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昆虫雑感/《昆虫》は《自然の結晶》

ずっと虫屋をやってきた人たちからすると、(一部の?)昆虫はだいぶ減ってきているらしい。
僕が虫見を始めたのはフェレットの散歩がきっかけだったので、1995年以降……虫を撮るようになったのは2004年6月からだった。僕はその頃から積極的に虫を見るようになって、身のまわりにこんなに色々な虫がいたのかと驚いたり感心したりしていた。なので、昆虫が減少してきたという実感はない。むしろ子どもの頃(1960年代──夏にはカブトムシやクワガタとりをしていた頃)よりもずっと目にする昆虫は増えていた(これは虫が増えたのではなく、以前は気づかずにいた虫を認識できるようになったため)。子どもの頃になじみがあったクワガタやシロスジカミキリはだいぶ減った気がするが、一方むかし関東にはいなかった昆虫が増えてきたことに驚いていた。
01赤星胡麻斑褄黒豹紋
02細尾蝶♂♀
03紫燕&松縁亀虫
04横綱刺亀&黄斑亀虫
05ラミー&ルリ天牛
アカボシゴマダラ・ツマグロヒョウモン・ホソオチョウ・ナガサキアゲハ・ムラサキツバメ・マツヘリカメムシキマダラカメムシ・ヨコヅナサシガメ・ラミーカミキリなどは僕が子どもの頃には(関東には)いなかった昆虫だ。近年、市街地でも目にするようになったルリカミキリは、生け垣に使われる木が昔と変わったことで増えてきたようだ。
新顔が次々に現われてくるので、虫が減ったという感覚はなかったのだが……それは僕が積極的に虫を見るようになったのが遅かったからだろう。子どもの頃にはカブトムシやクワガタなどを捕って遊んだものだが、当時は特定の種以外にはあまり注意を向けていなかった。子どもの頃から、今と同じ関心を持って虫を眺めていれば、もっと多くの虫を確認できていたにちがいないし、「増えた顔ぶれ」ばかりでなく「減った顔ぶれ」がどれほどいるのかを実感できたのかもしれない。


《昆虫》は《自然の結晶》
僕の感覚で言うと「《昆虫》というのは《自然の結晶》」である。容姿にしろ生態にしろ、人工物とはかけはなれた驚異の存在であり、自然が創造した不思議さ満載の存在でもある。
ヒトは自分たちの都合の良いように環境を改編してきた。一部「益虫」として虫を利用することもしてきたわけだが、基本的には虫けらの都合など考えずに自分たちの暮らしのために環境を整えてきた。しかし、そうした人工環境の中でさえ、ヒトの意図とは関係なく、昆虫たちが入り込んで独自の世界を構築している。そんなところに人智の及ばない生命の力強さ・したたかさを感じる。

虫見を始める前は、昆虫は自然の産物だから人の手が入っていない環境の方が種類も数も多いだろうと思い込んでいた。しかし虫見をするようになって、ヒトが管理する里山の方がバラエティーに富んでいることに気がついた。里山は人工的に管理された環境だから純粋な自然ではないという見方もあるが、生き物の種類や数が豊富なこと──生命活動が盛んなことが自然度の高さだといえるのではないかという気もする。ヒトが自分たちのために管理する環境(里山)で、ヒトの意図とは別に活性を高めてきた昆虫たちに、生命の底力を感じる。

僕らが子どもの頃に見ていたカブトムシやクワガタなどの昆虫が、この先もみられるようであってほしいという気持ちはあるし、そのための環境保全にはおおむね賛成だ。しかし……昔はヒトの意に介さない存在であった虫──自由に採って遊んでも誰も文句を言わなかったものが、昨今、虫採りも自由にできなくなりつつある状況にあるのだとすると、どうなのだろうという思いもある。特に子どもの頃には昆虫とふれあう機会──虫を捕ったり飼ったりすることによって、《自然の結晶》感をじっくり味わう経験をもつことは大切だと思う。保全という垣根が昆虫と子どもたちの間にできてしまうようではいかんのではないか……という気持ちもある。

これまでヒトがヒトのために構築してきた環境に、したたかに適応してきた虫たちの独立性・存在感みたいなものに一目置いてきた僕としては、昆虫がヒトから加護される存在として扱われるようになったことに、若干の寂しさのようなものを感じないでもない。これまでスポンサー無しに独自の活動を続けてきたものが、ヒモつきになるみたいな……ちょっと残念感みたいなものもあったりするのである。



アカボシゴマダラ急増中
アカボシゴマダラは特定外来生物
ホソオチョウ@狭山丘陵東京側
マツヘリカメムシ:卵・幼虫・成虫
キマダラカメムシ東京進出/年々増える新顔昆虫!?
ラミーカミキリ@武蔵野
可愛い悪役!?ルリカミキリの産卵
昆虫の何に魅かれるのか?
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カメムシの抜け殻落とし記事一覧

脱皮や羽化を終えたカメムシが抜け殻を落とす……この奇妙な行動についての観察&考察を総括したものは【カメムシの奇行!?抜け殻落としプチまとめ】として記事にしているが、脱皮殻落とし・羽化殻落としの個別の観察記事の一覧を作ってみた。
01亀虫抜殻落し一覧
カメムシの奇行!?抜け殻落としプチまとめ
※なぜカメムシは抜け殻を落とすのか?

ハート亀虫羽化 見守るキリスト!?(2012.10.26)
※羽化中のエサキモンキツノカメムシ〜羽化殻落とし
 初めて《抜け殻落とし》を目撃/初めて知る行動(習性)だった

アカスジキンカメムシの羽化(2015.09.08)
※羽化のようす/羽化殻落としの瞬間は確認できず落とされた羽化殻を確認

アカスジキンカメムシの抜け殻おとし(2015.09.14)
※葉上での脱皮のようすと新幼虫による脱皮殻落とし

カメムシの抜け殻落とし行動(2015.10.30)
※擬木での新幼虫による脱皮殻落とし

モンキツノカメムシとエサキモンキツノカメムシ他(2015.11.13)
※ツヤアオカメムシ新成虫による羽化殻落とし

エサキモンキツノカメムシの抜け殻落とし他(2015.11.21)
※擬木で羽化中の成虫〜羽化殻落とし

アカスジキンカメムシの羽化《抜け殻残し》のケース(2017.05.18)
※羽化のようす/新成虫はアクシデントにより羽化殻を残して退散

アカスジキンカメムシ新成虫《抜け殻落とし》のケース(2017.05.21)
※新成虫が羽化殻を落とすために下の葉から移動したと思われる例

アカスジキンカメムシ羽化後《抜け殻落とし》確認(2017.05.28)
※新成虫による羽化殻落とし

アカスジキンカメムシ:羽化〜抜け殻落とし(2017.05.29)
※羽化中〜新成虫による羽化殻落とし

脱皮後の抜け殻落とし@アカスジキンカメムシ(2017.09.03)
※葉裏での新幼虫による脱皮殻落とし

アカスジキンカメムシ羽化後の気になる行動(2018.05.03)
※羽化殻は落とされた(?)が、落とすシーンは確認できず

《抜け殻落とし》の瞬間!?(2018.05.09)
※新成虫と羽化殻落としで宙吊りになったと思われる羽化殻

羽化殻落とし@アカスジキンカメムシ(2018.05.17)
※新成虫による羽化殻落とし3例:2例は頭突き/1例は蹴落とし

アカスジキンカメムシの羽化他(2018.05.20)
※羽化殻が残された例/羽化殻をアリが運び去った例

チャバネアオカメムシの羽化殻落とし(2018.09.06)
※チャバネアオカメムシ新成虫による羽化殻落とし

新成虫vs羽化殻@アカスジキンカメムシ(2019.05.25)
※過去の画像&新たな観察4例(図)

エサキモンキツノカメムシの羽化殻落とし&亀虫臭(2019.11.17)
※羽化殻落としをするが宙吊りになった羽化殻から離れる新成虫(図解)

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今季初フユシャク確認

今シーズン初のフユシャク(冬尺蛾)を確認
雪をかぶった富士山が見える狭山丘陵では、さほど落葉は進んでいない。葉をすっかり落とした木もあるが、まだ緑色の葉をつけたコナラやカエデもある。そんな中、今シーズンも初フユシャクを確認。今シーズン初のフユシャクはクロスジフユエダシャクだった。
今回の画像はないが……こんな蛾だということで昨年の画像から⬇。

01黒筋冬枝尺ペアA
02黒筋冬枝尺ベアB

今シーズン初のクロスジフユエダシャク:オス&メス&婚礼ダンス
昨日(11/29)、雑木林の縁で低く飛ぶクロスジフユエダシャクのオスを確認──これが今シーズン初のフユシャク(冬尺蛾)だった。とまりそうでとまらずに飛び続けるクロスジフユエダシャク♂──メスを探しているが見つからないときの飛び方だ。
おそらくオスはメスより早めに羽化しているのではないかと思うのだが、メスがいなければ飛ぶのを止めて待機状態に入る──まだ、とまっているオスが多いので(枯葉にまぎれて見つけにくいために)目にとまる個体が少ないのだろう。この日目にしたオスはこの1匹だけだった。
メスが現われれば飛翔するオスが目につくようになるはず──そう思って今日(11/30)、前日オスを確認した場所に行ってみると、10匹前後のオスが飛んでいた。そのうち数匹は比較的狭い範囲に集中しており、婚礼ダンス(はばたき歩行)をしているものもいる。メスが近くにいる──そう思って近づくと、低い植込みの枝にとまっているクロスジフユエダシャクのメスが目に入った。今シーズン初のフユシャク♀である。ふつうは落葉の葉の裏に隠れてオスを(フェロモンで)呼び寄せるのだが、まだ落葉が少ないせいもあってか、このメスはヒト(僕)の目にとまりやすい枝にとまっていた──そのおかげで、僕は婚礼ダンスでニオイをたぐって♀を探り当てるクロスジフユエダシャクのオスたちより早くメスを見つけることができた。ほどなく婚礼ダンスするオスの1匹がメスに到達し交尾が成立。今シーズン初の婚礼ダンス&ペアとなった。

この時期になると、期間限定のクロスジフユエダシャクの婚礼ダンスによるペアリングは見ておかないと……という気になるが、婚礼ダンスはいつでも簡単に見られるものでもない。オスは飛べども婚礼ダンスがなかなか始まらない……ということも少なくない。一方、たまたま通りかかった時に婚礼ダンスが始まることもある──昆虫観察は運任せのようなところがある。
それが、今シーズンは初フユシャク♀を確認したとたん、ほぼ待機時間0で初婚礼ダンスによるペア成立を観察できたというラッキーな出だしとなった。夏休みの宿題が初日に片付いてしまったみたいな感じ?


まるで別種なフユシャクの♂と♀〜冬尺蛾記事一覧

フユシャクの婚礼ダンス
クロスジフユエダシャクはなぜ隠れて交尾するのか
意外な翅の役割り!?クロスジフユエダシャク
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ムシヅカサシガメとハリサシガメ

養老孟司『虫の虫』特装版DVDの謎のカメムシ
01虫の虫DVD特装版
養老孟司・著『虫の虫』DVD付き特装版(廣済堂出版・刊)という本を買った。DVDなしバージョンもあるのだが、映像が見たかったので特装版の方。発行は2015年で、本の存在自体は以前から本屋の棚で見知っていたのだが、最近この本の特装版DVDのダイジェスト版をYouTubeで見つけ、にわかに興味が湧いてきた。というのも、このダイジェスト動画に気になる昆虫が出てきたからだ。

1分35秒頃に出てくるアリの死骸を背中に盛った捕食性カメムシが、僕の興味の対象・ハリサシガメの幼虫によく似ている。僕が知っている日本のハリサシガメは地上性で、アリの死骸だけでなくアリの捨てたゴミ(?)と思われるものや土粒を身にまとっている。しかし「ハリサシガメ」で画像検索すると、外国産のサシガメで葉や茎などにとまっている良く似た虫もヒットし、外国には樹上性のハリサシガメ(の仲間?)がいるのかと気になっていた。
それと良く似た虫が「養老先生が行くラオス昆虫採集記」ダイジェスト版にはチラッと映っていたので、がぜん興味を覚えた次第。
また、この「養老先生が行くラオス昆虫採集記」では虫屋さんの生態(?)も見られるようなので、そのことにも興味を持った。僕はテレビを離脱する前、昆虫に関する番組はよく見ていたが、虫にスポットをあてた番組はあったものの、虫屋の活動自体を記録した映像は意外に少なかった気がする。僕は虫屋ではないが、昆虫同様(?)謎めいた虫屋の生態には興味があった。そんなわけで、養老氏らの虫屋っぷりも見たくて『虫の虫』DVD付き特装版を購入した次第。


ラオスのムシヅカサシガメ!?
まず付属のDVD「養老先生が行くラオス昆虫採集記」(74分)から鑑賞。お目当てだったアリをデコったハリサシガメ幼虫風の昆虫は、4:20〜6:35にかけて紹介されていた。同行者の池田晴彦氏は「見たこと無いよ、こんなの」といい、養老氏も「すげ〜ヘンなの」と見つめていた。
04ラオス虫塚刺亀DVD
YouTubeのダイジェスト版では名前が示されていなかったが、DVD本編では「ムシヅカサシガメ(幼虫)」というスーパーが付けられていた。養老氏はナレーションで、名前が無いのでムシヅカサシガメとつけた──というようなことを言っていた。『虫の虫』(書籍)の方でも【ラオスのサシガメ】として「ムシヅカサシガメ(幼虫)」と紹介されている(P.3)。
ちなみに、日本のハリサシガメ幼虫はこんな姿↓。

02ハリサシガメ幼虫F1
03ハリサシガメ幼虫F2
特装版DVDでは見つけたムシヅカサシガメを飼育し羽化させた成虫とその羽化殻の映像も収録されていた。幼虫はハリサシガメより敏捷で、成虫のカラーリングも違うものの、ハリサシガメとよく似た印象を受けた。成虫は黒い体に白い双紋、小楯板の棘状突起と腿節が赤というきれいなサシガメだった。
「ムシヅカサシガメ」という初めて知った名前(仮名?)を足がかりに、何か新しい情報が得られないかと検索してみたのだが……何もヒットせず……。
「ハリサシガメ」でヒットする「ムシヅカサシガメ」と思われる画像をたどって、こんなブログ記事をみつけた↓。

タイで昆虫採集>背中にお荷物を背負ったサシガメ

ラオスの隣国タイで撮影されたサシガメのようだが、養老氏のいう「ムシヅカサシガメ」と同じ種類のように見える。草木上で暮らしているからだろう──地上性のハリサシガメ幼虫のような土粒はつけておらず、そのぶん(?)デコったアリの密度が高く感じられる。
DVD「養老先生が行くラオス昆虫採集記」を見た後に『虫の虫』本編(書籍)を読んだのだが、巻末に、付録DVDと書籍にでてくる昆虫の学名一覧があった。そこでムシヅカサシガメをみると斜体で「Inara alboguttata」とあった。学名で検索すると欧文のサイトがゾロゾロとヒットしたのであった。


「養老先生が行くラオス昆虫採集記」の感想
特装版DVDに話を戻すと……新種のクチブトゾウムシやカミキリを含め、色々珍しい昆虫が紹介されており、幻のチョウと呼ばれるテングアゲハの生態映像も貴重なものらしい。僕にとっては、ラオスの自然もさることながら、養老氏はじめとする虫屋仲間たちの楽しげ&真剣な虫屋っぷりもみどころだった。
夜の灯火採集(ライトトラップ)では、シーツに集まる昆虫よりも、耳につめものをし(虫の潜入を防ぐため?)、吸虫管をくわえて真剣にまなざしでシーツを睨みつける虫屋さんたちの方が見応えがあった。地球の生き物を調査に来た宇宙人がいたら、灯火に集まる虫の標本の隣にその虫に集まっていた虫屋さんたちの標本を並べたくなるに違いない。
DVDの最後には特典映像として、ラオスで採集した昆虫がどのように標本になるのかを紹介した「養老先生流 標本の作り方」(9分弱)が収録されている。標本作りをしない僕には、この行程の映像も興味深かった。昆虫関連の番組の中で虫屋がネットを振る(虫を採る)映像は時々見ることがあったが、標本づくりの映像はほとんど見たことがなかった気がする。


『虫の虫』の感想
本の方は「虫採りエッセイ集」ということになっていて、「虫を見る」と「ラオスで虫採り」の2つの章で構成されている。
前半の「虫を見る」では昆虫について虫屋がどんな見方をしているかについて記されているのだが、これは編集者から提案されたテーマで書かされた(?)ものらしい。じゃっかん抽象的で、DVDを観たあとに読むと、いささか面白味が薄い……。おそらく編集者から出された課題に対し、養老氏が普段感じたり考えたりしている雑多なコトの中から対応する内容を引っ張り出し、その方向で書いていけば何とかなる(まとめられる)と見当をつけて書き始めてみたものの……あまり話が広がらなかった……みたいな感じだったのではないか? 個人的には共感できる部分もあったが、「あたりまえのことを書くのに、いささか手間取った感じ」がしないでもない。虫屋でない僕には感覚的によくわからないところもあった。僕の個人的な好みは別にして……前半のエッセイは著者自身がノッて書いた文章ではなかったろうことが感じられる。
ところがしかし! 後半の「ラオスで虫採り」になると、がぜん文章が活き活きとしてくる。ノッて書いているのが伝わってくる。前半の抽象的なテーマから、体験的・具体的テーマになったこともあって、読者にも分かりやすいし、執筆している側も書きたいことがどんどん湧いてくる状態だったのだろう──その意欲が感じられる。しかし「活き活き」の最大の理由は「虫採り」に付随するエッセイだったからだろう。アシナガバチに刺されてアナフィラキシーを体験したというおそろしい話もあったが、虫屋っぷりが発揮されるエピソードでは何度か笑ってしまった。そんなエピソードをまとめた「実録・虫屋武勇伝」でも書いたら、かなり面白いのではあるまいか。


虫屋・養老孟司
僕が養老孟司という人を知ったのは確かNHKのテレビ番組だった。オーストラリアの昆虫を紹介するシーンで灯火にやってきたニジイロクワガタ(こんな虫がいることもその番組で初めて知った)などについて語っていたのが養老氏で、その姿が印象的だった。このときは昆虫学者だとばかり思っていて、本業が解剖学で脳の権威だと知ったのはしばらく後だった。NHKの『驚異の小宇宙 人体II 脳と心』では解説役で登場していたが、「こっちが本職のはずなのに、以前見た時より、なんだかテンションが低いな……」と感じながら観ていたのを覚えている。最初は体調でも悪いのだろうかなどと訝ったが、毎回なのでそうではないらしい。他にも脳に関する科学番組に解説者として出演している番組を見たことがあったが、やっぱりテンションは低め。これが養老孟司氏の普段のテンションなのだろうと思うようになった。
それが、「養老先生が行くラオス昆虫採集記」ではなんと活き活きしていたことか! 僕が初めて養老氏を見た時の「(昆虫を語る)あのテンション」だった。本業の仕事をしている時より、虫と向かっている時の方がテンションが高い──仕事的には脳の権威なのだろうが、本質的には根っからの虫屋なのであろう。
《水を得た魚》ならぬ《虫を得た養老孟司》──『虫の虫』DVD付き特装版はそれを実感させる映像&エッセイ集だった。


ハリサシガメぷちまとめ2
ハリサシガメ記事一覧


実録マンガ『虫屋な人々』
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