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2013年10月の記事 (1/1)

触角がユニークなシリジロヒゲナガゾウムシ

ミステリアスな長いヒゲ:シリジロヒゲナガゾウムシ



【シリジロヒゲナガゾウムシ】──ときどき見かける体長6~9mmの小さな昆虫だが、よく見ると♂はかざりのようにも見える大きな触角を持っている。じっくり眺めると、派手ではないが、なかなかあじわいのあるカラーリングで、ちょっと《面白みを感じる昆虫》だったりする。この虫の事を知りたくて検索してみたが……画像はけっこうあるのに、生態についてはあまり語られていない感じがしないでもない。ユニークな触角を持っていて、カメラを向けられることが多い割に(一般民間人からすると)謎のベールに包まれた虫?




名前(標準和名)に「ゾウムシ」とついているが顔つきはゾウムシに似ていない。じつは「ゾウムシ科」とは別の「ヒゲナガゾウムシ科」というグループがあって、そこに分類された昆虫らしい。尻(腹端と翅鞘の先端)に白っぽい模様があるので「尻白ヒゲナガゾウムシ」なのだろう。
この「尻白」のもようが(小さいので)肉眼ではハート型に見える。そこで、最初に遭遇した時は「ハート尻」でネタになると思ったのだが……撮影してアップで見ると、そうでもないのがわかって、ちょっと目論見がハズレてガッカリ!?




名前にもなっている「シリジロ(尻白)」はこの虫の特徴だが、それより目を引くのが、オスの発達した触角だ。ヘラのように扁平した形がおもしろいし、他のヒゲナガゾウムシとはずいぶん違っていることにも興味を覚える。


メスはこの触角がオスほど発達していないので、オスの目立つ触角はメスを探すための感覚器官の役割りを(も?)はたしているのだろう。
他のヒゲナガゾウムシとあきらかに形が違うのだから、このユニークな触角には、きっと独自の意味があるのだろうと想像するのだが……まだ僕はその「意味」の解答を知らない。






ついでに♂の顔がもう少し見やすいカットを、その後撮影した画像から追加。





「シリジロヒゲナガゾウムシ」で検索すると、この♂が、木の幹をユニークな触角でパタパタたたいたり、さするように触れる動画がヒットした。

【シリジロヒゲナガゾウムシ02】http://www.youtube.com/watch?v=dUxGLEukhgY

また、交尾の際に♂がこの触角で♀の体をたたくという観察を紹介したサイトもあったので、シリジロヒゲナガゾウムシ♂の触角が先端でヘラのように扁平しているのは木の幹や♀の体に「触れるため」──接する部分の表面積を増やす構造なのだろう。

ヒゲナガゾウムシの仲間では、♂の目が離れているエゴヒゲナガゾウムシ(*)なんていうユニークな昆虫がいるが、♂の触角が意味ありげな(?)謎めいた形をしているシリジロヒゲナガゾウムシもなんだかミステリアスで気になる虫である。

たそがれるハイエナ!?眼が離れすぎの虫(エゴヒゲナガゾウムシ)

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ニホンヤモリの瞳孔

眼を開けたまま眠る?ヤモリ

秋めいてきたこの時期、暖を求めて?日光浴に出ているニホンヤモリの姿をしばしば見かけるようになった。
林沿いの遊歩道の擬木でも、接続部の隙間に住んでいる(?)ニホンヤモリがよく姿をのぞかせていたりする。
撮影しようと、そーっと近づくも察知されて逃げられてしまう事が多い。
それもそのはず、ヤモリは眠っている時も眼を見ひらいている──というのもヤモリに可動式のまぶたはない。ニホントカゲやニホンカナヘビには可動式のまぶたがあるので、眼に表情が感じられる(人の受ける印象として)が、ヤモリの眼はヘビと同じ、透明なウロコに被われていて開閉ができない。脱皮のときには眼を覆っていたコンタクトレンズのような透明なウロコもいっしょに剥離する。
つまり構造上、ヤモリは眼を開けたり閉じたりすることができない──それで、眠っている時も眼は全開状態……というワケである。

だから、眠っていても、視界に入る者は「見えている」はずで、そっと近づいたところで逃げられてしまう──というのは、当然と言えば当然だろう。

が…しかし、ときどき近づいても気がつかないで眠っている(と思われる)ことがある。
そんなときに撮った画像がこれ。


大きな眼を見開いているのに──視界にはカメラを向ける僕の姿が当然大きく映っているはずなのに……まったく気づいていない!?
近づきながら何枚か撮っていると、急にあわてて隠れ家(擬木のすきま)に潜り込んだ。








虹彩がまぶたがわり?

僕が近づいたことにすぐに気づかなかったのは、きっと眠っていたからだろう。
ここでふと疑問が浮かんだ。
眼を見開いた状態なのに「すぐに気付かなかった」のは、なぜだろう?
網膜には僕の像が映っていたが、(眠っていたために)脳が覚醒時の情報処理(判断)できなかった──という解釈がまず思い浮かぶ。
そして想像したもう1つの解釈が──「見えていなかった(角膜に像が結ばれていなかった)のではないか?」という可能性。
一見、ヤモリの眼はいつでも全開に見えるが、明るい所では瞳孔がかなり細くなっている。

瞳孔の形と役割りだが──猫のように瞳孔が楕円の動物は夜行性動物に多い。瞳孔は角膜と水晶体の間にある薄い膜──「虹彩(こうさい)」によってコントロールされていて、これによって網膜に入る光の量が調整されている。このため瞳孔は、暗い所では光を多くとらえるために円形に近い形に広がり、明るい所では細長く狭くなって、網膜にとどく光の量をカットしている──カメラの「絞り」のような役割りをしているわけだ。

ニホンヤモリの瞳孔も、昼間は縦長になっているのだが、よく見ると猫の瞳孔のような楕円ではなく、もっと複雑な形をしている。
縦長の瞳孔スリットのフチは複数の弧からなる波形になっているが、これは楕円(単一の弧)の瞳孔だと開いてしまう中央部の隙間をさらに閉じるための重複弧構造(?)のようにも見える。
もしかすると、ニホンヤモリの虹彩は瞳孔をほとんどクローズできるシャッター構造になっているのではないか?
つまり、開閉式のまぶたを持たないヤモリは、まぶたの代わりに虹彩で光を遮断し「眼を閉じた」状態を作っているのではないか?
隠れるのが遅れたヤモリを見て……瞳孔の複雑な形から、そんな可能性を想像してみた。


ニホンヤモリの瞳孔の形がユニークだということは以前から感じていたが、きっとこれには何か意味があるに違いない。夜行性動物にありがちな楕円形の《絞り構造》に対し《まぶたがわりのシャッター構造》にもなっているのだとすれば、納得できそうな気もするが……もちろん素人の単なる思いつきに過ぎず、この解釈が当っているのかどうかはサダカではない……。