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2014年08月の記事 (1/1)

狭山丘陵の龍

狭山丘陵に龍の巣窟が!?



虫見で近くを通るたびに、「なんで、こんなところに龍が?」とフシギに思っていたのが、金乗院(こんじょういん)のオブジェ(?)。金乗院は山口観音(山口千手観音)とも称される寺院で、多摩湖と狭山湖の間に狭山山不動寺(狭山不動尊)と隣接する形で位置している。




僕は寺院方面の知識は皆無なので、そこにあるものが何なのか、呼称も目的も用途も由来もさっぱりわからない。作法もわからないから失礼があってはいけないと思い、そうした施設には近づかないようにしてきた。それゆえ無知は相変わらずで、今でも力一杯わからないままだったりする。
それでも日光東照宮に「鳴竜」なるものがあるということは子どものころ読んだ科学の本で知っていたから……寺院と龍(竜)にはきっと何らかの関係があるのだろう……くらいは漠然と想像できる。しかしその由来について確かめることはしてこなかった。


これまでずーっとスルーし続けてきたわけだが、通りかかって目に入れば、やっぱり「なんで、こんなところに龍が?」と気になる。
「もしかしたら、この場所(狭山丘陵)に龍にまつわる、おもしろいハナシでもあるのだろうか?」──最近ふとそんな思いが頭をよぎった。
寺院方面のことはよくわからないが、「龍」にまつわる話なら興味がないでもない。
ということで、龍の由来について、どこかに記されているのではないかと、先日はじめて金乗院をのぞいてみた。
結論から言うと、龍と金乗院の関わりを記した資料はみつからなかった。しかし、敷地内のあちこちに予想以上の数の龍があってビックリ。帰宅後、ネットで調べてみると、金乗院の本堂天井には墨絵の「鳴竜」まで描かれているという。
























今回アップしたのは金乗院の龍の一部だが……これだけ龍にこだわったのには、きっとそれなりの由来が存在するからに違いない。それはいったい何なのか!?

《狭山丘陵の龍》と《なんちゃってドラゴン》

「狭山丘陵」と「龍」……この2つのキーワードを結びつけるものは?
ここで頭に浮かんだのは……狭山丘陵で実際に僕も幾度か目にしている《なんちゃってドラゴン》。


狭山丘陵にじっさいに生息しているこんな↑生きもの──プチ龍(ドラゴン)!?に由来する逸話でもあるのではあるまいか!?
じつはこの《なんちゃってドラゴン》──ウコンカギバという蛾の幼虫(※実写画像)なのだが、龍は「毛虫のように小さくもなれる」と記された資料(漢代初期の『管子』)もあるそうだから、昔の人が《なんちゃってドラゴン》をみて龍と思ったとしても、おかしくはあるまい。これが元となる伝説のようなものが生まれ、龍がまつられるようになったのだとしたら──小さな蛾の幼虫がきっかけで、これだけ巨大な施設ができたとしたらアッパレな話だ。

……というのは、もちろん妄想的冗談。
ネットで金乗院のことを調べていると、《弘法大師が龍神に祈念し、霊泉を得たという伝えもある》という情報がみつかった。
「弘法大師」……聞いたことはあるような気がするが……僕は歴史上の人物とフィクションの人物の区別がよくわからない。実際に会った人の名前もなかなか覚えられないのに、会ったこともないヒトのことまでとても覚えられやしない。
「弘法」っていうと、あれか? ことわざにもある「弘法も……なんとやら」の弘法か? 達人でもときには失敗するというたとえの……そうそう、「弘法も木から落ちる」。弘法のような木登りの達人でも、ときには失敗するという……ちょっと違うか?
その(?)弘法大師が霊泉を得たさいに祈念した【龍神】というのが、金乗院の龍のモチーフなのであろうか?
そういえば、金乗院には「弘法大師像」なるものがあり、そのとなりの解説札にも霊験あらたかな水についての記述があった。また「霊水」について説明書きもあった。




金乗院の中には「八体守護仏(十二支の方向には八体の仏がいるとされているそうな)」というのがあって、十二支の「辰」がモチーフと思われる龍もあった。先の「龍 vs 虎」画像の上にあるレリーフの「辰」もそれだろう。




十二支の「辰」もあったが、金乗院の龍は《弘法大師の「霊水」がらみの【龍神】》由来のものではないか……超ド素人なりにそう解釈してみたのだが……この理解が正しいのかどうかサダカではない……。
金乗院にはたくさんの施設があり、それぞれに説明もあったのだが、その方面の基礎知識が無い僕には記された内容の意味や価値がよくわからず、「敷居の高さ」のようなものを再確認した感じがしないでもなかった。
教養のある人にはありがたい場所なのだろうが……僕のような無教養な者には、あれだ…「猫の耳に真珠」なのであろう……。

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ゴールドX:セモンジンガサハムシ

トレードマークは《金のX》:セモンジンガサハムシGX

昆虫に勝手にニックネームをつけることはよくある。ヒメハサミツノカメムシのことは【レッドV】なんて呼んでいるが、これに対し【ゴールドX】あるいは【ゴールデンX】と呼んでいる昆虫もいる。背中に輝く黄金の「X」がトレードマークの【セモンジンガサハムシ】だ。












ゴールド部分の一部がちょっと赤っぽく写っているが、これはカメラ(OLYMPUS STYLUS TG-2 Tough)の赤いボディーを反射したもの。

セモンジンガサハムシやこれより大きいジンガサハムシをはじめて見た時、金の輝きの美しさもさることながら、スケルトンで丸みのあるアウトラインをもつデザインも面白いと感じた。
葉に張りつくようすは、岩に張りつくアワビを思わせる。体のへりをぐるりとおおう透明シールドにかくれ、すきまなく葉に密着することでアリなど敵の攻撃をシャットアウトする──そんなデザインなのだろう。盾の役割りをするシールドが透明なのは、その内側にかくれたまま(敵影が去ったか)外の様子をうかがうことができるようにではないか──という気がする。








セモンジンガサハムシはよくサクラの葉でみつかる(食植物はサクラ、リンゴ、ナシなどの葉だそうだ)。成虫が何匹かいたサクラをさがすと、葉の上に蛹の姿もあった。


この蛹↑を見て……なぜかウチワエビを連想してしまった……。
すっぴんの(?)セモンジンガサハムシ蛹はレースのような縁取りのデザインがなんともオシャレでユニーク。このレース部分が成虫になってときの透明シールドになるのだろうか?
この蛹は「頭部&前胸をカバーすると思われる部分」に穴が開いていた。蛹化するさいにうまく殻と分離できずに剥離してしまったのだろうか? それとも外敵に攻撃された痕跡なのだろうか?
近くにあった別の蛹は、抜け殻&糞とおぼしきものを背負っていた↓。


抜け殻&糞でデコレーションすることで、体を隠しゴミの塊に見せる隠蔽効果が生まれるのだろうか。
このトゲトゲの見て、ふと何かに似ていると感じた。イラガ幼虫の棘状突起に似ている気がしないでもない。もしかすると、危険昆虫イラガに擬態している(それで天敵を回避させる?)なんて可能性もあるのかもしれない?


セモンジンガサハムシとイチモンジカメノコハムシ

セモンジンガサハムシは、しばしばイチモンジカメノコハムシと間違えられるようだ。標本写真を使った図鑑でみると、たしかに両種はよく似ている。


しかし実際に(生体を)見ると、印象はずいぶんと違う。まずは大きさ──セモンジンガサハムシが5.5~6.5mmなのに対しイチモンジカメノコハムシは7.5~8.5mmと大きめ。そして何より違うのがパッと見のきらびやかさだ。標本写真だと体色があせてしまうのか、同じように見えてしまうが……地味な印象のイチモンジカメノコハムシに対しセモンジンガサハムシは金属光沢があって華やか。ジンガサハムシに比べれば小さく金属光沢部分の占める割合も少ないが、それでもキラキラかがやいて美しく見える。


小さいながらよく見ると美しい──頑張れ! セモンジンガサハムシGX!

追加:セモンジンガサハムシの顔

顔のショットがなかったので、その後撮った画像を追加↓。














白い後翅を持つハエ!?

4枚翅のハエ!?ハエヤドリガ?

ハエはスルーしがちなのだが、コレ↓には「アレ!?」と思った。


《後翅が白いハエ》に見えたのだ。「えっ!? どういうコト?」
ハエの仲間──双翅目(ハエ目)の昆虫は翅が2枚(1対)のはず(後翅は平均棍という器官に変化している)……なのにこのハエは、透明な前翅2枚の下にさらに「後翅」が2枚ある!?
これはおかしい……白く見えるのは後翅ではないのか!?
ならば、いったいなんだ!?──と脳内イメージ検索してヒットしたのが、《セミヤドリガ(に寄生されたセミ)》や《ハゴロモヤドリガ(に寄生されたハゴロモ)》。パッと見、その蠅バージョンに見えなくもない。
ちなみにハゴロモヤドリガに寄生されたベッコウハゴロモ↓




翅の下の白い塊がハゴロモヤドリガ(蛾)の幼虫。これのハエ・バージョンかと思ってしまったのだが……はたして《ハエヤドリガ!?》──そんなのものが、ある(いる)のだろうか?
問題のハエの画像を拡大してみると、「白いもの」はヤドリガのような寄生虫には見えない……やっぱり白い膜──後翅なのだろうか?……はたしてコレはどういうことなのか?


翅が4枚あるということは……この虫はハエやアブではないのか? ハエにそっくりなハチや蛾!?……しかし、ハエに擬態して何かいいことがあるものか? こんなにハエそっくりに似せる意味が想像できない……。

はたしてこの昆虫は、いったい何者!?

帰宅後「ハエ 白い翅」で画像検索したら、すぐにそれらしいものがヒットした。どうやらCompsoptesisとやらに属すヤドリバエの仲間らしい。和名はまだつけられていないみたいだ。
問題の白い後翅に見えた器官は翅の後縁の基部が発達した「胸弁」というものらしい。
それでは、いったい「胸弁」は何のための器官なのか?
ヤドリバエの仲間だということは、その寄生プロセスと何か関係があるのだろうか? あるいは、剛毛が目立つので、飛翔時に前翅がそのトゲ針のような毛と接触して傷つくのを防ぐためのカバーのような役割りでもあるのだろうか?
そんなことを想像しつつさらに調べてみると、「胸弁(calypter)」の役割りについて触れているサイトがみつかった。
研究内容】によると《(飛翔中のジャイロとして機能する)平均棍に生じる飛翔時の空気抵抗を遮る役割を担っていると考えられ》るそうだ。
ということは「胸弁」を切除してしまうと飛翔能力が低下することが確かめられているのだろうか?……などと思ったりもしながら、とりあえず「胸弁」が2対目の翅(後翅)でないことがわかって、納得した。

昆虫を見ていると「えっ!?」とか「へえ!」とか「ほう……」とか驚くことがよくあるが、今回の「なんちゃって4枚翅のハエ」には地味~にビックリした。

ところで、この記事を書くにあたって「ハゴロモヤドリガに寄生されたハゴロモ」の画像を参考に加えておこうと考え、それならすぐに見つかるだろうと近所を探しに出て(ついでに)偶然みつけたのが前回のテングスケバだった。



トロピカルな天狗

トロピカルなエメラルドグリーン・ストライプの天狗





【テングスケバ】──鼻が長い天狗&透けた翅からの名前だろう。この昆虫を初めて見た。みつけたのは意外にも自宅近くの若いクワ。第一印象は「ぷちテングビワハゴロモ」──海外のブログでしばしばみかけるユニークな姿のテングビワハゴロモ──これを小さくしたような姿っぽく見えた。それに青緑の細い縦縞柄が熱帯魚(ブルーストライプド・バタフライフィッシュみたいな?)を連想させ、なんとなくトロピカルな雰囲気を感じさせる昆虫だなと感じた。








撮った画像を確認すると、複眼の中の瞳孔を思わせる黒い点がいつもカメラ目線で見つめ返している。これは偽瞳孔(ぎどうこう/擬瞳孔)と呼ばれるもの。
横から見ると、ちょっとショウリョウバッタ顔にも見えるが、カメムシやセミの仲間なので、口はストロー状で植物の汁を吸う構造になっている。
クワの葉の表や裏、茎(枝)にとまっていたが、不用意に近づくとピン!とはじかれたようにジャンプして飛び去る。風で揺れないように枝や葉をつかんで撮影しているとその指にもハッキリ伝わるほどの強い振動で跳ねる。
同じ枝先に3匹ほどとまっていたので1匹撮りのがしても、もう2回チャンスがあるだろうと甘く考え、雑な近づき方をしたところ……1匹目が跳ねて逃げると、その振動が伝わったのか、他の2匹もほぼ同時にジャンプして飛び去ってしまうという失敗もあった。危険がせまったときに跳ねるのは自身の防衛のためだけでなく、近くにいる仲間への(振動による)警戒信号でもあるのかもしれない。






【テングスケバ】がいた同じ若木には【ミドリグンバイウンカ】もみられた。同じヨコバイ亜目の昆虫だが、こちらはもっと小さい。やはり似たようにエメラルドグリーンのストライプ柄がトロピカル!?






【テングスケバ】と【ミドリグンバイウンカ】が同じ木にいたので、大きくて立派なテングスケバがミドリグンバイウンカのボスキャラ、あるいは同じ種類の♂っぽい感じにも見えてしまった。


追加画像:やっぱり撮ってしまうテングスケバ

自宅近くに発生ポイントがあると、通りかかるとついのぞいてしまう。いるとやはり撮ってしまう……同じ場所で同じカメラで同じように撮るので、画像も代わり映えしないのだが……とりあえず、その後に撮った画像の中から……。












黄金色のコガネムシ

黄金色(こがねいろ)のコガネムシ



黄金色に輝くコガネムシがいた。サクラコガネというのに似ている気もするが……正確なところはよくわからない。ゴールドの輝きが美しく豪華なフンイキをかもしだしていたので撮ってみた。
この金ピカのコガネムシをみて頭に浮かんだのが、童謡『黄金虫(こがねむし)』。子どもの頃にこの歌で思い描いていた【こがねむし】は、まさにこんな感じの《黄金色のコガネムシ》だった。




「コガネムシ」と聞けばこの童謡を思い浮かべる人は多いだろう。実物を見たことがなく、この童謡で「コガネムシ」を知ったという人だって多いはずだ。
僕がこの童謡に出会ったのがいつのことだったか、もう覚えていないが……当初は「こがねむし」の「虫」はわかるが「こがね」が判らなかった。
なので「大金持ち」の「大金」に対しての「小金」というイメージでとらえ、「こがねむしは金持ち」だというのは「大金持ち」ではなく「小金持ち」なのかな?──と想像していたような気がする。
おそらく作詞の野口雨情も「(黄)金虫」と「金持ち」をかけて意図的に韻を踏んでいたのだろうから、よくわからない子どもが「こがねむし」と聞いて「小金持ち」と連想・解釈したのは無理からぬことではなかったかと思う。

「こがねむし」の「こがね」が「黄金」であり「ゴールド」のことだと知ってから金色のコガネムシを想像し、そのイメージが定着したような気もするが……画像のような《金ピカのコガネムシ》なら「金持ちだ」と歌になるのも納得できる。

童謡『黄金虫』で歌われた昆虫とは!?

ところが……《金ピカのコガネムシ》のイメージを打ち砕く噂が世の中に出回っていた。《童謡『黄金虫(こがねむし)』に登場する「コガネムシ」とは「ゴキブリ(チャバネゴキブリ)」のことである》──という《ゴキブリ説》である。
僕がこの説を知ったのは大人になってからだったが、大いに驚いた。これが本当なら、童謡のイメージダウンははなはだしい。「まさか……」と思い調べてみると、けっこう浸透しているウンチクらしいことが判った。
《ゴキブリ説》を知った時は、驚きとともに、なんだかガッカリしたのを覚えている。幼い頃から童謡で思い描いていた「黄金虫」のイメージと「(チャバネ)ゴキブリ」ではギャップが大きすぎる。
《ゴキブリ説》にイメージを裏切られたかのような気持ちを味わった人は少なくないのではないだろうか?

ガッカリ感をもたらした《ゴキブリ説》だが……その根拠となったのが、1979年に石原 保氏が『虫・鳥・花と』(築地書館)で発表した【コガネムシは金持ちではない話】という記事だったらしい。その論脈は《【群馬県高崎地方】では「チャバネゴキブリ」を「コガネムシ」とよび、この虫がふえると財産家になるといわれていた》という伝承を根拠に、だから《【同じ北関東】に生まれ育った野口雨情が「金持ちだ」と書いた「コガネムシ」は「チャバネゴキブリ」のことである》と結論づけたものだった。

誰もが知り馴染みのある童謡で歌われていた「黄金虫」が、実は「ゴキブリ」だった!?──そのインパクトは大きい。キャッチの良い《衝撃的情報》であったために、後付けの理屈をくわえられながら広く伝播していったのだろう。



これ↑は《ゴキブリ説》を紹介した本の一部(僕の手元にあったもの)。これまで《ゴキブリ説》は、ネット上はもちろん、新聞・雑誌・書籍など色々なメディアで紹介され、それが「真相」であるかのように報じられてきた。
しかし、どうなのだろう……作詞した野口雨情が「あれは(チャバネ)ゴキブリをモチーフにした」と語ったり記した記録が残っているというのならともかく……作詞家本人に確かめることもなく書かれた記事を根拠に《ゴキブリ説》を全面的に信じてしまって良いものだろうか?

ウンチクネタの1つとして定着した感のある《ゴキブリ説》だが、その大元となった【コガネムシは金持ちではない話】の不備を指摘する反証記事が『月刊むし』2010年6月号(472号)に掲載されていた。枝 重夫氏が記した【童謡"黄金蟲"はタマムシだ!?】という記事で、要約すると──、
【コガネムシは金持ちではない話】(ゴキブリ説)では《【群馬県高崎地方】では「チャバネゴキブリ」を「コガネムシ」とよぶ》ことを根拠にしているが、野口雨情が生まれ育ったのは【群馬県高崎地方】ではない。雨情の故郷は【茨城県磯原町(現在の北茨城市)】であって、この周辺では(チャバネゴキブリではなく)「タマムシ(ヤマトタマムシ)」のことを「コガネムシ」と呼び、昔は貴重品のように扱われていた。財布の中に入れておくとお金が貯まるとか、箪笥の中に入れておくと虫がつかないなどとも言われていた。そうした記述のある資料は見つかるものの、雨情の故郷では「ゴキブリ」を「コガネムシ」と呼ぶ資料は見つからなかったという。こうしたことを調べ、枝 重夫氏は童謡『黄金虫』で歌われていたのは「ゴキブリ」ではなく「タマムシ」ではないかと指摘をしている。

雨情の故郷で「コガネムシ」が何をさすのか(チャバネゴキブリをさすのか)を確かめずに【群馬県高崎地方】と【茨城県磯原町】を【北関東】と同一地域にくくって《だから雨情の「コガネムシ」も「チャバネゴキブリ」のことだ》と決めつけていたのだとしたら、乱暴な話だ。

僕の手元にも、元祖《ゴキブリ説》を踏襲したと思われるものがある。2009年に発行された『害虫の誕生──虫からみた日本史』(瀬戸口明久/ちくま新書)もその1つ。この本には次のような記述がある。

かつてゴキブリは豊かさの象徴だったという説さえある。群馬県高崎地方では、チャバネゴキブリのことを「コガネムシ」と呼んでいたという。「コガネムシは金持ちだ」という野口雨情の童謡で歌われているのは、この虫のことなのだ。(P.8)

この本でも《「チャバネゴキブリ」を「コガネムシ」と呼ぶのは【群馬県高崎地方】》としている。その後あっさり《野口雨情の童謡で歌われているのは、この虫(チャバネゴキブリ)のことなのだ》と続けているが……雨情の故郷は【群馬県高崎地方】ではないのだから、この説明には不備がある。
もし、野口雨情の生まれ育った地域でも《「チャバネゴキブリ」のことを「コガネムシ」と呼ぶ習慣があった》のだとすれば、【群馬県高崎地方】の例を出すまでもなく、《野口雨情の故郷【茨城県磯原町】では──》と説明すれば済むことであり、その方が自然で説得力がある。なのにそう記せなかったのは《野口雨情の故郷(茨城県磯原町)では「チャバネゴキブリ」のことを「コガネムシ」と呼ぶ習慣がある(あった)》という事実が確認できなかったためだろう。

こうしたことを考えると、どうも《ゴキブリ説》は根拠を失い、成立し得ないのではないかと思われてならない。
冷静に考えて……童謡の雰囲気からして、雨情が「チャバネゴキブリ」をイメージしてあの作品を描いたとはちょっと信じがたい。

一方、枝 重夫氏が【童謡"黄金蟲"はタマムシだ!?】の中で記していた《「コガネムシ」→「タマムシ(ヤマトタマムシ)」説》──これなら、大いにあり得そうな気がする。
宝石のように輝くタマムシは海外では宝石商が扱っていたりするそうだし、国内でもタマムシの翅が国宝・玉虫厨子の装飾に使われたことは有名だ。タマムシであったなら──歌の「金持ち」のイメージを損なわない。

『黄金虫』はタマムシだった!?

ということで、新たに浮上した「真相」の昆虫!? ヤマトタマムシはこれ↓


金属光沢のある体は、いわゆる「玉虫色」に色合いが変化し、とても美しい。先日、道に仰向けに落ちていた個体↓









《ゴキブリ説》には違和感を覚えるが、童謡『黄金虫』に描かれていたのが、タマムシだったなら納得できる。むしろタマムシこそ歌のイメージにふさわしい。そんなふうに感じるのは僕だけではないだろう。
《ゴキブリ説》を知った時にはガッカリした僕だが、今は希望を持って(?)《タマムシ説》を支持している。

そして……童謡『黄金虫』の知られざる「真相」(!?)としてこんな可能性も想像している。
雨情は《タマムシの翅で装飾された玉虫厨子》をモチーフに、これを《黄金虫(タマムシ)の金蔵》に見立てるという着想を得て、この詞を書いたのではないか?
もちろん、これは僕の憶測に過ぎないのだが……。

野口雨情(1882年-1945年)がこの騒動(?)を見ていたなら、なんと言うだろう……金ピカのコガネムシを見て、あらためてそんなことを思うのであった。





シャチホコガ幼虫の威嚇ギミック!?



怪獣ならぬ怪虫シャッチー/シャチホコガの妖虫ならぬ幼虫

今年(2014年)5月にはガチャガチャ(カプセル玩具自販機)のフィギュアにもなって()、多くの人の知るところとなった……かもしれないシャチホコガ幼虫──僕は【シャッチー】と呼んでいるが、今年も出会うことができた(これに似たバイバラシロシャチホコ幼虫は6月に見ている)。




見つけたのは擬木の上──こんな姿勢で垂れ下がっていた。体を支える力もないほど衰弱している……というわけではなく、懸垂型の姿勢がふだんのポーズなのだろう。こんな姿勢で枝にとまっていると、ちぢれた枯葉がひっかかっているように見え、景色に溶け込んでしまう。いってみれば《擬態モード》のポーズ。
試しに触れてみるとすぐに長い胸脚を広げて《威嚇モード》に転じた。


イモムシにしては異様に長い胸脚をくわっと広げた威嚇ポーズはなかなか迫力がある。このとき、別の威嚇用ギミックが発動していた!?

シャッチーの威嚇ギミック!?目玉模様出現!



蛾(成虫)の中には、ふだん前翅でおおわれている後翅に目玉模様を隠し持ったものがいる。敵に狙われた時突然見せて相手をひるませる威嚇効果のギミックなのだろう。シャチホコガは幼虫でこの威嚇ギミック(?)を備えていた。たたんでいた長い胸脚を広げるだけでも威嚇効果はありそうだが、さらに突然、大きな黒目がカッと見開かれたら……相手はギョッとするにちがいない。




しばらくすると風船がしぼむように伸ばされた胸脚がたたまれていき、《見開かれていた目玉もよう》も閉じられていって、《擬態モード》へ移行。


擬木の上ではカムフラージュの効果が感じられないが……このあと、しばし撮影してから近くのカエデ(食植物のひとつ)の枝に返すと、縮れた枯葉のように見えて、意外なほど隠蔽効果を発揮していた。


ということで、見つけるとやっぱり撮ってしまうシャッチー(シャチホコガ幼虫)。カエデに戻す前に撮った画像をいくつか↓






異様に長い胸脚は映画『エイリアン』にでてきたフェイスハガー(顔に張りついて宿主に寄生体を植えつけるヤツ)の触手と似ている……そう思うのは僕だけであろうか?




ユニークなのは長い胸脚だけではない。




腹端はデカいダミーの顔に見えなくもない。大きな顔には威圧効果がありそうだ。このダミー頭部を目立たせることで敵を威嚇したり、攻撃を頭部からそらす効果があるのかもしれない?






宝石蜂ムツバセイボウ待機中

宝石蜂!?ムツバセイボウ待機中











メタリックな青緑に輝くセイボウの仲間はみな鮮やかなのだが、赤系が入ったムツバセイボウは特にカラフル。腹に入った金属光沢の模様が光の加減や見る角度によって紅金色~オレンジ色~黄金色に変化してグラデーションが美しい。
なので見かけるとカメラを向けたくなるのだが、なかなかおとなしく撮らせてくれないことが多い。前回(輝くミドリセイボウ)も宿主を探して巡回中だったため、まともに撮ることができなかった。
今回も前回と同じ場所でムツバセイボウをみつけたが、やはり巡回中(せわしなく撮影は困難)だった。「きょうも撮らせてもらえないだろうなぁ」とあまり期待せずに見守っていると、宿主のヤマトフタスジスズバチがもぐり込んでいった材の近くに降りて《待機モード》に入った。グルーミングを始めたので、そっと近づき撮ることができた。








この日はムツバセイボウがきていた材の近くにヤマトタマムシの姿もあった。


光沢のある美麗昆虫といえばヤマトタマムシが思い浮かぶが、セイボウの仲間も(小さいながら)とても美しい。ということで過去に撮った他のセイボウ↓


宝石蜂セイボウの生活史起源考?の画像より