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ヤスマツトビナナフシとニホントビナナフシ

ニホントビナナフシ:ヤスマツトビナナフシ

狭山丘陵でこれまでに僕が確認したトビナナフシはニホントビナナフシとヤスマツトビナナフシの2種類。ニホントビナナフシが多い。ニホントビナナフシの方は(本州の個体は)単為生殖といわれているのに両性生殖を確認したり、(体色が緑色とされているメスで)黄色い個体に遭遇したり、オスとメスのパーツが混在する雌雄モザイク個体を見つけたりして、これまでに何度もブログネタにしている(*)が、ヤスマツトビナナフシについては少し前に柔らかいネタで1度取り上げただけ──あまり注目することがなかった。
思えば意外に出会う機会が少なかったヤスマツトビナナフシ成虫♀(単為生殖をし♂は確認されていない)を先日また見かけたので、ニホントビナナフシ成虫♀との違いなどを比べてみることにした。
見慣れたニホントビナナフシに比べるとヤスマツトビナナフシは若干小さめな感じもするが、両種はよく似ている。一見してわかりやすい識別点は【眼の後ろから体の側面を縦に走る筋状の模様】の有無だろう。あればニホントビナナフシ。ヤスマツトビナナフシには無い。【前翅の配色】にも違いがあって、ニホントビナナフシでは赤褐色の部分がある(同じ部分がヤスマツトビナナフシでは緑色)。また、腹端にある【尾毛(びもう)】と呼ばれる1対の突起が、ヤスマツトビナナフシでは長く飛び出しているように見える。
画像で比較すると違いがわかりやすい──↓。






というニホントビナナフシ↑に対して、ヤスマツトビナナフシでは↓。






ヤスマツトビナナフシの大きな瞳!?

こうした相違点とは別に、パッと見の印象で違うと感じたのは眼だ。トビナナフシの複眼にはカマキリで見られるような偽瞳孔(カメラ目線で写る複眼の中の黒い点)があって、つねに見つめ返しているようにうつる。この偽瞳孔は背面から撮ると上を向いた寄り眼がちの黒点になるのだが……ヤスマツトビナナフシでは、この黒い部分がやけに大きく、「パッチリした目」に見える!?


ヤスマツトビナナフシの背面ショットを見て「ずいぶん大きな偽瞳孔(擬瞳孔)だな……」と最初は驚いたが……じつは、これは偽瞳孔(擬瞳孔)ではなく、複眼の模様だった。
そんな眼の比較ということで、まずは見慣れたニホントビナナフシから──↓、


ニホントビナナフシと頭部の造型はほとんど変わらないのにヤスマツトビナナフシでは黒目模様(?)があることで、ずいぶんと表情(?)の印象が違って見える↓。


ヤスマツトビナナフシの背面ショットで黒目にみえたのは複眼の模様で、角度を変えると偽瞳孔(擬瞳孔)は別にあるのがわかる。(ヒトでは)「黒目を大きく見せるカラーコンタクトレンズ」なんてものがあるらしいが……なるほど、黒目が大きいと印象も変わるものだ。しかし、ヤスマツトビナナフシがヒトの好感度を上げるために「黒目を大きく見せる」ことをしているとは思えないから、複眼の模様には何か別の意味があるのかもしれない。
ニホントビナナフシも複眼に筋状の模様が入っている。眼を隠蔽する分断模様にしては……むしろ黒っぽい模様は目立つ気がしないでもない。あるいはハレーションを防ぐような役割りでも果たしているのだろうか?


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トビナナフシの偽瞳孔ほか

セミの終鳴日

10月も終わるので、今年のセミの終鳴日や10月下旬に見た昆虫を少し……。
今年は10月中旬まで鳴いていたセミも下旬に入ってからは確認していない。僕にとっての2015年版セミの終鳴日(鳥や昆虫がその季節に最後に鳴いたのが確認された日)は、アブラゼミが2015.10.18(東村山市)/ツクツクボウシが2015.10.14(所沢市)だった。
ちなみに昨年は10月27日までアブラゼミが鳴いていた(*)。2012年には10月29日にツクツクボウシを撮影している。夏の風物詩的なイメージがあるセミだが、活動している時期は意外に長い。
季節が変わって、秋の風物詩と言えばケバエ幼虫集団(*)──知らない人も多いがインパクト絶大という点でコレを真っ先に思い浮かべる人も少なくないのではあるまいか。今シーズン初めてケバエ幼虫集団を確認したのは10月19日だった(去年は10月01日/一昨年は10月10日)。11月に入れば遭遇する機会も増えてくるだろう。

ニホントビナナフシの偽瞳孔



ニホントビナナフシは晩秋から冬にかけて擬木の上でよくみられるようになる。落葉とともに落ちてきた個体が擬木に登るので目にする機会が増えるのだろう。この時期は成虫が多く、狭山丘陵で見られるほとんどはメス──本州では単為生殖を行うとされている(屋久島以南では両性生殖)。しかし稀にオスが出現することもある。12月に交尾を確認し驚いたこともあった(*)。また、雌雄モザイクや黄色い成虫♀を見たときも驚いた(*)。去年の晩秋は予想していたよりも発生が少なかったが、今年はどうであろうか……。
ピーク時に比べればまだ少ないが、擬木上のニホントビナナフシ成虫♀↓。


この昆虫は撮影すると「カメラ目線」で写る。複眼の中にうつる黒い点(偽瞳孔あるいは擬瞳孔と呼ばれる)がカメラに向けられているように見えるからだ。


しかし、じっさいには偽瞳孔は瞳孔のような器官ではなく、カメラ(や観察者)に「向けられている」わけではない。複眼は個眼と呼ばれる小さな目が集まってドーム状になっているわけだが、個眼の奥──深い部分までのぞける角度で黒く見える。おおむね複眼ドーム面に対して直角の方向から見た部分が黒くうつり、それは見る角度によって変わるので、「黒目(偽瞳孔)が追ってくる」ように見えることになる。死んだ個体でも見る角度を変えれば「黒目が追ってくる」ように見えるし(*)、同時に別方向から撮影しても、それぞれのカメラに偽瞳孔が「カメラ目線」で写ることになる。
ニホントビナナフシの顔のアップを撮るため近づいたらジャンプして路面に落ちた。踏まれてはかわいそうなので、近くの枝に移動しておいた↓。


10月下旬の昆虫から



ヒメヤママユ(蛾)の成虫も、この時期になると見かけるようになる。これは♀だった。
晩秋の蛾では、成虫で越冬するキバラモクメキリガも出ていた。


大写しにするとそうでもないが……実際にはパッと見、朽ちて折れた枝片に見える。翅を棒のように円筒形に巻くあたりも大したものだが、「折れ目」に見える部分のデザインがみごと。
チョウではオオムラサキの幼虫が、欄干を徘徊していたので、エノキに戻しておいた↓


オオムラサキ幼虫はこのあと木をおりて枯葉の下で越冬する。そのときは緑色では目立つので(?)枯葉色になっている。成虫になるのは6~7月頃。ここ何年かで外来種のアカボシゴマダラが増えたが、オオムラサキもとりあえず健在。
チョウでも、こちらは蛹(さなぎ)で越冬するジャコウアゲハ↓。


この風変わりな蛹は別名「お菊虫」──怪談『皿屋敷』の「お菊」に由来するとか。
この蛹のあった場所では一時期、同じ食草(ウマノスズクサ)を餌とする外来種のホソオチョウが発生して、ジャコウアゲハとの競合が懸念されたが、ここでは、その後ホソオチョウは姿を消し、ジャコウアゲハが以前と同じように残っている。
外来種で定着した昆虫は少なくないが、比較的最近の種類ではマツヘリカメムシがいる。


日本では2008年に確認されている(Wikipedia情報)というマツヘリカメムシ。やはり比較的新参者のキマダラカメムシが市街地に多いのに対し、マツヘリカメムシは市街地でも丘陵でも見かける普通種になっている。
擬木や欄干ではカメムシも色々みられるのだが、大型でキレイなアオクチブトカメムシは、やはりカメラを向けたくなる……。


……が、やっぱり光沢感がうまく出ない……。欄干にいたこの個体↑はこのあと飛び去った。
擬木ではゾウムシの仲間もみられるが、小さくて撮りづらいものや動いていて撮りづらいものはスルーしがち。たまたま静止していたので撮ってみたシギゾウムシの仲間↓。


シギゾウムシ↑に比べるとだいぶごついオジロアシナガゾウムシ↓


オジロアシナガゾウムシは春~夏にはクズでよくみかけた。
前々回に紹介した(*)ウシカメムシ幼虫がまたいたので(前々回とは別個体)↓。


ウシカメムシ幼虫は遠目には、カラスハエトリ(ハエトリグモ科)のオスっぽく見える。


コノハムシの偽瞳孔

いつもこっちを見てる!?

コノハムシの眼には瞳のような黒い点があって、いつも「こっちを見ている」ように見えてしまう。それが「表情」を感じさせ、なんとなく親近感を抱かせる──コノハムシの魅力の1つになってるような気がしないでもない。
この瞳のような黒い点は【偽瞳孔(ぎどうこう/擬瞳孔)】と呼ばれるもので、カマキリやバッタ等でも見ることができる。
見る位置を変えると、偽瞳孔も追ってくるように位置を変える。
もちろんコノハムシの眼は小さな眼が集まった複眼であり、実際に「瞳」のような器官があってそれが動いているわけではない。


死んでも眼は追ってくる!?

その証拠にすでに死んでいるコノハムシの眼をのぞきこんでも黒目のような偽瞳孔は「こっちを見ている」ように追尾してくる。


偽瞳孔とは?



 
コノハムシ~卵から成虫まで~ ※タイ産コノハムシ まとめ編
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