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2018年08月の記事 (1/1)

ハチ擬態の蛾コスカシバ

ハチ擬態!?コスカシバ



桜の葉にとまっていた一見ハチっぽい昆虫は……コスカシバという蛾。幼虫はサクラやウメ・リンゴ・モモなどの樹皮下に穿入して形成層を食害するという。たまにサクラの樹の周辺を飛んでいる成虫を見ることがあるが、飛び方も蛾というより蜂っぽい。


コスカシバを見てイメージするのは「黒いボディに黄色い帯のあるハチ」──ドロバチの仲間だ。こうしたカラーリングのハチは色々いる。そして、同じような配色の──ハチ擬態と思われる昆虫も少なくからず存在する。


擬態のモデルと思しきドロバチの仲間↑と、これとよく似たデザインのアブ(*)↑。
そしてよく似た蛾のコスカシバ↓。


蛾なのに翅が透けている──ということで「透かし羽」なのだろう。




この個体は右の前翅がわずかに歪んでいるようだった。羽化の際に完全に伸びきることができなかったのだろうか?


この蛾は「コスカシバ」(小透羽蛾)という和名だが、「オオスカシバ」(大透羽蛾)という蛾もいる。ただ、「コスカシバ」がスカシバガ科であるのに対し、「オオスカシバ」はスズメガ科。翅が透けている点は似ているが、ちょっと雰囲気が違っている。


※【ハチドリ虫か空飛ぶザリガニか!?】より再掲載↑。

《擬態》はモデルを真似ているのか?

ハチは(♀が)毒針を持っている──危険な存在ということで、避けられがちな昆虫だ。この危険なハチに似ていることで、捕食者が敬遠することがあれば、狙われる危険が減り、生き残り戦略に有利に働く──これがハチ擬態の効果だろう。
蛾でありながらドロバチ類に似ているコスカシバも、アブでありながらドロバチ類に似ているハチモドキハナアブも、そうしたハチ擬態と考えるのが自然な気がする。

ただ、ドロバチ類のような黒地のボディで腹節の一部に黄色い帯模様が入るというシンプルなデザインは(擬態抜きで)基本的に発生しやすいのではないかという気もする。コスカシバの仲間にも腹節の一部に黄色い帯模様を持つものがいくつもいるし、僕にはあまりハチに似ているとは思えない蛾──カノコガやトンボエダシャクなどでも黒い腹節の一部が黄色という模様を持つものがいたりする。

擬態というと、まずモデル──ハチ擬態の場合はハチがいて、他の虫がそれを真似て変化したというイメージを抱きがちだ。虫が「都合良くモデルを真似て変化(進化)」すると考えると不思議な気もするが、デザイン誕生の順序は(ひょっとして?)そうした因果関係(?)とは逆であってもおかしくはない(……はずだ)。
昆虫は種類が多いから、発生しやすいデザイン・パターン(模様や配色)がグループが異なる昆虫の中から多発的に出ることもあるだろう。黒地に黄色のシンプルなデザインを持つ昆虫がハチ以前にも発生していたとしても、そう不思議ではないだろう。その後、同様のデザインを持つハチが登場したことで、その特徴が警告パターンとして捕食者たちに認識され、似たデザインの昆虫の生存率が高まった……ということも考えられないではない。実際の昆虫の歴史は(僕には)わからないが、理屈(システム)としては、擬態効果はモデルが後から登場しても成立しうるはずだ。
「デザインの全く違う昆虫が、生存に有利な虫を真似て都合良く変化した」と考えるより、「偶然に発生した共通デザインを持つものの中から、生存に有利なモデルが登場したことで得をしたものがいた→その特徴を受け継いだ子孫たちが世代を重ねる中で生存に有利な特徴の完成度を高めて行った」と考える方が納得しやすい。

他の昆虫への擬態というのは、たまたま偶然似てしまった「他人のそら似」に始まるのではないか。それが単なる「他人のそら似」なのか、生存に有利な「擬態」なのか(似ていることで実際に御利益があるのか)……擬態効果のほどはよくわからないものも多そうな気がする。

コスカシバの場合は、とまっている姿がドロバチっぽいだけでなく、飛んでいる姿を見ても「ハチっぽい飛び方」が選択されていることから「ハチ擬態」なのだろうと思っているが……これも「もともとハチに似た飛び方をしていた」という、行動の「他人のそら似」である可能性もないではないのかも知れない。
擬態する側とされる側──出現しやすそうなシンプルなデザインは、どちらが先に採用(?)したのかは、わからない(のではないか)……コスカシバを見て、そんなコトを考えた。


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テングスケバ天狗の鼻は何のため?

テングスケバ:カメラ目線の偽瞳孔



前々回記事にしたばかりだが……テングスケバがいる桑の近くを通ると、ついのぞいてしまう。見つかれば、やっぱり撮ってしまう……。


青みがかったあわい緑色と橙色のストライプがお気に入りのテングスケバだが、撮ると必ずカメラ目線で見つめ返しているように写る偽瞳孔(擬瞳孔)──複眼の中の黒い点も魅力の1つ。


背面から撮ると偽瞳孔が背中側に寄り目になって、ひょうきんな表情(?)がなんともいえない。撮影角度を返ると偽瞳孔も動いてカメラを追ってくるように見える。


実際に瞳孔のような器官があって動いているわけではなく、複眼を構成する個眼の奥まで見える角度(複眼に対して深い角度)の部分が黒く見えるというもの。正面から撮れば、偽瞳孔は前向きの寄り目になる。


テングスケバは、植物の汁を吸う昆虫で、カメムシやセミなどのグループ──《半翅目(はんしもく)》に入る。針のような口吻にを見ると、確かにカメムシやセミっぽい。

頭の突起(天狗の鼻)は何のため?



【テングスケバ】の和名は、透けた翅を持ち、頭部の突起が「天狗の鼻」を思わせることに由来するのだろう。ではその特徴的な長い「天狗の鼻」には、どんな意味・役割りがあるのだろう?
テングスケバがクワの幼木に止まっている姿は、茎から突き出した芽など、植物の一部のように見える──。


クワの茎と葉の間には腋芽(えきが)あるいは側芽(そくが)と呼ばれるものや、托葉(たくよう)という突起器官があって、頭がとがったテングスケバがとまっている姿に感じがよく似ている。


クワの茎にとまって汁を吸っているテングスケバ↓。




止まり方──体の角度も植物の茎から突き出した器官のような感じがする。
頭がとがっていることで植物の一部(芽)に見える──テングスケバの「天狗の鼻」は擬態効果をもたらすアイテムではないかと僕は考えている。




ハリサシガメ:前胸背の模様など

ハリサシガメの死骸~前胸背の模様/臭腺開口部は!?

この夏は異様に暑かったせいか、7月後半以降、 ハリサシガメ(*)を見る機会が減った。観察しやすい石垣は陽が射すと高温になるためだろう、アリやトカゲの姿も少なかった。本来ならペアの姿が観察できてよさそうな時期だが、さっぱりダメ。活動していれば目にとまりそうなアリの死骸(ハリサシガメ成虫はアリを捕え体液を吸った後、デコらないので死骸が残される)も見つからない……。
そんな中、石垣の下にハリサシガメ成虫♂の死骸が落ちてた。


活動を終えた成虫だろうか? ふだん動き回っているときにはじっくり撮れない部分を撮影してみることにした。死後、どれくらい経っているのか……容器に移すさいに左後脚がとれてしまった。


触角は欠け、複眼も壊れているようだ。その背面からの上半身ショット↓。


捕食性カメムシだけあって(もっぱらアリを狩る)複眼が発達している。前胸背の両端には牙のような側角が突き出していて、頭に近い部分(前葉)は複雑な立体模様がほどこされている。その胸部を左側面から見ると──↓。


横から見ると小楯板がら突き出した棘状の突起が目をひく。牙のような前胸背側角もそうだが、こうした鋭い突起は、鳥などに呑み込まれにくくする、ささやかな抵抗(?)になっているのだろうか?
『日本原色カメムシ図鑑 第3巻』(石川忠・高井幹夫・安永智秀/全国農村教育協会)には(ハリサシガメについて)《前胸背側角は棘状に突出し、後葉に4つの黄褐色の楕円紋が横一列に並ぶ》と記されているが、この個体にはその特徴(4紋)が無い。側角の部分をのぞいて前胸背後葉の紋が消失している。僕が見たところ、前胸背後葉の紋が消失している個体は少なくない。昨年8月に撮影した「紋が明瞭な個体」との比較↓。


前胸背後葉の4つの紋の大きさ(や有無)は個体によってまちまち──ということは、この模様には特に意味(生存率に関わる効果)は無いのだろう。


ハリサシガメの死骸を仰向けにひっくり返すと、腹が湾曲していた──これはオスの特徴(【ハリサシガメの腹】参照)。
仰向けにして確かめたかったのは、ハリサシガメ成虫の臭腺開口部だったのだが……。


色々な角度からクローズアップで撮ってみたが、臭腺開口部を確認することはできなかった……。ハリサシガメの臭腺開口部は消失しているのか、目立たぬほど小さいのか? 成虫のオスがメスを探すさいにはニオイを(も?)頼りにしているのだろうから(?)、臭腺はあっても良さそうな気がするが……幼虫時代は土粒やアリの死骸などで体をおおっているので、臭腺液を分泌することがあるのかどうか……疑問を感じる。あるいは幼虫の臭腺液にあたるものが、土粒などをまとうさいの接着剤になっているのではないか──などと考えたこともあるが、真偽の程はわからない。擬装素材を貼り付けるのにペースト状の糞が使われているという説もあるようだ。
ハリサシガメについては情報が少なく、わからないことが多いので、観察を続けることで推測素材を増やしていきたいところだが……今シーズンは暑くなってからの観察があまりできていない状況……。


葉上のファンシー昆虫!?テングスケバ

葉上のファンシー昆虫!?テングスケバ



クワの葉の上にたたずむテングスケバ。体長10~13mmほどだが、ちょっと見映えがする昆虫。イネ科植物に生息するというが、この時期、開けた場所に生えたクワの若い木をのぞくと成虫が見つかる。


これまでにも何度か投稿しているし(*)、何か目新しい発見があったというわけでもないのだが、見かけるとつい撮ってしまう。そんなテングスケバにの魅力をあらためて記してみると……(あくまでも個人的感覚)。
①ぷちサイズのバッタのようで可愛らしい。
(尖った頭がショウリョウバッタやオンブバッタを連想させる──そのぷちサイズ。折りたたんだ後脚でジャンプするのもバッタっぽい。しかし実際はバッタの仲間=直翅目ではなく、半翅目の昆虫)
②あわい青緑色とオレンジ色のストライプがオシャレ。脚にも黒いストライプが走っており複眼も縞柄という、徹底したストライパー。
③バッタにはない、透明なマントのような翅をまとっている。
──ということで、僕の中では「ストライプ・バッタモドキ」なファンシー昆虫。










青リンゴ亀虫!?を再び嗅いでみた

オオクモヘリカメムシ成虫の臭腺開口部&ニオイ



頭から小楯板にかけての緑色の部分がトランプのダイヤ型(菱形)に見えるオオクモヘリカメムシ成虫。ハート型の紋をもつエサキモンキツノカメムシが「ハート亀虫」なら、オオクモヘリカメムシは「ダイヤ亀虫」といったところ。
このオオクモヘリカメムシについては、「青リンゴのような匂い」がするという噂があって、以前試したことがあった。そのときは、さわやかな香りをイメージして嗅いだのだが……キツいニオイに「オエ~」っとなった(*)。僕には不快に感じられたニオイだが、「青リンゴのような匂い」という人もいる……。その時々の個体によって放出されるニオイの強さ(密度)に違いがあって印象が変わるのだろうか? あれから7年あまり経った今、もう1度、オオクモヘリカメムシのニオイを確認しなおしてみることにした。
カメムシの成虫は胸部腹面に1対の臭腺開口部(開孔部)があって、ここからカメムシ臭のする分泌液を放出する。




オオクモヘリカメムシ成虫の臭腺開口部を確認した後、つまんでニオイを嗅いでみることにした。


7年前は爽やかな香りをイメージしていきなり吸い込んだので悪臭との落差に衝撃を受けたが、今回はクサさに警戒しながら嗅いだためか、さほどショックは受けなかった……しかしやはり「オエ~」なニオイ。匂い始めはチラッと「稀釈すれば青リンゴ系になるのかもしれない?」という気もしたが、やはり「爽やかな香り」とはほど遠い。
指先に付いたニオイは1度流水で手を洗ったが落ちず、15分程経って、もう一度流水で洗うと、ほとんど臭わなくなった。

オオクモヘリカメムシ幼虫の臭腺開口部&ニオイ



成虫がとまっていたのは松の枝先だったのだが、その近くにおそらく終齢と思われる幼虫も何匹かいたので、オオクモヘリカメムシ幼虫でもニオイを確かめてみることにした。
カメムシの幼虫は(成虫と違って)、臭腺開口部(開孔部)が腹部背面にある。科によってその位置や数に違いがあるようだ。


ヘリカメムシ科幼虫の臭腺開口部は、第5&6番目の体節の背中側にある。
ということで、オオクモヘリカメムシ幼虫の腹部背面をアップで──、




このあと、オオクモヘリカメムシ幼虫を右手でつまんで嗅いでみたが、放たれたニオイは成虫と同じだった。
今回、オオクモヘリカメムシの成虫と幼虫を1匹ずつ嗅いでみたが、それぞれ強い不快臭を確認できた。

ついでにマツヘリカメムシ成虫も嗅いでみた…

こうなると、これまでニオイを確認することができなかったマツヘリカメムシ(*)のニオイを確かめてみたくなる……。


ということで、マツヘリカメムシ成虫をつまんで嗅いでみたが、無臭……これまで、マツヘリカメムシ成虫を5匹嗅いでみたわけだが、全てニオイを確認することができなかったことになる。


ハ裏!?針!貼り?サシガメ

ハ裏サシガメ!?針刺亀!貼りサシガメ?



雑木林のふちにある石垣。そこに現われた《小さな【ハ】の字》──ハリサシガメの成虫。今年は暑かったせいか、7月後半~8月前半にかけて遭遇頻度が少なかった。成虫は黒い体に淡いペールオレンジの【ハ】の字模様が映える。


成虫が頭を下にした時に──つまり逆さの状態で「ハリサシガメ」の【ハ】に見える模様は、《逆【ハ】の字》といえる。《【ハ】の字》を横軸で《裏返す》と、このサシガメ(捕食性カメムシ)の模様になるわけだ。


独特の模様を《【ハ】裏(り)》と読んで、ハリサシガメ──というのは僕のこじつけ。ヨコヤマトラカミキリTokyoToraカミキリと同じ。(キアイを入れれば?)名前を表すトレードマークを背負っているように見えなくもない。


逆ハの字模様は、墨を流したような翅にあるのだが、この翅の長さは個体によってかなり差がある(【ハリサシガメぷちまとめ2】にも比較画像を載せている)。


オスの方が翅が長くメスは翅が短いことが多いように感じるが、個体差が大きい。成虫は側方から見ると、腹の形でオスかメスかがわかる


ハリサシガメ成虫♂の腹は湾曲して凹んでいる(♀の腹は膨らんでいる)。
横から見ると、背中の小楯板からつきだしたトゲ状突起が目を引く。


ハリサシガメは動植物名よみかた辞典 普及版によると漢字表記が「針刺亀」となるらしい。「針」のようにとがった棘状突起が和名の由来ではないかと想像しているのだが、本当のところは(僕には)わからない。この突起が由来ならば、トゲサシガメでも良かったのではないか……そう思わないでもないが、トゲサシガメという名前の昆虫は別にいるので、ハリ──になったのだろうか?


こちら↑は、やや翅が短めのメス。


側方から見ると腹は膨らんでボート型をしている。
ハリサシガメの幼虫は土粒をまといアリの死骸等をデコレーションしているので、ボディーラインはわからない……。




どっちを向いているのかわかりにくいが↑、画面左に突き出した触角の付け根が頭。
別個体のハリサシガメ幼虫↓。




幼虫は色々なモノを体に貼り付ける──これはハリサシガメのとてもユニークな特徴だ。《貼り》付けるサシガメ──貼りサシガメ→ハリサシガメという意味合いも兼ねて【ハリサシガメ】になったのではないか……というのは、深読みしすぎであろうか?


マツヘリカメムシの臭腺開口部

マツヘリカメムシin集中線!?



マンガでよく使われる集中線──放射状の線を配することで線が集中する部分に注目させる技法だが……松葉が描く集中線の中心にいたのは──。


ということで、マツヘリカメムシの成虫。ヤラセではなく、撮りやすいところにとまっていたものを撮りやすい角度から撮ったら、こうなった。集中線が強調するマツヘリカメムシは「白いフレームの菱形メガネをかけた顔」に見えてしまう。
このマツヘリカメムシに関して、《洋ナシのようなフルーティーな匂い》がするというネット情報を目にした。そこで先日、2匹の成虫で試してみたが、確認できなかった(*)。気になっていたので、今回みつけた成虫でも試してみた。前回は小型容器に入れてシェイクしたのち嗅いでみたのだが(結果は無臭)、今回は直接指でつまんで嗅いでみた。


つままれたマツヘリカメムシはジタバタ暴れていたが、何回嗅いでもニオイは感じられなかった。

マツヘリカメムシ成虫の臭腺開口部

期待していた(?)フルーティーな匂いどころか、カメムシ特有の悪臭も確認できず……それでは、マツヘリカメムシの臭腺開口部(臭腺分泌液を放出する孔:開孔部)はどうなっているのだろう? 確認してみたくなった。
カメムシの臭腺開口部を確認するさい、当初はピンセットでつまんだり指で押さえたりして撮っていたが、捕まえてジタバタする虫で確認するのは、かえってやっかいだったりする。それよりも臭腺開口部が見える姿勢でとまっているカメムシを見つけて撮る方が容易い。
カメムシの臭腺開口部は、幼虫では腹部背面にあるが、成虫では胸部腹面にある──ということで、松の芽に腹面が見える姿勢でとまっている成虫を見つけた。


アップで臭腺開口部が見えるアングルを探す……。


このアングル↑では見えない……少しカメラの位置をずらすと、中脚の陰にかくれていた臭腺開口部が見えてきた↓。




こうしてマツヘリカメムシ成虫の臭腺開口部を確認することができた。構造的には(?)器官としての臭腺開口部は、ちゃんとついている。この成虫も指でつまんでニオイを嗅いでみたが、無臭だった。これで成虫4匹、続けてニオイを確認できなかったことになる。《フルーティーな匂い》はガセで、ニオイの弱いカメムシなのか……それとも、時期やコンディションの関係でたまたま匂わなかっただけなのか……。
いずれニオイを確認することができたら、追記することになるだろう……。


ハチに寄生するハエ!?オオズクロメバエ

ハチに寄生するハエ!?オオズクロメバエ





最近知って、おもしろいと感じた昆虫──オオズクロメバエ(大頭黒眼蠅)。その名のとおり、体に比べて頭が大きい。ちょっと独特の雰囲気を持っている……そう感じるのは僕だけであろうか?


これらの画像↑は8月に撮ったものが、この虫を初めて見たのは7月だった。草原の背の低い花の間を飛び交うハチにまじって、ちょっと変わった虫が花に降りた。ハチなら逆ハの字型に開いている触角がY字型をしている──これはムネグロメバエハチモドキハナアブで見覚えがある。「蜂擬態用のシークレットかつら的触角(短い触角をハチのように長く見せるための上げ底構造)」をもつハエかアブの仲間だろうと思った。興味を覚えてカメラを向けたのだが、すぐに飛び立ってしまいロクな画像が残せなかった。その時撮ったNG画像がこの↓左側。


黒い貧弱な体に、やけに大きな黄色い頭──ケバエが、アシナガバチの頭をかぶっているみたいに見えた。鮮明な画像で撮れなかったのが悔やまれる……。帰宅後、メバエの仲間だろうと見当をつけて検索し、「オオズクロメバエ」(のメス)に行き着いた。
ちなみに……メバエの仲間でも、ムネグロメバエは「黒」が「グロ」と連濁で濁音化しているが、「オオズクロメバエ」では「黒」は「クロ」と濁らない。胸が黒くて「胸黒=ムネグロ」と呼ばれるムネグロメバエとは違い、オオズクロメバエは頭が黒くない(「頭黒=ズグロ」ではない)。「頭」は「大」にかかっているのだから「大頭=オオズ」と「クロメバエ」を分けて(連濁せずに)呼んだ方がわかりやすい。ネット上には「オオズグロメバエ」という誤記もあったが、「オオズクロメバエ」は適切な呼び方だと思う。
このオオズクロメバエ──ネット情報を総合すると……成虫は花に集まるが、幼虫は寄生性で、ツチバチに寄生するらしい。成虫メスは飛びながらツチバチの成虫に抱きついて産卵するそうな。ピンボケ画像でも確認できるが、メスの腹部腹面には大きな突起物が突き出している──これは湾曲した腹部末端とのこと。以前記事にしたキスジセアカカギバラバチは、葉の縁にとまって葉の裏に卵を産み続けるためだろう、腹部末端が鉤のように湾曲していたが、オオズクロメバエでは、飛びながらツチバチに卵を産みつけるという高度な芸を究めるために更に湾曲が発達したのだろう。
こうしたメスの特徴はユニークなので、なんとか鮮明な画像で記録したいところ。その後、この虫を見つけた草原でオオズクロメバエを探し続けた。
この草原ではツチバチ類を含む色々な種類のハチが花から花へ飛び渡っていたが、それを追いかける虫影が現れると、それがオオズクロメバエだったりした。オスによる縄張り主張のスクランブル飛行なのか、メスの産卵行動なのかは確認できないが、ハチを追いかけ接触するシーンも見られた。
初めて見た時は大きな頭に対して「ケバエのような貧弱な体」に見えたが、飛び方はケバエよりもずっとしっかりしており、機敏だった。頭のでかさは、飛翔する産卵ターゲットを捕捉すべく動体視力を高めるために眼を大きく発達させた結果なのだろう。
オオズクロメバエの姿は度々見られたが、警戒心が強く敏捷で、なかなか撮影可能な距離まで近づかせてくれない。(腹の突起が無い)オスはなんとか撮ることができたが(冒頭の画像はその一部)、ユニークなメスの鮮明な姿を撮りたいところ……。
1度、オオズクロメバエを見つけ、近づこうとしたところ飛び立ってしまい、そこに別の虫影が飛来して衝突!?──2匹がからみあって草の中に落下したことがあった↓。


♂同士の争いかペアなのか……2匹ともオオズクロメバエだった。葉陰の被写体が見えるアングル探し&フレーミーグに手間取っている間に2匹は飛び去ってしまい、ここでもマトモな画像を撮ることができなかった。
活動中の生体は撮るのが難しい……と嘆いていたところ、歩道に弱ったオオズクロメバエを発見。拾い上げてみると、しきりに動くものの、ヨタヨタして飛ぶ気配がない。ということで、この機会に接写。


ハエの仲間(双翅目)の特徴──翅は前翅の2枚(1対)だけで後翅は無く、平均棍という器官が確認できる。


活動中は翅をハの字に開いていることが多いが、重ねて閉じることもある。


ハチの触角とは違う「Y」字型の触角──これはハエの短い触角を(ハチに似せて)長くみせるための上げ底構造(触角の付け根を伸ばした形)だろうと思っていたのだか……なんと、幹(1本)になっていると思った付け根部分が開くシーンがあった!?↓


「Y」字型ではなくセパレート構造なら、ふだんから「V」に広げていた方が(ステレオの)感覚器としても、蜂擬態(?)としても有効そうな気がするが……どうしてこのような形になっているのか……?


横から見ると腹部に大きな突起が無い──ということでオスということになる。
ユニークな腹のメスがキレイに撮れたら記事にしようと思っていたのだが……かなわないまま、観察場所に草刈りが入って、花も蜂も姿を消してしまったため、ひとまずまとめておくことにしたしだい。

観察場所だった草原でよく見られたツチバチの1つ↓。




ツチバチのメスは地中のコガネムシの幼虫に産卵するために地面に潜る。コガネムシに寄生するハチなわけだが、こうしたハチにさらに寄生するハエが存在するというのが、ちょっと意外だった。ハチといえば、「強くて怖れられている存在」というイメージがある。その威を借る蜂擬態の虫だって多い。そうした強者のハチ(しかも幼虫ではなく飛び回る成虫)に、大胆にも卵を産みつけとは……オオズクロメバエは、なんともアッパレなハエだろう。


マツヘリカメムシ:卵・幼虫・成虫



僕が子どもの頃にはいなかったのに今ではすっかり普通種──という昆虫は少なくない。マツヘリカメムシもその1つ。Wikipedia によると、北米大陸西部原産の外来種で日本では東京で2008年に初めて確認されたとか。僕がこの虫を初めて見たのは2011年(@東京)。ベルボトム(裾広ズボン)を連想させる後脚や頭を下にすると白枠の菱形メガネをかけた顔のように見える姿が印象的なカメムシだった。


今ではちょくちょく見かけるし、昆虫ブログ等にもよく登場しているので、もはや《よく知られた、お馴染みの昆虫》になっていると思っていたのだが……幼虫や卵について確かめたくて検索してみたところ、ヒットするのは成虫の画像ばかり。幼虫や卵の画像が意外に少ない……と、いうことでマツヘリカメムシの幼虫と卵(抜け殻)の画像を上げておくことにした。

マツヘリカメムシ幼虫とユニークな卵





松葉にカメムシの若齢幼虫がかたまっていた↑。マツヘリカメムシのようだったので撮り始めると、近くの松葉に彼らの(ものと思われる)卵(抜け殻)があることに気がついた。円筒形(円柱)をきれいに連ねたユニークな卵にビックリ。


カメムシの卵には円形のフタがついているものが多いが、円柱形の卵であれば、底面(円形の部分)にフタがある──これまで僕はそう思い込んでいた。しかしマツヘリカメムシの孵化殻では、円柱形の卵の側面に円い穴が開いていた──これには、ちょっと意表を突かれた感じがした。


Wikipedia の【マツヘリカメムシ】の項目には《卵は円筒形で、中春から晩春にかけて寄主植物の葉の付け根などに数個ずつ産み付けられる》と記されているが、ここでは松葉にそって12個の卵が1列に整然と産みつけられていた。

脱皮中のマツヘリカメムシ幼虫と成虫



松の枝先で、枯れた松葉につかまって(ぶら下がって)脱皮中のマツヘリカメムシ↑。
松の球果(松かさ)の上にいたマツヘリカメムシの幼虫↓。


7月の末にエノキの葉の上でみつけたマツヘリカメムシの幼虫↓。おそらく4齢か5齢(終齢幼虫)ではないかと思われる。近くの松から落ちてきたのだろう。


ネット上ではよくみかけるマツヘリカメムシの成虫↓(小雨の撮影で水滴がついている)。


マツヘリカメムシ成虫は飛翔できる──その翅を広げた瞬間↓。意外にキレイな腹部背面の模様がのぞいた。


ところで、マツヘリカメムシは《洋ナシのようなフルーティーな匂い》がするらしい?(ネット情報)
そこで確かめるべく成虫を小型容器に入れ、シェンクしたのち嗅いでみた。


この個体↑(右中脚が欠けていた)を含めて2匹で試してみたが、今回はニオイは感じられなかった(同じ種類のカメムシでも、そのときのコンディションによって発するニオイの強さ=分泌量はまちまち)。
ちなみにフルーティーな匂いがするカメムシは僕も過去に確認している↓
真・青リンゴの香り/キバラヘリカメムシ
オオトビサシガメのバナナ臭

※【追記】松の球果(松かさ)にとまり、針のような口吻を刺して汁を吸うマツヘリカメムシ成虫の画像を追加↓。


同個体を別アングルで──↓。


【追記】松の球果上の終齢幼虫&成虫の人面もよう



松の球果(松かさ)で汁を吸うマツヘリカメムシ終齢幼虫↑と成虫↓。


キアイを入れれば、白い菱形フレームのメガネをかけた顔に見える成虫↓




変化する輝き!?アカアシオオアオカミキリ@葉

変化するきらめき!?アカアシオオアオカミキリ@葉上



雑木林のふちの葉の上にアカアシオオアオカミキリが(またまた)とまっていた。
7月にも日中、葉の上にとまっていたアカアシオオアオカミキリの記事を2件あげている(*)が、その後も雑木林の縁の葉の上でまったりしているアカアシオオアオカミキリを3匹、目にしている。1匹は撮影するには少し高い位置にいたのでスルーしたが……いずれも日中、葉の上にいたアカアシオオアオカミキリはじっとしていた(休息モード?)。


7月に見た個体(*)よりも赤みをおびている。アカアシオオアオカミキリは触角や脚が長いので、全身画像を撮ろうとすると、どうしても体幹部が小さくなってしまう。ということで、触角と後脚をカットして背面から撮ったアカアシオオアオカミキリ↓。


頭部・前胸背・上翅(翅鞘)は金緑にきらめいている。


色合いは同じだが、前胸背と上翅では表面の構造に違いがある。前胸背では大脳のシワを思わせるような立体的な模様になっていて、上翅は密度の高い点刻構造になっている。


ツヤのある光沢ではなく、粉を吹いたようなきらめきに見えるのは、体表面(光の反射面)が細かい立体模様になっているからだろう。


背中の真上から見ると↑金緑に輝いて見えるが、撮影角度を変えると色合いが変化する↓。




右側から撮ると左半身で緑色が濃く、左側から撮ると右半身で緑色が濃く輝いて見える──角度が浅い部分で緑が強く、浅い角度で赤みをおびた金色に見えるようだ。これはアオマダラタマムシの美麗個体アオクチブトカメムシと同じ。
この個体↑(上は同一個体)は、同じ葉の上に少なくとも2時間20分以上は留まっていた(移動は確認していない)。
近くの葉(やはり雑木林のふちにあたる)にとまっていた別個体↓。






風にあおられてわずかに姿勢を変えるものの、同じ葉の上にとどまっているアカアシオオアオカミキリ。先月から5匹のアカアシオオアオカミキリが「日中、葉の上でまったりしている」姿を見ている。やはり日中は、こうして葉にとまって休んでいるものなのかもしれない。ホストはクヌギらしいが、休憩場所(とまる葉の種類)にこだわりはないようだ。
葉上で休んでいたものとは別に、日中のクヌギの樹液ポイントに来ていた活動中のアカアシオオアオカミキリも1匹見ている。


アカアシオオアオカミキリは夜行性だが、日中活動することもあることを確認。しかし、活動モードのアカアシオオアオカミキリはせわしなく、カメラを向けると逃げて行ってしまった。

【追記】やはり日中は葉上でまったり

その後、やはり雑木林のふちの葉の上で休んでいたアカアシオオアオカミキリを見つけたので画像を追加。とまっていたのはエノキの葉だった。




【追記】さらに葉上でまったりするアカアシオオアオカミキリ

またまた雑木林ふちの葉の上でまったりしているアカアシオオアオカミキリを見つけた。葉上の休止モード個体は今シーズン7匹目。夜行性で樹液に集まるカミキリだが、やはり日中は葉の上で休んでいることが多いようだ。活動中はせわしない印象があるアカアシオオアオカミキリだが、日中、葉の上ではほとんど動かない。撮影にはうってつけということで画像を追加。