FC2ブログ

2014年07月の記事 (1/1)

輝くミドリセイボウ

緑に輝くミドリセイボウ

前の記事【ミドリセイボウとルリジガバチ】で何とか撮れたミドリゼボウの画像は、やや青みが強く腹部第2節の紋の赤みが薄いものがほとんどだった。「ミドリセイボウ」の名前の示す通り、もう少し緑っぽいものも撮っておきたい。また、腹の紋の赤みがもう少しハッキリわかる画像も欲しいところ……ということで、同じ場所へ行って撮ってきた。






メタリック輝きは、光の加減で色合いが変わって見える。個体差もあるようだ。






この場所で見られるミドリセイボウは宿主・ヤマトルリジガバチの巣を探して欄干を巡回している。その姿を見つけるのはたやすいが、巡回中はせわしなく移動し続けているため、カメラに収めるのが難しい。ときおり止まってグルーミングを始めることがあって、そのときが撮影のプチ・チャンスなのだが、近づきすぎるとすぐに飛び去るので、なかなかうまく撮ることができない。前回はけっきょくスーパーマクロモード(撮影範囲:1cm~10cm)で撮ることはできなかった。上の画像は通常のPモード(撮影範囲:10cm~∞)で撮影したもの。
今回は、欄干の隙間をのぞき込んでいたミドリセイボウが、その近くで《待機モード》に入ったので、ようやく10cm以内まで近づけスーパーマクロモードで撮影することができた↓。






このミドリセイボウが待機モードに入る前にのぞいていた隙間からはルリジガバチが現れ、ミドリセイボウはその隙間に入って行った。
これはまた別のシーン↓(Pモードで撮影)。






落とした獲物は拾わない!?ルリジガバチ



ミドリセイボウに寄生される側のヤマトルリジガバチ(ルリジガバチ)は、巣に備蓄する獲物(クモ)を狩って欄干に戻ってくる。運ばれてきたクモは麻酔処理されていて動けない(殺してしまうと腐敗するので、動けなくして生かしたまま、やがて孵化する幼虫の保存食にする)。
ルリジガバチが抱えてきたクモを隙間に運び込む姿が見られる欄干で、動かないクモを見かけることがあった。これはルリジガバチが運んできた獲物ではないだろうか?






ルリジガバチが獲物を巣の直前まで運んだところで、何らかのアクシデントが発生し、やむなく獲物をその場に遺棄したと考えるのが自然な気がする。
労力を費やしてハンティングし、やっとここまで運んできたのに……巣の目前で捨てられてしまうのは、なんとももったいない。落とし主は例えば天敵に襲われるなどして、これを回収に来ることができなくなったということなのだろうか?
それにしても漁父の利で他のルリジガバチ♀が拾って利用しても良さそうなものだが……。しかし、すぐそばにルリジガバチはたびたび現れるものの、落ちているクモには見向きもしない。そこに現れたのは♂だったからだろうか? あるいは一度遺棄された獲物は自分のものであれ他人(他虫?)のものであれ、拾わないという習性があるのだろうか?

そう考えてふと思いうかぶことがあった。ルリジガバチは巣に搬入する前に卵を産みつける──そんな動画(ルリジガバチの産卵)を見た覚えがある。
巣の外で獲物に卵を産みつけるということは、つまり巣の外に遺棄された獲物にはすでに他者の卵が産みつけられている可能性がある。拾った獲物を自分の巣に運び込むことは他者の卵を自分の巣に招き入れることにもなりかねない。それは自分の子を脅威にさらす危険をはらむ。それでそんな(生存率を下げるような不利な)行為は淘汰されてきたのかもしれない……そんなことを想像した。

ミドリセイボウを撮ったあと、以前ムツバセイボウを撮影したポイントをのぞいてみた。ムツバセイボウは見られたのだが……この日は巡回中で動き回っていたためマトモなショットが撮れなかった……。やはり「巡回中」は撮影が難しい。



話は前後するが、ミドリセイボウ・ポイントへ向かう途中、メタリックな輝きを放つ昆虫の代表・ヤマトタマムシがいたので、これも撮っておいた。


セイボウの仲間もこのヤマトタマムシくらい大きければもっと知名度・人気は高かっただろうに……。小さくても頑張れ、セイボウ!


スポンサーサイト



ミドリセイボウとルリジガバチ

欄干(らんかん)を巡回するミドリセイボウ



今年もミドリセイボウが、昨年みられた(*)同じ欄干(らんかん)に出ていた。
セイボウ(青蜂)はメタリックな輝きが美しいハチの仲間。むし社・刊『月刊むし』472号(2010年6月号)の《日本産セイボウ図鑑》によれば、日本には38種のセイボウ類が生息しているとのこと。






ミドリセイボウが欄干でみられるのは宿主であるヤマトルリジガバチ(ルリジガバチ)が手すりと支柱の隙間に営巣しているため。
ヤマトルリジガバチは竹筒や材の虫食い孔など、すでにある穴を利用して営巣する。クモを狩っては巣に運び込むが、これがやがて孵化するルリジガバチ幼虫のエサとなる。この資源に目をつけ寄生するのがミドリセイボウというわけだ。ミドリセイボウはスキをみてルリジガバチの巣に潜入し卵を産みつける。孵化したミドリセイボウ幼虫はルリジガバチの卵あるいは幼虫と備蓄されたクモを食べて成長する──ということのようだ。


この欄干では獲物や巣材搬入のため隙間から出入りするルリジガバチと、托卵すべくチャンスをうかがい巡回するミドリセイボウの姿がみられる。






セイボウの仲間はいくつか見ているが、触角で歩行面をさわるしぐさをよくしている。ちょっと犬が地面に鼻を這わせるようにしてニオイを嗅いでいるしぐさに似ていなくもない。セイボウも触角でニオイを探っているのだろう……これまで漠然とそう思っていた。オスならメスがたどったニオイを、メスなら宿主ヤマトルリジガバチのニオイを──。手すりや材、葉の表面に触角を触れるのは、それらの表面に残されたニオイ物質を拾っているのだろう……そう解釈していた。
今回、撮影しながらミドリセイボウやルリジガバチをみていて、ふと「ひょっとしたら、触角を触れているのは振動をキャッチするためではないか?」と思った。というのもルリジガバチが巣に潜っていったあと、「ジジジジジ……」というジガバチ特有の(?)バイブレーション音が聞こえてくることがあったからだ。
ジガバチの仲間が翅を高速で振るわせ、こんな音をだすことはよく知られている。この音は「ジガジガ」と聞こえなくもない──これが【ジガバチ】の名前の由来だとか。昔の人は、この蜂が狩ってきた虫を埋め「ジガジガ(似我似我=「我に似よ」)」と呪文(?)を唱えることでジガバチに変身させると考えた……「似我蜂」→「ジガバチ」という伝承に由来するらしい。
以前、ムツバセイボウを撮ったところでも、積まれた材の奥に潜り込んだ狩り蜂が「ジジジジジ……」と音を発していたことがあった。
営巣で穴を掘るとき・狩った獲物を搬入するとき・穴に詰め物でフタをするときなど、バイブレーションを使うと作業がはかどることがあるのかもしれない。つまり振動を加えることで粒子のつながりが壊れ掘削しやすくなったり、狭い穴にひっかかりがちな獲物を引き込む(押し込む)ときに振動させて少しずつずらすことで通しやすくしたり、詰め物をするさいには振動が素材の粗い粒子の隙間に細かな粒子を入り込ませ「なじませる」効果があったりするのではないか。
ジガバチではないが、以前ライポン(コマルハナバチ♂)をつかんだとき、指の隙間から逃げようとして翅を羽ばたき「ジジジジジ……」と高速振動することで少しずつ体をずらし、みごとにすり抜けたことがあった。


※【刺さない蜂!?ライポン】より

いずれにしても営巣の途上でセイボウの宿主蜂が「ジジジジジ……」とバイブレーション音を発することがあるのは事実だ。「振動」が営巣作業に利用されていたとすると、これを手掛かりにセイボウが宿主の営巣場所を察知していたとしても不思議は無いだろう──宿主が発する「振動」に気づくのはむしろ自然な気がする。
セイボウが触角を歩行面にふれているのは「振動探知」のため(でもあるの)ではないただろうか!?
はたして触角に音(振動)を感じとるような機能があるのかどうか──確かめたわけではないのでサダカではないが、今回ちょっとそんなことを考えた。

ヤマトルリジガバチ(ルリジガバチ)

ミドリセイボウに寄生される側のヤマトルリジガバチ(ルリジガバチ)。欄干の隙間に狩ってきたクモや巣材を運び込むようすが何度も見られた。また、その合間にはミドリセイボウが潜入する姿も──。












ルリジガバチの搬入物だが……クモはすぐに判ったが、白っぽいものをくわえて巣に入る姿も何度か目撃。クモにはみえないので、巣材に使う泥だろうかとも考えてみたが、それにしては白すぎる。いったい何を運び込んでいるのだろうと周囲を見回してみると……こんなものが目に入った↓。




アオバハゴコロモ幼虫は分泌したロウ物質を体にまとう──これで白く見える。クサカゲロウの幼虫は(種類によっては)補食した虫の死骸などを背負ってカムフラージュするといわれている。アオバハゴロモの幼虫やクワキジラミの幼虫などロウ物質にまみれた虫を補食した後背中に乗せていると白い塊と化す……こうなるとカムフラージュ効果というより逆に目立ってしまう気がしないでもないが……ルリジガバチかくわえてきたのは大きさ・形・色合いから、これに似ているように感じた。
ヤマトルリジガバチはこれをクモと誤認(?)し、獲物として巣に運び込んでいるのだろうか?──そんな想像もしたが、帰宅後調べてみると、ルリジガバチは完成した巣の入口をふさぐさいに鳥糞の白い部分や石灰を使うらしい(育室の隔壁にはふつうに泥が使われるそうな)。僕が見た白い物体は、白くデコレーションしたクサカゲロウ幼虫ではなくて、《鳥の糞》だったようだ。
まさか天敵が「エンガチョ」と嫌って敬遠する「えんがちょガード効果」を狙って鳥糞を抜擢したわけではないだろうが……ムツバセイボウの宿主ヤマトフタスジスズバチが巣穴の入口を塞ぐのに噛み砕いた葉片を使っていたのを思い出した。種類によっては素材への「こだわり」があるのがおもしろい。

クモや巣材を運び、かいがいしく働くルリジガバチ♀とは対照的に、欄干の上に陣取って縄張り争いをするように他の個体が近づくと追い回すルリジガバチの姿もあった。ルリジガバチ♂なのだろうか? 他の♂を蹴散らし、♀を待ち受けているように見えなくもない。あるいは自分で狩りをせず、他の♀が狩ってきた獲物を強奪しようと狙っている♀という可能性もあるのだろうか……。
そんな中、手すりの上にベタッと腹這いになってはりついているルリジガバチがいた。


弱っているわけではなく、カメラを向けると起き上がり飛び去って行った。飛び去ったあとの場所に触れてみると金属製の手すりは太陽光にさらされかなり熱くなっている。こんなところに腹這いになっていたのでは高熱による機能不全を起こしそうな気もするが……焼かれたプールサイドで甲羅干しをするようなあのポーズは何だったのだろう?
もしかすると、他の個体と空中戦で競い合うさいに、相手よりも敏捷に動けるよう筋肉を暖めていたのだろうか? 筋肉が充分に暖まっていない昆虫は飛翔がままならないことがあるが、逆に高熱にすることで超暖機状態をつくりターボをかけていたりして!?……そんなことも考えてしまった。

実はこの日、ミドリセイボウとヤマトルリジガバチを撮影した欄干にはクロバネセイボウも姿を見せていたのだが、せわしなく動き回るので不鮮明なショットしか撮れなかった。ミドリセイボウに関しても、なかなか近くに寄らせてもらえず、スーパーマクロモードでの撮影はついにできなかった。手すりをくり返し巡回しているのは判っていたので、逃げられてもまた現れるのを待って仕切り直し。現れたところでそーっと近づいては逃げられることのくり返し……。
「いま撮ろうと思ったのに飛ぶんだものなぁ~、もう!」
と、西田敏行(のかつての洗剤CM)風にぼやいてみたり、ようやくベストのフレーミングまで迫ったのにシャッターを切る直前に飛ばれて、
「ちょっとくらい撮らせてくれたって、いいやろ! 減るもんぢゃあるまいし! けち!」
などと心の中で地団駄をふんで、「これが号泣県議だったら、どれほど泣き叫んでいたことか!」と思ってみたりしつつ、ビミョ~にねばって撮ったもののなかからマシな画像をチョイスしたしだい。





ツノカメムシの異種ペア

セアカツノカメムシ♂とハサミツノカメムシ♀の異種間交尾













ツノカメムシが交尾をしていたのでカメラを向けると、このペアは別種だった。よくみるとオスはセアカツノカメムシ、メスはハサミツノカメムシのようだ。
思いのほかしっかりつながっているようで、かなりはげしく動き回っていたが離れることは無かった。
ネット上にはセアカツノカメムシ♂は交尾時に腹端の突起で♀を逃がさないようにはさむという情報もあるが……突起は使われているようには見えなかった。

ところで、こうした異種間の交尾はカメムシでは(他の昆虫でも)よくあることなのだろうか?
実を結ばないのだろうから、労力やリスク(天敵に見つかりやすく逃げ難い等)を要する異種間の交尾はどちらの種にとっても損失のような気がする。いってみれば、これは《エラー》の事例だろう。こんなことがちょくちょく(?)起こるようではマズイのではないか?
どうしてこんなこと(両種にとって不利なこと)が起こるのかを想像してみた……。
子孫繁栄(遺伝子をより多く残す)のためには同種間の♂と♀がすみやかに交尾行動に移れるようなシステムが有効だろう。しかし、交尾条件のハードルを下げると《エラー(他種との交尾)》の発生率が増える。かといって《エラー》率を下げるために交尾行動の発令条件を厳しくすると、こんどは同種間の交尾のハードルも高くなって交尾成功率が落ちてしまうことになりかねない……そうした関係の中で、《エラー》がある程度発生しても、同種間の交尾が効率的に行なわれるのであれば良しとする──デメリットとメリットの兼ね合いから現行のシステムが選択されてきたのではないだろうか……そんなふうに解釈できないか考えてみたが、これはあくまで素人の個人的想像。

あるいは……もし、異種間交尾で♀が産む卵の孵化率が落ちるような事があったとしたなら、♂は同種間での交尾をする一方、ライバル種の♀と交尾をする事で競争相手を衰退させるという戦略が成立し得ないか……そんな生存戦略の可能性についても想像してみたり。もっとも、そんなことがあれば、相手側の♀も対抗手段をとって不利を回避する対応をとることになるのだろうが……。
実際は、こうした《エラー》がなぜ起こるのか、どの程度の割合で起こるのか(僕には)わからない。とりあえず、こうした事例の1つとして記しておくことにした。

セアカツノカメムシの交尾



セアカツノカメムシの♂。腹端に小さな一対の突起があるが、Wikipediaの【カメムシ】の「分類と代表種>ツノカメムシ科>セアカツノカメムシ」の項目には《雄の腹端にある一対の赤い突起は、交尾の際雌の腹端をしっかり挟むのに用いられる。》と記されている。しかし僕が見た交尾では、この突起で♀をはさむ行動は確認できなかった。ネット上にはヒメハサミツノカメムシの♂も交尾のさいに腹端のハサミで♀をはさむというような情報もあったが、やはり確認できなかった(※【レッドV:ヒメハサミツノカメムシ】)。そもそも腹端の突起は「はさむ」ような運動器官には見えない気がするのだが……。






ハサミツノカメムシの交尾

ハサミツノカメムシの方も、通常のペアのようすを↓。






ハサミツノカメムシのマウント型!?の交尾

カメムシの交尾は上記のように♂と♀が腹端を接点に反対を向いて一直線に並ぶの形が一般的だと思うのだが……以前、ハサミツノカメムシで甲虫のようなマウント型のスタイルをとっていたものがあったので、この機会に↓。












カメムシの場合、♀が腹端を持ち上げ、♂が腹側を合わせるようにアプローチすると通常の交尾体勢に入れそうな気がするが……腹端を持ち上げようとしない(交尾拒否行動?)♀に対して、♂が強引にこじ開けようとすると、こんな形(マウント型)になるのではないか……などと推理してみた。
しかし、「♀に《交尾拒否行動》があり、この《交尾拒否行動》がとられると交尾はマウント型になる」のだとしたら、冒頭のセアカツノカメムシ♂とハサミツノカメムシ♀の異種間交尾(カメムシの通常の交尾スタイル)では「《交尾拒否行動》が発動されなかった」ということになるのだろうか。だとしたら「《エラー》はセアカツノカメムシ♂だけでなくハサミツノカメムシ♀にもあった」ということなのかもしれない。

などと、あれこれ想像は展開するが、サダカなことはわからない……。
とりあえず、こんな事例もあったということでいちおう記録しておくしだい。

※訂正:セアカツノカメムシ同士の交尾の画像(アップショット)が《セアカツノカメムシ♂とハサミツノカメムシ♀の異種間交尾》の方に入っていたので直しました。
※追記:画像の順を訂正したついでに《セアカツノカメムシ♂とハサミツノカメムシ♀の異種間交尾》のアップショットを追加しました。

夏の昆虫たち

季節の変化が年々早くなると感じているが……今年もいつの間にやら夏の昆虫たちが顔を揃えていた。

夏の昆虫王:カブトムシ



子どもの頃、カブトムシはあこがれの昆虫だった。夏になるとカブトやクワガタをとりにいったものだ。樹液にあつまる虫たちの中心でひときわ大きなカブトムシは昆虫の王様に見えた。子どもの頃のそうした体験が思い出され、この虫をみると《夏》を実感する。
余談だが昔撮ったインディーズヒーロー【ミラクル☆キッド】でも子どもたちに人気があるカブトムシをネタにとり入れていた。《カブト手裏剣》&《カブト・クワガタとりで鍛えたキック力》が悪を倒す!?(笑)


スズメバチそっくりなトラフカミキリ

夏になるとカブトムシやクワガタ、カナブン等が集まる樹液ポイントでは、スズメバチの姿もよく目にするようになる。スズメバチの怖さはよく知られている。刺されて亡くなる人のニュースが毎年後を絶たない。子ども時代、カブト・クワガタとりは「宝探し」のような感覚があったが、スズメバチの存在は「宝探しを阻むドラゴンや魔物」といったところだろうか。この恐ろしいスズメバチにそっくりなカミキリが、トラフカミキリ↓だ(この個体は右前脚が欠けていた)。






産卵のために産卵管を伸ばしているのが、スズメバチが毒針を出し入れしているように見えてしまい、ちょっとコワイ。ということで、その本家(?)スズメバチの画像も参考に↓。




危険なスズメバチに擬態することで、このカミキリは生存率を高めているのだろう。それにしても、面白いと感じるのが《スズメバチとトラフカミキリは体型がまるで違う》という事だ。そして《模様の形もずいぶん違う》。個別のパーツを比べてみると、あまり似てないのに、全体としてパッと見た瞬間スズメバチに見えてしまうのだから感心する。スズメバチにはない《「く」の字模様》は、トラフカミキリにはないウエストのくびれを錯覚させるトリックアートになっているのかもしれない。天敵の「認識システム」を反映しながら進化の中で練り上げられてきたデザインなのだろうが……そうした部分も含めて自然の奥深さを感じる。
トラフカミキリの他にもハチに擬態したカミキリ、昆虫は少なくない。

童謡のモデル!?宝石の輝き:ヤマトタマムシ







子ども時代のカブトさがしは「宝探し」のようだったが、実際に財宝のような昆虫がいる。ヤマトタマムシ──これも夏の昆虫という印象がある。日本の昆虫の中では比較的大型で、宝石のように輝くメタリックボディも美しいので存在感は抜群だ。この仲間はインドや中国ではアクセサリーとして宝石商が扱っているという。日本でもヤマトタマムシの翅鞘を装飾に使った「玉虫厨子(たまむしのずし)」が有名だ。
童謡『黄金虫(こがねむし)』(野口雨情・作詞)で歌われている虫はヤマトタマムシだという説もある。実はこの童謡に関しては色々なメディアで「実はチャバネゴキブリのことだった」と流布されてきた。「《群馬県高崎地方》ではチャバネゴキブリをコガネムシとよぶ」という話がその発端で、同じ《北関東》出身の野口雨情の記した「コガネムシ」も「チャバネゴキブリ」のことだったのだろうという憶測が大元だったらしい。しかし野口雨情が生まれ育ったのは《群馬県高崎地方》ではなく、《茨城県磯原町》(現在の北茨城市/筑波山より水戸市に近い)であって、この周辺では「ヤマトタマムシ」のことを「コガネムシ」と呼んで、「財布の中に入れておくとお金が貯まる」とか「箪笥の中に入れておくと虫がつかない」などと言われ、貴重品のように扱われていたという記録もあるそうだ。このあたりの事は『月刊むし』2010年6月号(472号)【童謡"黄金蟲"はタマムシだ!?】(枝 重夫)という記事で詳しく記されている。
きらびやかなヤマトタマムシが童謡のモチーフに選ばれるということは大いにありそうだし納得できる。僕は『黄金虫(こがねむし)』は「玉虫厨子」をモチーフに作られた作品ではないかと想像している。野口雨情は「玉虫厨子」を「こがねむし(ヤマトタマムシ)の金蔵(蔵)」に見立てるという着想を得て、《黄金虫は金持ちだ 金蔵建てた 蔵建てた》という詞を書いたのではないだろうか……そう考えるのが自然なように思えてならない。
ヤマトタマムシを数匹目にした同じ日、ウバタマムシとも遭遇(東京側と埼玉側で1匹ずつ)。飛来して目の前の枝に止まったのでカメラを向けると、また飛び去って行った。


大きさやプロポーションはヤマトタマムシとよく似ている。そのためか、ヤマトタマムシのメスだと誤解されることもあるようだ。ヤマトタマムシが見られるのは夏だが、ウバタマムシは1年を通して見かける。日本のレッドデータ検索システムによるとウバタマムシは東京都で「絶滅危惧I類」に、埼玉県で「準絶滅危惧種」にカテゴライズされている(2013年)が、狭山丘陵ではちょくちょく目にしている。
(※絶滅危惧!?東京のウバタマムシ

チョッっと悲しきキリギリスの音

狭山湖(山口貯水池)の堤防周辺では6月下旬からニイニイゼミやキリギリス(ヒガシキリギリス)の鳴き声が聞かれるようになった。どちらも鳴くのはオス。メスは鳴かない。




キリギリスは「チョッ・ギィーー」と鳴いているハズなのだが、堤防の上で耳を澄ますと、聞こえいくるのは「ギィーー」ばかり。以前【キリギリス幻想】で記したが……加齢による聴覚の衰えのためだろう。ますます「チョッ」の部分が聞こえにくくなってきている気がする。
「去年よりも(聴覚の)衰えが進行しているのか……」といささか不安になって土手に降りてみると、近くで鳴いているものは「チョッ」の部分もハッキリ確認できた。まったく聞こえなくなったというわけではないことにちょっとホッとするが、遠くで鳴いているものは、やはり「ギィーー」しか聞こえなくなっている……。毎夏、老いを気づかされるキリギリスの鳴き声……子どもの時に聞いていたおもむきとはまた別の響きを感じる昨今……。
オスがあちこちで鳴き競っているなか、黙々と食餌をするキリギリスがいた。長い産卵管が目立つメスだった↓。


ところで「キリギリス」と言えば思い浮かぶのがイソップ寓話の『アリとキリギリス』だが……元は『アリとセミ』だったそうな。Wikipediaの【アリとキリギリス】によると、《ヨーロッパ北部では(セミは)あまりなじみが無い昆虫のため、ギリシアからアルプス以北に伝えられる翻訳過程で改編された。日本に伝わった寓話はアルプス以北からのものであるため、日本では『アリとキリギリス』で広まっている。》とのこと。
キリギリスが鳴く狭山湖堤防近くの桜ではニイニイゼミもしきりに鳴いていて、周辺ではその抜け殻が点在していた。


ニイニイゼミの新鮮な抜け殻が目立つようになってきた中、7月に入ってもまだ去年の抜け殻(アブラゼミ?)が残っている事も確認できた。セミの抜け殻は意外に長く残っていることがあるようだ。
(※ど根性ぬけがら~シラケトラの唄など

昆虫ではないけど…クサガメ





狭山湖周辺にはまだ田んぼが残っているところがある。田に水が張られている期間は限定的なようだが、この時期になるとクサガメが入っていることがある。
子どもの頃、「ヒトにはヘソがあるが、卵から生まれるカエルにはヘソが無い」というようなことが書かれている本を読み、「卵から生まれる生き物にはヘソがない」としばらく思い込んできた。だが後に孵化してまもないカメやヘビの幼体にはヘソにあたる器官(痕跡)があることを知って驚いた(やがてこの痕跡は消失する)。卵から生まれる生き物でも爬虫類や鳥類ではほ乳類における《ヘソの緒》にあたる器官が存在する──ことのことを知らない人は意外に多いかもしれない?
画像のサイズのカメでは無理だが、硬貨サイズの幼体をみつけたらひっくり返してみるとヘソを見ることができる。
(※カメのヘソ!?


怪獣!?ドラゴン!?!UMAじゃない実在生物

怪獣!?ドラゴン!?!UMAじゃない実在生物



伝説のドラゴンか、はたまた特撮映画の怪獣か──こんな↑生きものが存在する。
UMA(謎の未確認動物)ではない。恐竜時代の話でもない。ちゃんと現存が確認されている生物である。
僕も今年に入って2度目撃している。上の画像は先日遭遇した幼生を描いたものだ。ご覧のように幼生は翅を持たないが、成体になると翅が出現し飛翔することができるようになる。
こんな生きものが中世のヨーロッパではなく、現代の日本で──東京でも見ることができると知ったら驚く人も多いのではないだろうか?
この生きものの和名は【ウコンカギバ】という。実は蛾の幼虫なのだ。
※実写画像は→【葉上のドラゴン:ウコンカギバ幼虫

他にも特撮映画の怪獣に負けないデザインの実在生物は存在する。ということで、そのフィギュアを使って撮ってみた(合成)画像がこれ↓。


※↑【怪虫シャッチー(シャチホコガ幼虫)イモコレ!2に!】より(生体画像あり)

モスラやバトラ、ツインテールなど、幼虫をモチーフにした怪獣はいろいろありそうだが、それに勝るデザインの生物が身近なところに実在していることは、意外に知られていないような気がする。

怪獣に見える──ナンチャッテ(空目)ネタくくりというコトで、【冗区】書庫にあらためてまとめてみた。

葉上のドラゴン:ウコンカギバ幼虫

葉の上にすむ小さな龍!?





















怪獣ならぬ怪虫シリーズ第2弾:ウコンカギバ幼虫

怪虫シャッチー(シャチホコガ幼虫)の次はコレかな……と思っていたとき、タイミングよく遭遇したウコンカギバ(蛾)の幼虫。これもなかなかユニークなスタイルのイモムシだ。
見ようによってはドラゴンに見えなくもない──「イモコレ!」の第3弾があるなら候補に推したいイモムシでもある。
今回は柵の上で遭難しかかっていた幼虫をみつけ、撮りやすい場所へ移動。コナラの葉にとまらせて撮影を始めると、飢餓状態にあったのか葉を食べ出したので、コナラが幼虫の食植物(のひとつ)であることが確認できた。












それにしても、ウコンカギバの幼虫は長い突起がユニークだ。この特徴は一見、シャッチー(シャチホコガ幼虫)やカシワマイマイ幼虫にも似ているが「突起構造をもつことで昆虫食の鳥などが敬遠する?」といった忌避効果があるのだろか?
クモザルの尾を連想させる先端がカールした突起は角度を変えることでだいぶ印象が変わるが、クモザルの尾と違ってものをつかむようにはできていないようだ。
移動中や食餌中など活動しているときは(天敵に見つかりやすいので)突起をバラバラと立て、天敵への忌避効果を果たしているのかもしれない(?)。一方、静止しているときの突起を束ねて倒している姿は、とてもイモムシには見えず、しおれた枯葉のように見える。

ところで、「ウコンカギバの幼虫」は呼び名として長い。それに「ウコンカギバ」は「うんこ嗅ぎ場」と誤読されかねないデンヂャラスな文字列でもあったりする。以前「ウコン」を知らずに「ウコン茶」なるペットボトルを食品陳列棚で初めて目にしたときは(誤読して)どれだけたまげたことか。そういった危険を回避する意味も含めて、この虫にも「シャッチー」同様、呼びやすい愛称があってしかるべきだろう。

「ウコンカギバ(Ukonkagiba)」を詰めて(onとbaをとって)「ウッカギ(Ukkagi)」……これだと響きが今ひとつ。さらに詰めて(agを外して)「ウッキィ(Ukki)」、最後の音を伸ばして「ウッキィー」はどうだろう?
「シャッチー」に対して「ウッキィー」──同系列の響きで、怪虫コンビとしても、ちょうど良い感じがする。
ということで、これからは「ウッキィー」を見かけたら、「グッドモーニング!!」と呼びかけてみよう!……あ、あれは「ウッキィー」ぢゃなくて「ウィッキー」さんか……(と、古いネタ)。

それはさておき、やっぱり《葉の上のちっちゃなドラゴン》っぽく見える──と思うのは僕だけであろうか?


※イラスト付きで追記