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2018年02月の記事 (1/1)

フユがつかない冬尺蛾

シロトゲエダシャクも出てきた







1週間程前から目につくようになったシロトゲエダシャクのオス↑。シロトゲエダシャクもシモフリトゲエダシャク同様、標準和名に「フユ」は入っていないが冬に活動するフユシャク(冬尺蛾)のひとつ。オスは特に変わったところのない普通の蛾に見えるが、メスは翅が退化してとても同じ種類とは思えない姿をしている。オスを見かけるようになったので、メスもそろそろ──と思っていたら、擬木の上にでていた↓。




目に入った瞬間、腹にあざやかな緑色の配色が美しい──と感じたが、緑色に見える部分は鱗粉による模様ではなく、腹節の継ぎ目で鱗粉がない部分。卵を抱えて腹がはちきれんばかりにふくらんでいるため、丈の短いTシャツの裾から豊満な腹がはみ出て露出した「はみ腹」状態。薄い皮膚を通して卵の色(緑)が透けて見えるのだろう。


フユシャクの特徴の1つ──「メスの翅が退化して飛ぶことができない」↓。


シロトゲエダシャクはフユシャクの中では大きめで、存在感がある。


シモフリトゲエダシャク





やはり「フユ」がつかないものの立派なフユシャク──その特徴が顕著なシモフリトゲエダシャクのメス。つい先日も取り上げたばかりだが、好きなフユシャクなので見つけると撮ってしまう。




ちなみにシモフリトゲエダシャクのオスは、こんな姿↓。





他に「フユ」のつかないフユシャク(冬尺蛾)ではフチグロトゲエダシャクというのがいて、これは過去に一度だけ遭遇したことがある。そのときの画像↓(2012年3月28日)。




おそらく発生場所は立入禁止エリア内。フユシャクのメスは意外に脚が達者なようだが、たまたまエリアの外まで迷い出てしまったメスがいて、そのフェロモンに誘引されたオスがやってきたという状況だったのだろう。
「フユ」がつかないフユシャク仲間(トゲエダシャクがつく仲間)のシロトゲエダシャクやシモフリトゲエダシャクとは、オスもメスもずいぶんイメージが違っている。


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擬木上の《!?》~ガヤドリタケなど~

ギボッチで見つけた冬虫夏草な蛾:その後

【ギボッチ】とは「擬木ウォッチ」のこと(略称)──というのは僕が冗談半分でつけた呼び名だが、緑地周辺の擬木柵では色々な昆虫・小動物を見ることができる。擬木にとまっている虫は見つけやすいので、これを重点的に見て歩くのが「ギボッチ」。ちなみに「擬木ウォッチ」をする人のことを「ギボッチャー(擬木ウォッチャー)」という……というのも僕の造語。
ギボッチでは昆虫やクモ、爬虫類などを想定しているが、ときに予想していなかったモノにであうこともある。1月に投稿した【冬虫夏草な蛾!?】──(おそらく)蛾を宿主とする冬虫夏草・ガヤドリタケの一種もその1つだった。


これはそのとき(1月)に撮影した画像↑。奇怪ながら妙にカッコ良いデザインに驚かされた。冬虫夏草菌におかされた蛾であろう。虫に寄生するキノコを一般的に「冬虫夏草」と呼ぶ(広義)。虫から生えたキノコを見た人が「冬の間は虫・夏には草(キノコ部分が植物と認識されて)となる摩訶不思議な生き物」だと考えたことが名の由来らしい。狭義の「冬虫夏草」──チベット等に生息する生息するオオコウモリガ(日本には生息していない)幼虫に寄生する種は「不老長寿の薬」として用いられていたそうな。「昆虫と植物(実は菌類)の合体」というあり得ない感のある現象を実現させているのだから、その神秘のパワーにあやかれば「不老長寿」というあり得ない現象も実現しうるのではないか──という発想はわからないでもない。
さて、1月に擬木の上でみつけたガヤドリタケの一種とおぼしきモノだが……その後、大雪が降って(東京都心で最大積雪23センチを記録※狭山丘陵ではそれ以上)、雪にしっかり埋まっただろうガヤドリタケの一種はどうなっただろうと思っていた。擬木上の雪が溶けた頃に見に行ってみると、同じ場所に健在だった。2月下旬に入って改めて撮影した画像が↓。


大雪の前と比べると、わずかに欠けた部分はあったが、意外に頑丈なようだ。






擬木の上に初めてこのガヤドリタケ@蛾を見た時は白っぽいゴミのように感じたのだが……その後、同じような白いゴミ風のものが目に入った↓。

デーモンに憑依されメデゥーサ化した蛾!?



こちらは擬木の支柱──鉛直面にとまった蛾からガヤドリタケが発生していた。ガヤドリナガミノツブタケというのに似ている。








この角度から見ると、蛾の眼がある頭部がよくわかる。頭の周辺から伸びたキノコ(にあたる部分?)を見ているうちに、頭から毒蛇を生やしたメデゥーサ(メデューサ/ギリシア神話に登場する怪物)のイメージが思い浮かんだ。

変身前の準備段階!?の蛾

1月にギボッチで、冒頭のガヤドリタケ@蛾を見つけたとき、近くで「もしかすると、これがキノコの生える前の感染死した蛾ではないか?」と思えるモノも見ていた。


冬虫夏草は虫が生きているときに感染し、生きた虫の体内で菌糸を蔓延させるそうだ。キノコができきる最後の段階になって宿主は死ぬそうだが、これはその段階なのかもしれない。






この状態から菌糸が外側にもまわってキノコにあたる突起物が伸びてくると、前述のような形になりそうな気がする。このあとどうなるのか気になるところ。
さて、以下はふろく。

ギボッチで想定外の出会い:いる?いない!?いたら…いれば!?!

ギボッチで探すのは主に昆虫だが、想定外のモノに遭遇して「!?」ということはたまにある。


擬木の上には時々鍵や手袋など……予想していなかったもの(虫でないもの)が置かれていることがある。もちろん、そんなものが自力でで擬木の上に登ってくるワケはないのだから……おそらく、誰が気づかずに落としていったものを通りかかった別の人が見つけて、(落とし主が探しに戻ってきた時に判りやすいように)擬木の上に置いておくのだろう。
しかし……鍵や手袋なら、何かをポケットから出し入れするさいに落ちてしまい、それに気づかないということもあり得ようが、入れ歯を落として気づかぬはずがない(それこそ「話<歯無し>にならない」)。
いったい、どうしたらこんな状況が成立しうるのか──と首を傾げてしまう。まず頭に浮かんだ状況は……ここで事故or事件があって老人が倒れ、入れ歯が飛ぶ。犯人は発覚を怖れて遺体を運び去るが、入れ歯までは気がつかず現場に残され……それが第三者の手によって、擬木上に置かれたというシナリオ。
だが、詳しい人によると、これは治療途上のものらしく、持ち主は既に新しいものを利用しているのではないか……とのこと。要らなくなったので捨てられた(不法投棄された物)と考えると説明はつく。

予想外の落とし物(?)にぎょっとすることはたまにあるが……《崖上の駐車場に揃えて置かれた靴》を見てゾッとしたという人もいる。誰もいない崖の上に靴が揃えて置かれてあったら……その靴を履いて崖の上まで来た人は、どこへ消えたのか!?──と想像が巡るのもしかたあるまい。土足禁止の車に乗り込む時に靴を脱いで回収し忘れた可能性やイタズラの可能性も無きにしも非ずだが……。

そういったことを考えていると、それではいったい、どんな落とし物に遭遇したら驚くだろうか?──と想像が展開する。
タケコプター付きのヅラ(かつら)が落ちていたら……これはちょっと衝撃的なのではあるまいか……そんな状況が思い浮かんでしまった。
虫見をしていると色々と想像力をたくましくしがちだが……昆虫以外のテーマでもあれこれ想像はめぐるのであった……。


シモフリトゲエダシャク♀@桜

シモフリトゲエダシャク@サクラ(産卵前の♀)



今シーズンはシモフリトゲエダシャクのオスをよく目にする↑。標準和名に「フユ」は入っていないが、冬に活動するフユシャク(冬尺蛾)の1つ。オスは何の変哲も無い普通の蛾に見えるが、メスは翅が退化して飛ぶことができない。ユニークな姿をしたメスはオスにくらべると出会う機会が少ないが、先日、サクラ(幼虫食餌植物のひとつ)の幹にとまっている産卵前の個体を見つけることができた。


いたのは、こんなところ。幹のコブ状に盛り上がった部分の下のくぼみにとまっていた。こうした物陰感のあるところで安定しがちなのかもしれない。角度を変えて同個体↓。


オスとはかけ離れた姿のシモフリトゲエダシャク♀。フユシャクの中では最大級になるらしい。


この場所では背景との明暗差がありうまく隠れきれていないが、「霜降り」模様は地衣類等がある樹皮の上では隠蔽効果がありそうな気がする。明暗が交互に入る脚では輪郭が分断されてわかりにくい。


体格的にも立派だが、高級毛皮を思わせる毛足の長い鱗毛も魅力(?)。初めてこの虫を見た時はユキヒョウを連想した。


大きさがわかるように恒例の1円玉比較を撮ろうとしたが、幹のくぼみにいたためままならず。指に移動させて撮影。


動きを止めたときは首を縮め触角を倒したポーズになる(隠蔽姿勢)↑。歩き出すと頭を起こし、触角を前方に向ける↓。




ボリューム感がわかるように──最近よく目にするシロフフユエダシャク♀(産卵前)の1円玉比較画像↓。


てのひら上のシモフリトゲエダシャク♀↓(前述と同個体)。


この個体は翅の白い部分が少なめだった。


産卵後のシモフリトゲエダシャク♀



先日【産卵後のシモフリトゲエダシャクと産卵中のシロフフユエダシャク】で紹介した産卵後のシモフリトゲエダシャク♀だが、その後も同じ場所で、向きや若干位置を変えながらとまり続けている。とまっているのは、やはり、わずかにくぼんだ部分。
僕が見つけてからもう2週間。目につきやすい場所だが、「霜降り」模様の隠蔽効果で、意外に人や鳥には気づかれずにいるのかもしれない。




シロフフユエダシャクのペア~産卵前後

シロフフユエダシャクのペア





木製の手すりの上にシロフフユエダシャクのペアがいた。狭山丘陵で今、もっともよく見かけるフユシャク(冬尺蛾)。フユシャク(冬尺蛾)は年1回冬に発生し、メスは翅が退化して飛ぶことができないという特徴を持ったシャクガ科の蛾の総称。
昆虫なのに冬にだけ繁殖活動するというところもユニークだが、オスとメスがまるで違う姿をしているところがまた変わっている。オスは何の変哲もない普通の蛾に見えるが、メスは翅が退化しているので、とても同じ昆虫に見えない。
こうしたフユシャクの興味深い特徴を最も端的に現しているのがペア・ショットだ。姿が違うオスとメスが同時に見られ、違いがよくわかる。そして交尾をしていることから同種のオスとメスであることがわかり、撮影時(冬)に繁殖活動をしていることが一目瞭然──フユシャクの魅力(特徴)を凝縮したシーンと言えるだろう。ということで、このペアもしつこく撮ってしまった。








シロフフユエダシャクの産卵前・中・後



産卵前のシロフフユエダシャク♀↑。卵が詰まった腹が大きい。
卵塊を毛で覆うフユシャク亜科のフユシャクとは違い、隙間に隠すように卵を産みつける。


先日【産卵後のシモフリトゲエダシャクと産卵中のシロフフユエダシャク】で投稿した産卵中のシロフフユエダシャク♀↑。同個体と思われるの産卵後の♀の姿(後日同場所)↓。


腹が縮んでズンドウに見える。産卵していた孔は小さく中に産みつけられた卵を確認することができなかったので、以前の記事【フユシャクの産卵:列状卵塊ほか】から、緑色の卵がのぞいているシーンを再掲載↓。


産卵前と後ではプロポーションが変わり、印象も変わってしまうのでフユシャクを見始めた頃は別の種類かと思っていた。産卵の前後では別人ならぬ別虫のようだが、それ以上にオスとの違いは大きい。


メスとオスの画像を別々に見ているうちは──ペア・ショットを見ない限りは、これが同じ種類の蛾だとは、にわかに信じがたい気がする。


ハートマーク@オオタカ

♥or♠!?@オオタカ

先日、ブログ仲間のnoriさんがハートにあふれたアオゲラの画像を投稿されていた。


空目家の心をくすぐる発見だ。昆虫でもエサキモンキツノカメムシのようにハート模様をもつものがいて、とかく嫌われがちなカメムシでありながら好感度が高かったりする。ハート模様の生き物はしばしばニュースネタにもなったりするが、これほどのハートにまみれた鳥がいたことにビックリ。アオゲラは狭山丘陵でも時々見かけるが、これで個人的関心度は急上昇。
自分でも確かめてみたいところだが……野鳥を撮影できる機材は持ち合わせていないので、生体の観察はなかなか難しそうだ……。
ふと、埼玉県側にある狭山丘陵いきものふれあいの里センターでは野鳥や動物の剥製が展示されていることを思い出した。アオゲラがあったかどうかは覚えていないが、ハートマークを持つ鳥があるかもしれない!?──そう思い立って、虫見ついでにのぞいてみた。
アオゲラの剥製はなかったが、オオタカの剥製をよく見ると、ハートに見える模様がみつかった。よく見るとスペードにも見えるような?


ハート模様を隠し持った野鳥は、けっこういるかもしれない!?
鳥類は意外に空目の宝庫だったりして!?


眼でかっ!?チビで可愛いメダカチビカワゴミムシ

眼でかっ!?チビで可愛いメダカチビカワゴミムシ





擬木上を歩きまわる小さな甲虫──メダカチビカワゴミムシ。体長4mmほどの小さな昆虫だが、僕は冬に擬木でしか見たことがない。


小さいながら、よく見るとなかなかカッコ良い風貌をしている。初めて見た時はそのルックスからハンミョウを連想した。オサムシ科ミズギワゴミムシ亜科の昆虫らしい。
冬に擬木上で動き回りよく飛んだりする姿も目にしているが、本来は樹皮の下で暮らしているらしい。僕はこの昆虫の生態についてはほとんど知らないのだが……このカッコ良い容姿も、きっと生活環境や生活スタイルにかなったスタイルなのだろう。


一見して感じる特徴としては──ゴミムシにしては(?)やけに眼がでかい。これは獲物を見つけ的確に捕捉する攻撃目的で発達したものだろうか?(それにしては大顎がハンミョウに比べて貧弱な気もする?) あるいは天敵の接近をいち早く察知する防衛目的のアイテムか……はたまた配偶相手を見つける繁殖目的の特注仕様(?)なのだろうか……?
プロポーションのメリハリ──接続部の「くびれ」を演出する前胸の形はオサムシを思わせる。くびれは前胸の可動範囲を広げるためのものだろう。狩りや狭い所にもぐり込むさいに都合が良いのかもしれない。


そして意外にキレイだと感じたのが背中──翅鞘(上翅)の模様。ハンミョウのように派手な色合いではないが、あわい模様がある。撮影した画像を見ると細かい点刻がほどこされた凹凸構造、あるいは微毛が模様を作っているようにも見えるが……翅鞘(上翅)には光沢があって滑らかでスベスベな表面のように見えたりもする。撮った画像を見ても、ぼかし模様に見えたりドット模様に見えたりして、ちょっと不思議な感じがする。






ちなみにここまでの画像は全て同一個体。
ついでに1月に撮って投稿しそびれていたメダカチビカワゴミムシの画像もこの機会にアップ↓。








こんなに小さいのにオサムシさながらの防衛用武器──最後っ屁(臭い分泌物)をちゃんと装備していることを知ったときも、大いに感心した(*)。


産卵後のシモフリトゲエダシャクと産卵中のシロフフユエダシャク

産卵後のシモフリトゲエダシャクと卵

今シーズンは産卵前の単独ショットペアショットを確認しているシモフリトゲエダシャクのメス。その後、産卵して腹が凹んだメスを見ているので記しておく。






腹はしなびてボリュー感はかなり目減りしてしまっているものの、それでもフユシャク(冬尺蛾)のメスとしては大きめで存在感がある。体をおおっている毛足の長い鱗毛は、獣の毛皮を思わせる。撮っているときは気づかなかったが、周辺の凹みに卵を産みつけていた。


しなびた姿だけでは寂しいので、2013年2月の記事【雪豹フユシャクふたたび+産卵&卵】から(画像は悪いが)立派なシモフリトゲエダシャク♀画像を再掲載↓。




産卵前の大型のメスは見応えがあるのだが、なかなか再会がはたせずにいる。シモフリトゲエダシャク♂の方は、ペアショット確認後もサクラの幹でいくつか目にしているのだが……。








産卵中のシロフフユエダシャク



前の記事でも紹介したが、この時期よく見られるシロフフユエダシャク。擬木で産卵している♀をみつけた。


体をおおう鱗粉は短冊状。シモフリトゲエダシャクの長い毛足の鱗毛とはずいぶん違った印象。


(ついでに)交尾中のウスバフユシャク





擬木にとまっていた別のペア↓。


ウスバフユシャクのペアは12月から見ている。活動期間がけっこう長いフユシャクだ。

昔は冬に活動する昆虫などいないと思っていたが、こうして冬を選んで繁殖活動する蛾がいるというのは興味深い。


ヒロバフユエダシャクのツーショット

今季初のヒロバフユエダシャク♀

今シーズン初のヒロバフユエダシャクを確認したのは1月24日。サクラの幹にとまっていた♂だった。姿を見せるのは2月中旬ごろからだろうと思っていたので予想より早め。ユニークな姿のメスを探してみるが……その後もオスの姿はたびたび見かけるものの、メスにはかなか出会えないまま、2月も中旬になってしまった……。








今シーズン見かけたヒロバフユエダシャク♂の一部↑。サクラの幹にとまっていることが多い。幼虫時代を過ごしたサクラ(幼虫食餌植物の1つ)の近くで羽化したものなのか、翅が退化して飛ぶことができない(幼虫時代を過ごした樹から離れられない)メスがいるサクラに飛来してきたものなのか……。
この日もサクラの幹でヒロバフユエダシャク♂を撮影↓。


擬木でもヒロバフユエダシャク♂の姿が目にとまった。「またオスか」とスルーしかけた……が、とりあえず擬木バージョンも撮っておこうと、おざなりに撮影。


撮影した画像のチェックもせずに移動。その後、シロフフユエダシャクやフユシャク亜科のメスは見るが、期待していたヒロバフユエダシャク♀には出会えずじまい。引き上げようかと思って、撮影した画像を改めてチェックしていると……なんと! 擬木で撮ったヒロバフユエダシャク♂の画像にメスが写っているではないか!? オスの姿をみていながら、そのすぐそばにいたメスに気がつかなかったとは……何たる不覚!


あわてて擬木ポイントに引き返すと、ヒロバフユエダシャクのオスとメスは同じ場所にいた(戻るまでに1時間が経過していて、じゃっかん位置は変化していた)↓。


体色と背景の色合いにもよるが、ヒロバフユエダシャク♀は「卒」の文字っぽく比較的見つけやすい(*)──そう思っていたが……今回はオスの方に意識が向いていたこともあって、画像をチェックするまで全く気がつかなかった。
ということで、今シーズン初のヒロバフユエダシャク♀の確認日は2月12日となった。




オスと比べればその差が明らかなように、ヒロバフユエダシャク♀の翅は退化して小さい──その小さ前翅が左右に張り出し、(前翅に比べれば)長い後翅が後方に伸びているのが魅力(だと個人的には感じている)。ネット上には「長い翅が前翅」という情報もあるが、それは間違いだと思う。

《卒》的ヒロバフユエダシャク♀
ヒロバフユエダシャクのペア/♀の前翅はどっち?

シロフフユエダシャク





シロフフユエダシャクもフユシャク(冬尺蛾)の仲間なので、メスは翅が退化して飛ぶことはできない。退化した4枚の小さな翅が確認できる。
近くにいた別個体↓。


このシロフフユエダシャクのオスはヒロバフユエダシャクのオスとよく似ている──フユシャクを見始めた頃、画像を見てそう感じていた。翅の模様が似通った個体がいて、その識別ポイントがよく判らなかったためだが……両種を比べてみると、ずいぶん印象が違う。


※↑【ヒロバフユエダシャクとシロフフユエダシャク】より
個体差もあるが……ヒロバフユエダシャク♂はシロフフユエダシャク♂よりも大きめ。そして翅が丸みをおびてフォルムがふっくらしている。これに対してシロフフユエダシャク♂は前翅の前縁が直線的もしくは反っていてシャープな感じがする。

シモフリトゲエダシャクのペア他

シモフリトゲエダシャクのペア

先月、シモフリトゲエダシャクのメスを確認した後も、オスを数匹目にしている。昆虫の発生は年によって変動があったりするが、今年は多めなのかもしれない?










シモフリトゲエダシャクのオスは特に変わったところがない平凡な蛾だが、メスはオスとはかけ離れた風変わりな姿をしている(フユシャクの仲間なのでメスは翅が退化している)。オスをたて続けに見ていると、そろそろユニークな姿のメスにも出会えるのではないかと期待が高まってくる。そんな中、サクラの少し高いところにシモフリトゲエダシャク♂の姿を見つけた。


ふだん鉛直面では頭を上にとまっていることが多いフユシャクで、オスが下を向いている時は交尾していることが多い気がする(上を向いたメスと交尾するさいにオスが下向きになる)。シモフリトゲエダシャクの交尾は見たことがなかったが、これはちょっとアヤシイ!? そう思って目を凝らすと……。


やはりオスの翅のかげにメスの姿があるようだ。夜行性らしいので日中に交尾が見られるとは予想していなかった。願ってもないシーン……だったのだが、接写するには位置が高い(遠い)。腕をいっぱいにのばしズームMAXで撮ってみるが、拡大すると画像がかなり粗くなってしまう。
「しかたない……撮りやすいところにいるのを見つけた時に撮ればいいか……」とあきらめかけたが、次にこんなシーンに出くわすのはいつになるかわからない。フユシャクの活動期間は短い──この期間に見られなければ、翌シーズン以降に持ち越しとなってしまう。来年また見られるとは限らない。そう考えると、このチャンスを見逃すのは惜しい気がして、プチ木登りを敢行。


プチ木登りで被写体に近づくことはできたものの……撮影は不安定な状況で、体を支えながらカメラを構えるというプルプル状態。画像はイマイチだが……とりあえず、色も形もまったく違うメスとオスのペア・ショットをゲット。


ウスバフユシャク&クロテンフユシャク

オスとメスでは違いが顕著な性的二型はフユシャク(冬尺蛾)の特徴の1つ。フユシャク亜科のウスバフユシャクやクロテンフユシャクでも交尾が見られた。


擬木にとまっていた同ペア↑↓。


ウスバフユシャクとよく似たクロテンフユシャク↓。


ウスバフユシャクとクロテンフユシャク──オスはかろうじて見分けられるが、メスは単独では(僕には)区別がつかない。別種のオス同士・メス同士の方が、同種のオス・メスよりも、ずっと似ている。フユシャクではオスとメスはまるっきり違う種類に見えるのがおもしろい。


翅がすっかり退化したフユシャク亜科のメス↑。腹端の化粧筆のような毛束が目をひく。この毛は産卵時に卵をコーティングするのに使われる。先月撮った、フユシャク亜科の卵塊↓。