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アカスジカメムシの赤黒ストライプ



ACミランなアカスジカメムシ

アカスジカメムシを見るたびに(サッカーの)ACミランあるいはコンサドーレ札幌のユニフォームを思い浮かべてしまうのは僕だけではあるまい。ふだんファッションには全く興味がない僕だが、赤&黒のストライプ柄のレプリカユニフォーム(?)を着た人を見ると、にわかに反応してしまう。
「おっ! この人はアカスジカメムシファンなのか!? それとも、ただのサッカー・ファン?」


アカスジカメムシの赤と黒のストライプは大変美しい。昆虫にしては、ちょっと変わった美しさがある。
模様や配色が綺麗な昆虫は決して少なくないが……アカスジカメムシの「美」は他の昆虫とは少しばかり質を異にしている気がするのだ。
一般的な昆虫の模様の美しさは、自然の創り出した美──ヒトの脳みそがひねりだしたデザインとは次元を異にした複雑系といったらいいだろうか。一見(ヒトの脳解釈的には)不規則な形や配列に見えるが、デタラメというわけではなく、そこにはある種の調和が感じられる。


これ↑は珍しくもないセマダラコガネ(8~14mm)。葉の上にいたので撮ってみたら、意外にキレイだった(模様には個体差がある)。こうした自然の生みだした模様には人智の及ばぬ規則性のようなものがあって《複雑にして調和がとれている》感じがしないでもない。
ついでに、上翅の模様がキレイなので見かけるとつい撮ってしまうニイジマチビカミキリ(3.5~5mm)↓。


複雑でありながら調和が感じられる──それが、自然の造型物の美しさだ。
これに対し、アカスジカメムシのストライプ模様は「ヒトがつくりだしたデザイン」のようにスッキリ、シンプルである。じっさいにACミランやコンサドーレ札幌のユニフォームなど、よく似たデザインがヒトの世界には存在している。


この、ちょっと特殊な模様の意味するところを想像してみると──「赤と黒の取り合わせ」は「派手でよく目立つ配色」といえるだろう(これは捕食者の鳥の目にも目立つ配色にちがいない)。


そして「整然と並んだストライプ」は「認識しやすく・記憶されやすいパターン」と言えるだろう。


よく見慣れた虫であっても、その模様を思い出して描いてみろと言われたら、難儀する人は多いのではないかと思う。しかし、アカスジカメムシの赤と黒のストライプは他の虫に比べて格段に記憶に残りやすい。
妙な例えかもしれないが……昆虫の模様のパターンを数桁の数字で表現できるとすると、通常の昆虫のパターンは任意の数字の組み合わせ。それに対してアカスジカメムシのパターンはぞろ目の単一数字──「パッと見てすぐわかり記憶にも留まりやすい《整った配列》」といえるだろう。


「目立ち・記憶しやすいパターン」といえばスズメバチの「黄と黒の縞模様」が思い浮かぶ。


スズメバチに痛い目にあった敵は、この覚えやすい「黄と黒の縞模様」パターンを「危険」とセットで学習し、これを避けるようになる……。この配色パターンは、敵に対する警告サインとして機能しているのだと解釈している。敵が避けて無用な闘いが減ることでスズメバチの生存率は高まるというしくみだ。
スズメバチの警告的な縞模様は腹の節に沿ったボーダー(横縞模様)であり、構造的には実現しやすい模様だったように思う。
前記事で紹介したヨツスジハナカミキリ↓も上翅に黄と黒のボーダー(横縞)模様があって、スズメバチに擬態して(警告配色パターンを真似て)いるという見方もあるようだ。


擬態効果のほどはわからないが、ヨツスジハナカミキリのボーダーは、黄色地の上翅に並ぶ4対の黒い斑紋が左右でつながった形に見える。左右の模様がつながるというのは進化上そう難しいことではなかったろう。
スズメバチやヨツスジハナカミキリのボーダーと比べると、アカスジカメムシのストライプの出来映えは画期的な気がする。

昆虫の中にはボーダー(横縞)ではなくストライプ(縦縞)の模様を持つものもいる。先日クワの粗朶でみかけたアトモンマルケシカミキリ↓もその1つ。


アトモンマルケシカミキリ(4~6mm)の模様は途中で途切れているものの、黒地の翅鞘(上翅)に白い縦縞。ただ、この白線は翅の形にそってカーブしており、アカスジカメムシの整然と並ぶストライプとは、やはり少し違う。
ヤマトタマムシも翅鞘(上翅)に縦縞模様を配しているが、これも翅脈にそった配色で、翅の形にそってカーブしている。


アトモンマルケシカミキリやヤマトタマムシのように、ボディラインに沿って縞模様が形成されるのは、構造的に実現しやすそうだが、この場合はボディラインに沿って縦縞は歪みがちになる……ところが、アカスジカメムシの小楯板にあるストライプはボディラインの影響を受けずにほぼ平行に直線的に配置されており、この点が他の昆虫の縦縞模様とは一線を画して「人工物のようなデザイン」と感じる部分である。



コアオハナムグリとアカスジカメムシとの2ショット。ナチュラルなコアオハナムグリの模様に対し、アカスジカメムシの「みごとに《整った》ストライプ」は、まるでヒトが描いたかのよう……。配色・デザインともキャッチの良さは抜群だ。


アカスジカメムシの「みごとに《整った》ストライプ」は目につく背面限定。腹面では「赤地」に「黒のまだら」模様──これなら(?)ちょっとナチュラルな感じがしないでもない。


これ↑は昨年6月の記事【アカスジカメムシ:臭いはどこから?】の再投稿画像。「赤地」に「黒いまだら模様」の腹面。黒い斑の部分が、もう少しキレイに整うと、黒い帯状につながって「縦縞」に昇格(?)できそうだ。バラツキのある斑模様が列上に揃うと帯を形成する──つまり「まだら」は「縦縞」の前段階。「縦縞」を完成させるためには、ここからさらに《整う》プロセス(手間ひま)が必要ということだろう。
しかも腹側の斑模様は「手間をかけて」つながったとしても、そのラインは腹の形に沿うような形でカーブしたものになり、背面のような直線的な平行ストライプにはならないだろう。背面のような平行ストライプを実現させるには、さらに《整う》プロセス(手間ひま)を要すことになる。
この《整い加減》を例えるなら……アカスジカメムシ腹面の斑模様をワンペアとすれば、これが縦縞になるとツーペアもしくはフルハウス、背面の平行ストライプはフォーカードといったところだろうか?
目につきやすい背面側で、こうした難しいテ(フォーカードのような)がわざわざ実現されているのだから、そこには意味が──生存率を高めるような役割り(効果)があるのではないかと考えたくなる。


想像しやすいのは、スズメバチの「黄と黒の縞模様」のような警告パターンとしての機能だ。
カメムシは悪臭を放つことで知られているが、アカスジカメムシを食おうとした捕食者が、この忌避物質でダメージを受け、「こいつは食えない・食おうとするとエライ目に合う」と学習すれば、アカスジカメムシは捕食ターゲットから外され生存率が高まる──そんな構図がこの希有な(?)パターンを実現させたのかもしれない。
アカスジカメムシの赤黒ストライプは、警告パターンとしては非常によくできたデザインだと思う。この見かけからすると相当強烈なカメムシ臭を発するかと思いきや……肝心の「カメムシ臭」は意外に弱い……そんな印象を僕は持っている。
成虫は胸の腹面からいわゆるカメムシ臭は放つが(*)、これが僕の少ない経験でいうと他のカメムシに比べるとニオイは弱い。背面のハッタリ(警告)に対して実際の忌避能力はちゃんと見合っているのだろうか?


しかし「ニオイが弱め→忌避力が貧弱」と感じるのはヒト(僕)の感覚であって、肝心なのは、アカスジカメムシを食おうとした捕食者たちがどう感じるかだ。嗅覚的には低刺激でも味覚的には高刺激ということもあるかもしれないし、ヒトの感覚と違って、対象の捕食者たちにとっては強烈なのなのかもしれない。
あるいは臭腺の忌避物質とは別に、「食おうとするとエライ目に合う」秘密兵器(?)を他にも隠し持っているなんてことも、ないとも言い切れない?

あれこれ思うところはあるが……いずれにしても、このみごとな赤と黒のストライプが「識別しやすく・記憶にも残りやすい《整った配列》」であることだけは間違いのないところだろう。
こんなに見事な赤と黒のストライプをもった昆虫がいる知ったときは驚いたし、実際にであったときも(知っていても)インパクトは大きかった。
まるで、ACミランあるいはコンサドーレ札幌のマスコットになるべくして生まれた来たような昆虫!?──アカスジカメムシがどうしてこうしたチームのマスコット・キャラクターになっていないのか不思議でならないくらいだ。
やっぱり、カメムシということで、一般的にはウケが良くないのであろうか?
ACミランあるいはコンサドーレ札幌はアカスジカメムシにロイヤリティーを払ってでもマスコットになってもらえばいいのに……そう思ってしまうのは僕だけであろうか……。


「!‥‥……」な白星天牛~シラorシロ?他

「!‥‥……」なシラホシカミキリ

シラホシカミキリ(白星天牛)は好きな昆虫の1つ──なのだが、そのわりに撮った画像は少ない。見つけると「!」と思いカメラを向けるのだが、たいてい飛び去られてしまって「‥‥……」となることが多いからだ……。
そんなシラホシカミキリの今シーズン初個体↓。

今回の被写体は撮らせてくれそうな予感!?──と期待しつつ、はやる気持ちをおさえて、そーっと寄ってアップの画像を撮ろうとした、まさにその時──風が……。葉が大きく揺れてマトモに撮ることができない(枠内のボケた画像がそのときりもの)。カメラを構えた状態で「風止み待ち」をしているうちにシラホシカミキリは、葉の裏側へ移動してしまった……。

このあと、例によってシラホシカミキリは飛び去ってしまったのであった……。
周辺のリョウブの葉の裏にはカミキリがかじったと思しき食痕がみつかった。

その後も枯れ枝や葉の上でシラホシカミキリを見つけるも、やはり、なかなか撮らせてもらうことができず、今シーズン4匹目のシラホシカミキリ↓。

この配色──上翅のグラデーションが美しい。しかし、この時も若干風があってピントが甘め……もう少しビシッとシラホシカミキリの魅力が伝わる画像が撮りたいものだ……と思いつつ次に撮れたのがコレ↓。

「もう少し」どころかますますダメ……やはり風で葉が揺れて撮りにくいことこの上ない。飛び去った後に風が止むという「悔しいったらありゃしない」状態。
そんなわけで、シラホシカミキリは見つけると「!」と緊張が走るが、すぐに飛び去られて「‥‥……」となりがちなカミキリなのであった……。
それもそのはず!?

シラホシカミキリをよく見ると「!(びっくりマーク)」と「‥‥……(点×10)」が……。この「!‥‥……」模様は「ビックリTEN点(てんてん)」と読めなくもない!?
そんなわけで、今季は(?)まだ不満の残るショットしか撮れてないので、過去に撮った画像から↓。


ところで、和名の「シラホシ」は上翅の白い星(紋)に由来するのだろうが、なんで「シロホシ」ではなく「シラホシ」なんだろう……と思わないでもない。カミキリでは「シロスジカミキリ」なんていう有名なのがいるが、こちらは「シロ」。「シラ」か「シロ」か──どちらを使うかについて昆虫命名に規則性はないのだろうか?
「シラホシカミキリ」の場合は「白」の後につくのが「星」だから、「シラホシ」になるのだろうかとも考えたが、「シロホシテントウ」なんていうテントウムシもいて、一貫性が感じられない。

「シラ」か「シロ」か…

他に「シラ」がつくカミキリではでは「シラオビゴマフケシカミキリ」なんてのもいる↓。

このカミキリは「白帯」を「シラオビ」と呼んでいる。しかし一方、「シロオビカミキリ」とか「シロオビゴマフカミキリ」なんてのもいて、同じカミキリの仲間でも「シロオビ」が混在している。
「シラ」か「シロ」か……こうした一貫性のなさが、昆虫の名前を覚えにくくしている一因だと思う。昆虫の名前を思い出そうとして「ええと……どっちだっけたな?」と迷うことは少なくない。虫の名前はややこしい……。
ついでに周辺で撮ったカミキリをいくつか──。







今季2匹目のキスジセアカカギバラバチ


ということで、先日ネタにしたばかり──個人的には注目度の高いキスジセアカカギバラバチとも再遭遇。見つけたのは先日と同じ雑木林の小道。この個体は両翅の先端がわずかに欠けていたが飛ぶのに支障はないようだった。先日はドクダミが群生する場所で、ドクダミの葉で産卵するシーンが多く見られたが、今回はドクダミゾーンを抜けたところで、複数の植物の葉に産卵して回っていた。

先日見たのと同じ場所で同じように葉から葉へと移動して産卵行動を続けていたので同じ個体である可能性を考えた。先日見た後に翅が欠けたという可能性もないではない。そこで撮った画像を見比べてみると、腹に2筋ある黄色い模様などに微妙な違いが見られ、別個体であることがわかった。


去年も同じ時期にキスジセアカカギバラバチをこの場所で見ている。複雑な生活史で(*)1つの卵から成虫になれる確率は低そうだが(そのぶん卵をたくさん産んでまわる)、さほど珍しい種類というわけではないのだろう。


変化する模様!?キマダラミヤマカミキリ他

変化する模様!?キマダラミヤマカミキリ


僕の図鑑には【キマダラカミキリ】と記されているが、最近は【キマダラミヤマカミキリ】と呼ぶらしい。なんでも、キマダラミヤマカミキリは「ミヤマカミキリ族(Tribe)」だそうで……それでこう呼ばれるようになったらしい。
「長い名前は、わずらわしい……【キマダラカミキリ】でいいぢゃん。だいたい深い山限定のカミキリでもないのに《深山(ミヤマ)》だなんて、ヘンだろう」──一般民間人的には、そう思わないでも無い。
ところで、このキマダラミヤマカミキリ──個人的に面白いなと感じることがある。光の加減や見る角度でマダラもようが変化して見える──ということだ。上の画像では上翅の模様は(ほぼ)左右対称に見えるが、同じ個体のこの画像↓をご覧あれ。

同じ個体でありながら上翅の模様が左右非対称に見える──まるで別人ならぬ別個体だが、同じ時に同じ場所で撮った同じ個体。光沢昆虫が光の加減や見る角度で色合いを変えるのはおなじみだが、キマダラミヤマカミキリの質感で模様が変化するのはおもしろい。このとき同じ個体を撮った画像を3つ並べてみた↓。

ちょっとした「なんちゃってカメレオン」。カメレオンは気分や光・温度などで体の色・模様を変化させるが、キマダラミヤマカミキリの模様の変化は、光学的な現象のようだ。上翅の濃淡部分が領域を変えることで模様が変化して見えるわけだが……なぜ濃淡部分が領域が変化するのかというと、上翅表面は細かい毛が密生しており、この毛の向きが部位によって違うため。
(僕はゴルフをしないが)ゴルフの芝目に例えると、密生した毛の向きが順目だと明るく見え、逆目だと暗く見える(毛に光があたる側では明るく、毛の影の側では暗く見える)。
密集した毛の向きは左右の翅で対称だが、光の入射角度や見る角度の関係で模様は左右の翅で非対称に見えがちだ。また、明るい日向ではコントラストが強まり、影に入ると明暗のギャップは少なくなる。
体表面に密生した癖毛(?)のアップ画像は【キマダラカミキリの左右非対称に見えがちな模様?】参照。

普通、昆虫は左右対称で、虫探しをするときは、この「対称性」が一つのポイントになる──これは僕の場合だが……たぶん昆虫を捕食する鳥や動物等もそうではないかと思う。この「対称性」を壊すことによって天敵から見つかりにくくする──という対策は有効なはずだ。ノコメエダシャクを初めて見た時はそう感じた。
それでは、キマダラミヤマカミキリの場合はどうか……上翅の模様が左右非対称に見えることで、はたして天敵からの被発見率を下げられるのか──生存率に影響を及ぼすほどの効果になっているかは、ちょっと怪しい感じもする。たまたま(?)くせ毛の多い表面になって、それが隠蔽効果のあるまだら模様に見えたので受け継がれた……左右の対称性はさほど生存率に関係せずに「まだらもように見える癖毛」の部分に隠蔽効果があって、この特徴を獲得したのではないか……と想像している。例によってド素人の脳内シミュレーション・頭の体操。

スイカズラ開花時限定!?旬のシラハタリンゴカミキリ


旬のカミキリということで、スイカズラを見ると、のぞいてしまう。葉脈がスリット状に食われる食痕があると、ふきんを捜索。見つかるとやはり嬉しい。

見つけたとき撮りづらい所にいたので、葉を動かそうとしたらポロリと落ちて、近くの葉によじのぼってきたシラハタリンゴカミキリ。


シラハタでないリンゴカミキリ@ベニカナメモチ

今の時期はルリカミキリも気になるので、ベニカナメモチの植込みをのぞきがち。葉の裏にとまっているルリカミキリ(体長9~11mm)の姿を思い描きながら見ていたところ、イメージよりもぐっとデカいカミキリが目にとまった。初めて見る(シラハタのつかない)リンゴカミキリ(体長13~21mm)だった。

リンゴカミキリの仲間だということはすぐにわかったが、シラハタリンゴカミキリではないとも直感した。見慣れたシラハタリンゴカミキリに比べて、だいぶ細い──これがリンゴカミキリかと思い当たった。


リンゴカミキリはサクラにつく──という話はきいていたが、ルリカミキリ狙いで探していたベニカナメモチの生け垣での初遭遇は想定外。ちょっと意外で驚いた。

旬のルリカミキリ@ベニカナメモチ


そんなわけで、ベニカナメモチで探していたルリカミキリ。先日【昔はいなかった身近なカミキリ】でネタにしたばかりだが……。

光沢のある昆虫は葉の裏にとまっていると、逆光になってその特徴──きらめきがキレイに撮れない。なんとかキラキラ感のあるところを撮りたいと思うのだが……みつけてもすぐに落下&飛び去ってしまって、なかなか希望通りには撮らせてもらえないのであった……。

ジンガサハムシの産卵

ルリカミキリからの《葉の裏にとまっている光沢昆虫》つながりで……ヒルガオの葉の裏のジンガサハムシの金タイプ。産卵中だった。例によって逆光のため、そのきらめきがわからないが、とりあえず、このまま撮影。

ジンガサハムシは薄い膜状のカプセルの中にいくつか卵を産みつける。すでに膜層(?)が葉に貼り付けられていた。その上を腹端がゆっくり往復して産卵と膜かけ(?)をくり返しているように見えた。





卵を包む膜は折り返され、いく層か重ねられているように見える。
卵鞘(卵の入ったカプセル)を離れたジンガサハムシは飛び去ったが、別の葉にとまっているところを見つけ、逆光でないところで撮る。

ちょっと上翅が開きかけているが、このあと飛翔した。
ジンガサハムシの産卵は以前も撮ったことがある。【ジンガサハムシの産卵~光沢昆虫は難しい】の記事の方が産卵中の卵は、きれいに撮れていた。

季節の移ろいは早い…


このところ、次々にシーズン初の顔ぶれを見かけているが、今年もアカシジミが出てきた。

この時期、やたらデカく感じるアカボシゴマダラの春型。夏型はもっと黒っぽく、赤い模様が入るので、一見全く別の種に見える。狭山丘陵では数年前に初めて見た外来種だが、今では最も良く見かけるチョウの一つとなっている。

キアシドクガもミズキの周りを飛び始めている。白いチョウよりもエレガントな白い蛾──僕はそう感じる。翅の白さに真珠やシルクのような高級感を覚える。画像は擬木の下で羽化した飛び立つ前のキアシドクガ。奥に抜け殻(蛹)が見えている。この蛹は、かつてマンガ『とりぱん』で極小ツタンカーメンとしてネタにされていたことがあった。

擬木の上にいたアカスジキンカメムシ新成虫。発色の具合は個体によって差があるのだが、今年は鮮やかな色合いの個体が例年より多いような気がする。


ヨコヤマトラカミキリの模様


背中(上翅)に目を引く《ハ》の字型の白紋。このトレードマークを《ヨコヤマトラ》と読むことができる──というハナシは【ヨコヤマトラカミキリのエンブレム】で記した。昨今、読みがユニークなキラキラネームなるものが流行っているらしいが、昆虫にもこんな読み方があってもいいのではあるまいか?(個人的な愛称ならぬ愛読み?)──ということで、そのおさらい。

ヨコヤマトラカミキリの模様

ヨコヤマトラカミキリは見つけても、せわしなく動き続けてなかなか撮らせてくれないことが多い。今年も、前回前々回と散々だったので、「撮りやすいところ」に「静止モード」で「新鮮な(模様が明瞭な)個体」がいてはくれないものか……などと、つごうのよいコトを望んでいたのだが……いた!


柵の支柱てっぺんに静かに止まっていたヨコヤマトラカミキリ。上翅の模様もキレイで、うってつけの個体。そっとカメラを近づけても警戒するようすはなく、グルーミングを始めた。


触角もていねいにつくろう↓。

上翅のもようはエンジと白、そしてグラデーションぽい感じもする黒とグレーの部分で構成されている。このグラデーション風のグレー部分は角度によって明るさや領域が変化して見える。上の画像では「狭く見える」グレー部分が下の画像では広く明るく見える。

このグレー部分のグラデーション変化が腹の背面を丸く見せているような気もする。

体全体のバランスからすると後脚が長く感じる。この長い脚を曲げた姿がアリっぽく見える。
グルーミングを終えると歩き出したので、近くの葉の上に移動させる。

すると、葉の上で触角を寝かせて静止モードに。このチャンスにと独特の模様がほどこされた上翅を接写。


えんじ色の部分と白い《ハ》の紋は比較的太い毛でおおわれ、グレーの部分には細い毛が生えているのがわかる。毛の向きの関係で黒い地肌が多く見える角度では黒が濃く、微毛側面が多く見える角度では光が乱反射し、より明るいグレーに見えるのだろう。
上翅を接写していると、ヨコヤマトラカミキリはまた動きだした。

触角が前の方に向くと動きがあわただしくなる。

せわしなく動き回る姿はアリに似ている。周辺でみかけるムネアカオオアリというアリに配色もよく似ており、擬態していると考えると合点がいく。

《ハ》の白紋には上翅を途中で分断したように見せる──《アリの腹(と胸の間)のくびれ》を装う効果があり、黒とグレーのグラデーションには《アリの腹のような丸み》があるかのように誤認させるトリックアートの効果があるのではないか──という気がしないでもない。
このあと、大きさを表す1円硬貨比較画像なども撮っておきたいと思っていたのだが、画像チェックで目を離したスキに見失ってしまった……。しかし今回は予想以上にたくさん撮れたので良しとしよう。
この日は他にカミキリでは、ヨツボシチビヒラタカミキリ・ヒシカミキリ・シラケトラカミキリ・トゲヒゲトラカミキリ・ヒトオビアラゲカミキリ・アトジロサビカミキリ・キマダラミヤマカミキリ・ヒメヒゲナガカミキリ・ヤツメカミキリなどを見かけた。



このキマダラミヤマカミキリ↑も上翅の模様が見る角度によって変化するため、左右非対称に見えがちだったりする。
カミキリ以外では、先日ネタにしたアオマダラタマムシの姿も↓。

これ↑は同じ個体だが、見る角度によって赤みをおびて光る。

TokyoToraカミキリの模様


東京産トウキョウトラカミキリの《T》マーク

先日【フーテンの寅&モン無しのチビヒラタ天牛?他】で東京産トウキョウトラカミキリの画像を投稿したが……背景がちょっと汚く、残念感が残っていた。ということで、その後に東京都側でみつけたトウキョウトラカミキリの画像を、撮影個体の《T》模様を使ったロゴなどを交えながら、あらためてまとめてみることに。

擬木上にいたのは模様が鮮明な個体。ちなみに路面に散乱している白いもの↑は散った桜の花びら。毎春、トウキョウトラカミキリはトゲヒゲトラカミキリより少し早く出てくる。


本人(本虫)の背中の模様=《T》マークを使ったロゴで↑。模様には個体差がある。
撮影時には気づかなかったが、この個体は右後脚の先端部──爪が欠けていた。

イニシャルの入った上翅を大写しにすると、もようが白っぽい微毛の有無でできていることがわかる。

小雨がぱらつき出した擬木の上にいた別個体↓。

こちらは左後脚が欠けていた。この上翅もクロッズアップしてみる↓。

さらに別個体のトウキョウトラカミキリ@擬木↓。

《T》マークがクッキリめの個体だったので、やはり上翅を大写しにしてみる。


カメラを近づけると動き出した。

支柱を下り始めたので指で行く手をさえぎると、その指に登ってきた。

ということで、今回の冒頭の画像はこの個体。

例によって飛び去ったが……翅を広げたシーンがうまく撮れず……。シャッターを切るのがわずかに早かった。逆にちょっと遅れれば飛び去った後だし……テイクオフ・シーンはタイミングが難しい。
同日やはり擬木の上にいたヨツボシチビヒラタカミキリでも、微毛による紋(模様)を再確認↓。


ヨツボシチビヒラタカミキリで模様が不鮮明な個体は先日【ヨツボシチビヒラタカミキリの白紋他】で投稿したが、トウキョウトラカミキリでも不明瞭な個体がいる。


そして、小雨の中、虫の息だった、模様がないカミキリ↓。

目に入った時はトウキョウトラカミキリかと思ったが、トレードマークがない。僕にはもようのないカミキリを見分けるのは難しいが……模様を形成する微毛がないのか? 黒化型なのか……?
ひょっとすると、濡れた石が黒っぽく見えるように、雨で微毛部分が濡れ(乱反射せずに)光が吸収されて全体が黒っぽく見えていたのだろうか……などと後になって思ってみたのだが、サダカなことはわからない。