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2016年08月の記事 (1/1)

ハリサシガメとテングスケバ

その後のハリサシガメ

この夏みつけたハリサシガメ(*)ポイントの石垣。ヒガシニホントカゲの密度が高い場所でもあって、石垣上にトカゲが多く見られるときにはハリサシガメとの遭遇率も高い──という感じだった。


この石垣でおなじみのヒガシニホントカゲとハリサシガメの2ショット↑。
翅が短めのハリサシガメ成虫(短翅型)↓。


ハリサシガメを初めて見つけた(知った)7月下旬は幼虫・成虫、ペアもよく見られ、この頃が活動(羽化~交尾)のピークだったように思う。その後、ハリサシガメとの出会いは徐々に少なくなっていき、8月半ば頃から幼虫は見ていない。
石垣の隙間にいる成虫をやっと見つけても、すぐに隠れてしまう。


ハリサシガメがいつ・どんなところに産卵するのかとか、孵化の時期などについてはわからないが……卵や若齢幼虫をみつけられないかと思って、何度か探しに行ってみたが成虫が少し見つかったのみ。


このハリサシガメ成虫は翅が長かった(長翅型)。




やっぱりテングスケバ



ハリサシガメ・ポイントから引き上げる途上の道路脇のクワをのぞくとテングスケバがいた。トロピカルな(?)ストライプがオシャレなこの虫も、見つけるとやっぱり撮ってしまう。


テングスケバがいたクワにとまっていたキボシカミキリ↓。


その名のとおり通常は《黄星》が上翅にちりばめられているが、冬にみつかる個体では《白星》になる(【新年2種目天牛はキボシカミキリ】)。


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悲しき多摩湖線

悲しき多摩湖線・復旧まで1ヶ月!?

8月22日は台風に伴う強烈な雨が続いていた。この影響で、西武多摩湖線の西武遊園地駅~武蔵大和駅の間(東京都東村山市廻田町)で土砂崩れが起きて電車が立ち往生した。僕が最初に目にした記事では「脱線」とあったが、実際は4両編成の最後尾車両が、進行方向左側からくずれてきた土砂に押されて傾いている状態で(左の車輪は浮いているが右の車輪はレールに乗っている)、完全に脱輪しているわけではないらしい。
この路線は僕もよく利用するので、運行に影響する事故は気になるところ。最初に事故の報道を知った時は驚くと当時に、現場を知っているので「これだけ降れば、起こりうる」と納得もした。

ところで、《土砂崩れで立ち往生》という事故にも驚いたが……当初の報道で注目してしまったのが……《乗客6人と運転士1人にけがはなかった》という記述。怪我人が出なかったのは不幸中の幸いだったわけだが……事故が起きたのは22日の午前11:20分頃。東京を走っている路線で、台風とはいえ昼間に《乗客6人》は、ちょっと寂しい……。知らない人には相当ヘンピなところだと思われてしまいそうだ。
以前、ドリフターズの志村けん氏が面白おかしく「東村山音頭」を流行らせた時も、ずいぶん田舎だと誤解されたものだが……今回の報道で「ああ、あの東村山か」と思われてしまいそうな「二の舞」感(?)がしないでもない……。

利用者の多い新宿や渋谷で脱腺事故が起きたら、すぐにも復旧しそうだが、《乗客6人》の西武多摩湖線もすみやかに復旧してくれるだろうか……と、ちょっと心配になってしまう。
実際には、通勤通学時間帯や西武ドームでイベントが行われる日には、それなりに利用者は多かったりもするのだが……需要の規模とは別に、地理的にも復旧が遅れやしないかという不安がある。

事故があったのは単線区間で、しかも左右を斜面に囲まれた場所。復旧に必要な重機が入り込む余地はなさそうな気がする。こうした事故がいったい、どういった手順で処理されるのか知らないが……今回は手こずるのではなかろうか?
そんな心配をしていたところ、翌日(23日)になって西武鉄道は《運転再開まで一か月程度かかる見込み》と発表した。萩山~西武遊園地駅間はしばらく利用できそうにない。

ということで、事故処理がどの程度進んでいるのか──きょう(24日)、事故現場を見に行ってみた。虫見で歩くフィールドなので、この周辺のことはよく知っている。


多摩湖周辺では台風の後には落ち枝や倒木があちこちで見られる。ちなみに、この柵の向こうが多摩湖線の線路(左方向に西武遊園地駅/右方向が武蔵大和駅)。


だいたいこのあたりではないか……と予想した場所で2日前から放置された車両を発見。柵の左が都立狭山公園。手前方向に武蔵大和駅があり、奥側に西武遊園地駅がある。


奥の最後尾4両目の右側斜面(列車の進行方向左側)が崩れ、その土砂で車両が傾いているらしい。電柱も倒れかけている。


これは都立狭山公園から撮った事故現場だが、その都立狭山公園の地図を使って示すと事後が起きたのはこのあたり↓。




やはり重機が簡単に入れる場所ではない。事故にあった車両は手つかずで放置されていたが、線路の近くには事故処理のための作業員と思われる人々が集まっていた。


まずは重機を投入すべくルート作りから?──という段階だろうか?
事故の北側にあたる西武遊園地駅↓。


西武遊園地駅~萩山駅までの区間(多摩湖線)は運休しているが、西武遊園地駅~西武球場前駅までの区間(山口線)は運行していた。西武遊園地駅では、こんな貼紙が↓。


一方、事故の南側にあたる武蔵大和駅↓は閉鎖していた。


エレベーターの前で駅員が利用者に応対していた。復旧までの見込みについて尋ねてみると、やはり「1ヶ月くらい」とのこと。
運行再開までは、思いのほか時間がかかりそうだ……多摩湖線、いと悲し……。

※追記:復旧まで1ヶ月!?→実際は15日後に運転再開

8月22日の土砂災害で運行を見合わせいてた西武多摩湖線──土砂崩れで電車が立ち往生したのは西武遊園地駅と武蔵大和駅の間だが、その2駅間だけでなく、萩山駅~西武遊園地駅の4駅区間(萩山-八坂-武蔵大和-西武遊園地)で運休していた。
当初、復旧まで1ヶ月程度かかる見込みだという報道があって「長いなぁ……」と思っていたのだが、9月5日にネットを見たら9月6日に運転を再開する見込みとの情報があった。実際に9月6日に運転は再開──当初の見込みの半分(運休していたのは2週間)での復旧となったのであった。




セミヤドリガ幼虫の繭づくり・B



セミヤドリガ(セミの翅の下に白く見えるのが終齢幼虫)に寄生されたミンミンゼミ。セミヤドリガに寄生されたセミは、それが原因で死んだり産卵ができなくなったりすることはないというが、このミンミンゼミも元気に鳴いていた。

セミヤドリガ幼虫の繭づくり・その2



前回記したセミヤドリガの繭の完成した姿↑を撮るべくでかけたところ、同じ場所でサクラの幹を糸にぶら下がって降下してくるセミヤドリガ幼虫とまたしても遭遇↓。


背面・側面は綿毛コートに被われているが、腹側に綿毛はない。腹脚&尾脚は細かな爪(?)が円形状に並んでいて、なかなかユニーク。


セミにとりついている姿は怪しげだが……幼虫単体で見ると、モコモコしていて可愛らしい。綿毛のハリネズミといった感じがしないでもない?


降下してきたセミヤドリガ幼虫にアリが接近。セミヤドリガの終齢(5齢)幼虫の綿毛コートは、あるいは繭をつくるため蝉を離れたときにアリやオサムシのような敵に襲われる機会が増えるため──その攻撃をふせぐ(綿毛コートがあることで噛みつかれても大顎が本体に届かない)ような役割りを果たしているのかもしれない?
2日続けての離脱セミヤドリガ幼虫との遭遇だったが、せっかくなので、また繭の作成のようすを観察することに。そのままではアリの狩りの観察になってしまう可能性があるので、アリには悪いが例によって近くの植込みに移動。
前回はよく考えず小さな葉の上に乗せてしまい、それで足場を決めるのに時間がかかってしまったのではないかという反省があったので、今回は広めの葉を選んでとまらせてみた↓。


移動のさいに少し綿毛がはがれて葉の先端に付着したが……今回、幼虫はこの葉ですぐに繭作りを開始した。画像右下の数字は撮影時刻(時:分:秒)。




前回は幼虫が糸を吐くシーンは確認できなかったが、今回は写っていた↑。葉の裏~ふちにかけて糸付けタッチをひたすらくり返す。やがて葉のふちが(足場の?)糸で白っぽくなっていく。


さらに時間が経過すると、背中の綿毛コートから抜いた短い毛束が貼り付けられているのが確認できるようになる。












幼虫の頭は、葉と綿毛コートの間を往復。葉に付けられた「抜け綿毛」の量が増えていく。


抜かれた綿毛の束が積み上げられていくと、しだいに幼虫はその中に埋もれていく。






この後、雨が降り出したので撤退。完成したセミヤドリガの繭は翌日撮影↓。


※【追記】この個体の羽化のようす→セミヤドリガの羽化


セミヤドリガ幼虫の繭づくり・A

セミヤドリガ幼虫の繭づくり・その1

うるささや 脳みそにしみいる 蝉の声……ということで「蝉しぐれ」ならぬ「蝉豪雨」ともいうべき蝉の鳴き声が暑苦しく響く今日この頃。今年もセミヤドリガの幼虫に寄生されたミンミンゼミを見かけるようになった↓。


昨夏は、セミから離脱(繭を作るため)したてのセミヤドリガ幼虫にでくわし、羽化繭と蛹を観察することができ、あれこれと好奇心を刺激されたが(*)……セミヤドリガは変わっている。ふつう蛾やチョウというと、幼虫は植物食のイメージがあるが、セミヤドリガの幼虫はセミの成虫に寄生する。《昆虫に寄生する蛾》というだけでもユニークなのに、その宿主(寄主)がセミだというのだからあきれてしまう。セミは成虫になってからの生存期間が短いということで知られているが(実際は1ヶ月ほど生きるそうだが)、その蝉(成虫)の短い活動期間中にセミヤドリガはセミに取りつき、蝉の余命期間の間に一生分のエネルギーをまかなわなくてはならないことになる(セミヤドリガは成虫になると餌をとらない)。昆虫に寄生するにしても、どうしてよりによって蝉なんだよ……と思わないでもない。
今年もミンミンゼミについたセミヤドリガ幼虫をみつけたので撮っていると……ふと、目の前に蜘蛛の糸のようなものが下がっているのに気がついた。これは繭作りを始めるためにセミヤドリガ幼虫がセミから離れるさいの降下用の糸ではないか!? 糸をたどって先端を見るが……何もついていない。ということは、すでに降りてしまったのか?──と糸の下の地面に目を向けると、なんなくセミヤドリガ幼虫が見つかった。




セミヤドリガ幼虫が降りた地面にはアリも徘徊していたので、近くの植込みに移して繭作りのようすを観察することにした。昨年みつけた幼虫は回収した容器の中ですぐに繭作りを開始したので、セミから離れた幼虫はすぐに繭作りを開始するだろうと思った。
植込みの葉に移すと、足場が気に入らないのか40分近く周辺を物色していたが……その途上で通過した1枚の葉に戻ってその裏で繭作りを開始した。場所を決めるのに時間がかかったのは、幼虫を移した葉が小さかかった(繭の足場としては面積不足だった?)からかもしれない。


おそらく細い糸(このときは視認できず)を吐いているのだろう──頭を左右・前後斜めに動かしながら葉の裏面やふちにタッチ(糸付け?)をくり返す。そして向きを変えては同じ仕草をくり返す──こんなことをしばらく続けていた。画像右下の数字は撮影時刻(時:分:秒)。










幼虫は葉の裏からふちにかけて、タッチをくり返していたが、やがてその動作の間に背中の綿毛コートの内側に頭を潜らせる仕草をおりまぜるようになった。葉と綿毛コートの根元との間に糸を張る仕草にも見えるが、綿毛コートの根元をくわえて引き抜き、葉に植え付けているような動作にも見える。葉には「抜かれた綿毛の束」が少しずつたまりはじめていった。








この時点↑では葉の裏でセミヤドリガ幼虫が向きを変えると、背中にしょった綿毛コートも向きを変えるのでわかっていたが、周囲の「抜かれた綿毛の束」が増えてくると、幼虫の動きがわかりにくくなっていった↓。






ここまでくると、外観はほぼ完成。ただ、まだもこもこ動いているので内装作業(?)は続けられているようだ。ここでデジカメの電池切れ。翌日、完成した(もう動いていない)繭を撮影↓。


5齢(終齢)幼虫時代の綿毛コートをバラした綿毛でおおわれたセミヤドリガの繭↑。向きが不揃いな毛束でおおわれたいびつな形は、カムフラージュ的な意味合いがあるのかも知れない(鳥糞に見えがち*)。あるいは繭に寄生するような寄生蜂など(がいたとすると?)に対する防壁効果もあるのだろうか?
表面の綿毛部分はとれやすいが、糸で固められた繭自体はかなりしっかりしている(*)。
カイコの繭の場合、羽化の際に成虫が穴をあけて出てくるが(タンパク質分解酵素を吐いて繭糸を固めている糊を溶かし糸の間を押し広げて出てくるので、繭に穴はあくが繭糸自体は切れているわけではないらしい)……セミヤドリガの繭は脱出用のスリットがついているので繭を壊さずに脱出できる(*)。脱出用スリット構造という点で、セミヤドリガの繭はウスタビガの繭に似ている。

この最後の画像──完成した繭を撮りに出かけたところ、またまたセミから離脱したばかりと思わせるセミヤドリガ幼虫と遭遇。せっかくなので再び観察。同じような内容になるが、記事を分けて、それはあらためて【セミヤドリガ幼虫の繭づくり・B】で……。


ハリサシガメ:幼虫・抜け殻・成虫

この夏、初めて知ったユニークな昆虫ハリサシガメ。見られる時期に見ておこうと、その後も何度か雑木林ふちの石垣に出かけていたが、ハリサシガメの姿は見られず、密度が高かったヒガシニホントカゲの姿もまばら……という状態が続いていた。トカゲが少ないのと同様、暑さを避けて石垣の上に出ていないだけなのか……あるいはハリサシガメの発生時期はもう過ぎてしまったのだろうか?
なかばあきらめつつ、雨上がりで気温が低めの日にハリサシガメ・ポイントをのぞきに行ってみると、石垣のあちこちにヒガシニホントカゲの姿が。これは期待できるかも……と思って探すと、やはりハリサシガメも出ていた。

ゴミをまとってカムフラージュするハリサシガメ幼虫



ハリサシガメの幼虫は、体中に顆粒状の土粒をまとい、捕食したアリの死骸や虫の残骸その他もろもろの物を背負ってカムフラージュする。カメムシは色々見てきたが、こんなユニークなものがいるとは想像もしていなかったので初めて見た時は驚いた。デコレーションした虫の残骸は、鳥のフン(消化されずにかためて排泄された虫の一部)のようにも見える。


完璧な偽装で体をおおいつくしているのでコ、一見どっちを向いているのかわからなかったりする。触角が出ているところが頭。






ハリサシガメは幼虫も成虫もアリを捕らえて体液を吸う。そのためコレクションにはアリの死骸も多い。この幼虫はエゴヒゲナガゾウムシの胴体も背負っていた。

一見ぬけがらには見えないハリサシガメの抜け殻



ワラジムシやアリをまとったハリサシガメの《幼虫》──と思って撮り始めたが……実はこれ、羽化後の《抜け殻》だった。


撮った画像を拡大して、触角が不自然に曲がっていることに気づいた。よく見ると、頭部の背面に白い糸がのぞいている……これは羽化や脱皮のさいに抜け殻に残る古い気管の壁面に違いない。【ハリサシガメの抜け殻】で初めてハリサシガメの抜け殻を見た時は、てっきり幼虫の死骸だと思い込んでしまった。今回は現場で《抜け殻》だと気がついたが、前に調べていなければ、これが抜け殻だとはとても見抜けなかっただろう。
撮影用に動かしたところ、触角が欠けてしまった。抜け殻の触角や脚はもろいようだ。


折れてしまった触角の付け根──半透明の眼の上をよく見ると、わずかに隙間があいている。成虫はここを押し広げて脱出したのだろう。


抜け殻の背面。首のあたりに、わずかに気管が抜けたあと(白い糸)がのぞいているが、羽化したときの裂け目はわからない。中身はもぬけのカラだが……外側をきれいに残したまま中身がこつ然と消失してしまうなんて、まるでイリュージョンだ。

翅の長さに個体差があるハリサシガメ成虫



で、完璧な抜け殻を残してこつ然と消えた中身(成虫)がこれ↑。幼虫時代は手のこんだカムフラージュで地味だったが、成虫になると、なかなか美しい。背中の逆《ハ》の字もようが印象的。


この成虫は翅が短め。翅先と腹端の間がずいぶんあいている。以前みたペアでは、オスが長翅型・メスが短翅型だった。ただ、翅の長さは個体によってまちまちなところがあるようだ。


逆《ハ》の字模様も印象的だが、背中に突き出したトゲ状の突起もカッコ良い。


翅がやや短かった個体↑に対して、翅が長い別個体の成虫↓。




この個体は翅の先端が腹端に届く長さ。


さらに別個体のハリサシガメ成虫↓。




この個体は、翅は長めだが、その先端は腹端まで届いていない。ハリサシガメ成虫の翅の長さは個体によってばらつきが多いように感じる。


なかなか精悍なハリサシガメ成虫。針のような口吻を獲物に刺して体液を吸う捕食性カメムシ。



テングスケバ&ミドリグンバイウンカ

やっぱり撮ってしまうテングスケバ



もう何度か記事にしていて、これといった目新しいネタもないのだが……いるとやはり撮ってしまうテングスケバ。頭の突起と橙色地に淡い青緑色のストライプが魅力的。脚は黒と白のストライプ。


頭部の突起を天狗の鼻にみたてて「テング(天狗)スケバ(透け羽)」なのだろうが……横から見ると、天狗の鼻というよりショウリョウバッタやオンブバッタのようなとんがり頭に見える。ピョンと跳ねて逃げるのもバッタに似ている。




顔はちょっとバッタに似ているが、バッタの仲間(直翅目)ではなくカメムシの仲間(半翅目)。なのでカメムシのように針のような口吻で植物の汁を吸う。


僕がテングスケバを見るのは、もっぱらクワの若木。このテングスケバがとまっていたのは、去年テングスケバを撮った(*)のと同じクワ。周囲には雑草が生えた開けた場所。昨シーズン以降何度か行われている草刈りのさいにこのクワの若木も根元から切られていたのだが……クワは再生、テングスケバも戻っていた。

ついでにミドリグンバイウンカ



テングスケバとセットのように撮ってしまうのがミドリグンバイウンカ。テングスケバがいれば同じクワの葉についていることが多い。テングスケバとミドリグンバイウンカは背中の淡い青緑色の縦縞条紋がちょっと似ている気がする。


今回も同じクワの若木にいた。






読書感想文の解答マニュアルに疑問

読書感想文の解答マニュアルに疑問

小学校は夏休みまっただ中のようだが……読書感想文の解答マニュアルを配布した小学校があるというニュースを知ってビックリ! 激しく違和感を覚えた。

■小学校が読書感想文の解答マニュアル配布 「基礎教えるのに良い」「個性育たない」と賛否
http://news.ameba.jp/20160808-1149/

この記事によれば、問題の読書感想文の解答マニュアルには──、

書き出しでは小説の一部を抜き出し、自分の考えを書く。次いで本を選んだきっかけや読み始めたときの感想を書き、自分の体験を書く。最後に書き出しの部分に戻り自分がどう変わったかを書く、といった流れが説明されている。

──とのことだ。「これに従順にならえば恐ろしく画一的な感想文がいっせいに提出される」との懸念を紹介する一方、「例え従順に習ったとしても感じたことは千差万別になる」と、マニュアル解答を容認する意見も紹介されていた。
批判もあるが、解答マニュアルを支持する意見も意外に多いようで驚いた。
こうしたことに違和感を覚えたので、僕の意見を記しておくことにする。

読書感想文を書く本来の意義は、本を読んで自分がどう感じたかをまとめ文章に記すことだろう。つまり「自分の考えを《自分の頭で》整理する」ことに意味がある──僕はそう考える。
本を読む前から、模範解答の雛形を意識すれば、当然マニュアルに沿った読み方をするようになってしまう。つまり雛形の「穴埋め部分」を探すような方向に意識が誘導され、「定型化したまとめやすい作為的な感想」に流れやすくなるだろう。これでは「自由に感じ・考える」ことが阻害され、さらに「自分の頭で論脈を組み立てる」能力も育たない。

本を読む前から用意されている定型の枠組みをたよりに読書をし、雛形の穴埋めをするようにして書かれた「感想文」に、どれだけの価値があるのだろう?
これは例えて言えば絵画の時間に、塗り絵(枠)を配って「色はおのおの塗ってください」と言っているようなものだ。

このニュースに対して「定型文を教えるのは悪いことではない」「基礎を教えるのに良い」というような好意的なコメントも多いようだが、読書感想文を書く意義は、「要領よく書くノウハウ」を学習することではないだろう。くり返しになるが「自分の考えを《自分の頭で》整理する」ことにあるはずだ。

このニュースに対する所感を某SNSで記したところ、一つの見方として《日本では文章の書き方(ひいては論文の書き方)や手紙文の書き方と作法、ノートの取り方などを教えてこなかった。それが理由で非効率的な我流蔓延となりロス率が高いという議論もある》というようなコメントを頂いた。

「読書感想文」にせよ「手紙」にせよ……「自分の考えを《自分の頭で》整理する」能力が身についていれば、手本などなくてもきちんとしたものが書けるはずだ。「定型文の書き方」としてマニュアルを教えれば、それなりに体裁の整った(ように見える)ものが手っ取り早く書けるようになるかもしれないが、最初から既存の枠組みを利用していたのでは「自分の考えを《自分の頭で》整理する」能力は育たない。《非効率的な我流蔓延》があるとすれば、その原因は「定型文の書き方(効率的な書き方)」を教えてこなかったことではなく、「自分の考えを《自分の頭で》整理する」能力を育ててこなかったことにあるのではないか。
自分の考えをきちんと論脈を組み立てて説明できる能力を身につけていれば、読書感想文であろうが手紙であろうがレポートであろうが、「理路整然とした《効率的》なもの」が書けるはずだ。むしろ、雛形にたよらずとも自力で考えを整理する能力を育てることが大事なのだと僕は思う。

ああでもない・こうでもないと思いを廻らせながら「考える」能力を身につけるのは、その時点では《非効率》かもしれない。しかし、それは自力で《適切》な判断を身につけるために必要なプロセスのはずだ。「自分で考え・まとめる」訓練をすべき子どもの頃から、(脳味噌に楽をさせる)マニュアル(定型雛形)だよりの思考を推奨してどうするのだ──このニュースを読んで、そう感じた。


インターネットが普及し、SNSやブログ、Twitterなどで、色々な意見や批判に接する機会が増えたが、「自分の頭できちんと論脈を組み立てて考えているのか?」と疑問に思うことがとても多い。
誰かが提唱した(?)短絡的でわかりやすい構図(マニュアル)に洗脳され、その構図に物事を当てはめて「考えた」つもりになっていると思われる人が少なくない。本来なら個々の事象について、そのつど、問題の本質がどこにあるのか考え・見極め・整理し・論脈を組み立てて主張すべきなのに、論脈なき主張&批判が多すぎる。
定型化した雛形構図にあてはめて物事を判断する「思考の短絡化」──これはもはや「思考」というより、雛形構図の(既成解釈の)「選択」にすぎない。その選択が、とんちんかんな意見も散見されるが、「自分の考えを《自分の頭で》整理する」ことができない人にはそれが的外れであることが自覚できない(その雛形構図をあてはめた時点で、その判断が妥当だと思い込んでしまう──「形」が問題なのに「色」を見ていたり、「重さ」を量らなくてはならないのに「長さ」を問題にしていることに気がつかない)。

小学校側が配布した読書感想文の解答マニュアルは、こうした「既成マニュアル(定型雛形)だよりの思考能力の低い人間(自力で論脈を組み立てることができない人)」をつくることを後押ししているように感じられてならない。こうしたマニュアルを配布したということは、その学校も、やはりマニュアルに則した評価しかできないのだろう。
こうしたことを考えると、学校で(教育課題として)読書感想文を書かせることに意味があるのだろうかと懐疑的にもなってしまうが……学校での採否の是非とは別に「読書感想文」の意義について、思うところを記してみたしだい。

他人が用意したお手軽な雛形に頼って効率的に課題を消化するノウハウを学習するよりも、手探りで「自分の考えを《自分の頭で》整理する」訓練をすることの方がはるかに重要だ──読書感想文を書く(書かせる)教育的本質はそこにあると僕は思う。



●こども心にひっかかった《ひろすけ童話》の【善意】
(『泣いた赤おに』ほか感想)

https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-370.html

■エッセイ・雑記 ~メニュー~
https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-130.html

ハリサシガメ幼虫の粘着性物質は水溶性!?

ハリサシガメ幼虫のカムフラージュは水に弱い!?

少し前に雨が降って暑さはさほどでもない曇りがちの日──ハリサシガメ・ポイントの雑木林沿いの石垣に行ってみた。するとヒガシニホントカゲの姿がそこかしこに。これはハリサシガメも期待できると思って探すと予想通り複数見ることができた。
ハリサシガメの幼虫は獲物の死骸やゴミをまとってカムフラージュするというユニークな習性がある。この偽装デコレーションは素材やその配置によって造型が変わってくる──個体によって「作品」のできばえが違うので見飽きることがない。


石垣のすきまにいたハリサシガメ幼虫。異物を体にまとってカムフラージュするところはイソクズガニを連想させる。イソクズガニは甲羅に先端がフック状になった固い毛が生えていて海藻などをとりつけやすい表面構造になっているそうだが、ハリサシガメ幼虫は何らかの粘着性物質を使って異物を付着されているように思われる(体から剥がした異物同士がくっついたままでいたので接着剤のようなものが使われているのだろうと想像)。


触角がある画面左側が頭部。このハリサシガメ幼虫は、まとった顆粒状の土が通常よりいくらか暗い色をしていた。脚もとの土粒をみると、明るい色とやや暗い色をしたものがある。これは少し前の雨の影響だろう。水分を含んだものが黒っぽく見え、乾燥したものは明るい色に見える。


よく見ると、幼虫の眼のまわりと肩~体側面のふちの偽装コーティングが落ちて「地肌」がわずかにのぞいていた。
これ↓は別個体。


ハリサシガメ幼虫がいるくぼみの土は乾いて明るい色をしているが、幼虫のすぐ上の石垣の間の土は(少し前に降った雨のせいで)濡れて黒っぽくなっている。


乾いた土の上にいたハリサシガメ幼虫。乾いた土粒をまとっているので隠蔽効果は抜群。


捕食後のアリなどもデコレーションしているので、「消化しきれずに排泄された昆虫の残骸が凝縮した鳥のフン」のように見える──とても生きた虫には見えない。昆虫食の天敵も、これには目をとめないだろう。
さて、それではまた別の個体↓。


このハリサシガメ幼虫は偽装デコレーションが黒っぽい。


体にまとった顆粒状の土の大部分が水分を吸って黒っぽくなっている。湿った部分が地滑り(?)を起こして体の右側に(画面の上の方へ)ズレているようにも見える。


これ↑は同幼虫を後方からとった画像。偽装デコレーションがズレたことで、普段かくれている腹の背面がのぞいていた。


画面右下に頭を向けている同幼虫↑。まとった土粒に、乾燥している(明るい)部分と濡れた(暗い)部分があるのがわかる。乾燥した土粒でおおわれた頭部はびしっと固められているが、湿った部分で化粧崩れならぬデコレーション崩れが起こった……!?
そういえば、1匹目の個体も眼の周りの露出した部分は湿っていた……。
「消える魔球は水に弱い!!」──は漫画『巨人の星』の花形満のセリフだが(古~)、「ハリサシガメ幼虫のカムフラージュは水に弱い」というセリフが脳内に浮かぶのであった。

ハリサシガメ幼虫が使う擬装用接着剤は水溶性!?

ハリサシガメ幼虫の偽装コーティングは、濡れると落ちやすいのではないか?
異物を体に付着させておくのに使われている粘着性物質は水溶性なのかもしれない。あるいは土の粒は、それ自体水分を吸うと形が崩れやすくなる・また、水を吸うとそのぶん重くなるので剥がれやすくなる──ということもあるのかもしれない。
偽装コーティングが水で落ちやすくなるのかどうか──先日みつけた《抜け殻》で試してみることにした。乾燥した状態のまま、ピンセットやブラシを使って付着物を取り除こうとしてみたが、なかなかしぶとく、この段階であきらめていたもの↓。


この腹の背面を水を吸わせた筆で拭いてみたものが↓。


濡らした筆で拭き始めると、泥の粒がどんどん剥がれていった。ただ、濡れた土粒は黒っぽくなってしまうので、拭いている時は黒っぽい体に溶け込んで見えにくくなる。いくらか取り残しがあるのは、濡れている時には取り残しに気づかなかった部分だ。
濡らしたことで抜け殻はへこんでしまったが、カメムシらしい腹をあらわにすることとができた。
偽装コーティングは水で落としやすくなることが確かめられた。
ちなみに、成虫はこんな姿↓。


石垣のすきまに隠れて交尾していたペア。背中を見せているオスの陰にメスがいる。偽装を解除した幼虫と親子(同じ種類)だということが、なんとなくわかる。



なんちゃってフタオトカゲ!?

第2のしっぽ?なんちゃって双尾トカゲ!?



尾が二股に分かれたトカゲがいた。
猫又ならぬトカゲ又!? 双頭のヘビならぬ双尾トカゲ!?!




これは再生した尾が二股に分かれていたヒガシニホントカゲ。尾が2本あるトカゲは時々みつかるようだ。
トカゲの仲間は敵に襲われた時など自ら尾を落とすことがある(自切)。切り離された尾はピチピチと跳ね回って敵の注意を引きつけ、そのスキに本体は逃げる──捨て身ならぬ捨て尾の陽動作戦というわけだ。切れた尾は再生するが、自切が中途半端で(?)捨てたはずの尾が完全に切れていない状態で新たな尾が再生すると尾が2本のトカゲができあがる。また、自切後、再生した尾が傷つくなどすると尾が2本できることもあるそうだ。
この個体も再生した部分で尾が二股に分かれていた。一つは短めだが、背面に突き出しているのでサメの第2背ビレっぽくて、ちょっとカッコ良かった。

このなんちゃって双尾トカゲがいたのは、雑木林沿いの石垣。最近ハリサシガメを見に行く場所だ。この石垣はトカゲ密度が高い。


ただ、いつでもたくさん見られるわけではなく、いるときには石垣のあちこちで目にするのに、いないときはほとんど見かけない(炎天下で石垣が熱く焼かれているときは少ない)。
この時は曇りがちで(あまり暑くなく)石垣のあちこちでヒガシニホントカゲの姿が見られた。その中に、なんちゃって双尾トカゲを見つけたので撮ってみたしだい。
瑠璃色に輝く尾が美しいヒガシニホントカゲの幼体(*)もでていた。


また獲物を探して活発に動く個体も多く、蛾やイモムシ、ミミズなどを捕食するシーンも見られた。中にはシオヤアブを捕まえた個体もいた。


シオヤアブはスズメバチやオニヤンマも捕食するそうで「最強の暗殺昆虫」なんて呼ぶ向きもあるみたいだが……そんな相手をハンティングするヒガシニホントカゲ、あっぱれ!
ピンチの時には自ら尾を切り離して逃げる──そんな大胆な生存戦略まで取り入れて生きのびてきたヒガシニホントカゲ。つまりそれだけ狩られることが多い小動物なのだろう。しかし、そんなヒガシニホントカゲも立派なハンターであることを見せつけるシーンであった。

ハリサシガメの抜け殻

焼けた石垣に出ていたハリサシガメ幼虫は…

7月最後の日、ハリサシガメ(*)を観察した石垣に行ってみた。前回・前々回の記事で成虫・幼虫それぞれ数匹を観察できた日は曇りで気温が低めだったのに対し、31日は晴れて暑かった。雑木林の南東側に位置する石垣は日向。夏の直射日光を受けた石垣は熱そうだ……触れてみるとプールサイドの焼かれたコンクリートのよう。これでは虫もいないだろう思って見て歩くが、やはりいない……。あれほど密度が高かったヒガシシニホントカゲも木陰部分でわずかに見られたていど。
「炎天下の石垣には出ていない」ということを確認する観察に終わったかに思われたが……そんな日向の石垣に出ている奇特なハリサシガメ幼虫を発見!?


とりあえず撮り始めるが……なんだかようすがヘン!? 不自然さを感じで棒でつついてみると反応せず、ポロッと落ちた。
「おいたわしや。お亡くなりになっていたか……」
焼けた石垣の上に出ているなんてヘンだと思った。しかし、せっかくだから、この死骸からゴミ偽装デコレーションを取りのぞいて本体の姿を確かめてみようと考えた。
このときは、てっきり《死骸》だと思い込んでいたのだが……実はこれ、(おそらく羽化後の)《抜け殻》だった。
それに気づかず、(わかりやすいように葉に乗せて)デコレーション解除前の姿↓を撮影。


触角や脚の一部が欠けていた。


獲物の死骸や抜け殻を背負ってカムフラージュする虫はいるが、腹面までしっかり偽装コーティングしている徹底ぶりに感心する。


大きさ的には終齢幼虫っぽい。


体中に貼りつけたゴミを取り除くのはやっかいそうなので、容器に入れて持ちかえることに。ゴミ偽装コーティングされていない眼は半透明なので、この時気づいても良かったのだが……まだ《死骸》だと思い込んでいた。

ハリサシガメ《抜け殻》の偽装をあばく!?



帰宅後、偽装デコレーションを取り除き始めるが……背中から大きな塊をいくつか剥がすと、ピンセットの先が前胸背面にスッと入ってしまった!?──陥没させてしまったかとアセッてよく見ると……セミの抜け殻等でよくみられる白い糸(気管の壁が脱皮したもの)が目に入り、中身はからっぽ!? ようやくこれが《死骸》ではなく《抜け殻》だったことに気がついた。 




この時点で背中のデコレーションはいくつか剥がしているのだが……それらの異物をしっかり付着させたまま、よく羽化(もしくは脱皮)できたものだと感心する。
さらに偽装をあばいて本体をあらわにしようと試みるが……抜け殻を壊してしまいそうで、なかなか作業ははかどらない。


翅の上の付着物はほぼ取れたが、腹にはまだ砂粒のようなゴミがだいぶ残っている。さらに少し砂粒(?)をとる……(が、ほとんど進んでいない?)。


あらわになった翅の大きさからすると、やはり終齢幼虫っぽい。これは羽化したあとの抜け殻だろう。


腹部背面を見ると中央にある模様にそって毛が生えているようだ。この毛は偽装素材を付着させるさいに粘着物質が絡みやすい(=剥がれにくい)ように──ということなのだろうか?
毛が生えた模様は、ふつうの(?)カメムシ幼虫では臭腺開口部(ニオイを放つ孔)にあたる部分っぽい気もするが……考えてみたら、ハリサシガメ幼虫は異物でしっかり被われていてカメムシ臭を放つことができるのだろうか? あるいは分泌される臭腺液に粘着性があって異物を貼り付けておくことができるようになったのではあるまいか?──などと想像してみたが、この考えは自分でもアヤシイ気がする……。


抜け殻から剥がしたゴミの中には素材同士が分離せずにくっついたまま塊になっているものがある。ということは、幼虫の体表面に偽装素材をつなぎとめておくしかけ(鉤状構造のようなもの)があるのではなく、粘着性物質のようなものが使われており、それが素材間でも接着効力を残しているということだろう。

展翅・展肢あるいは解剖に長けた虫屋さんならいざ知らず、そういった器用さを持ち合わせていない僕はここでギブアップ。クリーニング作業は中断したのであった……。
ハリサシガメは幼虫の手のこんだ偽装デコレーション・カムフラージュ(*)がアッパレだが、その姿をそのまま残した抜け殻も感心せずにはいられない。

【追記】その後、同抜け殻を濡らした筆でふいてみたもの↓


(※ハリサシガメ幼虫の粘着性物質は水溶性!?