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2012年10月の記事 (1/1)

つれづれに夢の話

夢はおもしろい。脈絡の無いバカげた(?)ストーリーが展開されることがあったり、その一方、覚醒しているときには気がつかなかった示唆にとんだエピソードが展開される事もある。

最近、虫屋さんたちのつぶやきの中で、ちょっとおもしろい夢が紹介されていた。
《珍しい昆虫を捕まえる夢》という、いかにも虫屋さんにありそうな夢である。しかし、《巨大な新種を捕まえたものの大きすぎて毒瓶に入れられなくて困っているうちに目が覚めてしまう》とか、《毒瓶に入れたものの、眺めているうちに「これはあまりにも不自然だ、絶対に夢だな」と思って目が覚める》とか……そんな残念な幕切れになってしまうらしい。それもなんだか虫屋さんらしい。

僕も虫採りの夢を見ることがあるが、これは虫屋さんとは違って、昆虫自体への関心からそれが出てくるというより「象徴」としての昆虫が登場することがほとんどのようだ。
というのも、何かアイディアをひねり出そうとしているときに虫採りの夢を見ることが多い。「アイディア探し」が「虫探し」のイメージとかぶるのだろう。インスピレーション・モード(?)では無意識が活性化するため(意識の抑制が弱まることで)退行的な部分で(カブト・クワガタ探しをした)子供の頃の記憶(感情)にアクセスしやすくなる──という事もあるのかもしれない。

《カブトやクワガタを求め、山林の深いところまで分け入り散々探しまわったのにいっこうに見つからない……あきらめて引き上げたところ、すぐ身近なところで発見する》という夢も何度か見たが、これなどは「着想が得られないまま思考が深みにはまって迷走している」「そんなところを探し続けても良い結果は期待できない──一旦その場を離れてみるとむしろ(それまであまり重要視していなかった)身近な所に意外な発見があるかもしれない」──という示唆や暗示が含まれているような気がしないでもない。

また、《木のウロの中に立派な虫を見つけたものの、穴が狭くて手が届かない/むりやり引っぱり出そうとすれば、せっかくの虫が壊れてしまいそうで苦労する》という夢は、「面白いアイディアをつかみかけているだけど、それがストーリーとしてうまくまとまらない」──そんな時の苛立ちや焦りの気分を反映しているようにも思われる。
面白いアイディアを得ても、それがすんなりストーリーになることはむしろ珍しい。見つけたアイディアをなんとかものにしようと工夫を重ねることが普通だが、焦って強引にストーリー化しようとすれば、せっかくのアイディア自体を台無しにしてしまう──なんてことにもなりかねない。《強引に虫を引きずり出そうとすれば傷つけてしまう》という心配はこの気分によく似ている。

《見つけたときはカッコイイ!と喜んでいた虫が、持ち帰る間にだんだんヘンな生き物にかわっていってしまう》なんていう夢もある。着想を得た時、「これはいけるゾ」と喜んでいたアイディアが、作品化の段階でなかなかうまく行かず、いじり回している間に変質してしまう事がある……この夢はそんな心境に近いものがある。

このように僕の場合、虫採りの夢はアイディアに窮しているときに見る事が多い。しかし一方、アイディアそのものを夢で得ることもあったりする。
昔、『竜の船』というファンタジーで《第32回毎日児童小説》小学生向の佳作1席に選ばれたことがあったが、このときの作品はほとんど夢の中でストーリーが出来上がっていた。

ときには実在する人物が登場するコント仕立ての夢が展開したことも……!?




この夢↑に登場したコンビは某昆虫フォーラムのメンバーで実在の人物。仮称ムギピョンの方は一時女性を装って書き込みしていた事があり、そっちの気があるんじゃないかとツッコミが入った人物である。
そんなエピソードが夢にも反映していることがうかがえる。
いちおうオチまでついているから、夢の中でアイディアがまとめられた一例といえるだろう。

こうした柔らかいネタばかりではなく……数学の問題を夢の中で解いた事もあった。高校時代に、寝る前に考えたが解けなかった三角関数が、目覚めたときには答えを得ていた。どうやって解いたのか……夢の中の思考プロセスは残念ながら覚えていなかったが、とりあえす目覚めた時に覚えていた答を問題の式に代入してみたところ正解だと確認でき、我ながら感心したものだ。

また夢の中でクイズを解いたこともある。
「ここに12個の箱がある。そのうち1つの箱だけ重さが違う箱を秤を3回だけ使って見つけだす方法を求めよ」というもの。知人に出題され、あれこれ考えてみたのだがその時点では解けなかった。ところが眠っている間に、夢の中で解き方をみつけ、このときは「解けた!」と無理矢理目覚めて(?)、すぐにメモをとった記憶がある。
これはなかなか良い問題だったと思うので、頭の体操でチャレンジしてみたい人は考えてみると面白いかもしれない。
いちおう僕が夢で得た解き方はブログの方にアップした。答えが知りたい人はどうぞ。


夢の中で解いたクイズ

支離滅裂な夢も多いが、ときにはこのように、覚醒時に意識を総動員して考えたのに解けなかった問題が、夢の中で解けることもある。
夢はおもしろい。

いったい夢とは何ぞや?
そんなことを考えるようになったのはだいぶ昔のような気がする。
当初は「夢」というのは「心の全体性を保つための補完的シミュレーション」のような役割を担っているのではないか……などと想像したこともあったが、今ではそのようなハッキリした「理由・目的」をもった働きではないだろうと考えている。

眠っている間、脳の中にはランダムに発生する余剰信号(意味を持たぬ雑信号?)みたいなものがあって、その人が関心を持っている分野やエモーションに関連する回路(コンプレックス等)に触れるとその周辺で興奮がおこり(反応が活性化し)、活性が高まった部分では信号も連鎖反応的に強まるだろうから……そこで目覚めた後も記憶にとどまるような夢が形成されていくのではないか?

無作為に余剰信号(?)が走る回路では意味のない夢のかけらが雑然と発生しているのだけれど、たいていは記憶されずに消えていく……その中でその人の関心の高い部分・エモーションに関わるところで活性化した強い反応が記憶に残るほどに育って夢になるのではないか?
今はそんな風に考えている(学術的に正しいかどうかは知らない。あくまでも個人的想像)。

つまり、夢というのは、最初から意味のあるストーリーを意図して構築されるものではない。
細かい部分で(というか、かなり大きな部分でも)整合性がおかしいのは、元々は意味のないところで発生したからで、一見(整合性は)メチャクチャなのに、何か印象に残る──というのは、エモーションに関わる部分(心理を投影しうる部分)が残ったからだろう。

夢の仕組みがおおよそそんなものだったとすると、覚醒時に解けなかった問題が夢の中で斬新なアプローチで解決することがある──という現象も説明がつく。
覚醒時には我々は明確な意識の下、常識的体系で物事を捉え・考える。しかし、夢の中では意識時の思考体系の拘束は緩まり、通常は結びつかないカテゴリー間でも無作為に信号が飛び回る。体系の垣根を飛び越えてランダム・イレギュラーに信号が走る中で、覚醒時には思いもよらなかった意外性が生まれることだってあるだろう。その人が関心を持つ分野であればその周辺で反応の活性は高まり、斬新な着想につながって記憶にとどまる可能性がでてくる──これが夢のもたらすインスピレーションではないかと思う。

夢については語り始めると、触れたいテーマはあれこれあるので話しは広がり、とりとめが無くなってしまいがちなので、今回はこのくらいで割愛。

冒頭の虫屋さんたちの夢の話題に戻って……彼らのつぶやきの中には「夢から覚める状況」として、こんな例もあげられていた。
《尿意をもよおし、トイレを探しているうちに目が覚める》というもの。これに付随して《夢に出てくるトイレはマトモじゃない》なんて話しも出てきて、これには虫屋でなくても共感を覚える人は多いだろう。

僕も夢の中で《尿意をもようし、トイレを探すのだが、なかなか見つからなかったり、あったとしてもマトモじゃなくて別のトイレを探し続ける》なんて夢をみる。そのうち目が覚めて実際にトイレへ立つわけである。
考えてみれば、夢の中のトイレで安心して用をたしていたら……オネショという事態にもなりかねないから……夢の中ではトイレを欲し、みつけることができても「安心して気持ちよく用を足すこと」を妨げようとする演出が加えられているような気がする。
一見オカシな夢には、なにか理由が隠されているケースも少なからずあるのだと思う。

虫屋さんたちが《珍種の昆虫をみつけたのに毒瓶に入らない》など、最後のツメがままならない夢にも、もしかしたら何らかの理由があるのではないか?
《トイレにたどり着いたのに、用を足せない》という「トイレ覚醒」と《貴重な虫を捕まえたのに毒瓶に入らない/目が覚めてしまう》という「虫採り覚醒」はちょっと似ている気がしないでもない?

夢の中で珍虫を毒瓶に入れたものの、眺めているうちに「これはあまりにも不自然だ、絶対に夢だな」と気がついて目が覚める──というのは、昆虫採集に対する意欲があるからこそ見る夢なのだろうが、その昆虫への関心・洞察の強さが故に、夢の中でも矛盾に気づいてしまって、夢を継続する事ができなくなって目覚める→夢の中でエラー(矛盾の発覚)が起こり夢が強制終了する──ということなのだろうか?

《巨大な新種を捕まえたものの大きすぎて毒瓶に入れられなくて困っているうちに目が覚める》という夢は、もしかしたら虫屋さんの潜在願望の大きさに対してその受け皿が小さすぎて役に立たず困る──「野心的テーマ・素材をみつけても研究予算や設備が不足しがちで、立ち行かずに苦労する」というような現実の気分が反映しているのではあるまいか……などと勝手な想像が浮かんでしまったりする。

これらの解釈が当たっているかどうかは別にして……夢というのはおもしろいものだなぁ……とあらためて感じたしだい。


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夢の中で解いたクイズ

だいぶ昔のことになるが、夢の中でクイズを解いたことがあった。
12個の箱の中から重さが違う1つを秤を3回だけ使ってみつけよ──というクイズだった。問題の箱が他より【重い】のか【軽い】のかが示されていなかったので難しく感じた。起きて考えているときには解くことができなかったのだが……なんと、眠っている間にインスピレーションを得て解決。目覚めてすぐに夢の中で得た答えをメモに書き残した記憶がある。当時のメモをあらためて図解してみたのが以下の画像。
直列的な文章で説明すると、ちょっとややこしいが、着想を得た時点の理解では構造全体を見渡せていたので、スッキリ感があった。











ハート亀虫羽化 見守るキリスト!?

エサキモンキツノカメムシの羽化

先日、遊歩道の手すり(擬木)でエサキモンキツノカメムシが羽化しているところにでくわしたので記録。空目ネタとからめてまとめてみたしだい。キアイを入れれば、こんなふうに見える……かも!?



















エサキモンキツノカメムシは冬でも(越冬中の)成虫と幼虫をみかける。冒頭の人面虫(幼虫)は昨年12月中旬に撮影したもの。羽化の画像は先日(10月24日)のもの。翅が伸びるのは完全に古い殻を抜け出した後だろうと思っていたが、羽化中に翅は広がり続け腹部背面をどんどん覆っていくのがちょっと意外だった。
(*ちなみにコノハムシの羽化の場合は翅は脱皮後のびていく)

ハート(愛)亀虫は卵やふ化した幼虫を守る





羽化後の気になる行動?

羽化したあと、成虫は後脚で器用に翅をなでつけ、整えていた。そして、ちょっと不思議な行動に出た。
抜け殻に何度も攻撃(?)をしかけ、ついには落としてしまったのだ。この行動には何か意味があるのだろうか?


とりあえず思いつく可能性をあげてみると……、
羽化個体のすぐそばに抜け殻があると(無い場合よりは)天敵から見つかりやすくなる(だろうから)──そのリスクを減らすため?
例えば羽化のさいの離型剤(脂?)のようなものが抜け殻に残っていて、そのニオイを嗅ぎつけて寄生蠅が集まりやすくなる……といったような事でもあるのだとすると、天敵誘因源を遠ざける行動として解釈できそうな気がする。

それとも、成虫にとって抜け殻は他者(非自己)と認識され、近づく他の虫と同じように追い払おうとしただけなのか?
以前某氏のブログに、スコップで切断されたムカデの上半身が下半身を敵だと思って(?)噛み付いている衝撃的な画像が紹介されていたことがあったが……それが脳裏によみがえった。
羽化や脱皮で体から分離をしてしまえば、もはやそれは他者(非自己)と認識されるのだろうか?
脱皮したぬけがらを食べてしまう虫も多いが、カメムシの場合は口の構造からそれはできないのだろう。

あるいは……僕がずっとカメラでのぞきこんでいたため、羽化したてでまだ飛んで逃げることができない成虫が、僕の注意をそらすために陽動作戦としてぬけがらを落とし「かわり身の術」を試みた──なんていう面白すぎる可能性は……無いだろうが。



茶色いハラビロカマキリ【追記あり】

茶色いハラビロカマキリ

カマキリはよく見かける虫のひとつ。あらためてカメラを向けようという気がおこらず、いつもはスルーしがちなのだが……きょう茶色いカマキリの横を通り過ぎて、数歩先で「あれ?」と足を止めた。
茶色いカマキリだったが、よくみかけるコカマキリとは違っていた。形や大きさはハラビロカマキリっぽかったぞ──と気がついたのだ。
引き返してのぞきこんでみると、やはり茶色いハラビロカマキリのようにも見える。


オオカマキリなどでは緑色の個体と茶色い個体がいるのは知っていたが、ハラビロカマキリといえば緑色という印象があった。
「茶色いハラビロカマキリって、いるのだろうか? それとも別の種類なのだろうか?」──現場ではよくわからないので、とりあえずデジカメに収めておいた。


帰宅後調べてみると、ハラビロカマキリでも茶色い個体は(東京では?)少ないながら出現するらしい。撮影した個体もやはりハラビロカマキリのようだ。
よく見る種類なのに色が違うと印象がずいぶん違っておもしろい。


コノハムシの偽瞳孔

ちなみに、よくみかける緑色のハラビロカマキリはこんな感じ↓。


ハラビロカマキリとハリガネムシ

ハラビロカマキリはカマキリの中でもハリガネムシの寄生率が高いらしい。地面に降りたハラビロカマキリからハリガネムシが這い出していたり、路面で轢死した両者を見かけることも少なくない。


路面で脱出中のハリガネムシを見つけたので撮影しようとデジカメをとりだしている間に脱出し終えてしまった。

ハリガネムシは成虫が水中で産卵し、ふ化した幼虫が水生昆虫に寄生→その水生昆虫を陸生生物(カマキリ・カマドウマ・キリギリス類など)が補食することでその体内で成虫になるそうだ。
ハリガネムシに寄生された宿主は(行動を操作され?)河川に向かわされると言われているが、こうして水気の無い路面で脱出し、ひからびている姿もよくみる。
陸生昆虫類に寄生しその体内で成虫になることができたハリガネムシの、いったい何割が河川に帰還できるのだろう?

気味悪がられがちのハリガネムシだが、河川の生態系に大きく関わっているという、こんな研究もある。


この研究↑によると、ハリガネムシによって河川にもたらされる餌資源(陸生昆虫類)は渓流魚の年間摂餌量のなんと6割を占めるという。

《ハリガネムシ類は、森と川のつながりを維持する健全な森林管理の在り方を指標する重要な生物種ともいえるかもしれません。》──という研究を知ってハリガネムシの印象がちょっと(かなり?)変わった。

【追記】今年は茶色型が多いのか!?

先日はじめてハラビロカマキリの茶色型の存在を知って、関東では(?)めずらしいのかと思っていたが……その後さらに2匹のハラビロカマキリ茶色型と遭遇。




2匹目のハラビロカマキリ茶色型は先日見たものより複眼の色が緑色っぽかった。この種に茶色型がいることはずっと知らずにいたが、見つかるときは立て続けに見つかるものだ……と思っていると……。








ふと思い浮かんだ昆虫予想

3匹目のハラビロカマキリを(いろんなアングルからチェックしようと)指にのせて撮っていたところ、いきなりジャンプ。低い植え込みへ飛び込んでしまった(翅は広げていたが落下に近い?)。
入り組んだ枝の下側に姿を隠しているのを探し出して、さらに何枚か撮影してみたのだが……カマキリはこちらを警戒して枝かげからなかなか出てこようとしない。
そこで見えやすいところへ追い出そうとカマキリの背後から指先でつついてみた。すると、つついたあたりの枝からボロボロっと何かが落下。またカマキリがジャンプしたのかと地面を探してみたがみつからない。逃げられたか……と思いきや、カマキリは枝のかげにとどまっていた。


どうやらカマキリをつついいたときに枝にひっかかっていた枯れ葉か枝片が偶然落ち、それを(動くものを)カマキリだと誤認してしまったらしい。
「この陽動作戦(かわり身の術?)をカマキリが意図的にやっていたら大したものだな」
そんなことを想像し、実際にやっていた昆虫がいたことを思い出した。
以前テレビ番組で紹介されていたのだが……木の枝に擬態した大きなナナフシが、人が触れたとたん脚を落として(自切して)みせたのだ。トカゲがシッポを切り離し、のたうつシッポに敵の注意をひきつけておいて逃げる──というのはよく知られている。ハンターはたいてい動いているものを追尾しようとする。天敵の意識を本体とは別のところに誘導し、じっと隠れていれば逃げ果せる可能性は高まるはずだ。

そこでさらに想像が展開する。
背に腹はかえられない──とはいっても、自分の体を切り捨てるのは、それなりに損失も大きい。ならば、自分の体ではなく、(僕が偶然だまされたように)潜んでいる周囲の葉や枝を切り落として敵の注意をそらす──なんて手法をとる虫がていもいいのではないか?
すばやく葉や枝を切り落とすとなると、それなりに強いアゴをもつ昆虫にしかできないだろうか?

昆虫の中には自分の糞や脱皮した抜け殻を背負っているものがいる。姿を隠すカムフラージュの意味もあるのだろうが……危機が迫ったとき、こうした身につけているモノを離脱させて「かわり身の術」に使うような昆虫はいないものだろうか?

「そんな昆虫がいても良いような気がする……きっといるんじゃないかな」
などと、まだ見ぬ虫の存在を予想してみたりするのであった。

カマキリの卵のうと積雪の関係(※「カマキリの雪予想」のウソ)

10月のセミと桜

秋空にひびくセミの声&桜の花

10月も三分の一が過ぎ日差しも秋めいてきたが、東京のはずれでは、まだツクツクボウシとアブラゼミ鳴いている(ツクツクボウシの方が多くアブラゼミは少ない)。


画像↑は今日鳴いていたアブラゼミ。鳴き声をたどって見上げると、土手の斜面に植えられたハナミズキの幹に止まっている姿が見えた。土手を登ってよく見える位置から撮影。

その近くの桜並木では南方系の外来種キマダラカメムシ成虫があちこちで見られた。


Wikipediaによると、東京で確認されたのは2010年とのこと。僕が初めて見たのは2011年だった。※キマダラカメムシ東京進出/他

さらにその近くで、桜が開花していた。他の(花が開花していない)桜にはまだ葉がついているが、開花した桜の枝は丸裸に近い。


葉が落ちた事で(冬が過ぎたと勘違いして?)開花時期を間違えて咲いたものだと思って昨年はこんな記事(季節外れの桜:開花させた犯人は!?)をアッブしていたが……もしかしてもともと年に2度咲く品種?

「セミ→夏」「桜の花→春」というイメージがあるので、なんだか季節感が混乱する。今年は特に体感的にも季節が後ろにズレ込んでいるような気がして季節の実感が今ひとつしっくりこない……。

【追記】セミ:最終確認の鳴き声と姿

10月下旬になってもセミの姿があったので追記


※今年のセミの鳴き声の最終確認は2012年10月15日(アブラゼミとツクツクボウシ)だった。
※2005年の記録……10月20日にアブラゼミとツクツクボウシの鳴き声を確認。10月21日にアブラゼミの鳴き声を確認。

空飛ぶサソリ天狗虫!?

空飛ぶサソリか天狗ハサミムシか!?



猛獣ラーテルを倒したUMA(未確認謎生物)──というのはウソで、毛虫の死体のそばにいたヤマトシリアゲ。この昆虫は死んだ昆虫の体液などを吸う。


オスは腹端にハサミムシを思わせるハサミのような器官をもつ(メスの腹端は細くなっている)、このハサミはオス同士の戦いや交尾でメスをつかむのに使われる。
腹端をくるっと反らせて持ち上げている姿が特徴的だが、このポーズが名前の「シリアゲ(尻揚げ)」の由来らしい。


初めてこの虫を見たとき、ハサミムシとサソリを組み合わせて翅をつけ、天狗の鼻あるいはトキのクチバシを思わせる長い口吻を持った風変わりにしてカッコイイ昆虫──と思った。




オスが腹端のハサミをくるんと反らすように持ち上げた姿を見たときはサソリを連想した。その後、英語圏ではシリアゲムシのことを【scorpion(サソリ)fly】と呼ぶと知り、納得。



こちらはヤマトシリアゲ夏型のメス。


モンクロシャチホコ幼虫の死骸にひかれてやってきたようだ。




【追記】「吸う」と記したが、口器の先端は咀嚼型の構造になっているらしい。

プレゼント婚

オスは獲物(虫の死骸なと)をみつけると、その場に陣取ってメスを待つ。オスが単独で死骸に口吻を突き刺しているところを見た事があるが、食餌のさいにもしかして消化酵素のようなものを注入しているのだとしたら、メスを待つ間、獲物を熟成させる(?)というような意味もあるのだろうか?
オスはメスがやってくると獲物を与え食餌をさせて、そのスキに(?)交尾をする。






ヤマトシリアゲ・2タイプの体色





一見してわかるように5~6月頃に出現する春型成虫は黒く、7~9月頃に出現する夏型成虫は黄色っぽくなる。このため昔は別種だと思われており、夏型はその体色からベッコウシリアゲとよばれていたそうだ。
体色が変わることにどんな意味があるのかはわからないが……季節によってまとう色を変えるなんて、ちょっとオシャレな感じがしないでもない。


5月下旬に撮った♂同士の闘い(↑)。左の♀をめぐってか、2匹の♂が腹端のハサミを使って激しく争っていた。

ヤマトシリアゲ余談

ハサミムシのハサミ・サソリのような尾・天狗のような顔・しかも飛ぶための翅を持っている──初めてヤマトシリアゲを見たとき、様々な魅力をあわせ持つ不思議な昆虫に思えた。
ハサミムシのサハミはカッコイイ──クワガタの大あごのような魅力がある。
サソリも巻き上げた毒針がカッコイ。
強力な武器である毒針はカッコイイが、単に刺すだけの「毒針」より「ハサミ」の方がメカニカルでよりカッコイイ!(と僕は感じる)
だから腹から腹端にかけての構造はハサミムシやサソリよりもシリアゲムシ♂の方がカッコイイ!──ということになる。

まだシリアゲムシを知らなかった頃、SF童話として書いた作品に登場する宇宙生物をこんな形に想像して描きとめていたラクガキがある。


まだ昆虫の事をあまり知らなかった頃の絵なのでオカシなトコロがあるが……とりあえずハサミムシのようなハサミを持つサソリ型の尾があったらカッコイイだろうと想像してのデザインだった。当時はこんな尾を持つ昆虫が実際に存在しているとは夢にも思わなかった。

しかも実在していたヤマトシリアゲは飛ぶ事ができるというのがまた良い。ハサミムシには飛べるものもいるというがサソリは飛べない……飛べない人間にとって飛行能力は魅力である。

さらに余談になるが……子どものころ『鉄人28号』というアニメが放送され、たちまちこのロボットのカッコ良さにハマった。「鉄人のカッコ良さは完璧だ!」と熱くなっていたが、敵ロボット・バッカスの登場に驚いた。当初、鉄人には飛行機能が備わっていなかったのだが、バッカスはなんと飛ぶことができたのだ。「カッコ良い鉄人に、あと飛ぶ能力があったら、本当に完璧なのに……」と子ども心に悔しく思ったことが記憶に残っている。ちなみに、その後、鉄人にもロケットエンジンが装着され飛ぶ事ができるようになり、それがとても嬉しかった。
そんな思いもあったので、カッコ良くてしかも飛べる──というのは僕の中で「スゴイぞポイント」が高いのである。

昆虫は見る人によって好き嫌いが大きく別れる生き物だと思う。その中でも種類によってその格差は大きい。
ヤマトシリアゲも僕にはカッコ良く見えるが、人によっては不快度が高い虫なのかもしれない……。