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2010年05月の記事 (1/1)

コノハムシの偽瞳孔

いつもこっちを見てる!?

コノハムシの眼には瞳のような黒い点があって、いつも「こっちを見ている」ように見えてしまう。それが「表情」を感じさせ、なんとなく親近感を抱かせる──コノハムシの魅力の1つになってるような気がしないでもない。
この瞳のような黒い点は【偽瞳孔(ぎどうこう/擬瞳孔)】と呼ばれるもので、カマキリやバッタ等でも見ることができる。
見る位置を変えると、偽瞳孔も追ってくるように位置を変える。
もちろんコノハムシの眼は小さな眼が集まった複眼であり、実際に「瞳」のような器官があってそれが動いているわけではない。


死んでも眼は追ってくる!?

その証拠にすでに死んでいるコノハムシの眼をのぞきこんでも黒目のような偽瞳孔は「こっちを見ている」ように追尾してくる。


偽瞳孔とは?



 
コノハムシ~卵から成虫まで~ ※タイ産コノハムシ まとめ編
コノハムシ漫画
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コノハムシ:1齢~3齢

1齢・2齢・3齢幼虫(タイ産コノハムシ・♀)

コノハムシはおおよそ1ヶ月ごとに脱皮をくり返してして成長していく。






大きさの比較は個体差もあるが、こんな感じ↓


 


 


2齢だとまだ体に赤茶色い部分も残っているが、これは食痕のフチが枯れて(?)変色した感じによく似ている。また、こうした模様が入る事で体のアウトラインが分断され、天敵に全体像を認識させない効果もあるように思われる。
 
コノハムシ~卵から成虫まで~ ※タイ産コノハムシ まとめ編
コノハムシ漫画

コノハムシ:逆光でも内蔵の影が透けないしくみ

とまり方には、こだわりがある

コノハムシは体の形を木の葉に似せているところがスゴイと思われているが、実はもっとスゴイ秘密(?)がある。
葉に似せ体を薄くすれば、当然透過光で内蔵の影が透けて見えやすくなり、そうなると葉でないことがバレてしまう。この難問をもコノハムシは解決していたのだ。コノハムシは光に腹を向けてとまろうとするが、このとまり方がカムフラージュ完成の鍵をにぎっている。



 


 




葉脈のような模様のある翅が、内蔵の影を見えなくして隠蔽擬態を完成させている。メスの翅はカムフラージュ専用で、飛ぶ事は出来ない。
 


背面側からは見えなかった内蔵が、腹面側からだとハッキリ見え、さらに翅の影まで透けて見えてしまう。通常のとまり方にこだわるのは、こうした事情があるためだろう。


 







今回の画像は全てタイ産コノハムシ3代目のメス。ウチでは8齢で成虫になった個体と10齢で成虫になった個体がいるが、10齢でまだ幼虫の個体もいる。幼虫の期間が長い個体ほど体は大きくなるようだ。
 
コノハムシ~卵から成虫まで~ ※タイ産コノハムシ まとめ編
コノハムシ:葉に化ける工夫 ※以前アップした同じ内容の別画像記事
コノハムシ漫画

コノハムシ:1齢幼虫の体色の変化

赤から緑への変身

孵化直後のコノハムシは赤く、腹を反らせて丸めアリのような動きでよく歩く。地面に産み落とされた卵から孵り、餌となる枝先のやわらかい葉(若齢幼虫は硬い葉が食べられない)まで移動しなければならず、その間アリに擬態しているのだろうか。孵化したばかりの幼虫はとにかく高い所を目指そうとするが、その結果、枝先の若葉にたどり着くことができる──というシステムなのだろう。食草の新芽は赤いらしいので、孵化したばかりの幼虫が赤いのは新芽にとけこむ為のカムフラージュなのかもしれない。葉に到達した幼虫は2~数日で緑色に変化する。1齢のうちの変化である。2齢になるのは孵化からおおよそ1ヶ月後。













孵化したばかりの赤いコノハムシを【餌となる緑色の葉(カシ)】と【餌ではないが赤い新芽(カナメモチ)】をセットしたプラケに入れてみた。翌日、赤い幼虫は赤い葉にとまっていた。1度しか試してないので偶然かもしれないが、赤い幼虫が枝先の赤い葉に向かうことでカムフラージュ効果&やわらかい若葉(新芽から展開したての葉は赤い)に到達できるようなシステムがあるのかもしれない。



コノハムシ~卵から成虫まで~ ※タイ産コノハムシ まとめ編
コノハムシ漫画

クロゴキブリ滑空説は迷信!?

先日、某所のコラムで「ゴキブリは滑空しかできない(上に飛ぶ事はできない)」という内容の記事を読んだ。アース製薬の商品企画課・課長を取材した内容の記事である。
(※ゴキブリには飛べない種類もあるので家庭で見かける事が多いクロゴキブリなどのことだろう)

しかし僕は自分の経験や知人から聞いた話などに照らして、クロゴキブリ滑空説には疑問を覚えた。そこで検索してみたところ、この「滑空説」があちこちで紹介されていることを知った。もしかすると出所が同じ誤情報が伝播しているのではないか?……そんな危惧を抱かずにいられない。

そしてさらに調べてみると、この説を否定する内容の文献がみつかった。

【クロゴキブリの自発飛翔.環境動物昆虫学会誌 14(1):47~48 (2003)】
この文献には、室内でクロゴキブリが垂直面から飛び立ち、1メートルほど上昇し20秒間飛翔したという内容の観察例が報告されている。


やはりクロゴキブリは飛翔する!
──僕はそう思っている。