。
現状全くフェアじゃない、のに、それに違和感を抱かない方(ご存知ないだけかもしれせん)が多数なのだろうかと思うと、何とも言えない気持ちになります...。

はっきりご自身の意見を書かれている事に感激して、つい長々お話してしまいましたi-201

こちらの記事に出会えて良かったです。
ありがとうございました。
Re: No title
予防接種については、《リスク(損失)よりも公益メリットが大きい》ということから、《助かる人が多数である選択を行うのが正しい》と思い込んでしまう人が多いのだろうと思います。
しかし、その考えでいけば──例えば、クルーズ船・ダイヤモンド・プリンセス号で集団感染が発生した時点で《クルーズ船の乗客全てを殲滅すれば、その後に拡大するより大きな被害を防げた》として殲滅処置をとることが正しかったといういうことにもなりかねません。人為的な予防措置で、そうした選択が正当化できるのか──と考えれば、予防措置の選択は公益メリットだけで判断できる単純なものではないということがわかると思うのですが。

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