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2016年05月の記事 (1/2)

可愛い悪役!?ルリカミキリの産卵

ルリカミキリ@カナメモチ

今年は5/15に初個体を確認したルリカミキリ。その後カナメモチ(ベニカナメ?)を見ると葉の裏をのぞいている。食痕はあちこちで見つかるし、本体(ルリカミキリ)もボチボチ見かける。


いればキレイな順光ショット(葉の裏にとまっている状態では逆光なので上翅のキラキラ感がでない)を──と、トライしてみるのだけれど……たいてい落下or飛翔で撮り逃がしてしまいがち……。
先日はチョットもっさりした個体がいたので、落下したのをキャッチして近くの葉(カナメモチではない)にとまらせて撮ってみた↓。


少しばかりズンドウ系なプロポーションは《カミキリを可愛らしくデフォルメしたSDカミキリ風》と感じるのは僕だけであろうか? オレンジ色の体に瑠璃色にかがやく上翅が美しい。触角は黒いがその根元はオレンジ色で複眼を完全に二分している。顔(頭部)はオレンジ色だが複眼は黒いので、触角のつけ根で分断されて四つ眼となっているのがよくわかる。前面(腹面)の複眼は、ちょっと困ったような悲しげな表情にも見える。








撮影中、何度か飛んだが、すぐ近くの葉にとまったり指にとまったりで、撮り続けることができた。飛翔後、後翅の先がまだ収納しきれずにのぞいているルリカミキリ↓。


ルリカミキリの産卵行動

ルリカミキリは体長9~11mmほどで、バラ科の生木をホスト(寄主植物)とするそうな。【昔はいなかった身近なカミキリ】でも記したが、僕が子どもだった頃にはこの虫を見た記憶がない。当時は生け垣と言えばマサキやサワラ(ヒノキ?)が多かったが、気がつけば今はカナメモチだかレッドロビンだかが圧倒的。それで、これをホスト(寄主植物)とするルリカミキリがふえてきたということらしい。


成虫は葉の裏にとまって葉脈を齧る。ルリカミキリが発生しているカナメモチにはこの独特の食痕(かじった痕)が残されているので、すぐわかる。一方、幼虫は枝の内部を食害するという。
先日、カナメモチの枝を齧るルリカミキリ成虫を見つけ、はじめてルリカミキリの産卵行動を観察することができた。


葉の裏にとまっているときは、すぐに落ちる(逃げる)のに、カメラを近づけても一心不乱に枝をかじり続けていた。産卵するための孔を開けているのだろうということはすぐにわかった。


頭を下にして枝を齧っているが、横からの画像をよく見ると、産卵用と思われるメインの孔の上部にも樹皮にささくれができていた。メインの孔を掘りつつ、その上へ移動して樹皮を齧ることをくり返していた。初めは産みつける場所が気に入らず、産卵孔の位置変更を模索しているのだろうかと思ったが、どうもそうではないらしい……。


深めのメインの孔を掘り進めたり、その上の樹皮をかじったりをくり返し、観察を初めて45分あまり経って、ようやく産卵の体勢に入った。


産卵した痕を見ると、やはり産卵孔の上に樹皮をかんだ痕が残されていた。これは孵化した幼虫が樹皮下を食い進みやすくするための下準備なのだろうか?


この日、近くで別のルリカミキリの産卵も確認したが、ここでも同じ行動が見られた。


やはりメインの産卵孔の上にかじった痕がある。


ルリカミキリは、かわいい悪者!?

見た目は可愛らしく美しい昆虫なのだが、ルリカミキリはヒトが植えたカナメモチの生木などを食害するのだから、いわゆる「害虫」ということになる。ナシやリンゴの害虫でもあるらしい。
だからキレイだのカワイイなどと好意的な取り上げ方をしていると「害虫を賞賛するとは何事か!」と、お叱りを受けそうな気もしないではないが……僕の昆虫に関する関心は「ヒトの役に立つか否か(害になるか)」という視点とは別のところにある。

昆虫を話題にする時、よく「益虫か?/害虫か?」という価値観で選別されがちだ。
「益虫=良い虫/害虫=悪い虫」というカテゴリー認識のようなものがあって、条件反射のように害虫は忌むべき存在という位置づけで認識され、「悪者」とみなされがち。しかし、益虫も害虫も生物としての基本的なしくみは同じ。自然界で果たす役割りはそれぞれだろうが、生命活動としては同次元のはずだ。益虫か害虫かという区分は、それが、たまたま人にとって都合が良いか悪いか──というだけの話だ。
ヒトがヒト活動をする上で都合の悪いものを駆除するのは、ある部分しかたがない。しかし、それはあくまでの「ヒトの都合(利害)」の問題であって、なにも「虫が悪い」というわけではない。

ヒトはヒトの都合で自然(の一部)を資源として利用する。見映えがいい園芸種を植えたり、樹木を生け垣に使ったりもする。その持ち主とっては、そうした植物も私物であり財産なのだから、「大事な財産の価値を下げる(食害する)憎っくき虫」という目で害虫を捉えるのも無理からぬことだろう。
しかし、私物・財産といっても、そこは植えられた植物も生命体──生命は生命をよび、いのちのつながりを模索・展開しようとする。そこにはヒトの意志を越えた力が働いている。ヒトが誕生する以前から存在していた生命のシステム──生命は単独では成立し得ない。いくつもの種類が影響を及ぼしあって構築してきた生態系の中で初めて成立し得る。一片の生命はそこから生態系を再構築しようとする。ヒトがわずらわしく感じる「虫がわく」現象も、自然の生命パワーの一端にすぎない。
植物は虫の餌として利用される(食われる)一方、虫を利用して受粉に使ったりもしている。植物に集まる虫を狙って捕食性の生き物もやってくるだろう。植物によっては、自分(その植物)にとって都合の悪い虫を排除するためにガードマンの虫を雇うものもいるという。1つの生命を基点にそこに生命のネットワーク──生態系を展開しようとする。「招かざる虫」を呼ぶこともあるわけだ。

カミキリも植物食だが、中でも生木に付いてホストを弱らせたり枯らしたりする種類は農林関係者や園芸家達に目の敵にされやすい。しかしカミキリだって何も憎くてホストを攻撃しているわけではない。ホストが絶滅してしまえば自分たちが困ることになってしまう。
ホストが繁栄すればがカミキリも増える。カミキリが増えればホストが抑制される──自然の中では《1つの種が増え過ぎないような抑制装置としての働き》あるいは《森林の新陳代謝を加速し生命活動を活性化する役割り》をカミキリは担っているとみることもできなくはない。
ある種のカミキリは木を枯らす──だから「悪い」と考える人もいるかも知れないが、ヒトはカミキリとは比べ物にならないほどの森林伐採・自然破壊をくり返してきた。生木喰いのカミキリが「悪い」のなら、ヒトは「かなりタチが悪い」ことになる。
木を枯らすカミキリも自然の中では《森林の新陳代謝を加速し生命活動を活性化する役割り》すなわち《進化の加速装置》的な役割りを担っているのだとすると……ヒトの一見破壊的に見える自然改変にも何か意味があるのだろうか?──そんな着想から【SFメルヘン『地球のタネ』】などというショート・ショートを書いてみたこともあった。まぁ、それはさておき──、

昆虫を自然物・生命体としてみた場合、それが益虫か害虫か(人にとっての利害関係)は僕にとってはあまり関心が無い(次元が違う話)。それよりも、虫が《人の都合のために創られたものではない》というところに、むしろ(ヒトの利害とは無関係な)《自然の意志》のようなものを感じていたりもする。益虫も害虫も生物の多様性の1形態に過ぎない。

多様性といえば……生物多様性を大事にすべきだという観点から(?)、ビオトープ作りに熱心な向の中には、かつて自然が豊かだったときの在来種オールドメンバーで構成された生態系を復元することが正しい事だと信じている人がいるようだ。しかし環境は時代とともに変わる。生命とは器に注がれた水のようなもので、容器に合わせてフレキシブルに形を変える──そのつど環境に順応し適応するものが現れることで生態系も移ろっていくものではないかと思う。むしろ、したたかとも言える適応力が《多様性》の根源的な力になっているのではないかと僕は考えている。
生物多様性の本質は、1つの生態系モデルを頑にキープしようとする保守的なものではなく、したたかに変化し適応しようとする革新的なパワーにあるのではないかと思うのだ。(保守的でなく)革新的であったからこそ現在の多様性が実現できたのではないだろうか。

子どもの頃には見たことがなかったルリカミキリ──その小さな姿を町の中で目にし、《ヒト活動によって本来暮らしていた自然環境は少なくなっているだろうに、ヒト活動で導入されたカナメモチに活路をみいだすとはアッパレ!》と内心ひそかに感心したりする。そのしたたかさ・けなげさ・たくましさの中に(逆に?)自然の意志・多様性の根源的な活力の片鱗をかいま見るような気がしないでもない。

ヒトの科学テクノロジーは他の動物とは比べ物にならないほど進歩を遂げている。しかしながら自然が生み出したこの小さな虫1匹作ることができない。進化の歴史・世代交代の密度などはヒトより昆虫の方がはるかに進んでいる。現在見られる虫はそんな《進化の最先端モデル》ということができるだろう。そんなものが我々のが身近な、見過ごされがちなところに暮らしているなんてスゴイことだ。彼らは人ヒトが管理する環境の中でも、ヒトの意図とは関係なく独自の生命のシステムに乗っ取って淡々とそれを履行している──それを目の当たりにすることに、大げさな言い方をすれば感銘を受けるのである。

小さな昆虫を見て「身近な所にこんな世界があったのか」と感心することは少なくない。
人智を超えた世界の存在を感じさせ、好奇心や想像力を刺激する昆虫の存在。日常空間の中に隠された未知の扉をひらく鍵のような存在とも言える昆虫がおもしろくて僕は虫見をしているようなところがある。

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G・ジェンマの《空中回転撃ち》@南から来た用心棒

ジュリアーノ・ジェンマの《空中回転撃ち》@南から来た用心棒

僕が中学生だった頃、マカロニウエスタンにハマっていた。といっても映画館へ脚を運んだことはなく、もっぱらテレビ放送で観ていただけだったのだが……。
それまでの僕が描いていたヒーロー像といえば《颯爽とした正義のヒーロー》だったが、正義のためではなく、金のために闘い、ときに悪党達にボロボロにされながらも立ち上がる《不屈のチョイ悪ヒーロー》が新鮮でカッコ良く映った。高校時代の文化祭では仲間内で作った8mmフィルム映画を上映したことがあったが、マカロニウエスタンに影響を受けた要素がいくつか入っていた。
好きな作品はWOWOWなどで放送されたものをDVDに録画していたが、これらはほとんどが日本語字幕スーパー版。初めて見た時の日本語吹替版──クリント・イーストウッドは山田康雄の声で、ジュリアーノ・ジェンマは野沢那智の声で、また観てみたいという思いはずっとあった。
そして今年4月、書店で『マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション』なるものが創刊されていることを知った。なんと、このシリーズでは山田康雄や野沢那智の声での日本語吹替音声が含まれている。日本語吹替版で観たいと思っていた作品はいくつかあるので、その号は入手しなければと思っている。
先日発売になったシリーズの最新号(第4巻)収録の『南から来た用心棒』も、その1つだった(第4巻には『豹/ジャガー』と2作品が収録されている)。


マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション

僕がマカロニウエスタンにハマるきっかけとなったのが、この『南から来た用心棒』だった。ジュリアーノ・ジェンマの、ガンアクションはもちろんのこと、アクション・シーン全体を通しての身のこなしのカッコよさにシビレた。
初めてこの作品を観たとき、物語とは別に印象に残ったシーンがある。木の枝に腰掛けたジェンマが、そのまま後方に1回転し着地するとこころだ↓。


この技は僕が小学5年生のときに高鉄棒で修得した得意技の1つだった。おなじみの持ち技を映画の中で主人公が披露したので「えっ!?」と思った。テレビを見ていたら画面にいきなり身近な人の顔が映ってビックリ──といった感じ。
小学生時代、僕の学校では一部の生徒の間でちょっとした鉄棒ブームがあったのだが、誰かがこの技(ジェンマの後方回転降り)を行い「スゴイ!」と注目を集めた。何人かがマネして練習を始めたが、何の支えもなく後方に回転するのはコワイ。技を修得したのは4~5人くらいだったのではないかと思う。当時はこの技の名前も聞いたことがなかったし、どこからこんな技が伝わったのかも知らなかった。それが中学生になって『南から来た用心棒』のテレビ放送を観て、「ああ、これが元だったのか」と合点がいった。それ以降、この技のことを個人的には「ジェンマ降り」と勝手に呼んでいたが、『マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション(4)』の冊子によると、当時の『南から来た用心棒』のパンフレットに《空中回転撃ち》と名付けられ紹介されていたらしい。小学5年生のときに行っていた技の公式名(?)を半世紀近くたってようやく知ったわけである。

ところでこの技は、25年程前に(実現しなかったが)インディーズヒーロー・ムービー=ミラクル☆スター本編で使うことを考えていた。逃げる戦闘員をミラクル☆スターが追撃するシーンで、高所から飛び降りる戦闘員を宙返りで飛び越し、その行く手に着地するという場面の、宙返り後半から着地までのカット。


このシーン↑の後に、こう↓つなげる予定だった。


※【幻のインディーズヒーロー・アクション】より

ミラクル☆スター本編は、撮影中のケガが原因で頓挫し、急きょミラクル☆キッドに企画変更することとなり、《空中回転撃ち》のシーンは撮影が行われなかった。
久しぶりに『南から来た用心棒』を鑑賞し懐かしい技を見て、これに関して思い出したことを記しておくしだい。
ちなみに、僕が宙返りを行ったのは1993年のGWが最後だったはずた。当時協力参加していたインディーズヒーローもののロケの合間に久々に技のチェックをした映像↓。


ミラクル☆スター~実写版~※ひとりで撮ったスーパーヒーロー・アクション(試作版)
ミラクル☆キッド~実写版~※小学2年のスーパーヒーロー誕生
ミラクル☆シリーズさくっと制作経緯

ニイジマチビカミキリ~ウバタマムシ

小さいけれどキレイなニイジマチビカミキリ





今年もそろそろ出ているハズ……そう思ってクワの細い枯れ枝を見ていくと──いた!
ニイジマチビカミキリは体長3.5~5mmほどの小さなカミキリ──しかしながら模様が美しい。老眼の進んだ裸眼ではよく見えないが、アップにすると、なかなかのデザインであることがわかる。


模様の白い部分は細かい毛のようだ。濃淡のある模様には、木の枝にとまったときにボディラインを分断・かく乱し隠蔽する効果があるのだろう。もっとザツなデザインでもよさそうなものだが、ニイジマチビカミキリの模様には芸術的な味わいを感じる。
クワの細い枯れ枝でよくみかけるが、樹皮が少し剥がれているような枝にいることが多いように感じる。なるほど表面がボロボロの枝にいた方が、この模様は隠蔽効果が高そうだ。これは別個体↓。






マルモンサビカミキリ・ガロアケシカミキリ他





切られたクワの枝にいたマルモンサビカミキリ。体長6~9mmと、ニイジマチビカミキリ(3.5~5mm)に比べれば大きいが……。




切られたクリの小枝には、ガロアケシカミキリがいた↓。




ガロアケシカミキリは体長3.3~6.8mm。これも小さいカミキリだ。
カミキリついでに、ヤツメカミキリ↓。


そしてムクゲの葉の上にいた、タキシードを着たキョンシーことラミーカミキリ↓。


ゼフィルス



前回投稿したアカシジミが、咲き始めたクリの花に来ていた(撮っている時には気づかなかったが、手前にトゲヒゲトラカミキリが写っている)。
アカシジミに続いてウラナミアカシジミも出てきた。


ウラナミアカシジミも後翅には細長い尾状突起がある。黒い柄の先端に白いポイントがあしらわれ、これはちょっと目立つ。まるで触角のようにも見える尾状突起だが、葉の上にとまっているときは後翅をこすり合わせるようにして、これを上下逆方向に動かす。(本来、捕食者に対して目立たぬようにしていた方がよさそうなものなのに)目立つつくりのものをわざわざ動かすのだから、そこには何か意味があるはずだ。


尾状突起を動かすのは、捕食者の狙いを頭からそらせる陽動的な意味があるのだろう。実際の頭とは反対側でダミー触角(尾状突起)を動かし、そちらが頭だと捕食者に誤認させる。尾状突起の近くには黒い点があってこれがダミーの眼にみえなくもない。捕食者がそこを頭だと誤認して攻撃をしかければ、敵の予想とは逆方向に逃げることができるのだから、攻撃をかわせる確率は高くなるはずだ。仮に攻撃がヒットしたとしてもダメージは本当の頭部を狙われた場合よりも少なくて済む。実際、尾状突起の周囲が欠けている個体をしばしば見かけるが、ダミーへの陽動作戦で頭部を守り生き延びることができた例なのだろう。
シジミチョウの仲間では、ミズイロオナガシジミが擬木にとまっていた。


擬木上のタマムシ



擬木ではこんな昆虫も↑。赤い頭&前胸に艶消しの黒い上翅、その縁からのぞく金色の腹──なかなかキレイなケヤキナガタマムシ(8~11mm)。


そして大物が登場!↓




ウバタマムシ(24~40mm)はけっこう大きめの個体↑。ニイジマチビカミキリ(3.5~5mm)を見た後だったので巨大に感じた。

変化する模様!?キマダラミヤマカミキリ他

変化する模様!?キマダラミヤマカミキリ



僕の図鑑には【キマダラカミキリ】と記されているが、最近は【キマダラミヤマカミキリ】と呼ぶらしい。なんでも、キマダラミヤマカミキリは「ミヤマカミキリ族(Tribe)」だそうで……それでこう呼ばれるようになったらしい。
「長い名前は、わずらわしい……【キマダラカミキリ】でいいぢゃん。だいたい深い山限定のカミキリでもないのに《深山(ミヤマ)》だなんて、ヘンだろう」──一般民間人的には、そう思わないでも無い。
ところで、このキマダラミヤマカミキリ──個人的に面白いなと感じることがある。光の加減や見る角度でマダラもようが変化して見える──ということだ。上の画像では上翅の模様は(ほぼ)左右対称に見えるが、同じ個体のこの画像↓をご覧あれ。


同じ個体でありながら上翅の模様が左右非対称に見える──まるで別人ならぬ別個体だが、同じ時に同じ場所で撮った同じ個体。光沢昆虫が光の加減や見る角度で色合いを変えるのはおなじみだが、キマダラミヤマカミキリの質感で模様が変化するのはおもしろい。このとき同じ個体を撮った画像を3つ並べてみた↓。


ちょっとした「なんちゃってカメレオン」。カメレオンは気分や光・温度などで体の色・模様を変化させるが、キマダラミヤマカミキリの模様の変化は、光学的な現象のようだ。上翅の濃淡部分が領域を変えることで模様が変化して見えるわけだが……なぜ濃淡部分が領域が変化するのかというと、上翅表面は細かい毛が密生しており、この毛の向きが部位によって違うため。
(僕はゴルフをしないが)ゴルフの芝目に例えると、密生した毛の向きが順目だと明るく見え、逆目だと暗く見える(毛に光があたる側では明るく、毛の影の側では暗く見える)。
密集した毛の向きは左右の翅で対称だが、光の入射角度や見る角度の関係で模様は左右の翅で非対称に見えがちだ。また、明るい日向ではコントラストが強まり、影に入ると明暗のギャップは少なくなる。
体表面に密生した癖毛(?)のアップ画像は【キマダラカミキリの左右非対称に見えがちな模様?】参照。

普通、昆虫は左右対称で、虫探しをするときは、この「対称性」が一つのポイントになる──これは僕の場合だが……たぶん昆虫を捕食する鳥や動物等もそうではないかと思う。この「対称性」を壊すことによって天敵から見つかりにくくする──という対策は有効なはずだ。ノコメエダシャクを初めて見た時はそう感じた。
それでは、キマダラミヤマカミキリの場合はどうか……上翅の模様が左右非対称に見えることで、はたして天敵からの被発見率を下げられるのか──生存率に影響を及ぼすほどの効果になっているかは、ちょっと怪しい感じもする。たまたま(?)くせ毛の多い表面になって、それが隠蔽効果のあるまだら模様に見えたので受け継がれた……左右の対称性はさほど生存率に関係せずに「まだらもように見える癖毛」の部分に隠蔽効果があって、この特徴を獲得したのではないか……と想像している。例によってド素人の脳内シミュレーション・頭の体操。

スイカズラ開花時限定!?旬のシラハタリンゴカミキリ



旬のカミキリということで、スイカズラを見ると、のぞいてしまう。葉脈がスリット状に食われる食痕があると、ふきんを捜索。見つかるとやはり嬉しい。


見つけたとき撮りづらい所にいたので、葉を動かそうとしたらポロリと落ちて、近くの葉によじのぼってきたシラハタリンゴカミキリ。




シラハタでないリンゴカミキリ@ベニカナメモチ

今の時期はルリカミキリも気になるので、ベニカナメモチの植込みをのぞきがち。葉の裏にとまっているルリカミキリ(体長9~11mm)の姿を思い描きながら見ていたところ、イメージよりもぐっとデカいカミキリが目にとまった。初めて見る(シラハタのつかない)リンゴカミキリ(体長13~21mm)だった。


リンゴカミキリの仲間だということはすぐにわかったが、シラハタリンゴカミキリではないとも直感した。見慣れたシラハタリンゴカミキリに比べて、だいぶ細い──これがリンゴカミキリかと思い当たった。




リンゴカミキリはサクラにつく──という話はきいていたが、ルリカミキリ狙いで探していたベニカナメモチの生け垣での初遭遇は想定外。ちょっと意外で驚いた。

旬のルリカミキリ@ベニカナメモチ



そんなわけで、ベニカナメモチで探していたルリカミキリ。先日【昔はいなかった身近なカミキリ】でネタにしたばかりだが……。


光沢のある昆虫は葉の裏にとまっていると、逆光になってその特徴──きらめきがキレイに撮れない。なんとかキラキラ感のあるところを撮りたいと思うのだが……みつけてもすぐに落下&飛び去ってしまって、なかなか希望通りには撮らせてもらえないのであった……。

ジンガサハムシの産卵

ルリカミキリからの《葉の裏にとまっている光沢昆虫》つながりで……ヒルガオの葉の裏のジンガサハムシの金タイプ。産卵中だった。例によって逆光のため、そのきらめきがわからないが、とりあえず、このまま撮影。


ジンガサハムシは薄い膜状のカプセルの中にいくつか卵を産みつける。すでに膜層(?)が葉に貼り付けられていた。その上を腹端がゆっくり往復して産卵と膜かけ(?)をくり返しているように見えた。










卵を包む膜は折り返され、いく層か重ねられているように見える。
卵鞘(卵の入ったカプセル)を離れたジンガサハムシは飛び去ったが、別の葉にとまっているところを見つけ、逆光でないところで撮る。


ちょっと上翅が開きかけているが、このあと飛翔した。
ジンガサハムシの産卵は以前も撮ったことがある。【ジンガサハムシの産卵~光沢昆虫は難しい】の記事の方が産卵中の卵は、きれいに撮れていた。

季節の移ろいは早い…



このところ、次々にシーズン初の顔ぶれを見かけているが、今年もアカシジミが出てきた。


この時期、やたらデカく感じるアカボシゴマダラの春型。夏型はもっと黒っぽく、赤い模様が入るので、一見全く別の種に見える。狭山丘陵では数年前に初めて見た外来種だが、今では最も良く見かけるチョウの一つとなっている。


キアシドクガもミズキの周りを飛び始めている。白いチョウよりもエレガントな白い蛾──僕はそう感じる。翅の白さに真珠やシルクのような高級感を覚える。画像は擬木の下で羽化した飛び立つ前のキアシドクガ。奥に抜け殻(蛹)が見えている。この蛹は、かつてマンガ『とりぱん』で極小ツタンカーメンとしてネタにされていたことがあった。


擬木の上にいたアカスジキンカメムシ新成虫。発色の具合は個体によって差があるのだが、今年は鮮やかな色合いの個体が例年より多いような気がする。


赤い眼のアカスジキンカメムシ

赤い複眼のアカスジキンカメムシ新成虫

前記事のルリカミキリを撮った場所──ベニカナメモチの植込みでは、アカスジキンカメムシの新成虫もあちこちで見られた。




羽化が近いだろろう終齢(5齢)幼虫の姿もちらほら。




葉の上にとまっている新成虫を見ていて気がついたのだが、複眼が赤いものがいる。


よく見かける成虫は複眼が黒い──そう思い込んでいたので、ちょっと意外な感じがした。比較に、今年の初成虫の画像を再掲載↓。


体色がしっかり出ているこの成虫では複眼は黒っぽく見える。
複眼が赤いのは羽化後あまり時間が経っていないからだろうか? ヨコヅナサシガメやキバラヘリカメムシでは羽化直後の個体では本来黒い部分が赤かったりするが……それと同じことなのだろうか?




羽化直後のキバラヘリカメムシ成虫↓。


※【真・青リンゴの香り/キバラヘリカメムシ】より再掲載↑。
あるいは複眼が赤いか黒いかは、周囲の明るさに関係するのだろうか? カマキリの複眼は、暗くなると真っ黒になる(明るい時には小さな黒い点だった偽瞳孔=擬瞳孔が拡大する)。
しかし、アカスジキンカメムシの新成虫をみると、同じ場所で赤みが強いものと黒っぽいものが混在している↓。


同じ場所にいながら複眼の色に違いがあるということは、やはり羽化後の経過時間が関係しているのだろうか?
しかし、この画像↑では、一見右の個体の方が胸や背の体色が薄く羽化後の時間経過が少ないようにも感じられるが複眼の色は黒っぽく、前足の色も濃く出ている。画面左の個体は背の模様は色が濃く出ていて、羽化後より時間が経っているように見えるが、複眼は赤っぽく脚の色も薄い。
さらに、こんな個体も↓。


まだ体色がちゃんと出ていない──羽化後さほど経っていないと思われる個体だが、すでに複眼は黒かった。


そういえば……昨年9月に羽化を観察したアカスジキンカメムシは、羽化中すでに複眼が黒かった↓。


一転、今回みつけた新成虫の中には羽化直後から体色が出現しつつある状態でも複眼が赤いままのものもいた。


羽化直後で体色が出ていない新成虫↑。画面右には抜け殻がある。


時間をおいて見に行ってみると、模様の形がわかるほどに体色は濃くなってきていたが、複眼は赤いまま。とまっていた場所がちょっと移動して、抜け殻が消えていた。
抜け殻が消失していたのは、羽化後の新成虫による《抜け殻落とし》によるものなのか、あるいは自然に落ちたのか──この点についても興味のあるところだが、サダカなことは判らない。

あったのか?無かったのか?《抜け殻落とし》

アカスジキンカメムシでは脱皮後の幼虫が抜け殻を落とすシーンは観察したことがある。羽化後の新成虫が落としたと思われることもあった。エサキモンキツノカメムシでは新成虫が羽化後抜け殻を落とすのは2度確認しているし、ツヤアオカメムシでもそれらしい行動を目撃している。
羽化や脱皮の後に、わざわざ抜け殻を落とすのは、自分たちの生活エリアから抜け殻を遠ざけ排除するためだろう。抜け殻が残っていると寄生蜂や寄生蠅に嗅ぎつけられやすくなるとか、それをみつけたアリ達が集まってくるなど、カメムシにとって都合が悪いことがあるのかもしれない。《抜け殻落とし》にはそうした危険を回避する効果のあるのではないか……そんな想像しているのだが、周辺には落とされずに残っている抜け殻もあったりする。


《抜け殻落とし》に種としての生存率を高める効果があるのであれば、もれなく行われてもよさそうな気がするが、葉の裏に残されている抜け殻が見つかるということは、必ず行われる行動というわけでもないようだ。
新成虫の数からすると残っている抜け殻の数は少ない気はするので《抜け殻落とし》は行われているのだろうが……それが、どのくらいの割合で敢行されているのかはよくわからない。


これ↑などは、抜け殻の脚が浮いており、羽化時のポジションから動かされているのがわかる。風などで自然にズレた可能性もあるだろうが、抜け殻落としが行われたが、ひっかかって完了しないまま放棄された感じに見えなくもない……。

《赤い眼の謎》も《抜け殻落とし》も、ちょっと気になっているアカスジキンカメムシである。


昔はいなかった身近なカミキリ

ラミーカミキリ@ムクゲ

前回(5/14)の記事を投稿した日には本体も食痕も発見できなかったラミーカミキリ(それで去年の画像を再掲載した)だが、翌日、近所のムクゲで今年の初個体を確認。最初に食痕が目にとまり、その周辺で本体が次々に5匹ほど見つかった。今シーズン初ということで、いちおう記しておく次第。ちなみに、昨年の初個体確認は5/9だった。






タキシードを着たキョンシーにも見えるユニークなラミーカミキリは幕末から明治にかけて侵入した外来種だそうだ。少し前までは西日本・九州の普通種だったらしく、Wikipediaによると「20世紀末に東京都の多摩地区でも生息が確認された」とのこと。僕が初めてこのカミキリを見たのは2005年、奥多摩の川沿いだった。やがて自宅近くの狭山丘陵や武蔵野でも見られるようになるかもしれないと思っていたが……2012年、ついに自宅近くで確認。以後毎年発生を確認している。
今シーズン初のラミーカミキリを確認した日(5/15)、やはり今シーズン初のルリカミキリの姿もベニカナメモチ(類?)の植込みで確認することができた。

ルリカミキリ@ベニカナメモチ(?)



シーズン初個体のルリカミキリは、このあとポロッと落ちてロスト……。
2匹目は同じベニカナメモチ(だかレッドロビンだか?)ポイントの葉の裏にとまって葉脈を齧っていた。近くの葉には残された食痕も……。




カメラを近づけると後食をやめて動き出したので、そっと葉をひねって順光で撮影↓。


明るいオレンジ色を基調にルリ色にきらめく上翅が美しいカミキリ……なのだが、例によってなかなかキレイに撮れず……。


葉の表側に移動したルリカミキリ↓。




これは↑「ルリカミキリ(-)」とでも記すべきか……(-)は(ハイフン)→(排糞)──ということで。


カミキリの仲間は触角のつけねで複眼が大きく抉られているものが多いが、ルリカミキリでは抉られた複眼が2つに分離してしまっており、4つ眼があるように見える。



前述のラミーカミキリは僕が子どもだった頃には見たことがない昆虫だったが、このルリカミキリも子どもの頃には見た記憶がない。僕が初めてルリカミキリを見たのは2006年、市街地のベニカナメモチ(?)の植え込みでだった。明るいオレンジ色に光沢のある美しい瑠璃色──カミキリのイメージを可愛らしくデフォルメしたようなスタイル──こんなキュートな昆虫が町の中で見られるとは驚きだった。
本来は(?)ヒメリンゴなどバラ科の生木を寄主植物にしているそうで、以前からいるところにはいたのだろうが……近年、生け垣や植込みに(寄主植物となりうる)ベニカナメモチが増えたことで、市街地でこのカミキリを見る機会が増えたのだろう。

ベニカナメモチやムクゲにつくルリカミキリやラミーカミキリは、僕が子どもの頃には見たことがなかったが……今では市街地で見られる「身近な昆虫」となっている。
人が利用する植物につくので害虫ということになるのだろうが、生きものとしての生命原理や活動は他の生物たちと変わるところは無い。自然の中では(生態系システムとしては)森林の更新(新陳代謝)を加速させる役割りを果たしているのだろう。それが人にとって都合が悪ければ「害虫」と見なされ、都合が良ければ「益虫」として扱われる。ヒトが生活する上で不都合なものが排除されるのは止むを得ないことだろう。しかしそれは、その虫が「悪い」というわけではなく、単に「ヒトにとっては都合が悪い」というだけのことだ。僕が昆虫を見るとき、害虫か益虫かの区別にとらわれることは、あまりない。

僕が子どもの頃には身近に雑木林は里山があって、色々な生き物を見る機会も多かった。雑木林や里山が激減して見られなくなった昆虫類も少なくないが、逆に子どもの頃には見たことがない昆虫がけっこう増えていたりする。
昔に比べ環境はだいぶ変化したが、「身近な昆虫」の顔ぶれも変化した──ラミーカミキリやルリカミキリを見ると、そんなことを実感する。


《顔がある》虫たち:スジベニコケガ他

武人埴輪(はにわ)ちっくな?スジベニコケガ



「顔がある」──ふと懐かしのCM、サントリー・オールドのナレーションwith音楽が脳裏によみがえる。


スジベニコケガは時々見かけるキレイな蛾だが、その胸の背面に武人のはにわ、もしくは耳当て帽子をかぶった男のような「顔がある」ことに最近気がついた。
前の記事ではクリープのCM(のもじり)が脳内再生されたことを記したが、テレビを離脱してから昔みたテレビCMがしばしば脳内再生されがちな気がする……。




──てな、ぐあい。「インド人もビックリ」はカレーのCMで、《カレーの本場、インドの人が食べてビックリするほどのおいしさ》を表現したもの。当時このCMがウケ、驚いた時によくこのフレーズを口にしていた。今ふり返ると「お前はいつからインド人になったんだ!」と突っ込みたくなってしまうセリフだということで……。
ちなみに画像の助演は前記事最後に紹介したアカスジキンカメムシの新成虫↓。


横シマなオオホシカメムシと腹黒いヒメホシカメムシ



「顔がある」つながりで少し前に見たオオホシカメムシ。頭を下にすると背中の模様が「つぶらな瞳&厚い唇の顔」に見える。これによく似たヒメホシカメムシというのがいて、初めは見分けがつかなかった。しかし腹面で区別できると虫屋さんから教わって、腹を見てみると──、


オオホシカメムシの腹(腹面)は橙色。節の継ぎ目にわずかに黒い横縞がのぞいているものの、腹黒くはない。
これに対して、ヒメホシカメムシ↓。


オオホシカメムシでは橙色だった腹(腹面)が、ヒメホシカメムシでは黒↓。


両種の背中の模様の入り方はよく似ているが、「違い」は腹面。《ヒメホシカメムシは腹黒く、オオホシカメムシは腹黒くはないが、ちょっとヨコシマ》。




「インディアン嘘つかない」というフレーズも昔、流行った。海外テレビドラマ『ローン・レンジャー』の相棒役インディアンの「白人嘘つき。インディアン嘘つかない」というセリフが元のようだが、CMでも「インディアン嘘つかない」は使われていたような気がする。このセリフもマネして「ほんとだって」に続けて使っていた記憶がある。これも今思うと「お前はいつからインディアンになったんだ!」というハナシ。

お地蔵さんがいる…アカシマサシガメがいる



ふたたびサントリー・オールドのCM風に……。


タキシード姿のキョンシーがいる…ラミーカミリがいる



ラミーカミキリが出ていないか近くの発生場所をのぞいてみたが見つからず。ということで、昨年の画像から再掲載。
「顔がある」「虫がいる」──サントリー・オールドCM風に、人面昆虫の空目ネタということで。


シラハタリンゴカミキリ@スイカズラ

コーヒーにクリープ、スイカズラに…

今年もスイカズラが咲き始めた。この花の甘い香りが漂ってくるとシラハタリンゴカミキリが思い浮かぶ。小学生だった頃は、夏に雑木林を訪れて樹液のニオイを嗅ぐとカブトムシやクワガタを連想したものだが……あれと同じ。ニオイは記憶を呼び覚ます。
というわけで、スイカズラが咲けば、シラハタリンゴカミキリの姿を探してしまう。その姿を見れば「今年も出会えたか」と満足するし、見つからないと、ちょっと心残り……脳内には、こんなフレーズが……。


昔のテレビCMのもじり。テレビを離脱して久しいが、やけに昔のテレビCMが脳裏によみがえったりする。
それはさておき──、僕の少ない観察経験では、シラハタリンゴカミキリが出てくるのはスイカズラが咲き始めた頃。茎や葉がけっこう育っていて蕾が白くなっていても、開花していない株では見たことがない。毎年、初めて見つけるのは開花している株だ。
開花が早い花は陽当たりが良いなど育成条件が良いから、その周辺のシラハタリンゴカミキリも早く羽脱する──ということなのかもしれないが……開花のタイミングに合わせて出て来るようにも感じられる。
シラハタリンゴカミキリ成虫はスイカズラの葉の裏にとまって葉脈を齧る(後食する)。そのため独特のスリット状の食痕が残るのだが……花粉や蜜を食すのではなく葉を食べるのなら、開花する前に出てくる個体がいても良さそうな気がする。なのに開花直前には見られず、開花に合わせて現れるのは、もしかすると開花したスイカズラの香りが成虫の羽脱スイッチになっているのではないか……なんて気がしないでもない。

そんなことを考えながら、まだ咲いていない株はざっと見て、咲いているスイカズラを丹念に見ていくと──、




これは「いる!」と確信し、付近の葉の裏をのぞき込む。




今年のシラハタリンゴカミキリ1号を発見。葉の裏にとまっていたため逆光できれいに撮れず、そっと葉を裏返して撮影。飛び去りはしないかとヒヤヒヤしたが、この個体は葉の表に移動したので、これ幸いと撮り続ける。




オレンジと黒の鮮やかな配色でスマートなプロポーション。図鑑でリンゴカミキリの仲間を調べた時は──背面からの写真を見て「なんだかカミキリっぽくないな」という印象を受けた。しかし、別の角度から顔を見ると、「やはりカミキリだなぁ」と感じる。


リンゴカミキリの仲間にはいつくかあって、腹の先端の黒い部分の占める割合なども識別のポイントになるらしい。


ということで、今シーズンも無事にシラハタリンゴカミキリの発生を確認できて満足。
(僕はクリープを入れたコーヒーを飲んだ記憶はないのだが……まぁ、縁起物?というコトで)

ついでに 直近の昆虫から



しおれたヨモギがあるところでよく見かけるキクスイカミキリ↑が園芸種(?)の花に来ていた。前胸背面の赤いポイントが、僕にはウルトラマンのカラータイマーっぽく見え、エネルギーが切れかかると点滅しそうな気がしてならない……。


アトモンサビカミキリ↑は積まれたクワの枝にいた。
少し前に【輝くアオマダラタマムシと銀の蛾】でネタにしたアオマダラタマムシ。キレイな個体がいると、やはり撮ってしまう。








ちなみに翅を広げた画像は【輝くアオマダラタマムシと銀の蛾】に追加しておいた。
キレイな昆虫といえば、アカスジキンカメムシの新成虫が出ていた。越冬明けの幼虫はよくみかけていたが、成虫はこれ↓が今シーズン初。




ヨコヤマトラカミキリの模様



背中(上翅)に目を引く《ハ》の字型の白紋。このトレードマークを《ヨコヤマトラ》と読むことができる──というハナシは【ヨコヤマトラカミキリのエンブレム】で記した。昨今、読みがユニークなキラキラネームなるものが流行っているらしいが、昆虫にもこんな読み方があってもいいのではあるまいか?(個人的な愛称ならぬ愛読み?)──ということで、そのおさらい。


ヨコヤマトラカミキリの模様

ヨコヤマトラカミキリは見つけても、せわしなく動き続けてなかなか撮らせてくれないことが多い。今年も、前回前々回と散々だったので、「撮りやすいところ」に「静止モード」で「新鮮な(模様が明瞭な)個体」がいてはくれないものか……などと、つごうのよいコトを望んでいたのだが……いた!




柵の支柱てっぺんに静かに止まっていたヨコヤマトラカミキリ。上翅の模様もキレイで、うってつけの個体。そっとカメラを近づけても警戒するようすはなく、グルーミングを始めた。




触角もていねいにつくろう↓。


上翅のもようはエンジと白、そしてグラデーションぽい感じもする黒とグレーの部分で構成されている。このグラデーション風のグレー部分は角度によって明るさや領域が変化して見える。上の画像では「狭く見える」グレー部分が下の画像では広く明るく見える。


このグレー部分のグラデーション変化が腹の背面を丸く見せているような気もする。


体全体のバランスからすると後脚が長く感じる。この長い脚を曲げた姿がアリっぽく見える。
グルーミングを終えると歩き出したので、近くの葉の上に移動させる。


すると、葉の上で触角を寝かせて静止モードに。このチャンスにと独特の模様がほどこされた上翅を接写。




えんじ色の部分と白い《ハ》の紋は比較的太い毛でおおわれ、グレーの部分には細い毛が生えているのがわかる。毛の向きの関係で黒い地肌が多く見える角度では黒が濃く、微毛側面が多く見える角度では光が乱反射し、より明るいグレーに見えるのだろう。
上翅を接写していると、ヨコヤマトラカミキリはまた動きだした。


触角が前の方に向くと動きがあわただしくなる。


せわしなく動き回る姿はアリに似ている。周辺でみかけるムネアカオオアリというアリに配色もよく似ており、擬態していると考えると合点がいく。


《ハ》の白紋には上翅を途中で分断したように見せる──《アリの腹(と胸の間)のくびれ》を装う効果があり、黒とグレーのグラデーションには《アリの腹のような丸み》があるかのように誤認させるトリックアートの効果があるのではないか──という気がしないでもない。
このあと、大きさを表す1円硬貨比較画像なども撮っておきたいと思っていたのだが、画像チェックで目を離したスキに見失ってしまった……。しかし今回は予想以上にたくさん撮れたので良しとしよう。
この日は他にカミキリでは、ヨツボシチビヒラタカミキリ・ヒシカミキリ・シラケトラカミキリ・トゲヒゲトラカミキリ・ヒトオビアラゲカミキリ・アトジロサビカミキリ・キマダラミヤマカミキリ・ヒメヒゲナガカミキリ・ヤツメカミキリなどを見かけた。






このキマダラミヤマカミキリ↑も上翅の模様が見る角度によって変化するため、左右非対称に見えがちだったりする。
カミキリ以外では、先日ネタにしたアオマダラタマムシの姿も↓。


これ↑は同じ個体だが、見る角度によって赤みをおびて光る。

ピンク&イエローの猫耳幼虫ほか

ピンク&イエローの《こびとネコ》!?







ゴールデンウィーク最後の日、擬木の上で見つけたファンシーないきもの──ピンク色と黄色のネコ耳幼虫。ポップな色合いだが、トビモンオオエダシャク幼虫だろう(と思っている)。よく見かけるトビモンオオエダシャク幼虫は木の枝のような地味な色をしていて、枝に擬態するのがうまい。顎を引いて体を伸ばすとその体は枝に、頭にある一対の突起が芽のようにも見えるのだが……頭の突起は《猫耳》に見えなくもない。初めてこの幼虫を見た時はこの《猫耳》にひかれ、何度もネタにしてきた(*)。《猫耳》というだけでもポイントが高いのに、さらにポップな色合いとなれば、これはボーナスポイントを加算せねばなるまい。あっぱれ、ピンク&イエローの猫耳幼虫。
ちなみに、よく見かける色合いの幼虫と成虫を過去の画像から↓。


《猫耳》つながりで、GW初めに見かけたヒトツメカギバ幼虫↓。


やはり頭の突起が《猫耳》に見えるが、ネザーランドドワーフのような短めの《うさ(兎)耳》っぽくも見え、兎キャラのミッフィー(うさこちゃん)を連想してしまう。ミッフィー(うさこちゃん)は白ウサギだから、その友達──茶色兎のメラニー(にーなちゃん)顔幼虫!? 成虫は、こんな蛾↓。


強風で落ちた花と幼虫



ところで、今年のミズキは満開を見ずに終わりつつある……。
4月下旬から開花し始めた狭山丘陵のミズキ。GWに満開を迎えるだろうと予想し、花に集まるカミキリなどを見るのを楽しみにしていたのだが……GWしょっぱな4/29の強風で花はだいぶ散ってしまった。蕾は残っていたので、その後咲く花に期待をかけたのだが……5/3・5/4にも強い風が吹き、やはりかなり花が落ちてしまったようだ。
今年はギボッチ(擬木ウォッチ)コース沿いのミズキが切られて間近で見られる花が減り、また蕾自体も少なめだった気がする。
この時期、擬木でみられるカミキリなども、ミズキの花に集まったものが、落ちて下の擬木に登ってくるケースが多いのではないかと思っているのだが……集客(虫)力のある花が今年は少なかったことで、擬木での訪花性昆虫の発見率も下がった気がしないでもない。
その一方、花を散らせた強風で枝から落ちてきた虫もいる。強風のあとの擬木でトビイロツツノゼミの幼虫と思わせる虫をあちこちで見かけた。これまであまり見たことがないような気がするが……よく見るとちょっと面白い姿をしている。






近くの葉に移すと、葉の柄をたどって枝へ向かい、目立たぬ位置で静止した。


ちなみに、成虫の姿を過去の画像から↓。


思わぬ登場!?ヨコヤマトラカミキリ

今年は満開のミズキが見られず、ゴールデンウィーク中はヨコヤマトラカミキリも見なかったな(GW前に1匹みたのみ)……と寂しく感じていたGW最終日。擬木の上に(冒頭の)ピンク&イエローのオシャレな猫耳幼虫を見つけ、気をとりなおしてカメラを向けていたのだったが……その撮影中に、突如モニター画面にフレームインしてきた虫がいた。なんとヨコヤマトラカミキリだった!
とっさに猫耳幼虫とのツーショットを狙ったが、ヨコヤマトラカミキリの動きが早く、うまく撮れなかった。


どこから現れたのか、とにかくせわしなく擬木の上を歩き回る。ターゲットを急きょ変更してヨコヤマトラカミキリを追いかけた。
何を急いでいるのか、擬木上をあわただしく動き回る。擬木には蛾の幼虫の糸やらクモのしおり糸などがクモの巣のようにかかっているところがあって、そんな所へも平気で突進。そしてひっかけた糸を嫌ってか、ようやく立ち止まってグルーミングを始めた。




けっこうスレた個体で、上翅のえんじ色の部分が禿げて下の黒地が見えていた。ヨコヤマトラカミキリもその模様は微毛で描かれているので、禿げた個体では本来の模様が不明瞭で、いささか残念な個体……とはいえ、待望の被写体なのでとりあえず色々なショットを撮っておきたいところ。
しかし、この個体は(も)落ち着きがなく、すぐに動き出してなかなか思うように撮らせてくれない。NGカットを連発し「ちっとは撮らせてくれたって、いいぢゃないか! 減るもんぢゃあるまいし、ケチ!」なんて思いながら追いかけ回し、撮影画像をチェックするために一瞬目を離したスキに被写体は姿を消した……。
どこからともなく突然現れたヨコヤマトラカミキリは、こつ然と姿を消したのであった……。
(つづく……!?→【ヨコヤマトラカミキリの模様】)