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2013年09月の記事 (1/1)

蟻えないほど似てる虫!?

擬木の上に2匹のアリがいる──と思ったのだが……よく見比べてみると、なんだかビミョ~に違う!?
「えっ!? ホンモノのアリはどっちだ?」と、さらによ~く観察してみると……2匹ともアリに擬態した別の虫だった。

アリにそっくり!ホソヘリカメムシ幼虫



ちょこまか歩き回っていたアリに似た虫。大きさ・色・形・動き──ともにアリそっくり! じつは、これでもカメムシ──ホソヘリカメムシの幼虫だった。


一見アリにしか見えないが、よく見ると口はカメムシ特有の針状になっている。この口を刺して、マメ科・イネ科の植物の汁を吸う。


蟻サイズの弱齢幼虫。首と腹に白い模様が入っているが、アリの首や腰のくびれに見えるようなデザインになっている。


特に蟻サイズのホソヘリカメムシ幼虫のアリへの擬態はクオリティーが高い。少し前にナショナルジオグラフィックの【アリに擬態、パナマ昆虫調査】という記事で、パナマのホソヘリカメムシが紹介されていたが、日本のホソヘリカメムシだって負けてはいない。掲載されていた写真を見ると、むしろ日本のホソヘリカメムシの方が擬態に優れているのではないか──という気がしないでもない。
アリへの擬態は《攻撃的なアリに似ることで捕食動物を遠ざける(ことで生存率が高まる)》ため──と考えられているようだ。
【擬態】というと熱帯の昆虫をイメージしがちだが、日本にだって擬態のスペシャリストがいるものである。

擬態であさざむく最大の天敵は人間!?

ホソヘリカメムシは、エンドウ・インゲン・ダイズなど豆類の害虫だが、《(農作物の害虫である)カメムシっぽくない》外見から、人がアリだと誤認してしまい、本来なら実施されるべきカメムシ防除が行なわれないことがあるらしい。
ホソヘリカメムシ 軟弱な体を臭いと擬態で守る
アリに似ていることで生存率が高まる──という【擬態効果】は人間に対してもおおいに有効なようだ。





翅が目立ってきたのは終齢幼虫? アリより大きめだが、ちょっとハチ似!?
もようが目立つようになってきたが、ウエストの「くびれ」に見えるようなデザインではある。




終齢幼虫の腹のもようは、ちょっと「仮面」に見えなくもない。「ナショナルキッド」を連想して【空目ネタ】も考えたが……ちょっとビミョ~なのでやめた……。


アリにそっくり!アリグモ♀





擬木の上にいた、もう1匹の「なんちゃってアリ」はアリグモの♀だった。アリは昆虫なので脚は6本。アリグモはクモなので脚が8本。脚の数が違うのでわかりそうなものだが、動いていると、前脚2本をアリの触角のようにかざしているので、やはりアリに見えてしまう。
以前、アリグモは紹介(*)したが、ホソヘリカメムシ幼虫にしろアリグモにしろ、本来まったく別のグループの生きものなのにアリにこれだけ似ているということは、【虎の威】ならぬ【蟻の威】に、それだけご利益があるからなのだろう。
蟻そっくりなアリグモ

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親とは似てないシマヘビ幼蛇

親とはまったく似てないシマヘビの幼蛇

先日、シマヘビの幼蛇にであった。シマヘビの成体はしばしば見かけるが、幼蛇を目にする機会は意外に少なかったので、ちょっとテンションが上がった。


画像のシマヘビ幼蛇は、いくぶんあごを広げ頭を三角にみせている。「毒蛇(マムシやハブ)は頭が三角」とよく言われるが、無毒のヘビでも頭を三角に見せることがある。相手に毒蛇を連想させる擬態ポーズなのだろう。シマヘビ幼蛇はマムシやハブ同様に瞳孔も縦長なので、それっぽく見えなくもない。


落ち葉にまぎれると意外に目立たない。大きな成体では落ち葉にかくれるのは無理だが……小さな幼蛇なら、落ち葉にまぎれて目立たない──そんな色合いだ。

シマヘビ幼蛇を最初に見たのは中学生の時だった。図鑑を見ても該当する写真やイラストがみつからず(当時の図鑑には成体の姿しか載っていなかった)、科学・第2分野の先生に見せても正体がわからず、僕にとって《謎のヘビ》だった。
(ちなみにこの第2分野の先生は科学の授業中「マムシは口から子どもを産む」と大真面目に教えていた事もあったのでガッカリ/もちろんこれは迷信。マムシは卵胎生)
シマヘビ(の成体)は何度も見て知っていたが、《謎のヘビ》がその幼体だったことを知ったのはだいぶ後だったように思う。ヘビで幼体と成体が全く違う色&模様をしたものがいるということを知ったときは驚いたものである。
ちなみに小学6年のときに見たアオダイショウの幼蛇もまた《謎のヘビ》だったが、シマヘビ幼蛇の正体が分かったときに、こちらの謎も解決した。




シマヘビ幼蛇は見かける機会が少ない!?

《シマヘビやアオダイショウは、なぜ、成体と幼体で模様が違うのか》──という疑問については以前、思うところを記した(*あくまでも素人の個人的考察)。
今回は久しぶりに出会ったシマヘビ幼蛇をみて、「成体はしばしば見るのに、なぜ幼蛇を目にする機会が少ないのか?」とあらためて考えてみた。

「誕生した幼蛇の数」と「生存競争を経て生き残った成体の数」を比べたら、もちろん「幼蛇」の方が「成体」より多いはずだ。それだけ考えると、成体よりも幼蛇を見かける機会が多くてよさそうな気もするが……しかし、よく考えてみると、シマヘビの一生の中で、幼蛇の期間は短い──ある個体に出会ったときに、それがたまたま幼体期である確率は少なくて当然なのかもしれない。

しかし……そういったことを考慮に入れても、やはりシマヘビ幼蛇に出会う機会が少ないような気がしてしまう。
例えば同じようにしばしば見かけるアオダイショウの場合は、幼蛇を見かける機会もシマヘビより多い。
アオダイショウ幼蛇は時々目にするのにシマヘビ幼蛇はなかなか見られないのはなぜだろう?

シマヘビ幼蛇は活動時間帯が夕方以降で「昼は動かず隠れている事が多いから目につきにくい」のではないか?……そんな想像してみた。そう思うに至った根拠は、瞳孔の形。


夜行性の動物では瞳孔が縦長あるいは横長になる傾向がある。シマヘビは成体の瞳孔はほぼ円形だが、幼蛇ではかかなり縦長である。シマヘビ成体は昼間、日光浴したり活動している姿を見かけるが、幼蛇の時代は暗い時間帯に活動することが多いのではないか……そのため見かける機会がアオダイショウに比べて少ないのではないだろうか……瞳孔の形の違いから活動時間帯の違いを推理してみたわけである。





ホソオチョウ@狭山丘陵東京側

ホソオチョウ/狭山丘陵東京都側でも確認






【ホソオチョウ】は、アゲハチョウ科の中でも古い系統のものらしい(ギフチョウなどと同じウスバアゲハ亜科)。原産地は東アジア一帯だそうだが、本来日本には生息していなかった外来種の蝶。
そのホソオチョウが狭山丘陵の東京都側で発生していた。
狭山丘陵の緑地と接する市街地の歩道を歩いていたときのこと、すぐわきの草むらでホソオチョウ♂が数匹舞っているのが目に入ったのでビックリ。このチョウが、そこから湖(貯水池)を2つ挟んだ反対側──狭山丘陵の埼玉県側某所で発生しているのは2009年に確認していた。しかし、このチョウの発生地は局所的だというイメージがあった。
アカボシゴマダラ(*1)やホソオチョウは比較的最近狭山丘陵でも目にするようになった外来種(両種とも要注意外来生物)だが、アカボシゴマダラが森から市街地まであっという間に広範囲で普通に見られるようになったのに対し、ホソオチョウの方は初めて見た場所以外では見た事がなかったから局所的に細々と(?)発生しているものだとばかり思っていた。
それが東京都側で視界にとびこんできたので、予想外に感じたわけである。

今回見つけた発生地はジャコウアゲハの発生場所でもあり、食草のウマノスズクサが生えていることは知っていた(ジャコウアゲハもホソオチョウも幼虫はウマノスズクサを食う)。ちょくちょく通る場所なのに、ここでホソオチョウを見たのは初めてだった。

ということで、証拠画像をおさえるべく、歩道わきの斜面にできた草むらに降りてニガテなチョウの撮影に挑んでみた(その結果が前の画像)。
以前、埼玉県側で見た時と同じように、舞っているのは♂ばかり。学校のプールほどの狭いエリアで、視界には絶えず数匹~10匹前後の♂が舞っている感じだった。♂たちは草の上をゆったりと低空で舞う……今にも降りそうに見えるのだが、なかなか止まってくれない。優雅な低空飛行はとまる場所を探しているのではなく、草むらに隠れている(?)♀を探す行動なのだろう。
まずは目移りするほどいる♂から撮影しようと思うのだが……止まってくれないかぎり、僕には撮りようがない。
やっと草にとまっている姿を見つけ、そっと近づくと交尾を始めたペアだった。とりあえず、♂と♀の2ショットをおさえる。




しかし、チョウの画像といえばやはり翅の模様がちゃんとわかるように、翅を開いたところが撮りたい。ということで、♂が降りるのを待つ。その間、ウマノスズクサの葉を食べる幼虫の姿も撮っておく。


そして、ときおり草にとまる♂をねらって、ようやく単独画像もゲット(それが冒頭の画像)。あとは♀の単独カットが欲しいところ……。
注意深く見回し、草の中ほどに止まっている♀をみつけて、そっと近づくもののチョウ撮影に不慣れなせいか、あっけなく逃げられてしまう──♀が飛び立つと、たちまち複数の♂が見つけて追いかけ回す。そしてその場から離れて行ってしまった……。

♀を求めて舞い続ける♂たちだが、ときおり視界の中の数が減ってみえる時があった。休憩に入る♂が増えたためだろう。飛翔♂の数の変化があるのは時間帯に関係しての事か、単に確率的に起こるムラなのか判らないが……ふとクロスジフユエダシャクの♀を探していた時のこと(*2)が思い浮かんだ。

♀を探して乱舞するクロスジフユエダシャク♂たちは、無風状態のときに翅を休めるものが増え、風が吹くと舞い始める。♀のニオイが運ばれてくるとそれに反応して♀探し飛行が始まるのだろう。フユシャクなどの蛾は♀がフェロモンを発して♂を呼ぶものが多いという。
これに対し蝶の場合は♂がフェロモンを発するものが多いらしい──と僕は思っていた。だから、ホソオチョウも♂が♀のニオイ(フェロモン)をたよりに♀探しをするものかどうか……怪しい気もするが、乱舞する♂の行動だけを見ていると、ホソオチョウも(クロスジフユエダシャク同様)「オスがメス探しをしている」ように見える。とするなら、メスを探す手掛かりに嗅覚を使っていてもいいような気がしてきた(真偽のほどは不明)。それとも、♂はフェロモンをまき散らしながら草むらの上をさまようだけで、あくまでメスの側が♂のフェロモンに反応して現れるのを舞っているだけなのだろうか? あるいは、♂は視覚だけをたよりに草むらにひそむ♀を探して飛び続けているのか……。

♀が現れるのを待ちながら、「もしホソオチョウもフユシャクのように♂が♀のニオイを手掛かりに舞っていたのだとしたら、♂が舞っている風上にニオイのもと=♀がいるのではあるまいか?」と考え、♂の密度が高い場所を離れ、風上側を探してみた。
はたして(!?)──偶然かどうかはサダカでないが、風上側から♀が飛んできて、近くの葉の上に降りたので、今度は逃がさないようにと慎重に近づき、♀の単独ショットも撮る事ができたのだった(冒頭から2枚目の画像がそれ)。
あまりきれいなショットではないが、とりあえずホソオチョウの特徴がわかる証拠写真ということで。

ところで、ホソオチョウの名前の由来でもある後翅の細長い尾状突起──これにはどんな意味があるのだろう?
アカシジミやウラナミアカシジミなどでは後翅の尾状突起がダミー触角(そして尾状突起付近の紋がダミーの眼)として、頭部を狙う鳥などの天敵からの攻撃をそらす役割りを果たしていそうな事はわかる(*3)。
しかし、ホソオチョウの尾状突起は、ダミーの触角としては立派すぎる気がする。


草むらの上を飛ぶホソオチョウ♂同士がでくわすと、絡み合うように争って相手を追い立てる。そんなシーンを何度か見たが、もしかすると、このとき尾状突起が立派な方がハッタリがきくのだろうか? 前の記事で紹介したエゴヒゲナガゾウムシ(*4)は♂同士が眼の幅を競うことでその幅が「広がった」のではないかと想像しているのだが……ホソオチョウも♂同士の争いで尾状突起が長い方が優位に立てる【威嚇アイテム】として発達したことで「長くなった」のだろうか……。

ホソオチョウが降りるのを待つ間、ぼんやりあれこれ想像したが……「待って撮る」のはせっかちの僕には珍しいことだった。
ホソオチョウ発生地の近くでは草刈りが進んでいて、この草むらも近いうちに刈られることになるだろう。草刈りが入ったあとだったら、今回撮ったシーンは見られなかったに違いない……そう考えると、草刈りまぎわ(?)に気がついたのはラッキーだったかもしれない。



追記:2009年8月に狭山丘陵埼玉県側で撮影したホソオチョウ














たそがれるハイエナ!?眼が離れすぎの虫

空目【たそがれるハイエナの後ろ姿】に見える虫

さて、まずはハイエナを思い描いていただきたい。ブチハイエナ。
これを2~3頭身にスーパーデフォルメした姿をイメージ。
そのSDハイエナが「たそがれている後ろ姿」を想像して……なだらかな頭頂部、そのわきにつきだした耳介……。
昆虫ではなかなか見られないほ乳類の耳介(耳)がポイントですぞ!
イメージできましたか?
しからば──、


・・・・・・ということで、空目から入ってみた昆虫ネタ


顔の外に眼がとびたした!?エゴヒゲナガゾウムシ♂

【ハイエナの後ろ姿】に見えた(かもしれない?)昆虫──正面から見ると、こんな顔。


【エゴヒゲナガゾウムシ(ウシヅラヒゲナガゾウムシ)】は7~8月頃、エゴノキの実の上でよくみかける。顔の輪郭の外に眼がとびだしたマンガのようなユニークな顔をしているのはオスだけ。


メスはオスほど眼が離れていない。顔だけ見たら別の種類のようだ。






オスの眼が離れているのはなぜか?

オスとメスで眼の離れ具合にこれだけ性差があるのは、繁殖に関係する要因によるものだろう。
エゴヒゲナガゾウムシの♂は、縄張りや♀をめぐる争いで、♂同士が顔を突き合わせて体の大きさを競う──そんな習性があるのではないか?
《相手より大きく体を見せる方が優位》→《相手より眼の幅が広い方が優位》という形で♂同士の争いに【離眼距離】が影響しているのであれば、より「眼が離れた♂」の子孫が残りやすくなり、その結果、この特徴が発達していって今日のようになった(のではないか)……僕はそう想像している。
1度だけ、2匹の♂が顔を突き合わせたとたん、一方が飛び去るのを見たことがあって、そんな解釈をしているのだが……平たい顔と眼の位置関係は、♂同士が顔を突き合わせたときに【離眼距離】を比較しやすい構造にも見える。このことからも、【眼が離れているのは、オス同士の闘争で優位にたつため】という解釈は成立しそうな気もする。


ところで【エゴヒゲナガゾウムシ】は名前に「ゾウムシ」とついているのにオスもメスも顔つきはゾウムシっぽくない。エゴヒゲナガゾウムシは【ゾウムシ科】とは別の【ヒゲナガゾウムシ科】の昆虫。
同じエゴノキの実に産卵するゾウムシ科の昆虫には【エゴシギゾウムシ】がいるが、こちらはゾウムシっぽいルックスをしている。長い口吻はゾウの鼻というより(鳥の)シギのクチバシを連想させる。