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昆虫などの記事 (1/121)

小学生が大発見!?カブトムシ論文



日本の小学生がアメリカの学術誌で発表した大発見!?
日本の小学生がカブトムシの定説をくつがえす大発見をして、アメリカの学術誌に論文が掲載されたというニュースがあちこちで話題になっている。
論文の詳細や『Ecology』の掲載記事(リンク)は、こちら↓で確認できる。

●山口大学>外来植物がカブトムシの活動リズムを変化させる

『Ecology』誌に掲載された記事のタイトルは「An introduced host plant alters circadian activity patterns of a rhinoceros beetle(外来植物がカブトムシの概日活動パターンを変化させる)」で、論文の【発表のポイント】として次の3点があげられていた。
・シマトネリコという外来植物に集まるカブトムシは、夜だけでなく昼間も活動を続けることを明らかにした。
・カブトムシは夜行性であるというこれまでの常識を覆す発見である。
・小学生が自宅の庭木に来るカブトムシを毎日粘り強く調査し続けた成果である。

ネット上の関連記事をいくつか読んでみたが、かいつまんで意訳すると──《日本の小学生が「カブトムシは夜行性」という定説をくつがえす大発見をし、その研究論文がアメリカの専門誌に掲載され、専門家を驚かせている》というセンセーショナルな扱いで取り上げられている。中には【日本の小学生が大発見!外来植物によりカブトムシが「昼行性」になると明らかに】と夜行性から昼行性への逆転が確かめられたかのようなタイトルの記事も見られ、小学生の「大発見」「新発見」を賞讃している。

しかし、研究の内容を読んでみると、小学生が確かめたのは《自宅の庭の植えられたシマトネリコには夜行性とされるカブトムシが集まり、日中も活動している個体がいる》ということであって、これがタイトルやリードであおったほどの「大発見」だったのだろうか……と訝しいものを感じてしまった。
レポートのアピールに誇大な演出があったのではないか?
地道にデータを取り続けた小学生は立派だと思うが、これを伝える大人がニュースの価値を高めるために(?)ハナシを面白く盛って(誇張して)しまった印象がなくもない……。

記事を読んで僕がまず感じたのは、「観察ポイント(小学生の庭)で見られた現象(シマトネリコに来るカブトムシは日中も活動している)」は(その環境に由来する)特殊なケースなのか、それとも他の環境でも普遍的に見られる現象なのか──ということだっだ。別の場所のシマトネリコでも同様の現象が確かめられているのなら、シマトネリコに由来する現象であると考えてもよさそうだが、1つの庭の観察例だけでは、本当にシマトネリコが現象の原因なのかどうかまでは判断ができない。

また、もしシマトネリコ由来の現象であるとすると──同じ場所(同じ条件の環境)にシマトネリコとクヌギの両方があったとき、カブトムシはシマトネリコとクヌギでは違った行動を示すのただろうか? そんな疑問も思い浮かんだ。
シマトネリコでは日中集まる個体の方が多く、クヌギでは夜間に集まる個体の方が多いといった逆転現象が確認できたのであれば、「定説をくつがえす大発見」といえるのかもしれない。
しかし記事をよく読むと、観察されたシマトネリコでも、カブトムシが集まる活動のピークは深夜0時頃で、正午頃ではピーク時の半数になることが記されている。活動時間帯の昼夜逆転、もしくは拮抗が起こっているわけではないのだから、《カブトムシは夜行性》であることに変わりない。現象を適切に表現するなら《シマトネリコではカブトムシの夜行性が弱まる》程度のものだろう。《夜行性であるというこれまでの常識を覆す発見である》は〝盛り過ぎ(誇大)〟という印象を受けた。

小学生の研究は《夜行性のカブトムシが自宅のシマトネリコでは日中もよく見られる》という現象を具体的にデータをとって数値化して確かめたものだ。それを評価すべきだろう。無理矢理な解釈にこじつけて「小学生の大発見」を演出する〝盛り〟の部分は、よけいだった気がする。

僕の素人想像(仮説)だが──もし、同じ場所(同じ条件の環境)でシマトネリコとクヌギの両方があったとき、カブトムシが、より多くシマトネリコに集まるのであれば《カブトムシに対する誘引力はクヌギよりシマトネリコが強い》という可能性が考えられる。もしそうなら、日中、シマトネリコでカブトムシが(クヌギより)多く見られるという現象は、シマトネリコの誘引力がクヌギより強いことで、カブトムシの〝日中残留組〟もシマトネリコでより多く見られる──という解釈もできそうな気がする(可能性の1つとして)。
シマトネリコでの〝日中残留組〟の割合が、クヌギやコナラの在来ホストに比べて明からに増大しているというのであれば「外来植物がカブトムシの概日活動パターンを変化させた」という捉え方もできるのかもしれないが……これは《夜行性》という概日活動パターンの基本部分を変化させるほどのものではなく、誘引力(?)の差によって生じる閾値の変化という「程度の問題」と捉えるのが妥当な気もする。
「カブトムシの日中残留率がシマトネリコでは(在来ホストより)増える」という現象があったとしても、活動のピークが深夜にあることに変わりはないのだから《カブトムシは夜行性》という定説がひっくり返ったわけではない。日中活動するカブトムシがいたからといって、「カブトムシは夜行性であるというこれまでの常識を覆す発見」と見なすのは飛躍が過ぎるのではないか。

クヌギやコナラでも日中活動するカブトムシは普通に見られる
僕は小学生のときには夏になるとカブトムシを捕って遊んだが、小学生が虫捕りに出かける時間は日中(せいぜい早朝)であり、夜行性のカブトムシの活動ピーク時ではなかった。それでも樹液ポイントに来ているカブトムシはいたものだ。
01カブトムシ@クヌギ
02カブトムシ@コナラ
クヌギやコナラでも日中活動している〝日中残留組〟は珍しくないし、一部の〝日中残留組〟を見たからといってカブトムシの「夜行性」を疑うことは無かった。
《カブトムシは夜行性だが、昼間でも活動している個体はいる》というのが虫捕りをしていた子どもたちの常識だったように思う。
問題の小学生が観察した研究は、この〝日中残留組〟がシマトネリコでは(おそらくクヌギより)多い──という現象を示唆するものだった。この研究で集めたデータから、シマトネリコでもカブトムシの活動のピークは夜間であることに変わりがないことが判っているのだから、本来であれば《(シマトネリコでは)カブトムシの夜行性が弱まる》くらいが適切な表現だろう。
それをどうして《カブトムシは夜行性であるというこれまでの常識を覆す発見である》などと〝盛って〟しまったのか……。この誇大演出の部分は小学生の考えではなく、研究をサポートした小島渉氏の意向だろう。冒頭の動画の中で〝偉業を成し遂げた小学生〟は自分の研究について「シマトネリコにカブトムシがいるということは前から分っていて、それをデータをとって証明した感じだと思います」と謙虚に語っている。
今回のニュースが驚きを持って(驚きを盛って?)拡散したのは小島渉氏の演出部分が大きかったはずだ。
《カブトムシは夜行性であるというこれまでの常識を覆す発見である》という解説リードから、《夜行性である日本のカブトムシがシマトネリコという外来植物によって昼行性に転じるという驚くべき発見を日本の小学生がして、米学術誌に発表した》と理解(誤解)してしまった人は少なくないだろう。実際にこの話題を【日本の小学生が大発見!外来植物によりカブトムシが「昼行性」になると明らかに】というタイトルで報じているサイトもある。
こうした誤認(ミスリード?)を最初から狙っていたかどうかはわからないが、《(シマトネリコではカブトムシの)夜行性が弱まる》という適切な(?)表現より《夜行性であるというこれまでの常識を覆す発見》とプレゼンしたほうがキャッチが良いことは確かであり、小島氏がそれを意識しなかったわけはないと思う。
また、小学生を〝ファーストオーサー(第一著者)〟に担いでアメリカの専門誌で発表すれば、さらに注目が集まるということも意識していたはずだ。

プロの研究者というものは、自分が関わった研究の価値を高め、注目度を高めるために《わかりやすくインパクトのあるロジック》に誘導されやすいのだろうか……と訝ってしまう。

じつは、カブトムシに関するニュースで訝しい印象を持ったのはこれが初めてではない。
今回、小学生を第一著者に担いで論文発表をサポートしたカブトムシの専門家・小島渉氏だが……以前、カブトムシの角にはジレンマがあったとする学説を発表して話題になったことがある。そのニュースを知った時には、やはり《わかりやすくインパクトのあるロジック》に飛びついてしまったのではないかという疑問を感じた。
カブトムシの角のジレンマ説についてかいつまんで説明すると──夜行性であるタヌキの餌場で見つかるカブトムシの死骸(食い残し)を調べたたところ、ツノの長いカブトムシ♂の割合が多かったことから、《カブトムシ♂のツノは仲間内では長い方が有利だが、長いものほど天敵に狙われやすく(目立つことで捕食されやすく)なるジレンマを抱えている》と結論づけたものだ。ロジックとしては判りやすくて面白い。一般ウケしそうなキャッチのよいネタで、じっさい色々なところで話題になっていたが……しかし本当のところは、ツノの長さは捕食者(タヌキ)の捕食の選択を左右するものではなく、タヌキの食事の時間帯(カブトムシが盛んに活動する時間帯でもある)に餌場を占領しているカブトムシはツノの長いオスが多かった(餌場争いの勝ち組が残っていた)だけではないのか……僕にはそう思えてしかたがない。プロの研究者というのは〝ウケの良い、注目を浴びやすい新発見(解釈)〟に誘導されやすいのだろうか……などといぶかしく思っていたのだった。

プロの科学者のことはよくわからないが、生活していくためには(?)自分がかかわる研究に世間の注目を集める手腕も求められるのかもしれない。本来の科学的価値の誠実な追究よりも、世間の注目を集める手腕に長けた研究者の方が出世しやすいような仕組みでもあるのだろうか?
地道であるべき研究を派手に演出してアピールするのは、必要なことなのだろうか?──そんな疑問をあらためて感じてしまう記事でもあった。


《カブトムシの角は矛盾だった》のか?
『不思議だらけ カブトムシ図鑑』と《角のジレンマ》
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アカスジキンカメムシは死ぬと輝きを失うが羽化殻は輝き続ける

01赤筋金亀虫16May
※【アカスジキンカメムシぷち実験で輝き復活】より⬆

アカスジキンカメムシの輝き
アカスジキンカメムシの羽化シーズンが始まったようだ。先日、トウカエデの根元をかこむツツジの葉の下にまだ新しい羽化殻(羽化したさいの抜け殻)が落ちているのを発見。その上に目をやると、ツツジの葉の上にアカスジキンカメムシの新成虫の姿があった。近くを探すと葉の上にたたずむ新成虫がもう1匹。その下にも羽化殻が落ちていた。アカスジキンカメムシは、羽化や脱皮のあとに、自分の抜け殻を落とすという奇妙な行動をとる(カメムシの奇行!?抜け殻落としプチまとめ)。
この昆虫は成虫が緑色の金属光沢を放ち、とても美しい。ただ、この輝きは生きているとき限定。死ぬと色褪せてしまい、輝きを保ったまま標本にするのが難しいらしい。標本になっても輝きを失わないタマムシとは違って、美しい姿を残せないというのは、なんとも残念な気がする。
ただ、意外なことに、水で濡らすと輝きは一時的に復活する。

02赤筋金亀虫変化1
03赤筋金亀虫変化2
※【アカスジキンカメムシぷち実験で輝き復活】より⬆
水を得て復活するとは、まるで、黄金バット!(古!) しかし、それもつかの間……乾くとすぐに色褪せてしまう。
04赤筋金亀虫の成虫幼虫
美しい成虫に比べると、羽化前の終齢幼虫(5齢)は一見、白黒で地味に見える(遠目には鳥糞っぽい?)。しかし、よく見ると、黒っぽい部分には光沢があって、これが羽化殻では日光を反射してメタリックにきらめいて見えたりする。
ここで〝日光を反射してきらめく羽化殻〟の画像を載せたいところだが……2年前カメラが壊れてから新調していないので、過去の画像から、なんとなく金属光沢感がわかるものを……。
05赤筋金亀虫羽化殻2
06赤筋金亀虫羽化殻背
07赤筋金亀虫羽化殻腹
ちなみに、金属光沢のある黒っぽい部分は硬く、半透明の部分はやわらかい組織でできている。同じステージの中で(次の脱皮や羽化までの間)、体はいくらか大きく成長するわけだが、広がるのは、この軟らかい部分である。
08赤筋金亀虫5齢比較

成虫は死ぬと輝きを失うが 抜け殻は輝き続ける
さて、先日きらめく羽化殻を目にして、ふと思った。成虫の輝きは死ぬと失われてしまうが、羽化殻の輝きはいつまで保たれるのだろうか? 意外に長い間、安定しているのではなかろうか?
拾ってから1ヶ月余りたって撮影した羽化殻⬇
09赤筋金亀虫羽化殻後
アカスジキンカメムシの羽化殻は《抜け殻落とし》を観察するさいに持ち帰ったものが残っている。先日みつけた羽化殻を持ち帰り、数年前に拾っておいた羽化殻と比べてみると、輝きは変わっていないようだった。
抜け殻の輝きは羽化殻に限らず、脱皮殻(羽化ではなく幼虫への脱皮)でも見られる。
10赤筋金亀虫脱皮殻A
11赤筋金亀虫脱皮殻B
12赤筋金亀虫脱皮殻C
撮影した脱皮殻は残っていないが、おそらく脱皮殻も羽化殻同様に輝きはキープされているのではないかと思う。
生体の方は死ぬと輝きを失ってしまうのに、抜け殻だけが輝き続けているというのは……何やら妙なおもむきを感じる。
〝主体となるものは終焉を迎え色褪せるが、副産的なものが意外に継続していく〟──といった意味合いの格言に使われてもいいような気がしないでもない。


カメムシの奇行!?抜け殻落としプチまとめ
アカスジキンカメムシぷち実験で輝き復活
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幻の東京産オオクワガタを捕った思い出

幻の東京産オオクワガタを捕った思い出
〜東京の北多摩北部エリアにもオオクワガタがいた話〜

僕は小学生だったとき、一度だけオオクワガタを捕ったことがある。それも東京都の北多摩北部エリアでのこと。1968年前後のことだったと思う。

僕は虫屋ではないけれど、小学生の頃は夏の遊びとしてカブトムシやクワガタを捕るのが楽しみの1つだった。当時は雑木林があちこちにあって、自転車で虫とりに出かけていた。その頃は今とは違って、クワガタの方がカブトムシより多かった。僕の中では体も大きく立派な角を持つカブトムシが昆虫の王様で、オス1匹がノコギリクワガタ♂3匹分に相当するくらいの価値があったように思う。とはいっても、カブトムシには無い大アゴを持つクワガタ♂も充分魅力的で、ノコギリクワガタやヒラタクワガタのオスは捕れると嬉しかった。
オオクワガタについては昆虫図鑑を見て知っている程度。図鑑では実際のボリューム感がいまひとつイメージできなかったためか、特段の関心は無かった。形だけを見比べた場合、オオクワガタよりもヒラタクワガタやノコギリクワガタの方がカッコイイ──カッコイイ種類が捕れるかどうかが関心事で、あえてオオクワガタを探してやろうという気持ちは起きなかった。だから〝遭遇〟は思いがけない出来事だった。

僕が通う小学校は、校庭の西側に西武線が斜めにかすめるように走っていて、校庭ぞいの細い道と線路にはさまれた狭い三角地帯──ここにわずかに雑木林が残っていた。しかしながら、ここにはいい木──樹液にあふれた大きなクヌギはなく、貧相なコナラがあるくらいで、ふだんはシロテンハナムグリかカナブンくらいしか見られない。わざわざ虫とりに訪れるようなポイントではなかった。
夏休みの直前だったろうか──僕はふとした気まぐれで、下校時にふだんは相手にしていなかった学校裏の三角地帯──〝しょぼい雑木林〟をのぞいてみることにした。
「コクワガタでもいたらめっけもん」くらいの軽い気持ちで立ち寄ってみたものの、わずかに樹液がにじむ貧相なコナラの幹には獲物はおらず、(いなくても)「まあ、そうだろうな」と落胆もしなかった。それでも来たついでに、コナラの根っこを掘ってみることにした。カブトムシやクワガタは日中、木の根元に潜っていることも多い。落ちていた棒切れをひろって根元の土を引っ掻いてみたところ──〝想定外の広い範囲で土が動いた〟のでギョッとした。土の下に何かいる──それはコクワガタよりずっと大きなもの……ノコギリクワガタやヒラタクワガタよりもデカい。何が該当するだろうと脳内検索したが思い当たらない。おそるおそる棒切れで〝それ〟をほじり出して、初めてオオクワガタのオスであったことを知った。
「図鑑に載っていたヤツ(オオクワガタ)だ!」「デカい!」「頭部の幅がやけに広い!」「なるほど、これがオオクワガタか!」と、とにかくそのボリューム・存在感に圧倒された。いったい実際には何センチあったのか……【ゴマダラカミキリに思う…】でも触れたが、子どもの頃に見た昆虫は、やたらとデカく感じられるものである。
今であればその巨大さから、外国産の種類、あるいは放虫(飼育個体)である可能性を考えてしまうところだが、当時は外国産のクワガタは植物防疫法で生体の輸入が禁止されていたからいるはずなどなく、今のようにオオクワガタの飼育は一般的ではなかった(飼育ノウハウがまだ完成されていなかった?)。1968年前後のことだから、野生の(東京都産の)オオクワガタであることに間違いはないだろう。
「すごいものが捕れた!」という興奮はあったが、嬉しいというより、思いがけない大物の収穫に戸惑ったのを覚えている。虫捕りの準備をしてきたわけではないので虫かごなどは用意しておらず、書道セットの木箱から硯などをとり出して、そこに入れて持ち帰った。
夏の間、オオクワガタはリンゴ箱に金網を張った容器に入れて飼っていた。その立派な姿を眺めながら、こんな大物が、よくあんなしょぼい場所(狭い林)で見つかったものだと、我ながら信じがたい思いだった。
オオクワガタと遭遇したのは、後にも先にもそれっきりだった。

そのしょぼい雑木林は緑地保護地域となって(台形となっているが)今でも残っている。電車に乗って母校の小学校が見えるところにさしかかると、ちっぽけな雑木林がちらりと視界を横切って行く。
「こんなところにオオクワガタがいたなんて……」と、小学生だったときのことを思いだし、なんとも不思議な気分に引き戻される。
しかし考えてみると、そこはもとからしょぼいスポットだったわけではなく、元々はもっと大きな雑木林だったのかもしれない。小学校の周辺には他にも民家の隙間にささやかな雑木林が点在していた。どれも本格的に虫とりに行く時はスルーするような小規模なものだったが……民家が建ち並ぶ以前は点在する雑木林は繋がっていて一帯は大きな雑木林だったのかもしれない。オオクワガタを見つけた三角地帯も、線路の反対側には雑木林が広がっていたから、線路や民家で分断される以前は、それなりのキャパシティーをもつ雑木林だったと考えられる。そんな環境ならオオクワガタが根付いていてもおかしくはないだろう。僕が遭遇したオオクワガタは、宅地開発で分断された〝しょぼいエリア〟に取り残されていた最後の末裔だったのかもしれない。

僕が虫屋だったら貴重な地元のオオクワガタ末裔(?)を標本にしたのだろうが……残念ながら、そうではないので標本は無い。
物的な証拠はないが、1968年前後には東京都の北多摩北部エリアにもオオクワガタがいたという証言を残しておいてもいいだろうと思い立って、こんな記事を投稿してみたしだい。


ゴマダラカミキリに思う…
《カブトムシの角は矛盾だった》のか?
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ザ!鉄腕!DASH!!にシャチホコガ幼虫

01シャチホコガ幼虫TV
※これはフィギュア⬆イモコレ!2のシャチホコガ幼虫

怪獣ならぬ怪虫!?シャチホコガ幼虫がテレビ番組に!?
先日、テレビ番組を制作をしているという方からブログ経由で連絡があった。番組内でシャチホコガについて取り上げることになったそうで、僕のブログ記事(シャチホコガ幼虫の威嚇ギミック!?)に掲載しているシャチホコガ幼虫の画像を使用できないかというお話だった。
僕としては、拙ブログ記事が何かの役に立てれば本望なので、快諾。
シャチホコガを取り上げるという奇特な番組は、日本テレビの「ザ!鉄腕!DASH!!」──その中の「新宿DASH」という企画でのことらしい。放送予定日は9月6日(日)、19:00〜だそうだ。

僕は地デジ化を機にテレビから離脱しているので、現在のテレビ事情はさっぱりなのだが……検索してみると「ザ!鉄腕!DASH!!」は、日曜日19:00〜19:58放送のTOKIOが出演するバラエティ番組らしい。
どういう形で提供したシャチホコガ幼虫画像が使われるかわからないが……こんな奇妙な生き物がいることを多くの人に知ってもらえる機会が増えるのは喜ばしいことだ。
初めてこの虫を目にしたときは、「よくぞまぁ、こんなデザインが実現したものだ」とたまげたものだが……この衝撃は、とても独りの胸にとどめておけるものではない。「王様の耳はロバの耳!」と誰かに教えたくなるように、「この虫、すんげぇ〜ゾ!」と世間に知らしめたくなる。
ちなみに、このキモかっこいい幼虫を僕は「シャッチー」と呼んでいる。

チョウや蛾の幼虫──イモムシの中にはけっこう奇抜なものがいたりするのだが……おもしろい割に、あまり知られていないというのが、もどかしい。
そこでこの機会に、僕が見た中で、おもしろいと感じたイモムシを、さらに3つほどプチ紹介しておくことにする。

造形や空目模様、ギミックがユニークなイモムシたち

ウコンカギバ⬆葉上のドラゴン:ウコンカギバ幼虫より


ホソバシャチホコ⬆スーパーヒロイン模様の虫より



ウラギンシジミ⬆紫のピカチュウ!?ウラギンシジミ幼虫の線香花火より

昆虫は摩訶不思議でおもしろい。

※追記(2020.09.05):番組サイトの次回(9月6日)予告の【見どころ】によると、放送内容は、国分太一(TOKIO)、二宮和也(嵐)、岸優太(King & Prince)による「東京23区内でカブトムシ見つけられるか?」という恒例企画の虫探しらしい。



シャチホコガ幼虫の威嚇ギミック!?
擬態の達人コノハムシ〜TV番組
昆虫画像:ブログからテレビへ
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雌雄モザイク報道の「!?」

成虫になってから大きく育った!?
ノコギリクワガタの雌雄モザイクがニュースになっていた。

左はオス、右はメス 突然変異のクワガタ、宮崎県に出現

体の左右でオスとメスが分かれる現象(雌雄モザイク)は珍しいので、しばしば話題になる。カブトムシやクワガタではオスとメスの特徴の違いが顕著(性的二型)なので目立ちやすいのだろう──雌雄モザイクのニュースではよく見かける。
だから今回のニュースでも、雌雄モザイクのクワガタそのものについては特に目新しい感慨はなかったのだが……僕が驚いたのは記事の最後の部分である。


 学芸課の竹下隼人主査は「『雌雄モザイク』という突然変異。餌場の縄張り争いなどで不利なため、大きくなるまで育ったのは大変珍しい」と話している。

学芸課主査が「餌場の縄張り争いなどで不利なため、大きくなるまで育ったのは大変珍しい」と話しているというのは本当なのだろうか!?
餌場の縄張り争いは成虫になってからの話で、クワガタが成虫になってから大きくなることなどなかろうに……。

以前、雑木林で虫とりをしていた親子に出会い、コクワガタのオスを手にした父親に「まだ子どもですかね?」と尋ねられて驚いたことを思い出した。これが成長すればヒラタクワガタやオオクワガタのようになると勘違いしたらしい。バッタやカメムシのように成虫と幼虫が似たような姿の昆虫(不完全変態)もいるが、カブトムシやクワガタは完全変態で、子ども(幼虫)は全然違う形をしている。成虫の大きさには個体差があるが、これは成虫になってからの変化ではなく、幼虫時代の成育状態によるものだろう(遺伝的な要素もあるのかもしれないが)。成虫になってから成長することはない──僕はあたりまえのようにそう認識していたが、小さなクワガタ(成虫)が成長して大きくなると思っている人もいるのかと新鮮な(?)驚きを覚えたものである。

生き物のことをよく知らない素人であれば、そんな誤解もあるのかもしれない。しかし、博物館に努めるプロの学芸員が、メディアに対して、こんな解説をすることがあるのだろうか──という驚きが大きかった。
それにしても……おかしいと気づかない記者やデスクも、どうかという気がする。
あるいは記者による誤解があっての記事なのだろうか?


雌雄モザイクのニュースではカブトムシやクワガタが取り上げられることが多いが……さらに珍しいニホントビナナフシの雌雄モザイク@東京⬇


左右で♂と♀が別れた個体↑と、部位によって♂♀が交互に別れた個体↓。




ニホントビナナフシ東京でも両性生殖(2013年12月)
ニホントビナナフシの雌雄モザイク(2013年11月)
半♂半♀のトビナナフシ(2014年11月)
黄色いトビナナフシ(2013年11月)
珍しいナナフシのオスと過密!?(2013年11月)
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