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2009年10月の記事 (1/1)

カマキリの卵のうと積雪の関係


今年もカマキリの卵嚢(らんのう)がみられる時期になった。
カマキリの卵嚢といえば思い起こされるのが「カマキリの雪予想」。
【カマキリの卵嚢が高い位置にあれば大雪】──というものだ。
もともと雪国の伝承だったようだが、これを科学的に確かめたという本──『カマキリは大雪を知っていた』(酒井與喜夫/農山漁村文化協会)が2003年に出版されたことで、この話題は一気に全国に知られるところとなった。
 
しかし……結果から言うと、この説はデタラメだった──そうみる専門家が多いようだ。
僕もそう思う。
カマキリの卵嚢の高さにはかなりバラツキがあるのを僕も確認しているし、『カマキリは大雪を知っていた』を読んでみたところ、疑問に思うところが多かったからだ。
 
それでも一度広まってしまった【カマキリの雪予想】を科学的事実として信じてる人は多いようだ。カマキリの卵嚢が目立つようになるこの時期、ブログ・ネタとしてバイラルCMのように伝播しつづけている感もある。
 
「あれは間違いだったみたいだよ」と指摘する日記も、もっとあっていいのではないか──そんな思いもあって、この説を広めるきっかけとなった『カマキリは大雪を知っていた』についての感想を記しておくことにする。
 
『カマキリは大雪を知っていた』の著者・酒井氏は、こう考えた──、

【カマキリの卵嚢は雪に埋まらないギリギリの高さに産みつけられる】
 ・卵嚢は雪に埋まると孵化がきわめて困難になるため、雪に埋もれ
  ない高さに産みつけねばならない。
 ・しかし高い位置の卵嚢は鳥に見つかり食われる危険が高まるので
  可能な限り低い位置に産もうとする。
 ・ゆえに、雪に埋まらないギリギリの高さ──最深積雪とほぼ同じ
  高さに産みつける必要がある。
【ならば、カマキリの卵嚢の高さを調べればその冬の最深積雪値が判るはずだ】


そこで【カマキリの卵嚢の高さのデータから、その冬の最深積雪値を予想する】研究が始まった。
 
本来ならまず確かめるべきは【カマキリの卵嚢は、本当に雪に埋まらないギリギリの高さに産みつけられているのかどうか】という大前提の真偽だろう。ところが本書ではその真偽は確かめられていない(裏付けデータは出てこない)。
 
酒井氏は熱心にカマキリの卵嚢の高さのデータ集めをしているが、調査した卵嚢が実際に雪に埋まったかどうかは一々確かめていないのである。
卵嚢の高さがその地点での最深積雪値になるという前提のもとに、集めたデータから市街地の(卵嚢の計測地点ではない場所の)最深積雪予想値を割り出そうとしているに過ぎない。その結果、予想値が実際の最深積雪値とほぼ一致したとして「【カマキリの卵嚢が高い位置にあれば大雪】は成立する(正しい)」と結論づけているのである。
 
しかし、実際のところは……カマキリの卵嚢の大半は雪に埋まり、雪に埋まっても孵化率は低下しないことが他の研究者によって確かめられている。
 
大前提(カマキリの卵嚢の高さ=最深積雪値)が間違っていたことが確かめられているのに【酒井氏の雪予想】の方は成立するというから不思議である。
それについては、データの改ざん操作のよる辻褄合わせがあったのではないか……という疑念を払拭できない。
 
実は本書に記された酒井氏が集めたオリジナル・データでは、卵嚢の高さと最大積雪深との間に相関関係は見られない。実際に計測された卵嚢の高さはまちまちだったのだ。
それを酒井氏は、高さにバラツキがあるのは場所によって雪の積もり方が違うためだ──と解釈し、場所による誤差を平均値に修正するための人為的な補正を何重にも加えて数値の変換を行っている。そうした数値操作をほどこすことによって、初めて卵嚢の高さ(補正値)と最深積雪値との間に相関関係らしきものを引き出すことに成功しているのだ。この数値操作に辻褄合わせがあったのではないか?
 
また、計測のさいにもあまりに高い位置にあった卵嚢はデータから除外されており、都合の悪い数値を排除する取捨選択が行われているのもアンフェアな感を否めない。
こうしたデータの収集方法や補正加工が適正だったのか、大いに疑問が残るところである。
 
【カマキリは雪に埋もれない高さに卵を産む】という前提から出発した研究なのに、酒井氏はその前提をしっかり確かめもせず「思い込み」のまま進めているのが、そもそもの間違いではないか──という印象が強い。
 
『カマキリは大雪を知っていた』は、意外な事に(?)実際は【カマキリは雪に埋もれない高さに卵を産む】という伝承を検証した本ではなかったのである。
 
【カマキリの卵嚢が高い位置にあれば大雪】──初めてその話を聞いたとき、これはガセネタ(正しくない)だろうと感じたが、その後『カマキリは大雪を知っていた』を読んで改めて、その感を強くしたしだいである。
 
※『カマキリは大雪を知っていた』を読む前に書いた日記(再録)
カマキリ卵の大雪予言説はなぜ生まれたか?
 
※『カマキリは大雪を知っていた』を読んでのもう少し詳しい感想(再録)
カマキリは大雪を知っていたのか!?
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コノハムシの成虫比較(8齢と10齢)

コノハムシの羽化の個体=10齢成虫が葉にとまっているところ。


羽化後1週間──まだ内蔵部分は太くないが、やがて体幹中央部が膨らみを増して羽化後1ヶ月ほどで産卵が始まる。逆光でも(翅があるため)内蔵の影が透けてバレることはない。
 
この個体より2ヶ月後に孵化して早く羽化した8齢成虫との比較。いずれもメス。大きさにかなり差がある。


8齢成虫は孵化後1ヶ月が経ち、産卵が始まっている。
 
【10齢成虫と8齢成虫の成長記録】
●10齢成虫(3A)
・2009年01月19日・・・・孵化(2008.09.19~2008.09.26産卵分)
・2009年02月27日・・・・脱皮/2齢となる。
・2009年03月26日・・・・脱皮/3齢となる。
・2009年04月22日・・・・脱皮/4齢となる。
・2009年05月22日・・・・脱皮/5齢となる。
・2009年06月30日・・・・脱皮/6齢となる。
・2009年08月06日・・・・脱皮/7齢となる。
・2009年08月29日・・・・脱皮/8齢となる。
・2009年09月19日・・・・脱皮/9齢(幼虫)となる。
・2009年10月15日・・・・羽化/成虫(10齢)となる。
●8齢成虫(3B)
・2009年03月20日・・・・孵化(2008.10.28~11.04 or 11.11~11.18産卵分
・2009年04月18日・・・・脱皮/2齢となる。
・2009年05月12日・・・・脱皮/3齢となる。
・2009年06月06日・・・・脱皮/4齢となる。
・2009年07月07日・・・・脱皮/5齢となる。
・2009年07月31日・・・・脱皮/6齢となる。
・2009年08月23日・・・・脱皮/7齢となる。
・2009年09月21日・・・・羽化/成虫(8齢)となる。
・2009年10月22日・・・・産卵開始。
 
コノハムシ〜卵から成虫まで〜

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コノハムシ~卵から成虫まで~葉に化ける工夫偽瞳孔脚の再生脱皮羽化ほか)
カメレオン~捕食・体色変化&観察動画~
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しっぽの役割:編(尾の役割&しっぽ振りの意味)
超魔術イタチ:編(&動画【超魔術イタチ】/ケバエ幼虫との遭遇)
グランジ目線で散歩:編(&グランジが散歩した距離/動画【快走!散歩派フェレット】)
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ニオイでほんろう:編(最後っ屁対決!?/&【イタチのさいごっぺ】について)
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『フェレットinジャケット』(フェレット漫画第1作)
ハムスペ新人まんが大賞受賞作:編
『フェレットのいる風景』
カメのヘソ!?




コノハムシの羽化

9月19日に脱皮して9齢になったコノハムシのが10月15日に羽化した(この個体は10齢=成虫だったが、この個体より後に孵化して先に8齢で成虫になった個体もある)。
今回も羽化のようすを記録しようと少し早めに簡易撮影セットに移動していた。


この時点では、まだ葉を食べ糞をしていた(※脱皮や羽化が近づくと絶食しその後糞がとまる)。通常のコノハムシの姿勢はこんな感じだが、羽化(を含む脱皮)がいよいよ近づくと体を大きく反らした姿勢になってくる(↓)。


羽化の様子を記録するつもりだったが、残念ながら今回は開始部分を撮り逃してしまった。
脱皮や羽化はひとたび始まってしまうと中断できないようで、途中でカメラを向けても問題無いが、開始直前にカメラを向けると警戒して(?)止めてしまう感がある(?)。
脱皮や孵化の直前には腹をあおるような行動が見られるが、そのタイミングでスタンバイすると、中断してしまいがちだ(先延ばしになる)。
いよいよ脱皮あるいは羽化が始まるまで脅かさずに待つのが良いのかもしれない。
 


今回は「先延ばし」の後、気づいた時は脱皮が始まっていた。画像下の数字は[時:分]。羽化開始から10分ほど経過──というところだろうか。
 


幅の広い腹はロールしてでてくる(前回の脱皮参照)。小さな前翅が垂れ下がっているのがわかる。この時点では濃い色をしている。
 


腹端を抜け殻にひっかけて逆さ吊りのような形になる。
 


逆さ吊りの体勢から前屈して葉や抜け殻に脚をかけ、腹端を抜け殻から外す。
 


頭を上にとまりなおして、しばらくじっとしており、この間に翅が広がる。濃い緑色をしていた前翅が根本あたりからペンシルバルーンが膨らむように広がっていき、広がった部分は白っぽくなっていく。
 


翅の先端の濃い緑の部分(まだ広がっていない部分)がどんどん小さくなっていく。
 


だいぶコノハムシの翅らしくなってきた。ちなみに葉に似ているのはメス(この個体はメス)。オスはもっと細くスタイルがずいぶん違う。
 


ほぼ完全に翅が広がると、その後ぬけ殻を食い始める。
 


抜け殻を食う時は、葉を食うときと同様に触覚を倒す。約30分ほどで完食。
 
【脱皮前と脱皮後】
脱皮後は一回り体が大きくなったように見え、最初はビックリした。質量自体が増えるはずは無いので体表面積が広くなったということなのだろう。
しかし、更に驚いたのが、羽化(脱皮)後には、とまっていた葉のたわみが大きくなり、体重が増えたかのように見えてしまうことである。


これは今回の羽化の前後の比較画像。コノハムシがとまっているのは同じ葉だが、成虫がとまった方が葉が(重さで)大きくかしいでいる。
もちろん脱皮や羽化の前から餌は食べていないので体重か増えるはずは無い(食べずに糞を排出するのでむしろ体重は絶食前より減っているはず)。
仮に葉の同じところにとまったとして──羽化(脱皮)後は体が大きくなったぶん、コノハムシの重心は葉の付け根から外側に遠くなる。シーソーで外側に座るのと同じように、葉を押し下げる力が見かけ上ふえたように作用するためだろう(てこの原理)。
 


羽化翌日のコノハムシ成虫(メス)。翅には葉脈のような模様がある。
 
【9齢幼虫(9月19日に前回の脱皮をした個体)の羽化の経緯】
・10月09日・・・・・葉を食べなくなる。
・10月11日・・・・・小さめの糞を少量する。
・10月12日・・・・・糞が止まる。
・10月15日・・・・・羽化。
 
・8:02既に羽化が始まっていた(前回の脱皮でいうと開始から10分程経過?)。
・古い皮の背をやぶって新しい体がでてきて腹端で逆さにぶらさがる。
 (幅の広い腹や脚が抜けるようすは前回のコノハムシの脱皮参照)
・逆さ懸垂状態から前屈し抜け殻から腹端を外す・・・08:33。
・翅がのびるのを待つ
・抜け殻を食べ始める・・・・・・・・・・・・・・・10:15。
・抜け殻を完食・・・・・・・・・・・・・・・・・・11:16。
・脱皮翌日(10月15日)、葉を食う。
 
今回の羽化のようすをHatenaFotolifeに59枚ほどアップしてみた(9齢~成虫)。
スライドショー
フォト一覧
 
●本個体の成長記録(コノハムシ3代目1号♀)
・2009年01月19日・・・・孵化(2008.09.19~2008.09.26産卵分から)
・2009年02月27日・・・・脱皮/2齢となる。
・2009年03月26日・・・・脱皮/3齢となる。
・2009年04月22日・・・・脱皮/4齢となる。
・2009年05月22日・・・・脱皮/5齢となる。
・2009年06月30日・・・・脱皮/6齢となる。
・2009年08月06日・・・・脱皮/7齢となる。
・2009年08月29日・・・・脱皮/8齢となる。
・2009年09月19日・・・・脱皮/9齢(幼虫)となる。
・2009年10月15日・・・・羽化/成虫(10齢)となる。
 
コノハムシ~卵から成虫まで~ ※タイ産コノハムシ まとめ編