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フェレット漫画@ハムスペ覚書

01Ferret漫画ハムスペ
サービスを終了したfreemlの古い記事に記していた、フェレット漫画に関する覚書をあらためてまとめておくことにした。あおば出版・刊『月刊ハムスター倶楽部スペシャル』(のちに『月刊ハムスペ』)というペット漫画雑誌にフェレット漫画を不定期連載していたことがある。これは僕にとって全く意外な展開だった。小学生〜中学生の一時期、ノートに4コマ漫画を描いていたことがあったがラクガキ程度のもので、本式に漫画を勉強したことは無い。なのにどうしてフェレット漫画を描くことになったのかといえば、僕がフェレットを飼っていたからだ。フェレットは家畜化されたイタチ科の動物で、飼ってみるとなかなかおもしろい。この魅力を伝導すべく(?)、個人誌《チャンネルF》に(文章で)飼育レポートをまとめたり、ビデオに撮ったりしていた。ペット雑誌に投稿して記事に取り上げられたり、取材を受けたこともあった。
02CFペット雑誌2表紙
03かわ小Ferret散歩
フェレットが出てくる掌篇童話(チョコといっしょのおるすばん)を描いたこともあったし、こうした流れの延長にフェレットの漫画化があった。
《マンガを描くことがメインで、その素材としてフェレットを選んだ》のではなく、《フェレットを飼育していて、その面白さをまとめ・記録する手段としてマンガにも手を出した》という形である。だから、同人誌で取り組んでいた児童文学とは、かなり温度差がある。文芸作品に関しては《創作作品としての理想を目指す》という気持ちがあったが、フェレット漫画に関しては「マンガとしての理想」を目指そうという意識はあまりなく、《飼っているフェレットの魅力をマンガでどう伝えたらよいか》という次元で取り組んでいた。
漫画修行の経験もない僕が、臆面も無くヘタクソなマンガを描くことができたのは、ハードル(理想)が低かったからだ。画力が無いのは自覚しているが、フェレットという素材はおもしろいのだから……エピソードの記録として残しておくのも悪くない。うまくいって雑誌に掲載されるようなことになれば、もちろん嬉しいが、ダメならダメでかまわない──ダメでもともと的な、低いこころざし(?)で取り組んだので自分のヘタクソさにメゲることなく描くことができたのだろうと思っている。


フェレット漫画について(freemlより/※加筆あり)
僕がフェレットを飼い始めた頃、まだフェレットの飼育情報は少なかった。なのでフェレットの記事が載っている本や雑誌は手当り次第に買って読んだ。テレビ番組もフェレットの特集があると録画してコレクション(?)していた。僕はふだんほとんどマンガを読まないのだが、フェレットに関してだけはマンガにも触手を広げていた。
そうして気づいたことだが……ペット漫画は色々あれど、フェレットを扱ったものが意外に少ない。
「フェレットほど面白いペットはいない」──そう思っている僕にとって、これは不満だった。「フェレットの漫画を描く人材が不足しているのか? ならば僕が描いて持ち込んでみたらどうだろう」などと思ったりしたものである。しかし無論それは「もっとフェレットの漫画が読みたい」と渇望する気持ちから生まれた妄想のようなもので、その時点では実際に自分で漫画を描くつもりなどはなかった。

ところが2001年の暮、「フェレット漫画が載っている雑誌」との情報を得て購入したアニマル・コミック誌《ハムスター倶楽部スペシャル》に、たまたま動物漫画の公募が載っており、それを見て気持ちが動いた。
《ハムスター倶楽部スペシャル》の版元=あおば出版は、色々な動物の漫画シリーズを出しているところで、数少ないフェレット漫画『フェレット倶楽部』(全3巻)の版元としても記憶があった。
「もっとフェレット漫画を!」と常々望んでいた僕はこの公募を知ったことで「公募してるのなら、ウチのフェレットのエピソードを描いて応募してみようか」という思いにとらわれてしまった……。
漫画歴など皆無に等しい僕がにわかに描いた作品でいきなり入賞できるとは考えにくいけれど……漫画という形にしてウチのフェレット(ブランカ&グランジ)の記録を残しておくのも良いではないか。個人誌《チャンネルF》のネタにもなるし、落選しても無駄にはならない……(実際に描いた漫画のコピーで個人誌《チャンネルF・14号/15号/16号》を作成してフェレットの散歩オフで配布している)。
そんな気まぐれを起こして描いてみたのが『フェレットinジャケット』だった。応募したのが《第6回ハムスター倶楽部スペシャル新人まんが大賞》である。
フェレットinジャケット』はタイトル通り「上着のふところに入って散歩に行くフェレット(懐中イタチ・肩乗りイタチ)」のアウトドア派なエピソードを、応募規定の8ページ枠で構成してみた作品。
これまでの小動物漫画というと、舞台が室内に偏り勝ちのきらいがあるが、そんな中にあって散歩派のわが家のフェレットのアウトドア中心のエピソードはユニークなのではないか……という狙いもあって、色々と自分なりの工夫で応募規定の8ページ枠で構成してみたものだ。

とりあえず描き上げて応募してみたものの、その後作品を読み返してみると、わが家のフェレットの個性や面白さを、どうも今一つ伝えきれていないのではないか……という物足りなさがあった……。
例えばグランジはノーマル(生殖腺&臭腺未手術個体)なのだが、それについては触れることができかった(タマを描いてある絵が 1コマあっただけ)。ノーマルであるがゆえのマーキングや最期っ屁にまつわるエピソードは、グランジを語る上では欠かせないところでもある。
そこで『フェレットinジャケット』では描けなかったエピソードのいくつかをあらためてまとめてみたのが『ふぇレッツ・ゴー』だった。
ペット漫画とはいえ、ただカワイイ・オモシロイというだけでは物足りない。描かれるエピソードの中に動物の特徴/能力や習性を考察するような要素あってもいいのではないかという思いもあって描いてみたものである。
この作品は《第6回ハムスター倶楽部スペシャル新人まんが大賞》の結果が発表になる前に既に描きあげていて、後に《第7回ハムスター倶楽部スペシャル新人まんが大賞》に応募することになる。

結果はさして期待せずに自分なりの描きたい(読みたい)ものを自分のできる範囲で描いてみた2作品だったが……結果は『フェレットinジャケット』が《第6回ハムスター倶楽部スペシャル新人まんが大賞》の〈回し車賞+編集部期待賞〉受賞(月刊ハムスター倶楽部スペシャル/2002年8月号掲載)。『ふぇレッツ・ゴー』が《第7回ハムスター倶楽部スペシャル新人まんが大賞》の〈ハムスター賞〉受賞(月刊ハムスター倶楽部スペシャル/2003年1月号掲載) と、意外にも2作とも入賞し、なんと「デビュー」ということになった。
フェレットを飼っていなければ漫画を描くこともなかったろうし、ましてや漫画家デビューなど絶対になかっただろう。

04ハムスペ7th発表号

漫画制作中にみた夢の話(freemlより/※加筆あり)
僕が初めてフェレット漫画を描き始めた頃に見た夢の話。日記(プライベートにつけているもの)には2002年2月9日(土)とある。《第6回ハムスター倶楽部スペシャル新人まんが大賞》に応募することになる『フェレットinジャケット』の3ページ目のトレース(ペン入れ)をしていた日だ。
    *    *    *    *    *    *
 イヤな夢を見た。
 どういうわけか僕にギターの弾き語りのコンサートをしないかという話が持ちかけられる夢なのだが……「大したことはできないと思うけど……金になるなら、ちょいと練習してやってみるかなぁ」などと軽い気持ちで受けてしまう。そしてハタと気付けば、いつのまにか明日はそのコンサートの日なのである!
 なぜかバックを演奏することになっていた宇崎龍童に「照れずに歌えば、なんとかなる!」などと励まされ、「うん、なんとか頑張ってみるから」と答えるものの……考えてみたら、歌の練習などしていないし、練習するにも選曲すら決まっていないではないか! いやいやそれ以前に僕はギターなど弾いたことがないし、弾く以前にギターすら持っていないのである!
「しまった! ギターを買いに行かねば!」「ええと、楽器店はどこだ!?」時計を見ながら「まだ閉店時間ではないか!?」などと右往左往。しかし、これからギターを買いに行って練習したところで、明日のコンサートに間に合うはずもなく、アセりまくり「わずかな金につられて、畑違いのコトを引き受けるのではなかった!」と悔やんでいるところに、僕にコンサートの話を持ちかけてきた奴がチケットの売上を持ち逃げしたという報告がなされる。当然金も入ってくる見込みは無くなり、つらい状況だけが残った……という夢である。
 目が覚めてそれが夢だと判ったときには「ああ、夢でよかった……」と心の底から安堵したものである。
 しかし、いったなんでこんな夢を見たのか……すぐに思い当たった。
 今、応募用に進めているフェレット漫画が原因だ。ペット漫画の公募を知って、ジャンルが違うにもかかわらず、挑戦してみようかという気になった。そして、あわよくば賞金なんぞが入ればいいなぁ……などと甘いコトを考えながら進めてきたことに対する内省的気分がこんな夢を見せたのだろう。気分転換にと取り組んだ漫画だが、実際に描き始めてみると時間はかかるし「思ったほど簡単では無いな。ふだん漫画など描いていないのに気まぐれに挑戦して、賞金などムシが良すぎるか……」などと思いはじめていた頃だった。ちなみに夢の中で僕にコンサートの話を持ちかけてきて売上を持ち逃げしたのは実在の人物で、グランジを売っていたペットショップのオーナーである。フェレット漫画に集中しているので(夢の)キャスティングにもフェレットからの連想が働いたのだろう。そして、そのオーナーの店で買ったグランジはニューターフェレット(去勢&臭腺除去済み※当時は未手術のものより高価だった)だったハズが実はノーマル(未手術)だったという経緯があり、こうしたことも「いかがわしい」キャラクターとして夢に反映していたのかも知れない。
 とはいうものの、漫画の方は少しずつだが進めている。漫画の投稿常連達に比べれば描き慣れていないことはバレバレで……ペンのタッチに未熟さがでたり、描いてみて表面化する問題があったり……「これが編集者や選者にどう評価されるものか?」と不安や疑問も募ってきてはいるのだが、その一方、色々な問題を工夫しながら対処し、その成果が少しずつ形になっていくことが楽しみであったりもする。これが小説となると理想は高いので書き出すのにもかなりのエネルギーが必要だが、漫画に関しては高い理想を目指しているわけでもないので、そういった意味では進めることにさほど抵抗は感じないですんでいる。今はとりあえずここまで進めたのだし、完成させようと思っている。漫画に関連する夢を見ることも、今回が初めてではないし、起きている時も、漫画のことを考えながらトイレに入り、便座を下げずに座ろうとして危うく便器に落ちそうになったところで反射的に体をひねって踏みとどまり、「あー、びっくりした。くそっ、こんな策にはまってまんまと水の中に尻をつける俺だと思うてか!」なんてこともあったし……今は漫画に集中しているから、変な夢も見てしまったのだろう。
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──などという間の抜けた夢を見ながら描いていたフェレット漫画だが、幸運にも入賞し、『月刊ハムスター倶楽部スペシャル』(のちに『月刊ハムスペ』)に11回ほど不定期掲載された。残念ながら『月刊ハムスペ』は2007年8月号をもって休刊となるが、フェレット漫画のいくつかは色をつけて(雑誌掲載時には単色だった)、ブログに上げてある。
05Ferret漫画彩色

超魔術イタチ:編(&動画【超魔術イタチ】/ケバエ幼虫との遭遇)
グランジ目線で散歩:編(&グランジが散歩した距離/動画【快走!散歩派フェレット】)
イタチと迷信!?:編(イタチは不吉!?)
ニオイでほんろう:編(最後っ屁対決!?/【イタチのさいごっぺ】について)
すっげ〜:編(最大のハプニング!?)
忍者イタチ:編(&忍者イタチ動画)
☆『フェレットinジャケット』(フェレット漫画第1作)
☆『ふぇレッツ・ゴー』ハムスペ新人まんが大賞受賞作:編
☆『フェレットのいる風景

イタチmeets猫(※実写4コマ)
散歩派フェレット・プチアルバム



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4コマ漫画:総理の腹案

今年も残りわずか。ということでこの1年をふりかえり、2010年の時事ネタからブラック4コマ漫画(?)をひとつ。

鳩山由紀夫内閣総理大臣が辞任したのは6月。退陣に追い込まれた原因の1つが沖縄の米軍基地移設問題の対応のまずさだった。
当初鳩山総理は沖縄&日本の国民に向けて「基地の移設先は国外、最低でも沖縄県外を目指す」と言ってきた。ところが沖縄県内に基地を置きたいアメリカのオバマ大統領を目の前にしたら、「トラスト・ミー(私を信じて)」なんて言っちゃったという。
一方で国民への約束を守ると言いながら、同時にアメリカの意向にも添う形で決着をはかるという……そんな芸当のような解決策があるものだろうか?──皆がいぶかしく思っていたに違いない。
基地の移転先が決まらぬまま迷走しているのに、当の鳩山総理は自ら設けた決着回答期限が迫っても「私には腹案がある」とうそぶいていた。
あの【腹案】とは、いったい何だったのだろう?
──そんな疑問から発想したブラック・ジョーク。
副題は、もちろん「能ある鷹は爪を隠す」のもじり。



 


 


 


 




★フェレット漫画『ふぇレッツ・ゴー』 ※カラー加筆復刻版
しっぽの役割:編(フェレット:尾の役割&しっぽ振りの意味)
超魔術イタチ:編(&動画【超魔術イタチ】/ケバエ幼虫との遭遇)
グランジ目線で散歩:編(&グランジが散歩した距離/動画【快走!散歩派フェレット】)
イタチと迷信!?:編(イタチは不吉!?)
ニオイでほんろう:編(最後っ屁対決!?/&【イタチのさいごっぺ】について)
すっげ~:編(最大のハプニング!?)
忍者イタチ:編(&忍者イタチ動画)
『フェレットinジャケット』(フェレット漫画第1作)
ハムスペ新人まんが大賞受賞作:編
『フェレットのいる風景』

懐かしの4コマ漫画×4本+α

フェレット漫画を描くずいぶん前(1992年5月)に描いていた4コマ漫画を発掘したので、例によってカラー版を作成。
このマンガは知人(同人誌MON48の仲間)が1991年に創刊した横浜のタウン誌用に描いたもの。誌名は《横浜045》──数字は横浜の市外局番。
《横浜045》ではショートショートやイラストなどで協力させてもらっていたが、どういうわけか、4コマ漫画まで描くことになり、とりあえず4本ほど作ってみたのがコレ。

回復力



カツラにあらず



理想



星に願いを…



 
漫画を描いたのは高校のとき以来(※↓追記)。


学研の《高2コース》投稿欄にハガキ漫画が載ったのが1975年(11月号)だったから、マンガを描くのは16~17年ぶりのこと(その前は小学~中学にあがる頃にノートに落書き同様のマンガをちょこっと描いていた程度)。
珍しく久々に描いたマンガだったが、残念ながら《横浜045》が休刊となり、掲載されることはなかった。
このへん、ちょっとミラクル☆キッドと似ている?
(《えび天》狙いで制作したが、番組打ち切りでお蔵入り)

ちなみに、マンガの中に出てくる女性が《横浜045》を編集していた知人。『回復力』『カツラにあらず』の男性も同人誌《MON48》の仲間で、幻に終わったミラクル☆スター2絵コンテに登場している人物。

この4コマ漫画(1992年)のあと、またしばらく間を置いて描いたのがフェレット漫画『フェレットinジャケット』(2002年)だった。

★フェレット漫画『ふぇレッツ・ゴー』 ※カラー加筆復刻版
しっぽの役割:編(フェレット:尾の役割&しっぽ振りの意味)
超魔術イタチ:編(&動画【超魔術イタチ】/ケバエ幼虫との遭遇)
グランジ目線で散歩:編(&グランジが散歩した距離/動画【快走!散歩派フェレット】)
イタチと迷信!?:編(イタチは不吉!?)
ニオイでほんろう:編(最後っ屁対決!?/&【イタチのさいごっぺ】について)
すっげ~:編(最大のハプニング!?)
忍者イタチ:編(&忍者イタチ動画)
『フェレットinジャケット』(フェレット漫画第1作)
ハムスペ新人まんが大賞受賞作:編
『フェレットのいる風景』

フェレット漫画:最後っ屁対決!?

【ハムスター倶楽部スペシャル】2003年4月号掲載分『ふぇレッツ・ゴー』に彩色加筆したもの。漫画の後に【イタチのさいごっぺ】についての考察をまとめてみました。
※漫画のコマには番号がふってあります。その順に読み進んで下さい。

ふぇレッツ・ゴー/ニオイでほんろう:編



 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


今回登場した昆虫



【イタチのさいごっぺ】について

イタチのことをよく知らない人でも【イタチの最後っ屁(ぺ)】という言葉は聞いた事があるだろう。広辞苑によると──、
「イタチが追いつめられたとき、悪臭を放つこと。
 転じて、せっぱつまって最後に非常手段に訴えること。」
 (※漢字をカナに開いた箇所あり)」
以前は同じイタチ科に分類されていたスカンク(現在はスカンク科として独立)が強烈な最終兵器(屁器?)を装備している事はよく知られている。イメージとしてはこれに近いのかもしれない。
イタチもスカンクも肛門の脇に臭腺(肛門腺)を持っており、ここから分秘される液が異様に臭い。天敵等に襲われたりするなど窮地の際にこれを放って敵をひるませたり撃退するといわれている。よく「屁」と表現されるが正確には屁(腸内のガス)ではなく、臭腺で作られる分泌液である。

スカンクほど強烈ではないにしろ、イタチ科のフェレットもこの臭腺(肛門腺)をもっている。それでペット用のフェレットの多くが臭腺除去手術を受けているわけだ。

ところが、【イタチの最後っ屁(ぺ)】を迷信だと言う向きもある。
ノーマルフェレットを飼っている人や扱っている獣医さんはフェレットの臭腺分泌物がとてもクサイことは知っている。しかしそれでも【イタチの最後っ屁(ぺ)】は実際にはないと思っている人がいたりする。
先日亡くなられた動物行動学者として有名な日高敏隆氏も著書『ネコはどうしてわがままか』(新潮文庫)の中で【イタチも謎の多い動物】という項目にこう書いている。

イタチというとすぐ思い出すのは、【最後っ屁】だが、これも少々誇張ではないかという人が多い。たしかにイタチは肛門腺という臭腺をもっているが、それはイタチ同士の匂いによるコミュニケーションのためであって、敵を気絶させるためのものではない。

肛門腺はイヌやネコなどにもあるし、コミュニケーションに使われる事は理解できる。しかしイタチ科の動物が窮地の策として使うことだってある──と僕は思っている。
フェレットに限って言えば、ノーマル(生殖腺&臭腺除去手術を受けていない)タイプのグランジが【最後っ屁】を放つのを僕は複数回確認しているのだ。

あるとき散歩中のグランジに背後から追ってきた犬が飛びついたことがあった。このとき、グランジは【最後っ屁】を放った。漫画に描いた通り事実である。実際は相手の犬はグランジとも顔なじみの柴犬で何度も遊んだ事のある散歩仲間だった。犬の方はグランジの姿を見つけ、じゃれかかったつもりだったのだろうが、グランジは背後からいきなりとびつかれて相手が判らなかったらしい。飛びつかれて激しく慌てふためいた。直後、あたりに臭腺の臭いが立ちこめ、「これが【イタチの最後っ屁(ぺ)】か」と納得したわけである。
他にも何かに驚いたグランジが【最後っ屁】を放って、ふところに駆け込んできたことがあった。そのさい、上着に分泌液が付着したこともある──これも漫画に描いた通りである。

人間は主に視覚でとらえた世界で生きているが、犬やフェレットなどの動物は視覚よりも嗅覚でとらえた世界に生きている──といえるのではないかと思う。その嗅覚の世界を想像してみたとき、【最後っ屁】は防衛用の武器として充分に効果があると推察できる。

犬が鼻先で【最後っ屁】を放たれるというのは──視覚の世界に置き換えるなら、我々が目の前で強力なフラッシュをたかれるようなものかもしれない。強い光に目がくらみ視界が一時的にきかなくなる──その嗅覚バージョン──嗅覚的眩惑をひきおこすのが【最後っ屁】なのではないか。これで相手をひるませて逃げのびる(生存率が高まる)ということはありそうな気がする。

また【最後っ屁】を放ったさいにそれが相手の鼻先に直撃しなかったとしても、分泌液が周囲に付着すれば相手の嗅覚レーダーは当然そちらに反応するだろう。
トカゲが敵に襲われた時、尾を自切して逃げる事は有名だ。切り離された尾はピチピチはじけるように激しく動いて相手の注意を引きつける。その間に本体は逃げおおせる陽動作戦である。また、イカは敵におそわれたとき、粘度の高いスミを吐いて水中にダミー影をつくり、いわば「変わり身の術」を使って逃げるという。
嗅覚においても、より強いニオイを放つことによって、相手の注意を引きつけ、混乱させてそのスキに本体は逃げる──ということはあってもおかしくはないだろう。分泌液にはいわば「ダミー(おとり)臭」的な意味もあるのかもしれない。【最後っ屁】は「臭い変わり身の術」として使われるのではないか……と僕は考えるようになった。

【最後っ屁】を放ったあと、肛門には分泌液がにじんでいるが、それをグランジに嗅がせると直ちになめとってきれいにする。しかし服についた分泌液は臭いをかがせても決してなめとろうとはしなかった。これも漫画に描いたとおりだが、この行動も、本体(自分)のニオイは消しておく必要があるが(敵や獲物の注意をひいてしまうため)、ダミー(おとり)臭は消す必要が無い──そう考えると、説明がつく。

この【最後っ屁】──イタチやスカンクの専売特許ではなく、昆虫でも使い手がいる。「屁放り虫(へひりむし)」の異名を持つミイデラゴミムシが有名だが、よく見かけるオサムシも尻から酸を放つ。
グランジが葉の陰にかくれたオサムシを追いかけ、鼻先に【最後っ屁】(正確には屁ではなく酸)を食らったのも、これまた漫画に描いた通りである。このときのうろたえぶりは尋常ではなかった。嗅覚レーダーであるところの鼻先へのニオイの一撃が嗅覚の世界に生きるハンターにとって、どれだけ威力があるものなのか──をあらためて知る事となったエピソードだった。

このように【最後っ屁】は効果的な奥義(?)だし、フェレットが使うのだから追いつめられたイタチが使っていたって全然おかしくない──そう考えるのが自然な気がする。
【イタチの最後っ屁】に懐疑的な人がいるというのは知っていたが、あの日高敏隆氏までがそうした認識でいたのがちょっと残念だ。
余談だが、氏の著書『ネコはどうしてわがままか』では【イタチも謎の多い動物】の次に【カマキリの予知能力】という項目がある。カマキリはその冬の積雪量を予想して雪に埋まらない高さに卵のうを産みつける──という話題を紹介したものだ。日高氏はこれを肯定的に取り上げているのだが……しかしカマキリの雪予想がガセネタであることは別の昆虫学者によって明らかにされているのだ。
(※カマキリの卵のうと積雪の関係参照)
著名な専門家が書いた本にも間違いはある。権威者の言う事だからと鵜呑みにせず、疑問を持ったり、自分なりの観察や考察をしてみることも大事だと思うしだい。

※フェレット漫画『ふぇレッツ・ゴー』 ※カラー加筆復刻版
しっぽの役割:編【フェレット:尾の役割&しっぽ振りの意味(漫画版)】
超魔術イタチ:編【フェレット漫画:超魔術イタチ!?】
グランジ目線で散歩:編【フェレット漫画:いたち目線で散歩】
イタチと迷信!?:編【フェレット漫画:イタチは不吉!?】
すっげ~:編【フェレット漫画:最大のハプニング!?】
忍者イタチ:編【フェレット漫画:忍者イタチ!?】
『フェレットinジャケット』(フェレット漫画第1作)
ハムスペ新人まんが大賞受賞作:編
『フェレットのいる風景』
フェレット漫画@ハムスペ覚書

フェレット漫画:イタチは不吉!?

動物マンガ月刊誌『ハムスター倶楽部スペシャル』(後に『ハムスペ』)に不定期連載していたフェレット漫画『ふぇレッツ・ゴー』。その2003年7月号の回に彩色加筆したもの。
※コマには番号がふってあります。その順に読み進んで下さい。

ふぇレッツ・ゴー~イタチと迷信!?:編~



 


 


 


 


 


 


 


 


 


サロン ド アニマル

ハムスペでは執筆陣が同じお題で1カットを描くコーナーがあり、この回のテーマは【うちのコを、有名人にたとえるならば?】だった。


本編で首が飛ぶイリュージョン(?)を描いたのでマリックさんにしてみたしだい。
ちなみに「超魔術イタチ:編」は別にある。

※フェレット漫画『ふぇレッツ・ゴー』 ※カラー復刻版
しっぽの役割:編【フェレット:尾の役割&しっぽ振りの意味(漫画版)】
超魔術イタチ:編【フェレット漫画:超魔術イタチ!?】
グランジ目線で散歩:編【フェレット漫画:いたち目線で散歩】
ニオイでほんろう:編【フェレット漫画:最後っ屁対決!?】
すっげ~:編【フェレット漫画:最大のハプニング!?】
忍者イタチ:編【フェレット漫画:忍者イタチ!?】
『フェレットinジャケット』(フェレット漫画第1作)
ハムスペ新人まんが大賞受賞作:編
『フェレットのいる風景』
フェレット漫画@ハムスペ覚書