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えび天ミラクル☆シリーズから30周年

ミラクル☆シリーズ&えびぞり巨匠天国から30年
01MSえび天1991

トップページにも画像を置いてある実写版ミラクル☆シリーズ──ごく一部の知人に見せるつもりでイタズラに制作したビデオ映像作品がTBSテレビ『三宅裕司のえびぞり巨匠天国』で放送されてから、気づいてみれば今年で30年! いったい、いつの間にそんな歳月が!?……まったく油断もスキもあったものではない。しかし、ふり返ってみると、たしかに経年のためか記憶があやふやになっているところもある。今一度、当時(1991年前後)の記録をふり返って記憶を整理をしておくことにした。ということで、今回は個人的な忘備録的意味合いの強い記事になる。

個人誌から平成名物TV『えびぞり巨匠天国』へ
三脚に固定したカメラの前で変身ヒーローと怪人の一人二役を演じ、闘っているかのように編集した実写版ミラクル☆スター。もとはと言えばワープロ(日本語ワードプロセッサ)を使って制作した個人誌《チャンネルF》で展開していた楽屋落ちパロディヒーロー小説だった。その頃は8mmビデオカメラでヘビやカメ、昆虫等を撮っていたのだが、ビデオカメラがあるのならパロディヒーローの実写化も謀れるのではないかと気まぐれを起こして試作に踏み切ったもの。
当時僕は30代前半──高校時代には友人らと8ミリフィルムでアクション映画を撮って文化祭で上映したなんてこともあったが、高校卒業後はほとんど運動をしていない。このままでは肉体は錆びつき、いずれ動けなくなるだろう──若い時に修得した技術(宙返りなど)を喪失する前に映像記録として残しておくのも良いのではないかという気持ちもあった。
その頃、脳内には「〝動けていた時期〟の運動イメージ(記憶)」がしっかりと残っていて「実際にはどれだけ動けるのか」の感覚は確かめられていない状態だった。
よく子どもの運動会で久しぶりに走って足がもつれ転倒する親御さんがいがちだが、あれは「思っていたより体(足)がついてこなくなっていた」──つまり「脳内に残っている若い頃の運動イメージ(記憶)」と「実際の運動能力(気づかぬうちに劣化している)」とのギャップによる現象だろう。
実写版ミラクル☆スターの試作カットを撮り始めた頃も、実際に動いてみて、運動イメージのギャップを感じることがないでもなかった。1991年1月6日にはミニトランポリンの踏み切りをしくじって肩から落下。鎖骨骨折というアクシデントに見舞われて、鎖骨にワイヤーを入れる手術を受けた(1月9日)。ワイヤーがとれるまでは負荷のかかる運動はできないというので、しかたなく退院(1/11)後は、おとなしく撮影済みの映像素材の編集を始めていた。
当時のビデオ編集はビデオデッキをつないで、再生機で再生した映像の必要な部分だけを録画機でダビングしてつなげていくといった形で行われていた。録画機の操作(録画一時停止の解除など)はタイムラグがあるため、カットのタイミングを合わせるのがやっかいだった。そして1991年1月12日(土)深夜、編集作業を始めようとビデオデッキの電源を入れたところ、モニターに使っていたテレビに、たまたま「三宅裕司のえびぞり巨匠天国」の第1回放送が映し出された。当時はまだYouTubeなどなかった時代。アマチュアの制作した映像作品を見る機会は、ほとんどなかったので、自主制作映像作品を紹介する「えび天」は新鮮だった。番組内でアマチュアの映像作品を募集する告知があり、ちょうど編集中だった「ミラクル☆スター」を応募してみようかと思い立った。

急きょ「えび天」応募用に編集した「ミラクル☆スター」のビデオテープ(コピー)を発送したのが1月14日。思いつきで応募してはみたものの、しょせん内輪ウケ狙いで撮り始めたイタズラ作品だったので、あまり期待はしていなかった。
ところがわずか2日後──1月16日の夜に採用を告げる電話を受けて驚いた。
1月23日に恵比寿で番組の説明会があったのだが、1月21日の朝に倒れ、右顔面神経麻痺の症状に見舞われる。鎖骨の手術をうけた病院を受診するが要領を得ない。説明会後の1月29日の再診で入院することになり、1週間ほど右顔面神経麻痺の治療。2月9日(土)に行われた「えび天」収録には間に合った。
収録当日(2/9)の記録を見ると──17:30、TBS日比谷シャンテSTUDIO B3控え室に集合。18:00過ぎに説明会。19:00にスタジオ入り。前説が30分ほどあって、19:40から収録開始。「えびぞり巨匠天国」は生放送番組ということになっていたが実は生収録。CMの時間もリアルタイムでとり2時間40分ぶっ続けで収録し編集は行わないとのことだった。「ミラクル☆スター(えび天バージョン)」の結果は銅賞(メダル)&特別奨励賞(トロフィー)。出演時には鎖骨にワイヤーが入っており、顔面神経麻痺を隠すため特性の自作マスクを被っていた。オンエアは1週間後の1991年(平成3年)2月16日(土)・24:40〜27:00だった。
実写版ミラクル☆スターは独りで撮った試作版だったが、どうにかカットのタイミングを合わせてビデオ編集ができることはわかった。この要領で仲間を加えて撮れば、独りではかなわなかったシーンも増やせるし、アクションの可能性が広がる。そうすればもっとおもしろいことができるはずだと考え、動けない期間に色々と次回作の構想を練る。
ようやく鎖骨のワイヤーを抜く手術が行われたのは3月20日(抜糸は4月2日)。鎖骨骨折にこりて注文した特注の折りたたみ式エバーマットが4月24日に届く。高校時代にアクション映画を撮った仲間を巻き込んで1991年4月30日にミラクル☆スター第2弾の撮影を開始。しかし、フェンス越えの前方2回宙返りのシーンで早々にケガ──エバーマットに首から落下し、首・胸骨・背中を痛める。回転オーバーを警戒して背中から落ちるつもりでやや早めに体を開いた(回転にブレーキをかけた)ところ、なんと回転不足だった。痛みをこらえて予定していた石垣からのダイブ後方宙返りのシーンまでは撮影するが、そこでロケは中断。
再びのケガで撮影スケジュールが狂い、とりあえず型紙を使った改良マスクの製作を始める。試作のFRPマスクはデザイン的には視界を広くとっていたものの、通気性が悪く、ポリカーボネイト板のハーフミラー(ゴーグル部)が息でくもって非常に見えづらいことになっていた。もっとよく見える新マスクを──ということで、発泡ポリエチレン板を使った新マスクを考案。通気性を改善し、ゴーグル部をハーフミラーのフィルムに変更した。ついでに胸当て部分も作り直した。
02MSマスク旧FRP新
03MS新胸当て
型紙による改良マスクはすぐにできたが、ミラクル☆スターの撮影再会の見通しは不透明。そこで、すぐに撮れる代替案として浮上したのが『ミラクル☆キッド』だった。
撮影中の事故によってミラクル☆スターは頓挫……という実情を取り入れた設定(実際にはフェンス越えのダブル宙の撮影でケガをしているが、作中では石垣上からのダイブ宙でケガをした設定になっている)で、負傷したミラクル☆スターに代わって虫とり少年がニューヒーローとなり怪人を倒すという内容。当時小学2年生だった甥っ子を主役に抜擢してミラクル☆キッドの造形を開始。撮影は主役の夏休みを利用して1991年8月に行われた。
04ミラクルキッド1991夏
『ミラクル☆キッド』は「えび天」再登場を意識して作られた。ミラクル☆スターが少年に託した変身メダルは「えび天」で受けた銅賞メダル(銅監督に与えられるメダル)、その変身メダルに転身エネルギーを送るミラクル・タワーには奨励賞トロフィーを使用している。
05ミラクル変身メダル
06Mタワー照射キッド
最後にミラクル・タワーに現れる顔は「えび天」の司会アシスタントをつとめていた福島弓子アナウンサーだったりする。
07Mタワー福島弓子
しかし、「三宅裕司のえびぞり巨匠天国」は9月末に突然の終了。『ミラクル☆キッド』での「えび天」再登場はかなわなかった。
ということで、せっかく撮ったのだし、チャンネルFの実写ヒーロー物のまとめとして、ミラクル☆スターからえび天を経てミラクル☆キッドまでメイキング映像を含めて編集し直したビデオ『ミラクル☆シリーズ スペシャル』(1991年)を作成。YouTubeに投稿したミラクル☆スターとミラクル☆キッドはこのスペシャル・バージョンということになる。





紙媒体の個人誌《チャンネルF》の方では、実写版ミラクル☆スターへの展開を受けて、架空の設定や図解などをまとめた「ミラクル☆スター 秘密大百科」を作成。ミラクル☆キッドの制作後には改訂増頁版として「ミラクル☆シリーズ 秘密大百科」を作っていた。
08CF版ミラクルシリーズ
実写版の元となった小説版ミラクル☆スター・シリーズは、僕が関わった同人誌仲間が登場する楽屋落ち的ギャグ作品で、ネタが判るごく限られた読者を念頭に書いたものだった。少し前に埼玉県を揶揄するギャグがウケた『翔んで埼玉』(2019年)という邦画があったが、同じようなこと(怪人のモデルとなった友人・某が住んでいた葛飾区を揶揄)を小説版ミラクル☆スター・シリーズでは1989年にやっていた。チャンネルF・10号収録の『ミラクル☆スター〜復活篇〜』は、ブログの読み切り作品としては少々長め(3万字ほど)なのだが《はてなブログ》の方で公開している(ブログ版では登場人物は仮名)。
高校時代にアクション映画を撮っていた頃は「格闘シーンに限って言えば、文章表現は、視覚に直接うったえる映像表現にはとてもかなわない→格闘物は小説には不向き」だと思っていた。しかしその後、「文章でも迫力のあるアクション・シーンは描くことができるし、実写映像とはまた違った──実写映像では表現するのは難しいシーンも文章では自由に表現することができる」と考えを改めた。これを試してみたのが小説版ミラクル☆スター・シリーズだったともいえる。久しぶりに読んでみたら面白かった。エピソードの元ネタを知らない人が読んでもそれなりに楽しめるのではないか……などと思ってしまった。



ミラクル☆スター〜実写版〜※ひとりで撮ったスーパーヒーロー・アクション
ミラクル☆キッド〜実写版〜※小学2年のスーパーヒーロー誕生
『三宅裕司のえびぞり巨匠天国』と出演覚書
ミラクル☆シリーズさくっと制作経緯
自作ヒーロー:型紙マスクの作り方
幻のインディーズヒーロー・アクション※『ミラクル☆スター2』の絵コンテ
小説版『ミラクル☆スター〜復活篇〜』(はてなブログ)
ヒーロー的宙返り
最後の宙返り
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