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金・銀・銅…なメタリック昆虫

昆虫の中にはメタリックな輝きを放つ美麗種が少なからず存在する。ヤマトタマムシは有名だが、一般的にはあまり知られていない美麗種も多い。タマムシに匹敵するような美麗種でありながら……そして身近にいる普通種でありながら意外と気づかれずに(?)スルーされがちな金属光沢をはなつ昆虫たちを最近撮った中から……。

【金】黄金の輝き&ガラスの透明感…ジンガサハムシ


食草のヒルガオの葉の裏にとまっていることが多いためか、わりと気づかれにくい昆虫。たまに陽の当たるところに出ていると金色に輝いて、とても美しい。
光を反射する金色の体に、光を通す透明な部分──対極の構造を同時に備えているのが興味深い。また円形の体型もユニークで「UFO」を連想する人もいるようだ。この体型は触角や脚を収納し葉の裏にぴたりと張りつくと(隙間をなくし)アリなどの攻撃をシャットアウトできる──そんな構造なのだろう。円形シールドが透明なのは、シールドに隠れたさいに内側から外の(外敵の)ようすを見ることができるようにだと想像している。それでシールド・モードを解除する頃合いを見計らっているのではないか。ゴールドX:セモンジンガサハムシと共通する構造だ。

これ↑は背中(上翅中央)も金色のタイプ。他に背中(上翅中央)が黒っぽくなるタイプもいる↓。

前胸背面は金色に輝いているが、背中(上翅中央)が黒っぽいタイプ↑。色タイプの違いはオス・メスの違いではない。近似種のスキバジンガサハムシでは、黒は金に対して優性遺伝なのだとか。

ヒルガオの裏にいたジンガサハムシのペア。この状態でオスが何度も翅を瞬間的に広げていた。広げた瞬間は撮れなかったが、直後の下翅を回収しているようす↓。

ヒルガオの葉の裏には卵のう(卵鞘:卵が入ったカプセル)も見られた。

【銀】シルバーの模様・オオギンスジハマキ


初めてこの蛾──オオギンスジハマキ(オオギンスジアカハマキ)を見た時は、銀色のもように驚いた。蛾や蝶の仲間で「金色」や「銀色」があるとは想像していなかった。しかしその後、蛾には「金」「銀」「透明」などあることを知り、蛾のバリエーションの広さに感心した。他にも蛾の素材を並べたかったのだが……最近撮ったのはコレだけだった……。
オレンジ色に銀色のライン──単体で見ると目立つデザインだが、葉に止まっていると、景色の中では「茶色く変色した葉の一部」っぽく見えて意外に目立たない気もする。

【銅(あかがね)】虹色の輝き・アカガネサルハムシ




以前【虹色ハムシと呼びたいアカガネサルハムシ】でも紹介したが、ヤマトタマムシのような金属光沢を持つ美しい昆虫。光の加減や見る角度で色合いが変化する。配色的には緑系が基調のヤマトタマムシよりも赤系が目立つ(世界で最も美しいクワガタとされる)ニジイロクワガタに似ている気がする。とても美しい昆虫なのだが……(冒頭のジンガサハムシもそうだが)輝きが強いので、なかなかその金属光沢感を画像に納めるのが難しい……。「実際はもっとキレイ」ということを念頭に、キアイを入れて脳内補正してご覧あれ!





ゴールドX:セモンジンガサハムシ

トレードマークは《金のX》:セモンジンガサハムシGX

昆虫に勝手にニックネームをつけることはよくある。ヒメハサミツノカメムシのことは【レッドV】なんて呼んでいるが、これに対し【ゴールドX】あるいは【ゴールデンX】と呼んでいる昆虫もいる。背中に輝く黄金の「X」がトレードマークの【セモンジンガサハムシ】だ。






ゴールド部分の一部がちょっと赤っぽく写っているが、これはカメラ(OLYMPUS STYLUS TG-2 Tough)の赤いボディーを反射したもの。

セモンジンガサハムシやこれより大きいジンガサハムシをはじめて見た時、金の輝きの美しさもさることながら、スケルトンで丸みのあるアウトラインをもつデザインも面白いと感じた。
葉に張りつくようすは、岩に張りつくアワビを思わせる。体のへりをぐるりとおおう透明シールドにかくれ、すきまなく葉に密着することでアリなど敵の攻撃をシャットアウトする──そんなデザインなのだろう。盾の役割りをするシールドが透明なのは、その内側にかくれたまま(敵影が去ったか)外の様子をうかがうことができるようにではないか──という気がする。




セモンジンガサハムシはよくサクラの葉でみつかる(食植物はサクラ、リンゴ、ナシなどの葉だそうだ)。成虫が何匹かいたサクラをさがすと、葉の上に蛹の姿もあった。

この蛹↑を見て……なぜかウチワエビを連想してしまった……。
すっぴんの(?)セモンジンガサハムシ蛹はレースのような縁取りのデザインがなんともオシャレでユニーク。このレース部分が成虫になってときの透明シールドになるのだろうか?
この蛹は「頭部&前胸をカバーすると思われる部分」に穴が開いていた。蛹化するさいにうまく殻と分離できずに剥離してしまったのだろうか? それとも外敵に攻撃された痕跡なのだろうか?
近くにあった別の蛹は、抜け殻&糞とおぼしきものを背負っていた↓。

抜け殻&糞でデコレーションすることで、体を隠しゴミの塊に見せる隠蔽効果が生まれるのだろうか。
このトゲトゲの見て、ふと何かに似ていると感じた。イラガ幼虫の棘状突起に似ている気がしないでもない。もしかすると、危険昆虫イラガに擬態している(それで天敵を回避させる?)なんて可能性もあるのかもしれない?


セモンジンガサハムシとイチモンジカメノコハムシ

セモンジンガサハムシは、しばしばイチモンジカメノコハムシと間違えられるようだ。標本写真を使った図鑑でみると、たしかに両種はよく似ている。

しかし実際に(生体を)見ると、印象はずいぶんと違う。まずは大きさ──セモンジンガサハムシが5.5~6.5mmなのに対しイチモンジカメノコハムシは7.5~8.5mmと大きめ。そして何より違うのがパッと見のきらびやかさだ。標本写真だと体色があせてしまうのか、同じように見えてしまうが……地味な印象のイチモンジカメノコハムシに対しセモンジンガサハムシは金属光沢があって華やか。ジンガサハムシに比べれば小さく金属光沢部分の占める割合も少ないが、それでもキラキラかがやいて美しく見える。

小さいながらよく見ると美しい──頑張れ! セモンジンガサハムシGX!

追加:セモンジンガサハムシの顔

顔のショットがなかったので、その後撮った画像を追加↓。









ジンガサハムシの産卵~光沢昆虫は難しい

ジンガサハムシの産卵


昆虫は小さいし、動き回るので撮りづらいものが多い。ジンガサハムシも普段はヒルガオ(食草)の葉の裏にひそんでいることが多く、順光でキレイに撮りたいと思って葉をめくったりすると、すかさず反対側に回り込んだり飛び去ったりしがちで、なかなかうまく撮れないことが多い。
それでもキレイな虫なので、見かけるとついカメラを向けたくなる。今回もジンガサハムシの金タイプ(背中まで金色のものを「金タイプ」、背中が黒っぽいものを「黒タイプ」と勝手に呼んでいる)がいたので、期待せずに撮影してみたのだが……。

まず葉の裏側に止まっているのを、葉の裏側から撮影↑。これはそっと近づけば比較的おとなしく撮らせてもらえる。逆光なので、スケルトン部分の透明感はキレイに写るが、光沢部分の美しさはわかりにくくなる。
ジンガサハムシの特に金タイプの魅力は、その「金色の光沢の美しさ」にある。これをキレイに撮るためには順光で撮りたいところ。
とりあえず、逆光ショットをおさえた上で、「どうせ逃げるんだろうな……」と思いつつ、ジンガサハムシが止まっている葉をつまんでそっと反転……順光側まで動かしてみたが、意外にもジンガサハムシは同じ場所にとどまったまま。これはチャンス!とばかりに撮り続けた。



ふと気づくと、ジンガサハムシの尻の方に何やら褐色のものが!?──撮影中に卵を産んでいたことに気がついた。


後に撮った画像を振り返ってみると、見つけたときにちょうど産卵が始まっていたようだ。葉脈との位置から卵のう(卵鞘/卵の入ったカプセル)がしだいに大きくなっていくのが確認できる。この後も母虫は卵の上で腹端を前後に動かしながら卵のうの制作を続けた。




卵のう(卵鞘)を産み終えると、母虫はあっという間に飛び去った。それまで逃げなかった(逃げられなかった?)のは産卵モードに入っていたためだったのだろう。
以前のジンガサハムシ記事【金色に輝くジュエリー昆虫】でも産卵シーンをアップしていたので再掲載↓。


ジンガサハムシの寄生蜂?

ジンガサハムシが卵をそのまま産みつけずわざわざケースにくるむのには、きっと意味があるのだろう。おそらく卵を保護する役割りがあるのだろうと想像するのだが……それでも天敵はいるようだ。以前撮ったジンガサハムシの画像に寄生蜂と思われる虫が写っていた。撮影した画像を調べてみるとかなり長い時間こうしてジンガサハムシの背中にとまっていたので、偶然とまったのではなく目的を持って居座っていたのだろう。ジンガサハムシが追い払う事のできない背中にとどまり産卵を待って、ジンガサハムシの卵に自分の卵を産みつけようとしていたのではないか?

金タイプと黒タイプ


ちなみに黒いタイプのジンガサハムシ↑。前胸の金色部分は金タイプと同じだが、背中は黒っぽい。この色の違いはオス・メスの違いではない↓。


ジンガサハムシとよく似たスキバジンガサハムシにも金タイプと黒タイプがあり、黒は金に対して優性遺伝だということがわかっているそうだ。

光沢昆虫は難しい

僕は写真撮影に苦手意識があって、ブログに掲載する画像には作品(芸術)としてのクオリティは求めていない(あきらめているから上達もしない)。画像は「言わんとするポイントがわかればよい」という低いハードルで撮影している。
昆虫の場合、姿がユニークだとか模様がおもしろいとか……伝えたい特徴が見てわかればそれで良い──という扱い。キレイに撮れればそれに越したことはないけれど、画像としての美しさ・写真としてのできばえはあまり気にしない。
ただ、美しさに感心して、その美麗さを記録し伝えたい──と思うこともあるわけで、そうしたケースは「美しく撮る」ことの難しさにいつも難儀する。
特に金属光沢のある昆虫は、光の加減や撮影角度などで全然違って見えてしまうし、ただでさえ動き回って撮影が難しい昆虫に、適切な位置で適切なポーズを要求しても応じてくれるハズもない……。
今回のジンガサハムシも「本当はもっとずっとキレイなんだけどなぁ……」という思いが強い……。
やはり金属光沢が美しいアカガネサルハムシも、見かけるとカメラを向けたくなる昆虫の1つだ。ジンガサハムシがゴールドの輝きなのに対し、アカガネサルハムシは虹色の輝き。ヤマトタマムシにも似ているが、配色的には(七色に輝く世界一美しいクワガタと言われる)ニジイロクワガタに近い気もする。
以前にも【虹色ハムシと呼びたいアカガネサルハムシ】で紹介しているが、最近撮った画像の中から、虹色の輝きを思い浮かべられそうになものを……(実物はもっと美しい)。



ついでに、やはり画像的にはイイマイチながら、緑色のメタリックな光沢が美しいアオバナガクチキムシ。美麗種?にしてゴキブリのような動きはいかがなものか……と思わないでもないが、光沢のある昆虫にはやはりカメラを向けてしまうのである。




金色に輝くジュエリー昆虫

ジンガサハムシ




ジンガサハムシはジュエリーのような昆虫だ。真珠のような丸いフォルムに金の輝きとダイヤモンドの透明感──といったら大げさだろうか。昆虫でよくこれだけ美しいものが実現したと感心する。1センチ弱の小さな虫だが、ゴーヂャスな雰囲気を放っている。
ユニークな丸い体は、葉に密着するための構造だろう。岩に貼り付くアワビのように、葉に密着すればアリ等の攻撃から身を守ることができるはずだ。透明な部分は、そうした密着防御態勢のまま、シールド越しに外の様子をうかがうためのものだろう。「コンタクトレンズ虫」と呼ぶ人がいたが、なるほどという感じもする。
背中が金色のタイプと黒(焦げ茶色)タイプのものがいる。この色の違いは♂♀の違いではない。


近似種のスキバジンガサハムシでは、黒は金に対して優性遺伝だということがわかっているそうだが、オス・メスともに金タイプのペアを飼育した人の話では孵った子どもは全て金色になったという。

卵のうの中にはいくつか卵が収められている。
幼虫は脱皮するとその抜け殻を背負ってカムフラージュ(?)しているらしい。

ジンガサハムシの食草はヒルガオなので、穴のあいた葉を目印に葉の裏を探すと見つける事ができる。

セモンジンガサハムシ


ジンガサハムシよりも小ぶりで金色の部分も少ないが、光が当たると黒地に金の部分は意外によく輝く。背中の「金色のX」がトレードマーク。セモンジンガサハムシはサクラの葉の裏でよく見つかる。

イチモンジカメノコハムシ


イチモンジカメノコハムシはセモンジンガサハムシより大きいのだが、図鑑(標本写真)で見比べるとまぎらわしい。しかし実物はだいぶ印象が違う。
イチモンジカメノコハムシはムラサキシキブでよく見かける。