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昼間のオスは?イチモジフユナミシャク

昼間は姿を隠す!?イチモジフユナミシャク♂

フユシャク(冬尺蛾)というと、ついユニークなメスの方ばかりに注目してしまい、ちょっとぞんざいに扱われがちなオス……。イチモジフユナミシャクはメスが美しいだけにその傾向も強い(……と思うのは僕だけ?)。

そんなわけで、あまり気にしてこなかったのだが……イチモジフユナミシャクのオスは日中(桜ウォッチで見つかるメスに比べて)目にする機会が少ない。クロスジフユエダシャクでは、日中目にするのはオスが圧倒的に多かったのに……。昼行性(クロスジフユエダシャク)と夜行性(イチモジフユナミシャク)の違いはあるにせよ……メスより大きく目立ちやすいオスを見る機会が少ないというのは考えてみれば、ちょっと不思議だ。イチモジフユナミシャクのオスは昼間、どこでどうしているのだろう?
そんなことを考えながらサクラッチ(桜ウォッチ)をしていたときのこと──落葉の上を歩くイチモジフユナミシャク♂の姿を見つけた。翅はきれいで弱っているようにも見えない。元日には日が昇ってからも交尾していたペアがいたが……仕事を終え、メスから離れたオスだろうと思った。
どうするのか見ていると、彼は落葉の下にもぐり込んでいった。クロスジフユエダシャク♂がメスを求めて羽ばたきながら落葉の下にあわただしくもぐり込むシーンは何度も見ているが、イチモジフユナミシャク♂の動きは落ち着きはらっている。隠れるために落ち葉の下に入っていったのだろう。オスがもぐった落葉のあたりを探すと、落葉のふちからわずかに頭部がのぞいているのが見えた。

落葉に隠れて停止モードとなったようだ。少し角度を変えると胸のあたりまで見える。

先日、落葉の上に飛来したイチモジフユナミシャク♂とおぼしき蛾を確認しようとして近づいたところ、飛び去られてしまうということがあったが……あの蛾も落葉の下にもぐり込もうとしていたのかもしれない。今回はおどかさないように気をつけながら、イチモジフユナミシャク♂を隠している葉を取り除いてみることにした。落葉の隙間からのぞく頭部を見ると触角はたたまれて停止モードに入っている。



イチモジフユナミシャク♂は飛ばずに停止モードでいた。

イチモジフユナミシャク♂は日中、こうして落葉の下などに「隠れている」ものが多いのだろう。どうりで見かける機会が少ないはずだと納得した。


イチモジフユナミシャク・ペア~特大♀

元日のイチモジフユナミシャク・ペア


2018年の撮り納めは12月31日のイチモジフユナミシャク♀美麗個体だったが、2019年の撮り始めもイチモジフユナミシャクとなった。大晦日に続き、元日サクラッチ(桜ウォッチ)では、大枝で交尾中のイチモジフユナミシャクのペアを発見。僕は夜間の虫見はしないので、夜行性のイチモジフユナミシャクの交尾を見るのは初めて──午前9時半頃だった。しかし、TG-2で撮るには高い……。年明け早々にイチモジフユナミシャク・ペアが見ることができたのは幸先が良い気もするが……それを接写できないのは幸先が悪いのか? とりあえず証拠写真程度のものを撮るにとどまった。オスの翅が風にあおられ、パタパタしていた。

産卵後のイチモジフユナミシャクも増えてきている。

卵を産み終えたイチモジフユナミシャク♀は腹が縮んでプロポーションが激変してしまう。縮んだ腹に対して翅の割合が大きく見え、フユシャクを見始めた頃は産卵前後の個体を別の種類だと思っていた。
産卵後のしおれたメスに対し、卵を満載してぷっくりした新鮮なメスもいた↓。

水色の前翅に黒帯模様がくっきり入ったイチモジフユナミシャク♀だった。


こちらは前翅の黒帯模様が分断したメス↓。サクラの幹のやや高い位置にとまっていたので、プチ木登りで撮影。


うっすらと射した陽を受けてきらめく新鮮な鱗粉が美しい。腹部背面の黒紋は不明瞭なメスだった。
石碑にとまっているイチモジフユナミシャク♀も──↓。

背後にあるサクラの木で発生したのだろう。これは腹部背面の黒紋が明瞭な個体だった。


産卵前のメスの腹はぷっくりして可愛らしい。きれいなフォルムのメスを見ることができて元日のサクラッチは満足して帰ったのだが……翌日、大迫力のメスを発見することになる。

特大のイチモジフユナミシャク♀


太いサクラの古木の根元付近にとまっていたイチモジフユナミシャク♀。翅に比べると、その腹がいかに大きいかがわかる。

産卵前後で体型に差があることは前述のとおりだが、標準的な産卵前のメスに比べても別種のようなボリュームを感じさせる腹……元日に見た産卵前のイチモジフユナミシャク♀をサンダーバード1号とするなら、これはサンダーバード2号!(例えが古い)
この大型メスと前日見た産卵後♀と比較すると──↓。

別個体での比較ではあるが、格差がすごい。メスの大型化──卵をたくさん生産できたのは、それだけ生育条件が良かったということなのだろうか? 体内での卵の生産ライン(ワンサイクルでn個を作る)が通常より多めに回転(稼働)することで卵の数がどっと増えるのかもしれない?

地衣類擬態のイチモジフユナミシャク♀

一方、腹がしぼみかけたイチモジフユナミシャク♀が、地衣類が広がるサクラの幹にとまっていた。

イチモジフユナミシャク♀の前翅の空色──あわいブルー~グリーンはサクラの樹皮にありがちな地衣類の色に似ている。これには地衣類に隠蔽擬態する効果があるのではないかと考えているのだが、こういうシーンを見ると、その効果はあるように思われる。

水色の前翅に入る黒帯模様は樹皮に発生した地衣類の裂け目のようにも見え、ボディーラインを分断してかく乱するデザインという気がする。
イチモジフユナミシャク♀を探して桜ウォッチをしていると、フユシャクサイズの地衣類のかたまりに反応してしまうことがある。普通に見ていれば、サクラの幹上のイチモジフユナミシャク♀が視界に入っても地衣類のかたまりとしてスルーされてしうのではないかと思う。


水色の翅の天使!?イチモジフユナミシャク♀

大晦日に今季最高の美麗イチモジフユナミシャク♀

イチモジフユナミシャクは年に1度、冬にだけ出現するフユシャク(冬尺蛾)のひとつ。昆虫なのにわざわざ冬に活動するという生態もユニークだが、メスの姿が変わっていて、色あいのきれいなものがいたりする。発生期間中に1度は見ておきたい美麗個体だが、イチモジフユナミシャクを鑑賞できる期間はそう長くない。狭山丘陵では12月半ばから姿を見せ始めていたが、徐々に産卵後のしおれた個体が目につくようになってきた。美麗個体を求めてイチモジフユナミシャク♀がよくみつかるサクラを見て歩くことはすでに何度か記した通り。そして2018年もとうとう最終日となった今日──いちおう、サクラッチ(桜ウォッチ)に出かけてみたのだが……今シーズン最も美しいイチモジフユナミシャク♀を見ることができた。



サクラの日陰側にとまっていたイチモジフユナミシャク♀。翅の水色と腹のパールホワイトに黒い模様がクッキリあざやか。翅の黒帯模様が分断しているものの、充分美しい。胸から前翅にかけての水色は、背景の樹皮にみられる地衣類の淡いブルー~グリーンに似ている。これに黒い分断模様が入ることでボディーラインをかく乱し背景に溶け込んで見える隠蔽効果があるのかもしれない。



翅が退化して小さくなったイチモジフユナミシャク♀のフォルムは、ちょっとクリオネに似ている気もする。クリオネが《流氷の天使》《流氷の妖精》などと呼ばれているのだから、このイチモジフユナミシャク♀も《水色の翅の天使》《水色の翅の妖精》と呼んでよいのではあるまいか?
まだささくれたり剥がれたりしていない新鮮な個体の鱗粉をアップで──、


美しい色合いに感心しつつ、しばし鑑賞。ここにこの美麗個体がいることに気がついたのは僕だけかもしれない。僕が今日ここへ来なければ、この美しい姿を誰も見ることなく、この♀は活動を終えて姿を消していた可能性も高い……だとすれば、なんともったいないことだろう。このメスを見ながら来てみてよかったとしみじみ思うのであった。
最後に大きさがわかるように直径20mmの1円硬貨との比較画像を↓。

日陰のため片手撮影では鮮明な画像がとれなかった……。ちなみに、他の接写画像は、100円グッズのつっぱり棒(地震対策用家具転倒防止伸縮棒)を一脚がわりに撮影したもの。
メスのユニークさを実感できるように、メスとは形も色も全く異なるイチモジフユナミシャクのオスの姿を──↓。



イチモジフユナミシャク美麗♀

イチモジフユナミシャク♀は個体によって見映えが違う。きれいな個体にであうと嬉しいし、1年に1度だけ期間限定で、せっかく発生しているというのに、見られる時期に見ておかないと損をしたような気がする。バーゲン商品はその期間でなくても定価で買えるが、フユシャク(冬尺蛾)はその期間を逃すと、もう見ることができない。ということで、桜を中心に「春の花見」ならぬ「冬の幹見」をするのであった。

イチモジフユナミシャク美麗♀を探して…


サクラの幹で見つかることが多いイチモジフユナミシャクのメス。水色の前翅がお気に入りだが、この色はサクラの幹上で見られる地衣類の淡い青~緑色に似ている。同個体↓。



イチモジフユナミシャクは発生期間はよく目にするものの、美麗個体に出会うチャンスはそう多くない。今回は直近の比較的きれいなメスを選んでみた。

桜の古木にとまっていたスタイルの良いイチモジフユナミシャク♀。半身に陽が当り半身影になってしまうので、影をかけて撮影↓。

背面から見るときれいだが、腹部側面の黒いリング模様は小さく不明瞭だった。

同じ古木の反対側──日陰の幹にとまっていたイチモジフユナミシャク♀↓。

このメスは黒いリング模様がきれいに出ている。これは気門の周辺模様ということになるのだろうか。形としては眼状紋(目玉模様)と言えるのかもしれないが、いわゆる眼状紋の効果──鳥等の天敵を威嚇したり頭部と逆の方向に注意を引きつける陽動効果(捕まりにくくなる?)など、生存率に有利に働くほどの役割りがあるのかどうかは疑わしい。形成上の事情で気門周辺に色素が集まりやすい(?)──というような偶然の産物という気がする。
この腹部側面の黒いリング模様が大きな個体↓。鉄道柵にとまっていたメス。

イチモジフユナミシャク♀の(あくまでも個人的な)美麗基準は先日も記した通り──、
①前翅の水色(青~緑)が濃い
②前翅の黒い帯模様が明瞭
③腹部の白地部分はパールホワイト(黒い鱗粉がなるべく混じらない)
④腹部背面の節ごとに対になって並ぶ黒紋が明瞭
⑤腹部側面の黒い輪状紋が明瞭
⑥産卵前のぷっくりした体型
⑦鱗粉がきれいに整っている
などだが、まず着目するポイントは前翅の水色の度合いだ。フユシャクの存在を知ってその姿を探すようになった頃、青みの強いイチモジフユナミシャク♀に出会って「こんなにきれいなフユシャクがいるのか!?」と驚いたことがあった。オオミズアオやアオシャクの仲間など、淡い青~緑色の蛾にはきれいなものが多いとは感じていたが、(それまで地味なイメージがあった)フユシャクにも美麗種(美麗個体)がいるとは思っていなかった。そんな思いもあってイチモジフユナミシャク♀の美麗個体を探すようになったのだが……コンクリート擬木の支柱のふちにとまっていたメスの翅が良い感じだった↓。


陽の当たる場所にいたため、新鮮な鱗粉が輝いて見える。背面から見ると……背中中央に並ぶ黒い紋はやや不鮮明だった。

ちょっと撮りづらい位置だったので、近くのサクラの幹に移動させて撮影↓。

水色の前翅もキレイだが、真珠のような輝きの白い腹も美しい。大きさは、こんな感じ↓。

前翅がベージュのイチモジフユナミシャク♀など


苔むしたサクラの幹の日陰側にとまっていたイチモジフユナミシャク♀。一見、白っぽい固体で、水色の翅を期待していた僕は、ちょっとガッカリしかけたのだが……よく見ると前翅は、その下からのぞく白い後翅や白い腹とは違う色をしている!?

このメスの前翅はベージュもしくはクリーム色をしていた。イチモジフユナミシャク♀は、水色の胸(背面)と白い腹の間に、あわいベージュの節があるのだが、それと同じ色だった。水色の翅とはまたおもむきが違うが、これはこれで美しい。

サクラの古木にとまっていたイチモジフユナミシャク♀↑。これも白っぽく見えたが、翅はベージュではなく、水色が薄いだけという感じ。前翅の黒帯模様はほとんど消失していた。しかし、これも新鮮な個体でスタイルは美しい。



サザナミフユナミシャクの愛称!?他

サザナミフユナミシャク@東京


木製手すり接続部の溝に沿うようにとまっているフユシャクのメスをみつけた。目に入ったときは、翅が大きめだったのでクロオビフユナミシャク♀が頭に浮かんだが……それにしては細長い!? よく見るとサザナミフユナミシャクのメスだった。

ネット上の画像では見たことがあったが、実際に目にしたのは初めてだったかもしれない。クヌギやコナラといったありふれた食樹で育つらしいが、そのわりに分布は局所的らしい。

このメスがいた手すりの近くにはクヌギが生えていたので、そこで育ったのだろう。

サザナミフユナミシャク♀の大きさは、直径20mmの1円硬貨と比較すると、こんな感じ↓。

フユシャク(冬尺蛾)のメスとしては大きめの翅だが、オスと比べると退化していることは明らか。サザナミフユナミシャク♂は、こんな姿↓。

和名に「ナミシャク」が入る蛾は、翅に波模様が入っていがちで、このオスも翅の裾(?)の方に波模様が入っている。この波は数字の「3」のくり返しにも見えるわけだが……サザナミフユナミシャクではこの数字模様が「3373」だったらいいのに……と思ってしまうのは僕だけであろうか? 「3373」なら「サザナミ」と読めるのに……残念。しかし、野帳をつけている人は記入時間を節約するために、きっとサザナミフユナミシャクを「3373」と記しているに違いない(?)。「サザナミフユナミシャク」と記すのは煩わしいが「3373」ならラクで速い。ただ、記入記号としては重宝しそうだが、口述するときは「さんさんななさん」は「サザナミ」よりも言いにくくなってしまう。となれば口述のさいにも言いやすいニックネームが必要なではないかと思い立った。そこで閃いたのが「波平(なみへー)」──言わずと知れた人気漫画『サザエさん』の登場人物・磯野波平である。「サザエさんの波平」略して「サザ波」というわけ。野帳に記入する時は、「波へー」の「へー」の長音記号を「波」形にして「へ~」と記して、これだけて「波へー」と読む。
「へ~」→「波へー」→「サザエさんの波平」→「サザ波」→「サザナミフユナミシャク」というのは、どうであろうか?
余談だが……今回の件で『サザエさん』を検索して「えっ!? そんなバカな!」と思ったことがある。「磯野波平」は54歳! 波平が僕より若かったなんて……。

冬尺蛾♀では大きめの翅・クロオビフユナミシャク


サザナミフユナミシャク♀を見たとき(翅が大きいということで)頭に浮かんだクロオビフユナミシャク♀。このメスは陽に当たる擬木の上にいたのだが、鱗粉がテカって浮き上がって見えるので、影をかけて撮影↑。冬の浅い角度の陽射しにあたっているのをそのまま撮るとこうなる↓。

今シーズンはクロオビフユナミシャクが多い気がする。

ホルスタインちっくなチャバネフユエダシャク


サザナミフユナミシャク♀とは対照的に翅が消失しているチャバネフユエダシャク♀。こんなところにも↓。

サザナミフユナミシャクを「波平」と呼ぶ人はいないかも知れないが、チャバネフユエダシャクの愛称「ホルスタイン」は広く定着しているのではあるまいか?

これでも立派な蛾の成虫↑。ユニークきわまりないチャバネフユエダシャク♀に対して、平凡(?)な姿のオス↓。

フユシャク亜科のフユシャク♀


やはり翅が消失したフユシャク亜科のフユシャク♀。

クロスジフユエダシャク♀


オスの乱舞の時期はもうとっくに終わってしまったが、まだ単独のメスは見かける。