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2014年01月の記事 (1/1)

冬に飛ぶ極小カミキリ

冬に飛翔するヘリグロチビコブカミキリ

去年の冬に初めて目にしたヘリグロチビコブカミキリ──1月・2月・3月そして12月と、僕はこれまで冬にしか見た事が無い。冬にだけ活動しているというわけでもないのだろうが……隠れる場所が少ない冬に目立ちがち──ということなのだろうか? 年が明けて、今年も1月中に見られるだろうと思っていたが、やはり出会った。






例によって冬だというのに元気に擬木の上を元気に歩いていた。体長4mmのカミキリ──小さすぎて僕のカメラと腕ではシャープに撮るのが難しい……。






この個体は歩き回っては時々止まり、やがてまた歩き出すという動きをくり返していた。立ち止まるのは警戒してのことだろうか。触角を体に沿わせるようにたたんで固まったかと思うと、やがて触角をゆっくり左右に開き、活動を再開する。






この日のヘリグロチビコブカミキリも、予備動作(準備運動?)なしに、いきなり飛翔した。
去年1月・2月にも撮影中いきなり飛び去ったことが何度かあった。最初はカミキリが「冬に野外で活動している」ということに驚いたが、寒い中いきなり飛び立つことができることに更に驚かされた。




冬でもこれだけ動けるのなら、天敵の少ないこの時期に繁殖活動をしていてもおかしくないのではないか……と、そんな想像がひろがる。
蛾の中には冬限定で繁殖するフユシャクのようなグループだっているのだから、カミキリ界でも同じような戦略をとっているものがいても不思議ではないだろう。
ヘリグロチビコブカミキリの繁殖時期が実際はいつ頃なのか……ちょっと気になっていたりする。

冬にも見られるキボシカミキリ

1年前にヘリグロチビコブカミキリの存在を知ってから、ことし初めて見るカミキリはこのカミキリだろうと思っていたのだが……予想に反して今年の初カミキリはキボシカミキリだった(*)。キボシカミキリは5月頃から見られるが、意外に遅くまで出ているカミキリで、12月に目にする事もめずらしくない。去年は12月13日に飛翔するのを確認しているが、12月も下旬になると見かける個体は動きがにぶく、もはや電池が切れかかった状態(?)。キボシカミキリは年が越せないものだと思っていた。それが今年は1月中旬に見られたので驚いた。ただ、その個体も動きはかなり緩慢だった。同じ冬に見かけるといっても、活発に動き回るヘリグロチビコブカミキリとは、かなり違う印象を受けた。




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日本テレビ『ZIP!』でハリネズミ

日本テレビ『ZIP!』でハリネズミ

1月22日放送の『ZIP!』(日本テレビ系列)という情報番組の中でハリネズミが紹介されたらしい。僕は(前の記事でも書いたが)テレビを離脱しているので見ていないのだが、番組の概要ページに放送内容が記されていた。


ハリネズミについての情報は【なるほどマスカレッジ】というコーナーで放送されたようだ。《今回のテーマはブラジルで散歩していた女性の頭に落ちてきた珍騒動を起こしたハリネズミの生態に迫る》との記載に「あれまぁ!」と驚いた。
ブラジルで起きた《珍騒動》というのは、前の記事(*1)で問題にした朝日新聞デジタルの誤報記事の件である。《珍騒動を起こした》のは「ハリネズミ」ではなく、実は「ヤマアラシ(アメリカヤマアラシ)」だった。
日本テレビでもこの誤報を拡散したのか!?──とあきれたが、読み進むと《女性の頭に落ちたと話題になっているのはキノボリヤマアラシだと考えれる(原文ママ)》との記載があった。どうやら日本テレビは、朝日新聞のミスを引き継がず、正した内容を伝えたらしい。
調べてみると「キノボリヤマアラシ科」は「アメリカヤマアラシ科」の別称で、その中にキノボリヤマアラシ属というのがあるようだ。

朝日新聞が発信したハリネズミに関する誤情報を、日本テレビは正しく改めたのか……と安心しかけたが、《ハリネズミはもぐらの仲間と考えられていて》という記述があったので、ちょっと気になった。ハリネズミは「かつてはモグラ目に分類されていた」のであって、今は違う。ハリネズミはハリネズミ目として独立し、モグラはトガリネズミ目の中のモグラ科という位置づけになっている(かつての「食虫目」は廃止)。
だから、《ハリネズミはモグラの仲間》ではなく《ハリネズミはトガリネズミに近い動物》というのがより適切な表現だと思う。ただ「トガリネズミ(ネズミの仲間ではない)」では例えに用いるには認知度が低いということで、トガリネズミ目の中に組み込まれたモグラを引き合いにだしたのかもしれないが……監修の不備ではないかという気がしないでもない。テレビを離脱している僕は番組を見ていないので、実際にどういう解説がなされていたのかわからないが……現在もかつての(今はなき)モグラ目(食虫目)という捉え方で情報が浸透するのではないかと気になったわけである。
『ZIP!』は情報番組だというから、最新のより正しい情報を発信すべきだろう。

柔らかい説明をするなら《ハリネズミは、かつてはモグラの仲間に分類されていた》とか《ハリネズミはネズミよりモグラに近い動物》くらいの表現がわかりやすいのではないだろうか。


※【うちゅうのモグラ捕獲!?!】/【ミミナガハリネズミ(オオミミハリネズミ)】より

「分類」は動物の「住所」のようなもの

動物の分類について僕は詳しくは知らない。ただ、ある動物のことを説明する時に「○○の仲間(○○目・○○科)」というフレーズはよく使う。これはその動物をイメージする定番情報──いってみれば「分類」はその動物の「住所」みたいなものだと考えているからだ。分類の根拠については──なぜその「住所」に住んでいるのかは分からなくても、とりあえず「正しい住所」を知って間違いの無い説明ができるようにしておきたい。
分類上の変更があれば……その科学的詳細は理解・把握していなくても──「引っ越し」の理由は知らなくても、「正しい新住所」は知っておきたい。そう感じるのは僕だけではないだろう。


ところで、テレビを離脱した僕が、どうして『ZIP!』でハリネズミが取り上げられたことを知っていたかというと……1週間程前に、日本テレビの番組担当・A氏からTouTube経由のパーソナルメッセージが届いたからだった。22日放送分で「ハリネズミ」ついて放送することを検討しているとかで、ハリネズミについてリサーチをしていたところ、僕が投稿した「ミミナガハリネズミ」の動画に辿りつき、番組での使用を許可して欲しいという内容だった。《現段階では、確実に使用するとは言えないことをご了承して頂いた上で、許可を頂ければ幸いです》とのこと。
その動画がこれ↓。


以前、カメレオンの動画でも同じような申し出があり(そのときはテレビ朝日からで、放送が前提だった/*2)、しかし結局放送されなかったなんてこともあったので、アテにせず、とりあえず許諾はしておくことに。A氏のメッセージには電話番号が記されていたが、やりとりの記録が残せるようにメッセージで返信しておいた。
そのさい、僕が投稿した動画は昔の映像で、途中に入れた字幕の内容が現在とは違うこと──当時は「ハリネズミはモグラの仲間」だったが、今は違うということについても記しておいた。

ところが、その後A氏からの連絡は無い。気がつけば放送予定日を過ぎていて、僕の動画が使われたのかどうかわからない。連絡が来てないのだから使用されなかったのだろう。
検索して見つけた番組概要に《ハリネズミはもぐらの仲間と考えられていて》と記されているのをみて、僕の返信メッセージを読んでいないのではないか……と疑問に思った。
僕に動画の使用許諾の要請メッセージを送信した後、番組に必要な素材が揃い、僕の動画は必要なくなって、返信メッセージも確かめずに放置──いらなくなったから忘れ去られているのかなぁ……と想像している。
もしA氏が僕の返信メッセージを読んでいたら、《ハリネズミはもぐらの仲間と考えられていて》というアヤシイ表記はなかったのではないか……と思わないでも無い。
採否はともかく、使用の許諾を求めてきたのだから(こちらは許諾しているのだし)、返信メッセージくらいはチェックして、その後どうなったかについて一言あっても良さそうな気もするが……テレビ業界というのは、そういうところなのかもしれない。
テレビを離脱したのには、テレビ放送業界への不信・不満がたまっていたためでもあるが(*3)、「やっぱりな……」という感じがしないでもない。

珍事記事、ハリネズミではなくヤマアラシ

■落ちてきたのは「ハリネズミ」ではなく「ヤマアラシ」

地デジ化を機にテレビから離脱しているから、ニュースはもっぱらインターネットで読む。生き物に興味があるから、動物がらみの見出しには目がとまりがちだ。先日も「ハリネズミ」の見出しにひかれて、こんな記事を読んだ。

●女性の頭にハリネズミ落下、270本刺さる リオ市街地
http://www.asahi.com/articles/ASG1L25G8G1LUHBI005.html

概要はブラジルのリオデジャネイロで、歩いていた女性の頭にハリネズミが落下し、女性の頭には270本ものハリが刺さって病院で治療するはめになった──というもの。しかし、そんな目に合いながら被害女性は「お年寄りや子供の頭に落ちてきたら、こんなけがではすまなかったでしょう。でも、私の頭がクッションになってハリネズミの命を救えたならうれしい」と話したという内容だった。

この見出しを見たときにまず感じたのが、「ハリネズミが落ちてくるって……いったい、どういう状況?」という疑問だった。僕もハリネズミを飼っていた事があるが(*)、地上を徘徊するこの動物が木登りするとは思えない。
記事を開いてみて、「ブラジルで起きたこと」「女性の頭にたくさんのハリが残っていた(つまり、ハリは敵に刺さると抜ける構造だった)こと」などから、「ハリネズミ」と記されている動物はハリネズミではなく、「ヤマアラシ(アメリカヤマアラシの仲間)」に違いないと思った。

ハリネズミは「ネズミ」の名がついているが、ネズミの仲間(げっ歯目=ネズミ目)ではない。僕が飼っていた頃はモグラの仲間(食虫目=モグラ目)とされていたが、今はハリネズミ目として独立している(かつての食虫目=モグラ目は無くなり、モグラは現在ではトガリネズミ目のモグラ科という扱い)。
一方ヤマアラシは見た目はちょっと違和感があるかもしれないが、ネズミの仲間(げっ歯目=ネズミ目)。アメリカヤマアラシの仲間は木登りも得意だというから、ブラジルで(高い所から)落ちてきたという記事のようなことが起きても不思議ではない。落下してきた動物は「ヤマアラシ」だったのだけれど、「背中にハリをもつネズミ目の動物」ということで「ハリネズミ」と勘違いされて報じられることになったのだろうか?……などと誤報の経緯を想像したが……真偽のほどはわからない。

後に同じエピソードを伝えた英文記事があることを知り、自動翻訳してみたところ、問題の動物は(やっぱり)「PORCUPINE(ヤマアラシ)」であることが記されていた。


※同エピソードを伝えた英文記事
●Housewife left in agony after PORCUPINE falls onto her head while she was walking her dog
http://www.mirror.co.uk/news/weird-news/housewife-left-agony-after-porcupine-3032618#.Uts9EPaAbJx

僕が最初に読んだ日本語記事は現地テレビ局の報道を伝える形で記されていたが、オリジナルの現地(ブラジル)報道の時点で「ハリネズミ」と誤報されていてそのまま翻訳したのか、それとも翻訳の時点で「ヤマアラシ」を示す単語が「ハリネズミ」と誤訳されたのか……いずれにしても、日本語の記事にするさいに記者が内容を確かめていたなら「ハリネズミ」という誤報は防げたのではないか……という気がしないでもない。じっさい英文記事では、ちゃんと「ヤマアラシ(PORCUPINE)」と報じられている。

僕のように生き物への興味や動物についての情報が知りたくて記事を読む人は少なからずいるだろう。そんな読者にとっては「動物についての誤った情報が発信されている記事」は残念でならない。

一方、動物への興味でこの記事を読んだわけではない読者からすれば、「落ちてきたのがハリネズミだろうがヤマアラシだろうが、そんなことは記事の趣旨とは関係ない」のかもしれない。
この記事の趣旨は「動物が頭に落下し270本ものハリが刺さるという珍事」と「被害者女性の心温まるコメント」にあるのだということはわかる。
このエピソードを紹介した記者(朝日新聞記者?)は、その「趣旨」で記事を書いたのだろうし、読者の多くもその「趣旨」で記事を受け止めたことだろう。

しかし、報道記者が、自分が伝えたい「趣旨」を記事にするさいに「検証」をおざなりにして良いのか?──という気がしないでもない。
報道記者は、世の中で起こっている事柄を自分の「趣旨」に合わせた構図で切り取り、大衆に伝えようとする。それ自体は必ずしも悪い事とはいえないが、内容が本当に正しいのか・情報に間違いが無いかを確かめる「検証」のプロセスは必要なはずだ。

この記事では「ハリネズミ」という誤認が発信されたことで「検証」がちきんとなされていなかったことが露呈したかたちだが、こうなると、おそらく「趣旨」の1つであったと思われる「被害者女性の心温まるコメント」部分についても、本当に正しく伝えているのだろうか……という疑問が浮かばないでも無い。

記事の最後に、ひどい目にあった被害者のコメントが紹介されているが──、

>「お年寄りや子供の頭に落ちてきたら、こんなけがでは
>すまなかったでしょう。でも、私の頭がクッションになって
>ハリネズミの命を救えたならうれしい」と話しているという。

日本語記事では「と話しているという」という伝聞で記事がまとめられている。つまり、記者は被害者女性のコメントを直接確かめることなく記事を書いた──ということになる。
この記者は地元のテレビ報道を見ただけで、事実関係を確かめたり内容を検証する「取材活動」をする事無く記事にしたのだろうか。
報道記者が自分の「趣旨」を伝えるために「事実確認」を怠って記事を書いているとしたら──、また、他社(他者)の報道を拾って「取材無き記事」を書いているのだとすると、大いに疑問を感じる。

今回の記事では、単にと動物種の誤認に留まらず、記者の取材姿勢・記事の信憑性、さらに言えば読者のリテラシーのようなものについても、いろいろ考えさせられるものがあった。



*ミミナガハリネズミ(オオミミハリネズミ)
https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-147.html

1月にキボシカミキリ

冬まっただ中のキボシカミキリ





先日、都立狭山公園でキボシカミキリを見た。今年初のカミキリ。1月の中旬にキボシカミキリを見るとは意外だった。
このカミキリは晩秋の終わり頃にも見かけることがあって、12月下旬にも何度か見たことがある。その頃にはさすがに動きもにぶく、寿命がつきかけているといったふうで、年は越せないものだと思っていた。
だから1月も半分以上過ぎた時点で、フィールドに出ているこの虫を見でビックリ。寒い時期なのに、ちゃんと生きていた。










キボシカミキリの画像は、あまり寒そうに見えないが、この日、公園内の池は全面氷結していた。その池の縁の木製手すりにはフユシャク♀が2匹近い位置でとまっていたので、ツーショットを撮ってみた。


左側↑のフユシャク亜科の♀は産卵済み個体。別の場所では産卵前の個体も見られた↓。


今年初はヘリグロチビコブカミキリだと予想していた



実は今年初のカミキリはヘリグロチビコブカミキリ(*)だろうと予想していた。
2013年には1月・2月・3月と12月に見ており、僕の中では「冬に活動する(できる)カミキリ」という印象があった。キボシカミキリが12月下旬には弱っていたのに対し、ヘリグロチビコブカミキリは1月・2月でも平気で飛翔する──そんな姿も見ていたので、(僕があるくエリアでは)冬に出ているカミキリはヘリグロチビコブカミキリくらいだろうと考えていた。
今年はまだヘリグロチビコブカミキリが見られるエリアへは行っていなかったこともあるが、新年初のカミキリがキボシカミキリになるとは意外だった……。


ACミラン的カメムシ

ACミラン亀虫

サッカーの本田圭佑選手がACミランで背番号「10」をつけて活躍している。スゴイことだと思う。赤と黒のストライプが印象的なACミランのユニフォームが人々の目に触れる機会も増えるだろう。
ところでこのACミランのユニフォームのカッコ良さは多くの人が認めるところだろう。ならば、このカメムシのデザインだってカッコ良いと認められてしかるべきだ。





今後本田選手のプレーが紹介される機会が増えることで、ACミランのマスコット的デザイン(?)のアカスジカメムシへの注目度(?)や人気もアップしていくのではあるまいか……と密かに期待しているのは僕だけであろうか?

僕らの目には美しくうつる派手で目立ち印象に残る色彩とデザインだが……これには、きっと捕食者に対する警告色的な意味合いがあるのだろう。赤と黒の色合いのカメムシは少なくない。カメムシの悪臭を体験してそれに懲りた捕食者が以後敬遠したくなる──そんな効果がありそうだ。

アカスジカメムシはセリ科植物に集まる。画像の個体はヤブジラミの実の汁を吸っていた。出現時期は6~8月ということで、ちょっと時期外れなネタだが、本田選手がACミラン移籍後初ゴールを決めたというので、それを祝して──というコトで……。

昆虫ネタだけど、ジョーク的内容なので書庫(カテゴリー)は【冗区】とした。

フユシャクの卵塊:1年経ってとけた謎



フユシャクを探していて、壁面に1年前に産みつけられたフユシャクの卵塊(産卵中のようすを写したのが1枚目の画像)の痕跡が、まだ残っていることに気がついた。何気なくルーペでのぞいてビックリ! 産卵当時は毛で覆われていた卵(の殻)があらわになっていた。毛でコーティングされていた部分がそっくり剥がれ落ちたのだろう。
産卵を目にした時からずっと疑問に思っていたことがあったのだが、1年後の卵殻の痕跡を見てやっと解決した。

ということで、1年前からの卵殻の変化のようすをあらためて……。



産卵直後の卵塊は、毛でおおわれた表面がフェルトのようだった。それがその後──、


4週後、毛が溶けてなじんだかのように表面はなめらかになっていた。そして4月下旬には膜化した表面に無数の穴があいていた(孵化した幼虫があけたものだろう)。
その後、この卵塊を見る事はなくなっていたが、またフユシャクの時期となり、フユシャクを探しているうちに、しばらく見ていなかった卵塊がまだ壁面に残っているのに気がついた。


1年経って とけた謎

1年前、産卵に遭遇したときは卵は見えず、毛におおわれた卵塊が徐々に拡張していくのが確認できた。卵を産みながら腹端の毛をはりつけておおいかくしていくらしい。しかし、卵が直接壁面に産みつけられ、その上に毛の層が重ねられていくのか、あるいは毛の層の間に産みつけられていくのか判断がつかなかった。ジンガサハムシの卵のように土台(?)を作って卵を産んでいる可能性──土台の毛の層の上に卵を産んでさらに毛で被っている可能性も想像し、たぶんそれはないと思いつつもその可能性も排除できなかった。
※ちなみにジンガサハムシの産卵↓(金色に輝くジュエリー昆虫より)


今年になって、同種と思われるフユシャクの産卵をよりじっくり観察してみたが(*)、やはり卵そのものは見えず、卵が直接壁面に産みつけられているのかどうか判らずにモヤモヤしていた。
それが【1年後の卵塊】を見て、卵が(毛の土台層の上にではなく)直接壁面に産みつけられており、毛は卵の上を被う構造だったことが、ようやく納得でき、やっとスッキリできた。


フユシャクの産卵 before & after

フユシャク♀:産卵で大変身!?



年末から見かけるようになったフユシャク亜科のフユシャク♀。某公園の木製の手すりにとまっていた。角度を変えて、同個体↓。






年明けに産卵のようすが観察できた個体(*)と同じか近い種類っぽい。シロオビフユシャクかクロバネフユシャクあたりかという気もするが……不確かなので「フユシャク」としておく。いかにも卵が詰まっているというボリューム感あふれる体型をしていたので、この近くで産卵するのではないかと予想し、翌日見に行ってみると……。








前回の観察(*)同様、母蛾はすっかり縮んで小さくなっていた。腹につまっていた卵だけでなく腹端にびっしり生えていた毛まで抜けてしまうのでボリューム感の変化は著しい。産卵前の姿と比べると、まるで別の虫のような印象を受ける。
フユシャク亜科でも、これはまた別の種類っぽい↓




イチモジフユナミシャクは旬を過ぎた?

上のフユシャクが産卵していた同じ木製手すりの上にいたイチモジフユナミシャク♀↓。名前から判るようにナミシャク亜科のフユシャク。


この個体はまだ丸まるとしているが、1月に入ってから見られるイチモジフユナミシャク♀は、産卵前の丸まるとした個体が減ってきた(目にする個体数自体は増えてきている)。


すでに産卵が始まっているのか、腹の節が縮んで、その比較で翅が長く見える。表面のコーティング(?)もはがれてきたり、ちょっと見栄えの劣る個体もだんだん増えてきた。


産卵前のキレイなイチモジフユナミシャク♀の割合は減ってきたものの、産卵を開始した(産卵後の?)と思われる♀個体は増えている。この種類は苔むしたサクラの幹の日陰側にいることが多いが、こうした場所は産卵に向いているのかもしれない。苔の隙間なら卵を産みつけやすそうだし、乾燥防止・霜防止の利点もありそうな気がする。
冒頭のフユシャクが腹端の毛を使って作る卵のコートのような役割りを苔は果たしているのかもしれない。

チャバネフユエダシャクは健在

今季初確認したフユシャク♀はチャバネフユエダシャクだった(2013年11月11日)が、これまで安定して見続けている。産卵で腹が少し凹んでいる個体もみかけるが、新たな個体が羽化しつづけているようだ。
成虫♀がホルスタインをイメージさせるユニークなチャバネフユエダシャクはエダシャク亜科のフユシャク。




フユシャクの産卵とその後

フユシャクの産卵と産卵後



1月2日に出かけてみると、フユシャク(冬尺蛾)が壁(鉛直面)に産卵していた。大晦日に産卵していたのとたぶん同種。シロオビフユシャクかクロバネフユシャクあたりだろうか? 種類についてはフユシャク亜科(フユシャクにもフユシャク亜科・ナミシャク亜科・エダシャク亜科がある)のメスだということは判るが……特定は僕には難しい。


腹を膨らませたり縮ませたりしつつ、ゆっくりと腹端を左右に移動させながら、毛でおおわれた卵塊を作っていく。卵は見えないが、産卵と腹端の毛の貼付けを同時に行ないながら1層目(?)が作られていくようだ。卵塊は下から上へ少しずつ伸ばされていき、卵塊域拡張作業の間は♀は上を向いたままだった(2枚目の画像では♀は左を向いているが、左側が上方向)。
卵を毛で覆い隠すのは、天敵が少ない時期ということを考えると、隠蔽というより乾燥防止や霜よけ的な意味があるのかもしれない。
(※【追記】卵を毛のバリアでおおうのは卵寄生蜂対策かもしれない→【フユシャクの天敵!?】)


撮影を始めた時、すでに産卵は始まっていたが、それから1時間20分ほどで1層目の卵塊が仕上がったようだ。
その後は、卵塊の上を往復しながら、ブラシのような腹端をこすりつける行動がくり返された。腹端の毛を塗り付けているように見え、この動作は1層目を作っていたゆっくりした動きに対して活発だった。1層目の卵塊の形が拡張することはなく、仕上げ(?)の上塗りのように見えた。上塗り作業では♀は下を向いたり横を向いたり、方向を変えながらブラシのような腹端をこすりつけ続けていた。




毛の上塗り行動はその後も延々とくり返され、45分程観察していたが終わりそうにないので、その場を離れた。
翌日見に行ってみると、卵塊は1層目とほぼ同じ大きさ・形で完成していた。


そして、そのそばには産卵後の、すっかりしぼんでしまったフユシャク♀がいた。


毛で覆われた卵塊は産卵直後はフェルトのような感じだが、これがしばらくすると表面が膜状に変化していく。春になると、孵化した幼虫たちは、この膜に穴をあけて出て行くようだ。去年撮った卵塊と、その後↓。


今回産卵していたフユシャクは卵塊を毛で覆うタイプだったが、似たように毛で覆うタイプのものでも、卵が列状に並んでいるのがわかる種類もいる。フユシャクでも毛で覆うことをせず、樹皮などに産みつける種類もいる(*)。
※追記:産卵1年後の卵塊↓フユシャクの卵塊:1年経ってとけた謎より


産卵前後のフユシャク♀

1月2日はフユシャク産卵のようすを観察していたが、途中あまり変化がないので、周囲のフユシャクなども見る。
近くの朽ちかけた標識のてっぺんと、案内板にフユシャク亜科のフユシャク♀がいて、大きさも形も違うので別種と思ってツーショットの比較画像を撮ってみる事に。




撮影のため♀を指先を使ってそっと容器に落とすと、2匹とも死んだフリ(擬死)をした。一瞬「死骸だったのか?」と思ったが、ほどなく動き出したので撮影。そして、撮った画像を改めてよく見ると……腹の縮み具合がずいぶん違うだけで同じ種類にみえなくもない?




別種だと思って比較してみたら……同じ種類の産卵前と後?にもみえなくもない? ウスバフユシャクかクロテンフユシャクっぽい気もするが、自信はない……。




この日はフユシャク♀カウンターを持参したが、産卵シーンを見ることができたのでこれに時間をあてて、その後の散策ポイントはカット。この日みかけた最後のフユシャク♀は、フユシャク亜科が産卵していた壁を這ってきたチャバネフユエダシャク♀で、17匹目だった。



余談だが……今回産卵していたフユシャク♀──背面から見ると目を閉じたゴリラのように見えてしまう……そう感じるのは僕だけであろうか?
以前アップした画像の再掲載。空目力をこめれば……見えてくる!?



フユシャクの交尾・産卵・卵
どんより曇りはフユシャク日和 ※チャバネフユエダシャク・ペア他
2013年末のフユシャク 大晦日に産卵していたフユシャク他
フユシャクの産卵:列状卵塊ほか

謹賀新年2014・UMA年







ということで…年賀状にかえて 今年もよろしく from 星谷 仁


※ちなみに……
赤ら顔の小人地蔵の正体→アカシマサシガメ
赤僧侶vs黒僧侶!?/アカシマサシガメとビロードサシガメ
オヤジ顔小人火星人の正体→ビジョオニグモ
ホントにいる!?リアルこびと虫づかん
こびとネコ!?トビモンの正体→トビモンオオエダシャク幼虫
ポケモンならぬトビモン