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2011年10月の記事 (1/1)

オオクモヘリカメムシの青リンゴ臭は本当か?

Wikipediaで【カメムシ】のページを開くと、「臭いの効用」という項目の最後に、

オオクモヘリカメムシは、青りんごのようなにおいを放つ。

という記述がある。書いた人は確かめたのだろうか?
僕もこの噂が気になり、確かめてみたことがあった。


しかし僕が嗅いだ限りでは、とても「青りんごの香り」とは言えない悪臭だった。
(※但しキバラヘリカメムシは「青りんごの香り」に近いニオイだった)

ちなみに、Wikipedia【カメムシ】中の問題の記述《オオクモヘリカメムシは、青りんごのようなにおいを放つ》の「オオクモヘリカメムシ」の文字はWikipedia【オオクモヘリカメムシ】にリンクしている。しかし、そのリンク先の【オオクモヘリカメムシ】のページでは、この虫が放つニオイについて──、

放つ臭いはきわめて臭い。

日本で普通に見る事のできるカメムシでは最も臭いカメムシである。たとえば竹内(1955)では「その臭気は特にはげしい」、石井他編(1950)では「臭気特に猛烈」と記述されている(*)。
    *参考文献=竹内吉蔵、『原色日本昆虫図鑑(下)』、(1955)、保育社
          石井悌他編、『日本昆蟲圖鑑』、(1950)、北隆館


と記述されている。どっちやねん!?
Wikipediaの信頼性については、項目によってかなりバラツキがあるらしいが……ネットで拾った情報などを真偽を確かめずに書き込んでしまう人もいるのだろうか。

Wikipediaといえば、以前【ヤマカガシ】の項目で

頸部にも奥歯とは別種の毒を出す頸腺と呼ばれる毒腺があり、危険が迫ると相手の目を狙って毒液を飛ばす。

という記述があって驚き、疑問に思ったことがあった。
この件については【疑問:ヤマカガシが《相手の目を狙って毒液を飛ばす》説】に書いたのだが、最近Wikipediaの【ヤマカガシ】を改めて確認してみたところ、《相手の目を狙って毒液を飛ばす》という記述は削除されており、以下の文章に改められていた。

頸腺から出る毒液を飛ばすこともあり、これが目に入ると結膜、角膜の充血や痛みを生じ、結膜炎や角膜混濁、角膜知覚麻痺、瞳孔反応の遅延、虹彩炎などの症状の他、最悪の場合失明を引き起こす。

《相手の目を狙って毒液を飛ばす》に比べるとトーンダウンしているが、《頸腺から出る毒液を飛ばす》というのはホントなのだろうか?
「(叩いたり掴むなどの外力が加わった時に)飛ぶことがある」というが正しいのではないかという気もするが……ヤマカガシが自力で《毒液を飛ばす》行動は観察されているのだろうか。

以前、Wikipediaのヤマカガシ記述への疑問記事を書いたときは、いくつかのブログで《相手の目を狙って毒液を飛ばす》というような記述をみつけたのがきっかけだったが、それだけ多くの人がWikipediaを信用して引用しているということなのだろう。

【カメムシ】も多くの人が検索する項目だろうから、《オオクモヘリカメムシは、青りんごのようなにおいを放つ》という「Wikipedia情報」も拡散しそうな気がする。

少なくとも僕が確認した時は「ガセネタ」だったのだが……この記述も後に削除されることになるのであろうか?
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仮面虫!?…かめn虫…カメムシ 第2弾!

仮面や人面に見えるカメムシ





キアイを入れれば見えてくる!?



【ウシカメムシ 幼虫】黒マスクをつけた謎のヒーロー・ZOROの顔に見えなくもない? 逆さに見ると黒い部分が両手(前脚)を広げたネコのようにも見える(ネコのような虫!?ソンブレロ仮面ウシカメムシ幼虫ほか)。



【エサキモンキツノカメムシ 幼虫】成虫はハートマークがオシャレな、あのカメムシ。卵~孵化した幼虫を守ることでも知られている(ハートフルな亀虫エサキモンキツノカメムシ)。



【ナガメ 幼虫】唇が厚いチョビ髭の怪人の顔にも見えるが、逆さに見ると黒い部分が猫顔のようにも見える(ネコのような虫!?)。成虫も仮面っぽいデザインで、仮面虫第1弾で紹介している。



【アカスジキンカメムシ 幼虫】大口を開けて笑っている顔に見えるが、その大口の中の白い点を鼻と口に見立てると仮面に見える。白と黒のかたまりは遠目には鳥のフンのようにも見える。
フェレットの散歩をするようになって見かけるようになったカメムシ。
フェレット漫画:最後っ屁対決!?



【アカスジキンカメムシ 成虫】大口を開けて笑っているように見えるが、見ようによっては口を閉じ口角を上げて笑みを浮かべている顔にも見える。

カメムシのもようは面白く、よく見ると仮面や人面、ネコ顔っぽいものも多い。




『花はなに色? 野上豊司児童文学作品集』


『花はなに色? 野上豊司児童文学作品集』
作:野上豊司/絵:葉 祥明/解説:星谷 仁/発行:玄竜舎 2011年8月18日
IBSN978-4-903179-03-2/定価:本体1300円+税

この本の作者・野上豊司さんは昔《児童文芸》の研究会で出会い同人誌時代を共に過ごしてきた仲間だ。52歳のときに大腸癌で余命1年と宣告され、53歳の若さで亡くなっている。
彼の死後、夫人が豊司さんの書き残した原稿を作品集としてまとめたのがこの本で、葉祥明さんが表紙カバーや本文挿絵を描かれている(*)。

*葉祥明オフィシャルブログ>掲載本の紹介
http://blog.yohshomei-netshop.com/?day=20111005

今でこそ、こうしてブログなどで自分の書いた文を自由に活字表記し多くの人が閲覧可能な場に公開できるが、僕らが《児童文芸》研究会に参加していた頃は、文芸作品は原稿用紙に手書きで文字を埋めていた時代。自分が書いた作品を活字にすること、読んでもらえる場に発表する事自体が大変だった(※)。またそれだけに出版は憧れでもあった。

そんな時代に書かれた作品が、こうして素敵な作品集に結実したのは当時の仲間としても嬉しい。
僕は《児童文芸》時代の仲間ということで、僭越ながら解説を書かせていただいている。
意識するしないにかかわらず、作品というのは作者が反映するものだ。生前の彼を偲び、その人柄と作品について思うところを綴らせていただいた。

同期の仲間がいなくなる……というのは、故郷が無くなってしまったような喪失感がある。
しかし、今はなき仲間が情熱をそそいで書いていた作品が、こうして確かな形で蘇ったことは喜ばしい事だ。
この本を開けば、当時の野上豊司さんを感じることができる。
どこか懐かしい葉祥明さんの絵によるステキな表紙は、開けば野上さんに再会できる心の扉──そんな気がする。


※Yahoo!ブログの可能性
https://hoshtani.blog.fc2.com/blog-entry-126.html

季節外れの桜:開花させた犯人は!?

季節外れの桜の花

季節外れのサクラの開花が相次ぎ、話題になっているとか。
僕の周囲でもあちこちで桜が咲いている。
これ↓はきょう(2011年10月18日)近所で撮影したサクラ。



ニュース記事にもなっているようだが、時期外れの桜の開花というのは、実は珍しい事ではないようだ。

桜は葉を消失すると「落葉して冬を経過した」という状態になり、開花スイッチ(?)が入る──ということらしい。
虫に葉を食われるなど、なんらかの原因で枝が裸にされてしまうと、季節外れの花を咲かす事があるという。

たしかに花をつけている木を見ると枝は丸裸。落葉にはまだ早く、葉をつけている桜も多いが、そうした木には花は咲いていない。

今年は初めてキマダラカメムシを確認し、桜の木を注意してみていたのだが、モンクロシャチホコの幼虫が大発生している木も多く、枝が裸にされているサクラも少なくなかった。
「このぶんだと、季節外れの桜の花も増えるのではないか」などと思っていたが、やはり今年は多いようだ。

とすると、季節外れの桜を咲かせて世間を驚かせている《犯人》は、モンクロシャチホコということになるのだろうか。
モンクロシャチホコは「花咲か爺さん」ならぬ「花咲か虫さん」!?

モンクロシャチホコ以外にも桜の葉を食う虫はいるし、桜が葉を消失する原因は他にも色々あるだろうから、ただちにモンクロシャチホコを《犯人》と決めつける事はできないが、重要な《容疑者》とは言えるだろう。

さて。サクラの葉を食い枝を丸裸にしたモンクロシャホコ幼虫──今年はたくさん見かけていたが、1枚も画像には納めていなかった。
僕は「おもしろい虫」「キレイな虫」「風変わりな虫」などを見つけるとカメラを向けるが、モンクロシャホコの幼虫はルックスが悪く(まるで禿げかけた毛虫?)撮影意欲がわかなかったからである。

ということで、幼虫の画像は無いので、成虫の蛾の画像を載せておく。




幼虫も少しは撮っておけばよかったと思っていると、ふと創作民話風のハナシが浮かんだ。以下はその概要。

創作民話風:花咲か虫さん!?

モンクロシャチホコの幼虫は昔、サクラの葉を食べていませんでした。
これはその頃のオハナシです。

あるところにモンクロシャチホコの幼虫がいました。
彼はサクラが満開になったころ、花見にでかけました。
幼虫は初めて見る桜の花の美しさに感動し、サクラを賛美しました。
すると桜は幼虫を見下ろして、意地悪く言いはなちました。
「私たちは美しい。それにくらべ、お前達の姿ときたら……なんて醜いのだろう。毛虫のくせにハゲて地肌が丸見えじゃないの。私たちはおまえたちのようなハゲ毛虫に見てもらうために咲いているのではないわ」
モンクロシャチホコ幼虫は激しく傷つき泣いて帰りました。
その話しを聞いたモンクロシャチホコの仲間たちは禿しく……もとい、激しく怒り復讐のために仲間たちを集め、意地悪なサクラを襲撃しました。
「お前もハゲにしてやる」
そういうとモンクロシャチホコ幼虫たちは桜の木によじのぼり、葉をむしゃむしゃ食い始めたのです。サクラは泣いてあやまりましたが、幼虫たちの怒りは収まりません。枝はたちまちハゲにされてしまいました。

こんなことがあってから、モンクロシャチホコ幼虫はサクラの葉を食べるようになったのです。
また、モンクロシャチホコ幼虫にたかられ、ハゲにされたサクラは大変反省し、その意思表明として春でなくても花を咲かせるようになりました。



仮面虫…かめn虫…カメムシ

仮面や人面に見えるカメムシ





キアイを入れれば見えてくる!?



【ヒメジュウジナガカメムシ】変身ヒーローものの悪役戦闘員のマスクを思わせるデザイン。画像では黄色っぽく写っているが、オレンジ~赤っぽい模様。色はナガメやヒメナガメに似ている。ガガイモなどに大発生することがあるらしい。



【ナガメ】菜の花などアブラナ科の植物によくいる亀虫なので菜亀(ナガメ)。成虫は仮面のようなデザインだが、幼虫は猫顔もよう(※ネコのような虫!?参照)。



【ヒメナガメ】ナガメよりも気温が高い地方に分布しているらしいが、東京では同じ植物に混在していることもある。



【マツヘリカメムシ】今年になって東京都武蔵村山市・埼玉県所沢市で見るようになった北米西部原産のカメムシ。1999年以降欧州各国で急速に分布を拡大。日本でも2008年に東京で確認され、埼玉や神奈川に拡大中。



真・青リンゴの香り/キバラヘリカメムシ

もうひとつの青りんごカメムシ

以前、テレビ番組(探偵!ナイトスクープ)で「青林檎の香りがするカメムシ」と話題になった【オオクモヘリカメムシ】。しかし、僕が確かめてみたところ、オオクモヘリカメムシの放つニオイは不快で、「青リンゴ」のさわやかさとはほど遠いものだった(*否!青リンゴの香り/オオクモヘリカメムシ参照)。

しかし「青リンゴの香りがする」という噂のあるカメムシはオオクモヘリカメムシだけではなかった。
じつは【キバラヘリカメムシ】にも「青リンゴの香りがする」という情報があったのだ。




そこで【キバラヘリカメムシ】についてもニオイを確かめてみたいと思って、このカメムシがよくみられるというマユミの木を探しにでかけてみたりもしたのだが、植物に(も)うとい僕は、マユミ自体をみつけることができずにいた。
が、きょう偶然、自宅近くのニシキギで発生しているのを発見。




さらに、羽化中……というより羽化直後の個体も。


葉の陰にちょっとのぞいている黒いものが抜け殻。
羽化したての個体は、腹のみならず背面もみごとな黄色。後に黒っぽくなる赤い部分とのコントラストがキレイだった。
紅葉しかけたニシキギの葉にとけこんで意外に目立たない。


成虫を手に握り、かるくもむと「ニオイ」を放った。
嗅いでみると、オオクモヘリカメムシのような不快なインパクトはなかった。
「青リンゴ」といわれれば、たしかに似ているかもしれない──そう思える臭いだった。

オオクモヘリカメムシのニオイに比べてキバラヘリカメムシの放った臭いは「薄い」印象だった。放つニオイ物質の量自体が少ないのか、ニオイ成分の割合が少ないのかはわからない。
手に残ったニオイが薄れる時間もキバラヘリカメムシの方が短かった。
オオクモヘリカメムシのニオイは薄くなってからも不快臭だったのに対し、キバラヘリカメムシは最初からニオイが薄れるまで、ちょっと「爽やか(?)」な感じがしていた。

ニオイの感じ方には個人差があるだろうし、多くの個体で試したわけではないが……個人的には、キバラヘリカメムシを【青林檎カメムシ】と呼んでも良いだろうと思ったのであった。