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珍しいナナフシのオスと過密!?

5歳児が〝珍しいオスのナナフシモドキ〟を発見したというニュースが報じられていた(「色が違う」5歳児、珍しいオスのナナフシモドキ発見)。
ナナフシモドキ(ナナフシ)は枝に擬態した昆虫で単位生殖することで知られている。オスが見つかるのは稀で、記事によると〝2019年までに全国でも12例ほどしか見つかっていない〟そうだ。
ナナフシの仲間には単為生殖をするものが多く、オスが極めて珍しかったり未知のものもあるらしい。

今回みつかったオスは、採集飼育していた5匹の幼虫の1匹で、脱皮を2回したところで体色が違うことに気がついたのだという。
飼育下でめずらしいオスが出現したという状況から、頭に浮かんだのが「飼育下ではオスが出やすいのではないかか?」という可能性。
『ナナフシのすべて』(岡田正哉・著/トンボ出版/1999年)でも、タイワントビナナフシのオスについて「日本では,オスは飼育下での1例しか知られていません」と記されている。
飼育下の──おそらく〝過密〟がオスの出現を促す条件になったのではなかろうか?

フィールドでは見つかることのほとんどないナナフシモドキのオスが、わずか5匹の飼育個体の中からみつかったという……これは「偶然」なのだろうか? タイワントビナナフシの例(飼育下でしか見つかっていなかった)もあわせて考えると、「飼育下の過密」がオスの出現をうながした可能性もなきにしもあらず……という気がする。

というのも、僕も〝本州では珍しいニホントビナナフシのオス〟を、東京で見たことがあり、その年はこの虫が大発生して擬木に過密状態になっていたからだ。


『ナナフシのすべて』によればニホントビナナフシは《九州以北ではおもに単為生殖、屋久島以南では両性生殖をすると思われる》とのことだが、僕は交尾も確認している。



ナナフシの仲間は本来は南方性の昆虫らしいが、ニホントビナナフシが11月から12月にかけて擬木上に異様に大発生し、フユシャク(冬に出現する蛾)と一緒にいるのが不思議な光景だった。


また、珍しいということで言えば、ニホントビナナフシが大発生した年には、オスとメスが混在する雌雄モザイクの個体も2匹確認している。


左右で♂と♀が別れた個体↑と、部位によって♂♀が交互に別れた個体↓。


ニホントビナナフシが大発生した年には、黄色のニホントビナナフシ♀(本来は緑色)も何匹か見つかっていた。



〝珍しいオスの出現〟に関しては──魚の中には環境によって性転換するものがいるし、爬虫類の中では孵化温度でオスとメスが決まるものもいるわけだから、ナナフシの仲間でも性比が育成環境の影響を受けることだってあっても不思議はない気がする。
雌雄モザイクや体色の変異などの出現現象も、もしかすると〝過密〟が影響しているのかもしれない?
枝に擬態したナナフシや葉に擬態したコノハムシの仲間は、ルックスも生態もミステリアスな味わいをかもしている。


ニホントビナナフシ東京でも両性生殖(2013年12月)
ニホントビナナフシの雌雄モザイク(2013年11月)
半♂半♀のトビナナフシ(2014年11月)
黄色いトビナナフシ(2013年11月)
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コメント

ナナフシ
へ~ナナフシはそういう生態があるんですか全然知らなかったです。興味深いです。
Re: ナナフシ
ナナフシは脚などがとれても脱皮を経て再生しますが、まれに本来の器官ではないものが再生することがあって(異型再生)、触角にふせつ(脚の先端)が再生するようなこともあるようです。
色々と興味深い昆虫ですね。

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