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ひそかな秋の風物詩!?ケバエ…

ひそかな秋の風物詩!?ケバエ幼虫集団

秋も深まる頃、人知れず現われるのがケバエの幼虫集団である。これは死骸に湧いたウジのごとく密集してひしめき合うイモムシで、パッと見、ウジを大きくして毛を生やしたような姿をしている。この毛が毛虫のように直毛でそろっていれば、それなりにキレイなのだろうが、ケバエ幼虫の体表面に生えた毛はまばらで、植物の根のように縮れている。1匹でも充分気色悪いのだが、これが数十匹から3桁、ときに4桁に届くのではないかと思われる超過密集団をつくり、押し合いへし合いして群全体がのたうつのだから、その光景は、この世のものとは思えない!?
僕が初めてケバエ幼虫集団の存在を知ったのは、まだ虫見を始める前──当時飼っていたフェレットの散歩中であった。この衝撃的な出会いについては当時不定期連載していたフェレット漫画にも描いている(*)。


ちなみにこの回↑には糞虫のセンチコガネも登場するし、別の回ではアカスジキンカメムシやアオオサムシを描いたこともあった。アニメ『ちびまる子ちゃん』ではアカスジキンカメムシをネタにした回があったが、少女漫画系の雑誌にケバエ幼虫を登場させた人はちょっといないのではあるまいか? 僕はフェレットの散歩で遭遇する昆虫たちへの関心から虫見をするようになったのだが、その最初のきっかけがケバエ幼虫集団だった
初めて見た時の衝撃が強烈すぎて神経が鋭敏化したためか(?)、その後はそれまで気づかなかったのがウソのように、そこかしこにその群が目にとまるようになった。毎年、時期になると「そろそろ出る頃だな……」と気になり始め、見ないと何だか落ち着かない。初めて目にした時の衝撃が急性中毒だったとすれば、恐いもの見たさで(?)見ないと落ち着かないというのは慢性中毒症状であろうか? いつしか僕の中では「紅葉・黄葉」を差し置いて、ケバエ幼虫集団が秋の風物詩となってしまったようだ……。
昨年10月には超大型台風21号の影響でケバエ幼虫の出現ポイントが水没したのだが、そのときはケバエ幼虫達が溺死してしまうのではないかと安否を気遣ってしまった。その予想が当ったのか、昨シーズンはケバエ幼虫集団を目にすることは無く、なんとなく物足りない気さえしていた……。
そんなわけで、今シーズンはどうかと思っていたのだが、昨年水没していたあたりでケバエ幼虫を小集団ながら無事に(?)確認できたのであった。






落葉の積もった地面に不自然にかき寄せたような盛り上がりがあったら、ケバエ幼虫集団の可能性がある。凹んで土が見えているような位置から盛り上がった位置まで群が移動したことでこんな痕跡ができる。
苔むした舗装路面の上に現われたケバエ幼虫の小集団↓。


知らない人には土にでも見えるのか、これが幼虫の塊とは全く気がつかずに近くを通ったり踏みつけたりしていくことが多い。
ケバエ幼虫集団はふつう緩慢だが、何かの刺激で群れの一部が身をよじるとそれが周辺に伝染し群れ全体が激しくのたうって、おぞましい様相を展開する。僕が初めてこの存在を知ることとなったのも、フェレットが地面をひっかいてケバエ幼虫を刺激したことで群全体が激しくうねり出したからだった。踏みつけたことが刺激となって群がもだえのたうつこともありがちな気がするが、秋の景色を眺めながら歩く人たちは、自分の足元で展開される「気がつけば阿鼻叫喚必至の光景」を知らず、パニックと紙一重のところで、のどかな散策を続けるのである。
このケバエ幼虫の塊──通常見えているのは幼虫の尻側だ。頭を地面に突っ込み「頭隠して尻隠さず」状態でいる。この腹端近くには目玉のような紋(何かの器官?)が1対あって、このため、尻がドジョウ顔に見えたりする。


地面から突き出てうごめく密集ドジョウ顔は、メドゥーサの蛇頭を連想させる。この眼状紋(?)には敵を威嚇したり忌避する効果でもあるのだろうか? それとも何か別の役割りを持つ器官なのだろうか?
ちなみに、本当の(?)頭部は、こんな過感じ↓。


初めて見た時は、超過密ぶりに、その下には死骸でもあってこれに群がっているのではないかと想像が先走ってしまったが、ケバエ幼虫が食べているのは腐敗植物らしい。そうなら周囲には堆積した落葉がいくらでもあるのだから、一カ所にかたまって食事をする必要はなさそうな気もする。にも関わらず塊になっているのには、きっと理由があるのだろう。
集団になっていればそれだけ天敵に見つかりやすくなる。もしケバエ幼虫が「良いエサ」であれば、天敵にとっては一網打尽のおいしいターゲットになってしまうはずだ。逆に「不味くて食えない」あるいは毒でも持っていれば捕食者は敬遠するようになるから、群れていた方が忌避効果は高まるだろう。実際に群れているということは、ケバエ幼虫を食う動物や鳥は少ないのではないか……と僕は想像している。
あるいは……ケバエ幼虫の食素材は新たにかじるより、かじり痕があった方が食いやすくなる……誰かがかじったあとの方が食いやすくなる──というようなことでもあれば、皆で同じ部分を食おうとして密集することもあるかもしれない。また、消化酵素のようなものを吐き出しながら分解した部分を食うというような食事の仕方をしていたとすれば、群れて消化酵素の濃度を高めた同一個所に集中する方が効率的──なんて可能性もあるかもしれない?
どうして集団を作るのか、本当のところは僕には判らないが、このルックスの幼虫が超過密な塊になっている光景はなかなか強烈である。
そんなケバエだが、成虫は貧弱なアブにも見えるハエ類で、春になるといっせいに現われ頼りない飛び方で乱舞しているのを目にする。ときに「ハチがたくさん飛んでいる!」と誤認パニックを起こされたり、洗濯物にとまったり室内に侵入して嫌われがちだが、その不快害虫としてのインパクトは幼虫集団に比べれば屁のつっぱり程度だろう。気づく人は少ないが、今が旬の《ひそかな秋の風物詩》──見応えは大きい……。


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謎の幼虫大群:ケバエ

※幼虫の実写画像があります。幼虫がニガテな方は要注意!

波打つ地面!? 不気味な幼虫の群れ

フェレットを飼っていた頃、その散歩中に出会った生きものは色々いたが、インパクトの強烈だった虫が2ついる。
一つはシャチホコガ幼虫(怪獣のような幼虫!?)、もう一つが今回改めて紹介するケバエ幼虫の大集団だ。いずれも予備知識を持っていなかったので、遭遇したときの不気味さといったら、「こんなおぞましいものが存在して良いものか!?」という感じだった。
そのときのことはフェレット漫画にもちょろっと描いている。




フェレット漫画:超魔術イタチ!?より。

怪しげな虫たちがうごめく下には死体でも埋まっているのではあるまいか──そんな想像が頭をよぎったほどだ。
じつは、この虫──ケバエという虫の幼虫で、腐植質を食うらしい──そう知ったのは後のことである。晩秋に集団が出現し、腐敗した植物質が堆積した場所では大発生することもあるという。

実写版 ケバエ幼虫



ということで、これが実写画像のケバエの群れ(規模としては序の口)。このようにかたまっており、地面に潜っているとすぐわきを通っても案外気づかない。棒切れでつついてみると、刺激を受けた幼虫がのたうち、その動きが周囲に連鎖的に広がっていく。その結果、予想以上に広範囲で地面が波打つようにうごめくことがあり、おぞましいことこのうえない。


よく見ると幼虫の尻には目玉のような紋がある。このためドジョウ顔に見えなくもない。画像の中には「餌をくわえているドジョウ顔(?)」が写っているが、これは尻の側なので実際は糞をしているところ。
見た目は気色悪い幼虫大集団だが、落ち葉や腐食質を食べて分解することで、生態系の中ではそれなりの大切な役割を果たしているのだろう。
ところでこの眼のように見えるこの一対の紋(?)は何だろう?
天敵の攻撃を急所の頭部からそらすためのダミー目玉模様のような効果があるのだろうか? あるいは集団で頭を隠して尻の偽顔で天敵を威嚇するような効果でもあるのだろうか? そう思ってみるとゴーゴンの蛇頭を連想しないでもないが……。
それとも単に何かの器官なのだろうか? 紋の役割がちょっと気になる。


幼虫の密度は不自然さを感じるくらい高い。きっと集団を作ることに何らかの意味があるのだろう。
もしケバエ幼虫が餌となり得るのなら、これだけの大量のタンパク源は昆虫食の鳥や動物の良いターゲットにされそうな気がする。だとすれば大集団を作って目立つことは生き残る上で不利なはずだ。
しかし実際に集団を作っているのだから、昆虫食の鳥や動物からすると「餌にならない」(マズイ?)のだろうか。「こいつは食えない」と認識された虫なら、むしろ集団を作っていれば避けられやすくなり、利点がありそうな気がするが……。

いずれにしても、人間から見た場合、大集団の気色の悪さは強烈である。
しかしながら、近くを通る人は意外に気がつかない。
ケバエ幼虫の群れのそばを何事も無く平和に行き過ぎようとする人を見ると、自分が受けたインパクトを他の人とも分かち合いたくなって、つい「ほれ、見てみれ!」と教えてみたくなる──そんな誘惑にグッと耐えることも少なくないのである。

ケバエの成虫





晩秋に幼虫集団が目につくケバエだが、春にはいっせいに成虫が出現する。発生時期にはフラフラとたよりない飛び方で飛翔する成虫がそこかしこで見られる。地面や手すりなどで画像のようにペアになっていたりする。
ペアになっていれば同じ種類の♂♀だとわかるが、別々に見るとまるで別の虫のようだ。♂の眼が発達しているのは繁殖行動で視覚が重要な役割をしているからだろう。
※ケバエ幼虫は11月に/成虫は4月に撮影したもの