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2014年11月の記事 (1/1)

婚礼ダンスでフユシャク・ペア探し

11月末日、クロスジフユエダシャクが舞う雑木林をのぞいてみた。落ち葉が積もった林床ふきんをたくさんの蛾が這うように飛んでいる。飛んでいるのは全てオス。メスは翅が退化して飛ぶことができない(フユシャクの特徴の1つ)。メスはフェロモンを発し、オスはそのニオイをたよりにメスをみつけだして交尾する。
先日に引き続き、オスが【婚礼ダンス】でメスをみつけペアになるところを確認しようと、しばしフユシャク・ウォッチング。【婚礼ダンス】待ちの間にガーデンイール(チンアナゴ)っぽいケバエ幼虫集団をみつけたので撮ったりしたが……それは最後にふろくする(幼虫だけに要注意)。

婚礼ダンスでクロスジフユエダシャク・ペア探し



クロスジフユエダシャクのオスが林床を低く飛ぶのはメス(のニオイ)を探してのこと。移動しなから飛ぶオスはまだ手がかりを見つけられずに模索しているところなのだろう。同じエリアにとどまり、行きつ戻りつしているオスは、フェロモンを察知し、その発生源がどの方角にあるのか探っているのかもしれない。飛翔しながらニオイから遠ざかれば戻り、より強いニオイを感じる方角を探している可能性がある。
低く飛んでいたオスが落ち葉の上に降りて羽ばたき歩行(これが婚礼ダンス)を始めたら、メスに近づいている可能性が高い。降りてすぐ翅を休めるオスはメスをみつけらずに翅を休めているだけなのでこれはスルーだが、降りてなお羽ばたき続け歩き回るオスはニオイの発生源にいよいよ接近して最後の詰めに入った可能性が高い。そんなオスは飛翔しているときよりむしろ羽ばたきの回転数(?)は増している。これはニオイを嗅ぐためのはばたきだ。
フェロモンを感じるのは触角だが、オスは羽ばたく事によって空気の流れをつくり、ニオイ物質を含む空気を触角へ呼び込んでいる。羽ばたきながら向きを変え、より強く感じる方へと進むことでメスの居場所を割り出す──この羽ばたき歩行が【婚礼ダンス】だ。せわしなく羽ばたくのは我々がニオイを嗅ぐとき息を吸い込むのと同じ──ニオイ物質を含む空気の流れを作って感覚器(蛾なら触角/ほ乳類なら鼻腔)に送り込むだめだ。クロスジフユエダシャク♂が羽ばたきながら歩き回るのは、われわれがニオイの発生源を探すとき、あちこち向きを変えながらクンクンとマメに息を吸うのと同じ。

というわけでオスの【婚礼ダンス】を頼りにペアを見つけ出そうという算段だが、この方法は【婚礼ダンス】が始まらなければ始まらない。すんなり見つかることもあれば、待たされる事もある。
今回もしばらく待たされたが、1匹の♂が【婚礼ダンス】を舞い始めた。


【婚礼ダンス】が始まるとペアリングまでけっこう早かったりする。このオスはあっという間に落ち葉の下に潜り込んでしまったので、今回は婚礼ダンス・ショットは2枚しか撮れなかった。


オスがもぐりこんでいった葉をひっくり返すと、はたしてペアが成立していた。






この後、チャバネフユエダシャク♀が出ていないかと近くを探してみたが見つからず。そのかわりに、植木を支える木の杭にとまっていたクロスジフユエダシャク・ペアをみつけた。






つながっている様子がわかるアングルを探していると、オスが飛び去ってしまった。ということで、残されたメスの単独カット↓。


幼虫いっぱい要注意:ガーデンイールなケバエ

「婚礼ダンス待ち」の間に撮ったケバエ幼虫集団──枯葉の中にのぞいた緑の孤島のようなコケの中にもぐりかけた状態でいた。皆頭を地中につっこみ腹先を地上にのぞかせた格好。この腹端には眼のような模様(?)があって、ちょっとドジョウ顔に見える。海底から上体をのぞかせるガーデンイール(チンアナゴ)っぽかったので、空目ネタに撮ってみた。










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フユシャクも出てきた11月下旬

フユシャク♀となんちゃってフユシャク♀!?

冬に出現する蛾──フユシャク。今年は11月後半になってクロスジフユエダシャク♂が飛ぶ姿がチラホラ見られ始め、下旬には雑木林の林床をたくさんのオスたちが舞う姿が見られるようになった。今シーズン初のフユシャク・ペアショットは先日のクロスジフユエダシャクだったが、その後たまたま擬木に登っていたクロスジフユエダシャク単独メスをみつけた。


フユシャク・シーズンになると、翅が退化して蛾らしからぬユニークな姿となったメスを探すのが、ちょっとした楽しみ。こんな時期に目にとまりがちなのが……こんな「なんちゃってフユシャク♀」↓。




アカシデという植物のタネだか果実だかにセットでついている果苞と呼ばれる葉。風に飛ばされ種子を遠くに分散させるための器官なのだろうか……この果苞の形が、ちょっとフユシャク♀っぽく見えなくもない!? これに擬態しているわけでもないのだろうが、フユシャク♀はパッと見、植物片に見えなくもない!?
いちおう、クロスジフユエダシャクのメスとは似ても似つかないオスの画像もあらためて↓。


他の種類のフユシャクでは、チャバネフユエダシャクが出ていた↓。


今シーズン初のチャバネフユエダシャクはこの♂(↑)だった。今シーズンはまだメスは見ていない。昨シーズン初のチャバネフユエダシャク♀は11月11日に見ているので、もう出ていてもいいのではないかと思うが……。
(※昨シーズンのチャバネフユエダシャク♀&ペアショット他→【どんより曇りはフユシャク日和】)

擬木上の小さな昆虫

これだけではさびしいので、11月下旬に撮ったものの中からいくつか──。
大きな昆虫の姿が少なくなってくると、擬木の上の小さな昆虫が目にとまるようになってくる……。


落葉が進むと、葉とともに落ちてきた昆虫が擬木に這い上がってくる。サクラの木の下の擬木には、サクラの葉をエサとするセモンジンガサハムシが。




トレードマーク《金のX》の背紋は健在(※【ゴールドX:セモンジンガサハムシ】)。
この時期の擬木上昆虫ではセモンジンガサハムシはまた大きめな方かもしれない。先日はこんな小さなテントウムシをみつけた。




小さなムーアシロホシテントウに比べてもかなり小さいクモガタテントウは、1984年に東京港付近で発見された北米原産の帰化種だそうだ。
外来種つながりで、アルファルファタコゾウムシ↓。


「アルファルファタコゾウムシ」という和名を知ったとき、ヘンな名前だと思った。対抗して(?)思い浮かんだ名前は「ベータベタイカネズミムシ」。
「アルファルファ」はマメ科の牧草の名前で、こうした植物などを食害するのでこの名がついたらしい(でもタコの由来がわからない?)。
寒くなるとよく見かけると思っていたら、1~2月を中心に12月~5月上旬まで産卵を続けるらしい。羽化した成虫は5月中旬頃から冬眠ならぬ夏眠に入るそうだ。
やはり冬に擬木でよくみかける小さなハネカクシ──ヒメキノコハネカクシの一種っぽい気がするが……。




カウリングつきのシミみたいだが、小さな上翅の下に隠している下翅をひろげて飛ぶこれでも甲虫類。
甲虫類では小さなゾウムシもいろいろ見かけるが、その中でも特に小さいと感じたもの──コゲチャホソクチゾウムシだろうか。




指紋の幅と比べるといかに小さいかが良くわかる。こんな極小サイズでちゃんとゾウムシしているのだからスゴイ。

擬木上に小さな虫の姿はよくみかけるものの、動き回っているものは撮影が難しいのでスルーする事も多い。クサカゲロウの仲間の幼虫ももたいてい動き回っているので普段は撮らないのだが、たまたまじっとしていたのでカメラを向けてみると捕食中だった。




食植物の枝や葉からから落ちてしまった虫たちにとって、誤って登ってしまった擬木は不毛の場所──擬木上で遭難状態の虫たちを見るようになった時はそう思ったが、ここへ登ってくる虫を待ち受けて捕食している昆虫やクモもいる。彼らにとっては案外良い猟場なのかもしれない。クサカゲロウ幼虫と捕食性つながりということで……フタスジヒラタアブの幼虫↓。


ときどき獲物をくわえて(?)いるフタスジヒラタアブ幼虫をみかけるが……画面左上の昆虫の死骸は、このフタスジヒラタアブ幼虫によるものだろうか。
捕食性昆虫のトラップとも言える擬木だが、草食性昆虫はというと……漂流してきた(?)植物片を食べているものをたまに見ることがある。「小さな虫」とはいえないが、落葉が進むとともに擬木上の数を増やしているニホントビナナフシの1シーン。




雑木林沿いの擬木では、虫たちの意外なシーン・予期せぬ昆虫を目にすることもある。先日の雌雄モザイクのニホントビナナフシを見つけたのも擬木だった。味気なさそうに見えて擬木は案外、昆虫観察ポイントしては、おもしろい場所だったりする。

ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた問題(追記あり)

気になる記事があったので、思うところを記してみたい。
一時は「ジャポニカ学習帳」の半分を占めていたという昆虫の写真が、保護者や教師からのクレームを受けて、2年前から使われていないという。


■ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた 教師ら「気持ち悪い」 40年続けたメーカーは苦渋の決断
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141127-00010002-withnews-soci

一部の「気持ち悪い」というクレームのために、これまで多くの子ども達に愛され親しまれてきた「昆虫」という教材を排除して良いものだろうか?

以前どなたかが「昆虫は自然が使わした大使だ」というような事をおっしゃっておられた。
昆虫は身近な存在であり、子ども達の多くは昆虫を通して自然の不思議を感じ科学する心を育む──昆虫は自然に親しみ理解を深めるための仲介者にような存在だ。そういった意味合いだろう。人工物に囲まれて育つ現代人にとって、特に子どもの頃に自然物である昆虫に接することは重要な意味がある──と僕は考えている。

人によって昆虫を「気持ち悪い」と感じることはあるかもしれない。それ自体は悪い事ではない。だからといって「排除」して問題を解決しようとする親や教師の姿勢には賛同しかねる。教育の素材として有意義な部分を説くような指導はできないものだろうか?
ジャポニカ学習帳の表紙の昆虫を見て、実際の昆虫に興味を向ける子だっていただろう。そうした「意義」を、「気持ち悪い」と感じる人がいるからといって捨て去って良いものだろうか?

「気持ち悪い」という一部の人たちの感情的な理由で、「昆虫」という教材を──子ども達の昆虫への(自然科学への)アプローチの可能性を排除するのは理不尽な気さえする。

親や教師が、「昆虫」の教材としての価値を正しく理解していないことも問題だと思うが、ショウワノートが一部のクレームを受けて「排除」を決断した対応にも疑問を感じる。

記事によればショウワノートは《一人でも嫌だと感じる人がいるのであればやめよう、ということになりました》と説明している。

問題が起これば、その元を「排除」して済まそうとする──これは「気に入らないモノは排除しないと気が済まない」昨今の嫌な風潮を是認しているようなものだ。
昨今、問題になる事が多い「いじめ」の元凶は《「気持ち悪い」ものは徹底的に「排除」しないと気が済まない》風土にあると僕は考えている。そこに存在するモノの価値・意味を無視して、単に個人的感情で気に入らないものは有無を言わさず「排除」しようとする──こうした風土を改めない限り、「いじめ」は無くならないだろう。

ショウワノートの《一人でも嫌だと感じる人がいるのであればやめよう、ということになりました》という判断は、《誰かが(自分が)「嫌だ」と言えば「排除」されるべきだ》というクレーマーを増長させ、《キモイもの排除はあたりまえ》という「いじめの土壌」を肥やすことになるだろう。

「ジャポニカ学習帳」がこれまで果たしてきた役割りについて、親や教育者、ショウワノートは、どう考えているのだろう?
子どもの教育にたずさわる人たちが、事の本質をきちんと理解しているのだろうかと、疑問とともに憤りを覚える記事だった。



【追記(2015.07.07)】昆虫写真を排除したことで批判が相次いでいたジャポニカ学習帳だが、昆虫写真が限定復活することになったという記事があったので、続報情報として追記しておく。

■ジャポニカ学習帳、昆虫写真を限定復活 人気投票したら断トツの1位だった(withnews 2015.07.07)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150707-00000002-withnews-soci

ショウワノートとアマゾンが共同で実施していた表紙の人気投票で「昆虫」が上位のほとんどを占めたためだそうだ。
昆虫写真の表紙は《教師や親から寄せられた「気持ち悪い」という声があり、2012年から使われていなかった》というが、やはり子どもたちには人気があったということだろう。
ショウワノートはクレーマーの声よりも愛用者の声に耳を傾けるべきだったと思う。
選ばれた表紙はアマゾンで限定販売され、一般向けについても復活を検討しているそうだ。
これで少しは溜飲が下がった気がする。

クロスジフユエダシャクはなぜ隠れて交尾するのか



今年もフユシャク(冬尺蛾)の時期がやってきた。フユシャク(総称)は昆虫が少なくなる冬に(成虫が)出現するシャクガ科の蛾で、オスは何の変哲もない蛾なのにメスは翅が退化して飛べない。ペアになっていなければ、とても同じ種類とは思えないユニークな昆虫だが──そんなフユシャクのペアショットを観察&撮りにでかけてみた。
ターゲットはフユシャクの中では早い時期に出現するクロスジフユエダシャク。フユシャクの多くは夜行性だというが、クロスジフユエダシャクは昼行性。狭山丘陵では11月下旬頃から、落ち葉が積もり始めた雑木林の林床をオスが低く舞う姿が見られるようになる。今回の観察舞台はこんなところ↓。


画像では判らないが、落ち葉が積もり始めた林床のあちこちでクロスジフユエダシャク♂が舞っている。


落ち葉の上をさまようように舞うオスの姿は多いのだが、その割にメスはなかなか見つからない。以前は、擬木や柵などに(見つけやすい人工物の上に)たまたまとまっているところをみつけるのがやっとで、ナチュラルな状態(自然物背景)のメスを見つけるのが困難だった。
それが2年前に開発した(?)《オスの【婚礼ダンス】に注目する探し方》で、落ち葉の下に隠れたメスを見つけることができるようになった。
今回もこの方法でクロスジフユエダシャクのペアを探し出し観察することができたので、その記録。

【婚礼ダンス】でフユシャク♀探し

【婚礼ダンス】とはメスのフェロモンを察知したオスの「はばたき歩行」と呼ばれる行動。その意味については以前【フユシャクの婚礼ダンス】に(追記の)図解つきで説明しているので、ここでは省略するが……要するに《♂が♀を探しだすための行動》だ。
舞っていたオスが地上に降りて、せわしなく羽ばたきながら歩き回ることがある──これが【婚礼ダンス】だ。はばたき歩行をするオスが落ち葉にもぐっていけば、そこにメスがいる可能性が高い。そこでオスの【婚礼ダンス】に注目することでメスを探しあてようというわけだ。

しかし舞っている♂の数が多いと、どの♂に着目すればよいのか目移りしてターゲットがしぼりにくい。【婚礼ダンス】を始めた♂に着目すれば♀にたどりつける可能性は高いが、問題はどの♂が【婚礼ダンス】を始めるかだ。
2年前はじめて【婚礼ダンス】に着目したメス探しを試してみたところ、意外にあっさりと見つかったが、今回はまだ♀が少ないのか、♀がフェロモンを発する時間帯ではなかったのか(?)、なかなか【婚礼ダンス】が始まらない……。
そこで、【婚礼ダンス】が始まるのを待ちながら、どの♂に注目すべきか……次のように考えてみた。

・高い位置を飛ぶ♂はスルー/低い位置を飛ぶ♂の方に着目
・移動し続ける♂はスルー/同じエリアをくりかえし飛ぶ♂に注目
・複数の♂の軌跡が交錯するエリアに注目
・降りて静止した♂はスルー/降りて羽ばたき続ける♂に大注目

ランタムな軌跡で移動し続けるオスはメスの発するフェロモンがヒットする場所を探しているのだろう。フェロモンを感知すれば発生源をしぼりこむため付近を低く飛び、ニオイのするあたりを丹念に調べる。そしていよいよ発生源に近づくと降りてはばたき歩行をして最後の詰めに入りメスの居所をつきとめる──そんなイメージからの選択判断。降りてもそのまま静止するオスは、メスをみつけられずに翅を休めているだけと判断してスルー。


特に注目すべき♂が現れず「まだ♀が出ていないのだろうか?」と思い始めた頃、数メートル離れたところで、突然【婚礼ダンス】が始まった。あるコナラの枯葉周辺で、降りては舞い・舞っては降りしつつ、せわしなく翅を振るわせ続けるオスが、しかも2匹! これは確実だなと思い、とりあえず2匹の【婚礼ダンス】を撮る。






ほどなく1匹がコナラの枯葉の下に潜り込み──これで勝負あったと確信した。一方、タッチの差で問題の枯葉までたどり着いていたもう1匹のオスは突然メスのニオイを見失ったかのように、そこから離れて行った。メスは交尾とともにフェロモンの放出をシャットダウンしてしまうのかもしれない。


問題の落ち葉の裏をのぞいてみると──果たしてクロスジフユエダシャクのペアが成立していた。


撮影のため、枯葉をひっくりかえしてみると──、






しばらく他の場所を散策し戻ってみると、まだペア状態でいたので、追加ショットを撮り始めた。すると突然の風で枯葉がひっくり返り、2匹はつながったまま落下。拾い上げようとしたら、オスは飛び去ってしまった。
残されたメスは死んだフリ(擬死)をしていた↓。


擬死状態をいいことに、あまり撮ったことがなかった腹面ショットも撮影。


フユシャクの多くが成虫はエサを摂取せず口吻が退化しているというが、クロスジフユエダシャク♀には短いながら口吻らしきものがあった(機能しているかどうかはわからない)。


メスはすぐに擬死状態から復活したが、動き出すとこれがけっこう早い。オスとは全く違う姿をおり、知らなければこれが蛾の成虫とは思えない。




ということで、今シーズン初のフユシャク・ペアショットと♀ショットはクロスジフユエダシャクだった。

クロスジフユエダシャクはなぜ隠れて交尾するのか

フユシャクという風変わりな蛾のことを初めて知った時には驚きがあった。
外温性(変温動物)である昆虫なのに、わざわざ気温の低い冬に出現し繁殖活動をするという生態にも驚いたし、蛾なのに♀は飛ぶことをやめ翅を退化させて、♂とは全くちがう姿になってしまったということにも驚いた。
ちょっと考えると、昆虫が活動するには不向きな冬にわざわざ活動するなんて非合理的な気がする。しかし、じっさいそうして生存しているのだから、合理的な理由があるはずだ。
昆虫の活動に不利な冬には、天敵となる昆虫もまた少ないはずだ。補食圧の低い冬に出現し繁殖することで生存率を高める戦略をとってのことだろう──そう想像して納得した。低温の冬に♀が卵のつまった体で飛ぶのは大変だろうが、天敵がいなければ飛んで逃げる必要もない。だから♀の翅は不要になったのかもしれない。とりあえず身軽な♂に飛翔能力を残しておけば、♀との出会いは何とかなる。
《意外性と合理性をそなえた生態》だと感心した。

しかし、フユシャクを色々見ているうちに、色々な発見や疑問がでてきて、当初想像したほど単純ではなさそうだと考えるようになった。

そのきっかけの一つを作ったのが、クロスジフユエダシャクだった。
このフユシャクは昼行性なので、発生期には日中、飛んでいる♂はたくさん見かけるが、その割に♀の姿が少ない。フユシャクに興味を感じて撮り始めてしばらくは、クロスジフユエダシャク♀は、たまたま見つけやすい擬木や柵などの人工物のにとまっているシーンしか見ることができなかった。昼行性なので、簡単に見つかりそうなものだが……自然の状態でいる♀はナゼかなかなか見つからない……。
それが、2年前に♂の【婚礼ダンス(はばたき歩行)】を追って♀を探し当てる方法を導入したところ、ナチュラルな状態の♀が次々に見つかるようになった。そうして解ったことは、♂を追って見つけた♀は、たいてい落ち葉の下にひそんでおり、♂も♀の元へもくりこんで交尾をする──ということだ。

視覚的には見えない位置にいる♀をみつけだす【婚礼ダンス】の威力にも驚いたが(♂の翅は飛翔のためだけでなく♀のフェロモンを感知するために役立っていた*)、♀が「見えないところに隠れている」ことも意外だった。隠れているのが通常のスタイルならば、なかなかナチュラルな♀が見つからなかったのも無理はない。僕はそれまで♀は葉の上に出てフェロモンを放出するイメージを思い描いていた。

しかし、そこで疑問が浮かぶ。「天敵がいない冬」に活動しているのだとしたら、なぜ♀は隠れており、♂は落ち葉にもぐって交尾をするのだろう?
落ち葉の上に出ていた方が♂に見つけてもらいやすい(ペアになりやすい=繁殖に有利)はずだ。にもかかわらず「見えないところに隠れる」のは《天敵──鳥などから身を守るため》なのではないだろうか?
活動している天敵昆虫・天敵爬虫類が少ない冬でも、鳥などの補食圧はそれなりにあって、昼行性のクロスジフユエダシャクでは「目立ちかつ無防備な交尾」を隠れて行なう習性を獲得あるいは保持し続けているのではないか?
そもそもフユシャクの多くが夜行性だというのも、冬でも昼は鳥などの補食圧がかかるためだからかもしれない。冬に天敵が全くいなかったとしたら、気温の高い昼間に活動する種類がもっといてもいいような気がする。

《フユシャクでも昼行性のクロスジフユエダシャクは隠れて交尾し、フユシャクの多くが夜行性なのは、鳥の補食圧があるからではないか》
【婚礼ダンス】でクロスジフユエダシャクのペアを見つけられるようになったことで、そんなふうに考えるようになった。




ちょっと残念なツノゼミ

カッコイイ角!と思いきや…ちょっと残念なツノゼミ

先日、擬木の縁に小さな虫をみつけた。「トビイロツノゼミか……」と思って一応カメラでクローズアップしてみると、なんだかツノがカッコ良い!?


ツノゼミはヨコバイやセミに近い昆虫で、熱帯には奇抜なデザインのものが多い(*)。
「日本のツノゼミも、(熱帯のツノゼミのように)ツノがもっとカッコ良ければイイのになぁ」と常々思っていたので、このツノゼミにビックリ!
にわかにテンションが上がりシャッターを切ったが……撮りながらよく見ると、やはり(これまで地味と感じていた)トビイロツノゼミっぽい?
「トビイロツノゼミも、こんな風にツノを起こして際立たせることができるのか!?」とさらによく見ると……ツノがはえた基盤(前胸)の一部が壊れ、ズレてしまった個体であることが判った。




一生懸命撮った昆虫が、いわゆる完品(欠損が無い完璧な個体)でないと判りガッカリすることはよくあることだが……今回撮ったトビイロツノゼミも完品でなかったという意味ではガッカリだが……ちょっとビミョ~……。
ちなみに完品のトビイロツノゼミはこんな↓。


完品では肝心の(?)ツノがボディラインと一体化して目立たず、壊れた個体よりもトキメキが薄い……なんとも残念な感じがするトビイロツノゼミなのであった……。




半♂半♀のトビナナフシ

雌雄モザイクのニホントビナナフシふたたび



オスの特徴とメスの特徴が混在するニホントビナナフシを先日みつけた。《雌雄モザイク》と呼ばれるものだが、実は去年も同じ時期(11月)に見ている↓。


去年見た個体↑(【ニホントビナナフシの雌雄モザイク】より)は頭部がメス、それ以外は右半身がオス・左半身がメスとキレイに分かれていたが、今回みつけたのはもう少し複雑で──頭部はメス・両前脚はオス・中胸と腹と前翅は左側がオスで右側がメス・後翅革質部は逆に左がメス/右がオス──そんな特徴が見られた↓。


昆虫ではしばしば見られるという《雌雄モザイク》だが、僕は他の種類では出会ったことがない。去年、初めて《雌雄モザイク》をみつけた時は驚いたが……それが、今年もまた同じニホントビナナフシで確認できたというのは、単なる偶然にしては希有すぎる気がする。
ニホントビナナフシには《雌雄モザイク》が出やすいという事情(?)でもあるのだろうか?
例によって妄想的考察(?)が脳内で展開されたが、それを記す前に、ニホントビナナフシについて僕が知っていることをあらためて記してみる。

まず、ナナフシの仲間は本来は南方性の昆虫らしい。熱帯・亜熱帯に種類が多いそうで、単為生殖をし、オスがいない種類もあるという。両性生殖する種類でも、気温が低い地域では単為生殖にシフトしている種類もあったりする。
ニホントビナナフシも《屋久島以南では両性生殖》だが《九州以北ではおもに単為生殖》(岡田正哉・著『ナナフシのすべて』トンボ出版/1999年)と考えられているらしい。狭山丘陵で見かけるニホントビナナフシも、もっぱらメスばかりだった。


ニホントビナナフシは九州以北では主に単為生殖で卵を産み続ける。


だから僕は《東京にオスはいない》ものだとばかり思い込んでいた。しかし、2012年12月に初めてニホントビナナフシ♂を見つけて驚いた。さらに2013年には11月下旬に再びオスを見つけ、12月には交尾がしているところを確認↓。


気温が高い南方地域でのみ両性生殖していると思っていたニホントビナナフシが、単為生殖地域の東京で、しかも冬に交尾をするということにビックリしたが……それはさておき、オスとメスの2ショットを見ると、その違いは顕著。これとをふまえて、あらためて今回みつけた雌雄モザイク個体をみてみる。






《成虫♀に比べると小さく、♂よりは大きい》という点は、前回(2013年11月)見つけた雌雄モザイクと同じ。もうひとつ気がついたのが、《腹端の腹面にできた黒っぽい腫瘤のようなもの》。去年みつけた雌雄モザイクにも同じようなものがあった。雌雄混合体だと生殖器の形成不全でこのような腫瘤(?)になるのだろうか?






ニホントビナナフシの雌雄モザイクはオス化途上現象?

ニホントビナナフシの成虫は夏頃からみかけているが、オスを確認したのはいずれも晩秋になってからだった。
これには、落葉の時期に葉とともに落ちてきた個体が擬木に這い上がってくるケースが増えることで目につきやすくなる──ということもあるのだろう。夏でも目につきにくい樹上でオスは活動していたのかもしれないが……いずれにしても、僕が目にするニホントビナナフシは落葉の頃から個体数が急増する。出会う機会の少ないニホントビナナフシ♂を見つけるならこの時期がチャンス──そう思って、オスを探しながら歩いていて見つけたのが雌雄モザイクだった。

他の種類では見たことも無い雌雄モザイクに2年続けて遭遇する確率は、ちょっと考えるとかなり低そうな気がする。ならば、何か出現しやすい理由があるのではないか? ニホントビナナフシの場合、普通の(?)雌雄モザイクとは違ったシステムで出現しやすいのではないか?──などと考えてしまう。

《おもに単為生殖》の地域で《オスが出現する(こともある)》──ということは《未交尾のメスが産んだ卵からもオスが発生する(ことがある)》ということではないのか。すなわち、(どの時点で起こるのか判らないが)《メスからオスへの転換》が起こる(ことがある)のではないか?
ニホントビナナフシの《雌雄モザイク》は、その転換がスムーズに行なわれなかったケース──《オスになりそこねた個体》なのではないだろうか?

ワニやカメは孵化する時の温度によって、誕生する個体の性別が決まるというし、魚の中には成長してから性転換する種類も存在する。
昆虫と脊椎動物ではだいぶ違う気もするが……単為生殖を基本とするニホントビナナフシが、何らかの原因で《♀ベースから♂へ》とシフトすることはあっても良さそうな気がする。
そんなオスを探しているときに、またしても雌雄モザイク個体にであったので、《オスになりそこねた個体が雌雄モザイクになる》のではないか……などという想像が脳内に展開したわけである。
何らかの理由で《オス化》のスイッチが入ったとき、「緑色だったカエデの葉が一転して紅葉する」ように《♀ベース》から《♂》へシフトする……みたいなイメージ?
《♂化》スイッチが入れば、本来ならば全組織でオスへの分化が進むはずだが、スイッチの司令を何かの加減で受け取り損ねた組織があれば、その系列配下ではそのまま《♀ベース》のままで分化が継続される……そしてオスの組織とメスの組織が混在する個体が生まれるのではないか?

科学的な根拠があっての仮説ではない。知識が乏しい者の漠然とした脳内シミュレーション。素人の妄想レベルのハナシだ。

夏には緑色だったカエデの同じ葉が、秋には一転し紅く映える……その途上で緑と紅が混在する時期がある。今回《雌雄モザイク》を見つけた帰り、ちょうど「緑と紅が混在する」カエデが目にとまった。そしてこれが「雌雄が混在する」ニホントビナナフシの《雌雄モザイク》のイメージと、ちょっと重なった。




冬尺蛾とオオムラサキ若齢幼虫!?

フユシャクとオオムラサキ2齢幼虫!?

今年もフユシャクがぼちぼち見られる時期になった。今季初撮影のフユシャク成虫はクロスジフユエダシャク♂だった↓。


このクロスジフユエダシャク♂を撮った同じ日に擬木で見かけたのは……↓


オオムラサキ(もしくはゴマダラチョウ?)の幼虫!?……しかし、やけに小さい。オオムラサキは今の時期は4齢で越冬モードだと思っていたが……この幼虫はまだ2齢くらいに見える。




周囲では黄葉・落葉も進み、食植物のエノキも葉が黄色くなってきている。まもなくエサが無くなりそうだか、このチビ幼虫はどうなるのであろうか?
とりあえず、緑が残っているエノキを探して移してみた。




エノキの葉に移すとすぐに縁へ移動し、かじりはじめた。越冬モードではなく、まだ発育モードのようだ。なんで今頃、こんな若い幼虫がいるのだろう? 母蝶が晩婚で産卵の時期が遅かったとか、何かの原因で孵化する時期が遅れたのだろうか?

虫を見ていると、フユシャクの出現のように「季節を感じる」ことも多いが、「なんで今時分!?」と季節感が混乱するシーンに出会うことも少なくない。

季節外れ……というほどでもないが、ついでにこの日見たキボシカミキリ↓


キボシカミキリは意外に遅くまで見ることがあるカミキリで、前シーズンの最後に見たのは、なんと今年の1月17日だった。
1月にキボシカミキリ

フユシャクの婚礼ダンス ※クロスジフユエダシャク
ゆるキャラっぽいオオムラサキ幼虫 ※越冬明けのオオムラサキ幼虫

幻のコオロギ!?

幻のコオロギ!? 謎多きウスグモスズ



バッタ・キリギリス・コオロギのたぐいは、よく判らない。擬木の上にいたこの極小コオロギに気づいたときも「このテの虫は、わからんなぁ……」とスルーしかけたのだが……ふと「もしや、コレが《幻のコオロギ》なのではないか?」と少し前に読んだ記事(※)を思い出した。


1970年に東京都渋谷区で発見された新種のコオロギで、《日本でしか確認されていない外来生物》という謎めいた昆虫がいるという。1980年代に入って関東各地で報告されるようになったそうだが、再発見されるまでしばらくブランクがあったため《幻のコオロギ》といわれていたこともあったそうな。

それで冒頭画像の昆虫をみたときに、「これがその《幻のコオロギ》──ウスグモスズだったりして?」と思ったわけである。ただウスグモスズがどんな姿をしていたかは覚えていない……どうせハズレだろうと思いつつ、とりあえず確認用に1枚だけ撮ってその場を離れたのだが……帰宅後確認したら、どうやらアタリっぽい!?
問題の記事によれば、今では大阪・京都・滋賀でも見つかっているというし、検索してみると希少な昆虫ではないみたいだが……もう少しちゃんと撮っておけばよかった……。

ルックス的には(個人的には)特に魅力は感じなかったので1枚しか撮らなかったのだが……《日本で新発見され、日本でしか確認されていない外来生物》という謎めいたところが面白い。
また、ウスグモスズはコオロギの仲間だそうだが、オスもメスも鳴かないという。コオロギの仲間はみな(オスが)鳴くものだというイメージがあった僕には、これも意外だった。
確かに撮った個体を見ると産卵管が見えないからオスだと想像がつくが……翅を見ると(鳴かない)メスっぽい? コオロギのオスといえば、翅には発音器や共鳴室といった鳴くためのギミックが装備されている印象があったのだが……画像の個体の翅には、それらしいものが無い──オスなのに(鳴かない)メスの翅っぽくて、ちょっとフシギな感じがする。

コオロギ♂が鳴くのは♀と出会うため、あるいは♂同士の駆け引き(縄張り主張・争い)など、いずれにしても子孫を残す生存戦略的意味・効果があるためだろう──そう考えてきたが……鳴かずにちゃんと繁殖できるのなら、他の(鳴く)コオロギたちの努力は何だったんだ?──と思わないでも無い。

ウスグモスズが「鳴くことをやめてしまった」ということは、例えば密度の高い生活環境で暮らすようになり、鳴かずとも♂と♀が容易に出会えるようになった……というようなことでもあったのだろうか? その結果、「鳴く」という労力が(あるいは「鳴く」ことで敵に気づかれやすくなるリスクが)、コストパフォーマンス的に(?)採算が合わなくなって「廃止」されてしまった……ということなのだろうか?

他のコオロギは(♂が)鳴くのに、ウスグモスズは鳴かない……というのも、なんだか謎めいている。

謎めいているといえば……「ウスグモスズ」という和名。一般民間人的には名前からどんな虫かを想像するのは難しい。ウスグモスズによく似た在来種に「クサヒバリ」というのがいるようだが(クサヒバリは♂が鳴く)、これはイメージが湧く。生垣や低木できれいな声で鳴くことから「草のヒバリ」という意味合いが込められた和名だろう。
見た目は似ているのに「クサヒバリ」と「ウスグモスズ」ではずいぶんイメージが違う……。
ウスグモスズは素性も名前もよくわからない昆虫だ……。

【追記】ウスグモスズのメス

その後、擬木でウスグモスズのメスを見つけたので、画像を追加。


翅の感じは先日見たオスとあまり変わらないが、産卵管があったのでメスだと判った。


触角が思いのほか長くて画面に収まりきれていなかった……。鳴き声をたよりに仲間を探すことをやめたコオロギにとって、長い触角は大事な感覚器官なのかもしれない。


撮影していると、ニホントビナナフシがフレームインしてきて、小さなウスグモスズ♀はあわてて擬木の接続部の隙間へ……このあと潜り込んで姿を隠した。


【さらに追記】比較で…コオロギ科のアオマツムシ

オスもメスも鳴かないウスグモスズとの比較ということで、コオロギ科でオスが鳴くアオマツムシのオスとメスの翅の違いがわかる画像を追加↓


オスもメスも同じような翅をしているウスグモスズとはずいぶん違う。ウスグモスズ♂の翅は(アオマツムシ♂と違って)鳴くための器官ではないということなのだろう。
ちなみに、このアオマツムシもすっかり帰化した外来種。

コメントの返信機能

■コメント欄に【返信機能】が追加されていた

Yahoo!ブログを閲覧していて、コメント欄に【コメントに返信する】という表示がついているのに気がついた。

■Yahoo!ブログからのお知らせ>コメントに返信機能が付きました
http://blogs.yahoo.co.jp/y_j_blog/34108737.html

今日から追加された機能のようだ。「《きょう》からなのに《きのう》とは、これいかに!?」というダジャレはさておき、「Yahoo!ブログでもあれば良いのに」と思っていた機能だけに、ちょっと嬉しい。

コメント主に返信できる同様の機能はmixiの方では既にあって、これに馴れていたので、この機能がなかったYahoo!ブログに不便を感じていた。

これまでYahoo!ブログでは、複数のコメントをいただいた場合は、誰に対する返信コメントかわかるように表示名を一々タイプしていた。しかし濁音や半濁音を間違えやすかったり、コメント主がその後表示名を変えると、返信コメントにタイプした名前と一致しなくなって、どのコメントに対する返信コメントかわからなくなってしまうという欠点があった。

表示名の変更による(返信コメントにタイプした名との)「不一致」が発生することがあったため、これまではコメントが単独の場合はあえてコメント主のハンドルネームをタイプせずに直下に返信コメントを記してきた。複数のコメントがあるときには、やむなくコメント主の表示名をタイプしていたが、混乱をさけるために、まめに(コメントが単独のうちに)返信コメントを投稿するようにしてきた。

それでも「欠点」を完全にカバーすることはできず、気になっていたので、今回の返信機能はうれしい。
コメント主の表示名と返信コメントの表示名がリンクして表示されるのであれば、これまでのような「不一致」は起こらなくなるはずだ。
単に表示名をタイプする手間が省けるだけでなく、ずっとわずらわしく感じていた問題から解放されるのがありがたい。

コメントに関して更に希望を言うなら、「全角500字」という字数制限が少なすぎる気がしている。これではマトモな意見交換はできない。というこで、Yahoo!ブログのコメント欄は意見交換の場ではない──と今は割り切って考えている。

※【追記】コメント主の名前アイコンがそのままリンクされた形で返信機能に反影されるのだろうと早合点してしまったが、「コメント欄に記されるコメント主の表示」(リンクあり)と「返信機能で自動的に記される表示」(リンクなし)は必ずしも同じではないようだ(名前アイコンは返信機能では表示されない)。返信機能で自動表示される表示名がリンクしていないとなると、コメント主がコメント後に名前を変更したら「不一致」が発生するのではないか? この点の不備はまだ解消されていないようだ……。


●Yahoo!ブログの考え方

http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/31460445.html

◎Yahoo!ブログの可能性
http://blogs.yahoo.co.jp/ho4ta214/22818875.html

ヒゲづらの王様!?人面蜘蛛

先日、旅行に関するつぶやきの中で出てきた「ビジホ一泊」という記述を「ビンボー泊」と誤読してしまった。「貧乏泊」と読んでしまったのは「ビジネスホテル一泊」の略……字面が似ていたので、つい読み違えてしまった。
歌詞のフレーズが別の言葉に聞こえる(タモリ倶楽部の)「空耳アワー」なんてのがあるが……聴覚で起こる「空耳」に対して視覚の現象だから「空目」といってもいいだろう。
「ダライラマ14世、来日」という見出しを「アライグマ14匹、来日」と空目したアッパレな人もいる。

空目は文字列に限ったことではない。というより、文字でない「空目」の方が多い。それはこれまで色々ブログのネタにしてきた。
音(聴覚)では「聞き做し(ききなし)」という言葉があるが、画像(視覚)の場合はいわば「見做し」!?──これも「空目」と(僕は)呼んでいる。視覚版のダジャレともいえる空目ネタということで……。

冠をかぶったヒゲづらの王様!?ビジョオニグモ



冠をかぶったヒゲづらの王様に空目しがちなビジョオニグモ──「人面蜘蛛」と呼びたくなるクモだ。これまで何度かブログネタにしてきたが、見つけるとやはり撮ってしまう。このクモは徘徊性ではなく、ちゃんと巣(網)を張るそうだが、ふだんは網の近くに隠れているらしく、僕は擬木の上に出ているところしか見たことがない。


過去にも何度かネタにしているが、初めてこのクモを見た時は「信者に念(?)を送信すべくヘッドギアをつけた某教祖」に見え、「へえ!?」と驚いた。空目を刺激した、ファーストコンタクト個体↓。


顔に見える腹の模様は個体ごとに違うので、「人相」もバリエーションが豊富だ。また、腹のあわい緑色が美しいので、見かけるとカメラを向けるのだが……あわい緑色はなかなかキレイに撮れないことが多かった……。


先月(2014年10月)みつけたビジョオニグモ↑では、やはり淡い緑色が飛びぎみだったが、今回みつけた個体は緑色が比較的きれいに再現できた↓。


このショット↑を撮影しているとき、ビジョオニグモの前方から小さな虫が近づいてきた。するとビジョオニグモはサッと前脚を振り上げて虫を跳ね飛ばした。


この姿勢は戦闘もしくは威嚇の臨戦態勢なのだろうか。ビジョオニグモの前脚を振り上げる動きはシャッチー(シャチホコガ幼虫)が威嚇で胸脚を広げるようすに似ていると感じた。この「クモっぽい動き」に威嚇効果があるのかもしれない。
あらためて「空目」視点でながめると、「冠をかぶったヒゲづらの王様」に見えるこの個体──脚をたたんでしまうと、しゃがみ込んで膝をかかえた貧相な姿に見えなくもない……。


あるいは、こんな姿に見えたり……。


「ちゃぶ台返し」は『自虐の詩』(業田良家)のフォロースールーが入ったバンザイ型のイメージで(笑)。
ところで、今回みつけた個体は左前脚(第一脚)が他の脚に比べて細く短かった。どうやら再生脚らしい。腹部の人面もようは「オッサン顔」だが、体の大きさや頭胸部と腹部のバランス・触肢の形などからするとメスのようだ。




先月撮っていた↓ビジョオニグモのオス。




ビジョオニグモ♂↑に対して♀↓。人面に見える腹部が大きくデカ頭に見える。


空目も時には役に立つ!?

話は変わって……カメラのクリーニング用品にブロアーというのがある。エアーを吹き付けホコリを落とす用具。かなり昔……一眼レフカメラを購入した時に一緒に買ったような記憶がかすかにあるものの、いつから使っていたのかはサダカでないのがウチにもあったのだが……ゴムの部分が劣化してボロボロになっていた。


最近はCDやDVDについたホコリをとばすことに使う方が多くなっていたカメラブロアーだが、新しいのを買わねば……と思いつつ、カメラ用品は高いので躊躇していた。
そんなとき入った100円ショップで、こんなものが目に止まった↓。


「ミニアートバルーン」という風船玩具。付属の「ポンプ」が空目で「ブロアー」に見えたのである。これは代用品として使えるのではあるまいか──と購入。


レンズについたホコリを飛ばすくらいなら、これで代用できそうだ。ブロアーに比べれば耐久性など劣るだろうだが、とりあえず100円(+税)だからお得感の方が大きい。
ふだん何の足しにもならないと思っていた「空目」だが、ときには役にたつこともある!?……ということで。